安城市がこの補助金に用意した上限は、10億円。破格の規模です。 なぜここまで大きいのか。対象になる投資が、数億円単位の工場建設だからです。

安城市企業投資促進事業補助金には、2つの道があります。 新しく先端技術で進出する企業向けと、長く地元に根を張ってきた老舗企業向けです。 どちらに当てはまるかで、必要な投資額も雇用要件も変わります。

この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
申請者事業者(法人・個人事業主)
制度名安城市企業投資促進事業補助金
対象業種先端産業(航空宇宙・環境新エネルギー・健康長寿等)、または業種指定なし(老舗企業型)
利用目的工場の新設・増設、機械設備の導入にかかる固定資産取得費用の補助
対象地域愛知県安城市
従業員数新規常用雇用者5人以上(先端産業型)/常用雇用者25人以上を交付期間中維持(老舗企業型)
補助上限額10億円
補助率10%以内(既設工場への機械設置のみの場合は5%以内)
申請受付随時受付(着手の30日前までに認定申請書を提出)
公式サイトhttps://www.city.anjo.aichi.jp/zigyo/syoko/sinaiti2.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

「先端産業型」と「老舗企業型」、2つの道はここが違う

同じ補助金に見えて、実は要件がまったく別の2区分に分かれています。

区分対象業種投資規模雇用要件立地要件
21世紀高度先端産業立地補助金航空宇宙・環境新エネルギー・健康長寿等の先端産業2億円以上新規常用雇用者5人以上立地年数の指定なし(新規進出も対象)
新あいち創造産業立地補助金(Aタイプ)業種指定なし1億円以上常用雇用者25人以上を交付期間中維持愛知県内に20年以上、市内に概ね10年以上立地
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新設側の投資規模が2億円で済むのは、市外から呼び込む条件をあえて緩めているためです。 一方、老舗企業側は雇用25人の維持を課しています。 単発の投資で終わらせず、雇用を保てる企業かどうかを見る設計です。

自社が新規進出組なら投資額の基準、老舗企業組なら雇用維持の見込みを、まず確認してください。この見極めを間違えると、そもそも要件を満たす区分がありません。

補助率10%の中身。既設工場の機械だけだと半分になる

補助率は、原則として補助対象経費の10%以内です。 ただし、既設工場への機械設置のみの投資は5%以内に下がります。

例えば、3億円の投資が次のどちらかだった場合、補助額は変わります。

  • 工場を新設・増設する投資:補助額は最大3,000万円(10%)
  • 既存工場に機械だけを追加する投資:補助額は最大1,500万円(5%)

同じ3億円でも、工場を新設・増設するかどうかで補助額が2倍違います。対象経費には消費税と土地代を含めません。

「着手」の定義に要注意。着手30日前までに申請

認定申請は、事業に着手する30日前までに提出する必要があります。

着手日の定義は、次のとおりです。

  • 工場等の建設:鍬入れ・起工式の日
  • 機械設備の導入:発注日

発注してからでは間に合いません。見積もりを取って「よし発注しよう」となったその日が、着手日になります。認定申請は、その30日前が締切です。

さらに、認定申請日から3年以内に工場等の操業を開始する必要があります。用地取得や建設に時間がかかる大型投資ほど、逆算したスケジュール管理が欠かせません。

愛知県の補助金との二階建て構造

この制度は単独では存在しません。 愛知県の「21世紀高度先端産業立地補助金」「新あいち創造産業立地補助金」と対をなす、市の上乗せ制度です。

県の認定要件を満たすことが、市の補助を受ける前提になります。市の窓口だけでなく、県の制度の要件も同時に確認する必要があります。

契約・着工の前に、事前相談や認定申請を済ませておく必要がある立地補助金は、他の自治体にも共通します。このタイミングを見誤ると、それだけで対象外になります。自治体の立地補助金に共通するこの手順は、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで整理しています。

交付後5年は、処分・休廃止・転貸に注意

事業開始後に交付の条件を満たさなくなった場合、5年以内に事業を休止・廃止したり、取得した固定資産を無断で処分・転貸したりすると、補助金の返還を求められます

大型の設備投資ほど、交付後の運用期間も長く見ておく必要があります。

よくある質問

中小企業でなくても対象になりますか?

対象になります。中堅・中小企業と大企業の両方に対応した区分があります。ただし、いずれの区分も投資規模2億円以上または1億円以上が前提です。

個人事業主でも申請できますか?

制度上は事業者であれば申請の対象に含まれます。ただし、投資規模が1億円〜2億円以上と大きいため、実務上は法人による申請が中心になります。

補助金を受け取ったあと、すぐに設備を売却してもいいですか?

原則としてできません。交付後5年以内の休止・廃止・無断での処分・転貸は、補助金の返還対象になります。設備の保有・稼働を続ける前提で検討してください。


免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず安城市の公式ページおよび安城市産業部商工課で最新の内容をご確認ください。

出典: