工場の増設の見積を取ったら、5,000万円を超えた。そこで一関市の補助金を調べる事業者に先に伝えたいのは、市の認定を受ける手続きが、工事より前にあることです。
対象は市内の中小企業で、製造業のほかソフトウェア業なども入ります。補助額は対象経費の5%、上限は2,000万円。認定申請の期限は、事業に着手する30日前までです。
地域企業経営強化支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:地域企業経営強化支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 製造業、ソフトウェア業、情報処理サービス業ほか
- 利用目的
- 市内の工場等の増設
- 対象地域
- 岩手県一関市
- 従業員数
- 製造業等は資本金3億円か300人以下、情報系は5,000万円か100人以下
いくら
- 補助上限額
- 2,000万円(操業支援企業への補助を含む)
- 補助率
- 対象経費の5%(予算の範囲内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 受付期間の記載なし(着手30日前までに認定申請)
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
増設の規模は、製造業が5,000万円以上、製造業以外は1,000万円以上です。
公式ページには、令和6年度からの拡充として、過疎地域の課税免除を受ける「大企業」にふれた一文もあります。ただし文が途中で終わっていて、大企業が対象に入るのかは読み取れません。大企業の方は、商工振興課に確かめてください。
中小企業の線引きは業種で変わります。製造業、デザイン業、機械設計業、エンジニアリング業は、資本金3億円以下または従業員300人以下の企業と個人事業者です。ソフトウェア業、情報処理サービス業、情報提供サービス業、自然科学研究所は、資本金5,000万円以下または従業員100人以下の企業です。資本金と従業員数は、どちらか一方を満たせば足ります。どちらも、親会社等も中小企業であることが条件に書かれています。
増設した工場に貸し付けるため固定資産を取得する企業(操業支援企業)も対象です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 市税に滞納がある
- ✕ 新規雇用が3人に届かない
- ✕ 対象の業種に入らない
いくら戻ってくる?
増設にかかった対象経費の5%です。千円未満は切り捨てです。
- 製造業が工場を5,000万円で増設する:5,000万円 × 5% = 250万円
- 情報処理サービス業が事務所を1,000万円で増設する:1,000万円 × 5% = 50万円
- 製造業が工場を4億円で増設する:4億円 × 5% = 2,000万円(上限ちょうど)
- 製造業が工場を6億円で増設する:6億円 × 5% = 3,000万円 → 上限の2,000万円
上限の2,000万円に届くのは、対象経費が4億円以上のときです。操業支援企業への補助も、この2,000万円の枠に含まれます。
予算の範囲内で出る補助なので、申請が多い年は5%を下回ることがあります。
何に使える?
対象にならないもの
- 耐用年数が1年未満の資産
- 法人税等の規定で、一時に損金に算入されるもの
- 公租公課(不動産取得税、保険料など)
- 賃借料(設備貸与、リース取引を含む)
- 関連会社から購入したもの
対象になるもの
- 工場等の増設に要した経費
リースで機械をそろえる計画は、補助の対象外です。関連会社から買う設備も外れるため、見積を取る段階で、買う先が関連会社に当たらないかを見ておくと整理しやすくなります。
申請の流れは?いつまでに動く?
- 商工振興課に事前協議をする(事業者→一関市 商工振興課。申請書類を窓口で受け取る前に)
- 認定申請書を出す(事業者→一関市。事業に着手する30日前まで)
- 市の認定を受けて、増設を進める(一関市→事業者)
- 増設を終え、新規雇用3人以上を満たす(事業者)
- 補助金の交付を受ける(一関市→事業者)
交付を受ける手続きの細かい流れは、公式ページに記載がありませんでした。認定の段階で、窓口に確かめておくという手があります。
必要な書類
準備できた 0 / 1
認定申請書は窓口で配付され、事前協議が必要です。そのほかの添付書類は公式ページに記載がないため、事前協議で教えてもらう形になります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 着手の30日前を過ぎた:認定申請書は、事業に着手する30日前までに出します。工事を先に始めると、期限に間に合いません。
- 増設の規模が足りない:製造業は5,000万円、製造業以外は1,000万円に届かない計画は、要件を満たしません。
- 新規雇用が3人に届かない:新規雇用者は、期間の定めがなく、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の被保険者になった人が数えられます。
- 別の事業の認定中に申請した:認定を受けた日から補助金の交付を受ける日までの間は、新しい事業の認定を受けられません。
- 企業立地促進奨励事業と重なる:一関市企業立地促進奨励事業費補助金の対象になっている事業は、重ねて認定を受けられません。
受け取ったあとに残る手間
補助金を受けたら、5年間は建物・設備の台帳、領収書などの帳簿類を保管します。市から事業の成果について報告を求められることもあります。
よくある質問
個人事業主でも使えますか?
製造業、デザイン業、機械設計業、エンジニアリング業の個人事業者は、中小企業の定義に入っています。ただし対象は、市税に滞納がなく、市の認定を受けた計画で工場等を増設し、新規雇用を3人以上増やす事業です。ソフトウェア業などの定義には個人事業者の記載がないため、該当するかは商工振興課に確かめてください。
製造業以外でも対象になりますか?
対象者の業種には、製造業のほか、ソフトウェア業、情報処理サービス業、情報提供サービス業、自然科学研究所、デザイン業、機械設計業、エンジニアリング業が挙がっています。製造業以外は増設の規模が1,000万円以上で足ります。補助の対象となる事業の一覧には運送業や卸売業も出てきますが、対象者の業種との関係は窓口で確かめるのが安全です。
新規雇用者はどんな人を数えますか?
新たに採用された人のうち、雇用期間の定めがなく、健康保険法・厚生年金保険法・雇用保険法の被保険者になる人です。3人以上増えることが要件なので、有期契約の人は数えられません。採用の予定が3人に届くかどうかは、増設の計画を市に相談する段階で、雇用契約の形とあわせて見ておくと整理しやすくなります。
操業支援企業とは何ですか?
増設する工場等で操業しようとする企業に、有償または無償で貸すために、新たに固定資産を取得する企業のことです。たとえば不動産を持つ会社が、工場を建てて製造業の会社に貸すケースが当たります。補助は、操業支援企業への分を含めて、全体で2,000万円が上限です。借りて操業する側の補助との関係は、公式ページに記載がありません。
補助額はいくらになりますか?
対象経費の5%です。5,000万円の増設なら250万円、4億円の増設なら2,000万円になります。上限は2,000万円で、操業支援企業への補助を含みます。千円未満は切り捨てです。予算の範囲内で補助するため、申請の状況によっては、実際の補助率が5%を下回ることがあります。資金計画は、5%を満額と見込まずに立てておくと安全です。
申請の期限はいつですか?
認定申請書の提出期限は、事業に着手する30日前までです。募集期間は公式ページに書かれていません。着手が決まったら、30日前を数えて逆算し、事前協議に入ります。着工の日が決まってから動くと、期限に間に合わなくなるため、増設の計画が固まった時点で商工振興課に連絡しておく手があります。
対象外になる経費はありますか?
耐用年数が1年未満の資産、法人税等の規定で一時に損金に算入されるもの、公租公課(不動産取得税、保険料など)、賃借料(リース取引を含む)、関連会社から購入したものが対象外です。機械をリースでそろえる計画や、関連会社から設備を買う計画は、補助額の計算から外れます。見積の内訳で、対象外が混ざっていないか見ておきます。
令和6年度からの拡充は何ですか?
公式ページには、令和6年度からの拡充として、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に基づく課税免除を受ける場合の要件が載っています。ただし、その段落は途中までしか書かれておらず、大企業の扱いなどの条件を読み取れませんでした。該当しそうな場合は、商工振興課に電話で確かめてください。
ほかの補助金との重複はできますか?
公式ページに書かれているのは、一関市企業立地促進奨励事業費補助金の交付を受けている事業と重ねて認定を受けられない、という点です。また、認定を受けた日から補助金の交付を受ける日までは、新しい事業の認定も受けられません。国や県の別の制度との併用は記載がないため、組み合わせを考えるときは窓口で確認します。
補助金をもらったあとにやることはありますか?
補助金を受けた日から5年間、建物・設備などの台帳、領収書その他の帳簿類を保管します。事業の成果について、市から報告を求められることもあります。保管は、増設の費用を示す書類を、工事が終わったあとも捨てずに残しておく形になります。雇用の増加を示す書類もあわせて残すと、報告のときに探す手間が減ります。
問い合わせ先はどこですか?
一関市 商工観光部 商工振興課(電話 0191-21-8412)です。申請書類は窓口で配付され、事前協議が必要です。対象の業種に当たるか、新規雇用の数え方、着手の時期など、迷う点は事前協議で聞いておきます。平日は午前8時30分から午後5時15分まで開庁しています。
