外国人観光客が旅行中に急病になったり、災害に巻き込まれたりしたとき。その対応にかかる整備費用は補助金で賄えるのか——観光案内所や観光施設、医療機関、地方公共団体であれば対象になります。 観光地の店舗・事業所も対象に含まれます。
これは観光庁の「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」(令和7年度補正予算)です。訪日外国人旅行者が災害に遭うケースや、医療機関を受診するケースが増えていることを受け、非常時の受け入れ体制を整える取り組みを支援します。
補助率は原則2分の1以内。ただし災害時の観光危機管理強化に取り組む場合は、都道府県が申請するか、観光危機管理計画をすでに策定済みの市区町村が申請するときに限り、補助率3分の2以内・上限500万円まで引き上がります。この条件を満たさないまま2分の1超の見積もりで申請すると、差額は自己負担になります。
インバウンド安全・安心対策推進事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者・地方公共団体のどちらも(観光案内所・観光施設等の管理者、観光地の店舗・事業所運営者、医療機関の管理者、地方公共団体) |
| 制度名 | 地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業(令和7年度補正予算) |
| 対象業種 | 指定なし(観光関連施設・医療機関等が対象) |
| 利用目的 | 訪日外国人旅行者の災害時対応・医療機関受診対応の体制強化 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 災害時の観光危機管理強化は上限500万円(都道府県申請時、または観光危機管理計画策定済みの市区町村申請時に限る)。それ以外の申請区分の上限額は公式ページに記載なし(観光庁参事官〈外客受入〉または各地方運輸局へお問い合わせください) |
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内(災害時の観光危機管理強化を都道府県等が申請する場合は3分の2以内) |
| 申請受付 | 令和8年2月2日(月)〜令和8年9月25日(金)17時必着 |
| 公式サイト | 観光庁「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」公募ページ |
図: インバウンド安全・安心対策推進事業の全体像。詳しくは本文で解説します
対象になるのは誰か?【観光地の店舗・事業所も含む】
対象者は次の4種類です。
- 観光案内所・観光施設等を設置・管理する者
- 観光地における店舗・事業所等を運営する者
- 病院・診療所等を設置・管理する者
- 地方公共団体
「観光施設の運営会社しか使えない」と思われがちですが、観光地の店舗・事業所であれば一般の事業者も対象に入ります。逆に、観光地と関係のない場所で事業を営んでいる場合は対象になりません。自社の店舗・施設が「観光地における」ものと言えるかどうかが最初の分かれ目です。
何に使えるのか?【非常時の受け入れ体制の整備】
事業の目的は、訪日外国人旅行者が災害に遭った場合と、医療機関を受診する場合の、それぞれの対応力を強化することです。通常の設備投資や販路拡大の費用とは性質が異なります。
対象経費の具体的な品目は、観光庁が公開する交付要領・応募要領で定められています。「訪日客対応であれば何でも対象になる」わけではなく、非常時対応・医療対応に直結する取り組みに限られる点は押さえておく必要があります。申請前に、地方運輸局に自社の取り組みが対象に当てはまるか確認することをおすすめします。
よくある誤解【補助率が2分の1のままの申請が大半】
3分の2・上限500万円の枠は、「都道府県」または「観光危機管理計画をすでに策定済みの市区町村」が申請者になる場合限定です。観光危機管理計画を策定していない市区町村や、地方公共団体以外の事業者が申請する場合は、災害対応の取り組みであっても補助率は2分の1のままになります。
「災害対応の取り組みだから3分の2になるはず」という思い込みで見積もりを組むと、実際の交付額とズレが生じます。自社・自団体がどちらの補助率に該当するかは、申請前に必ず確認してください。
よくある質問
Q. 個人で経営する小さな土産物店でも申請できますか?
A. 観光地にある店舗・事業所であれば、規模を問わず対象に含まれます。ただし取り組み内容が非常時対応・医療対応に該当することが条件です。
Q. 一般の宿泊施設や飲食店も対象になりますか?
A. 観光地における店舗・事業所として対象に入ります。観光地と無関係な立地の場合は対象外です。
Q. 補助率3分の2・上限500万円の枠は誰でも使えますか?
A. いいえ。都道府県が申請する場合、または観光危機管理計画をすでに策定済みの市区町村が申請する場合に限られます。それ以外は補助率2分の1以内です。
