畦畔(田畑の区画を分ける土手)を取って、小さな田をつなげる工事にも補助は出るのか。出ます。令和8年度から、補助の対象に加わりました。ただし工事に着工したあとで申請しても、補助は受けられません。
印西市の小規模土地改良事業補助金は、農業者が自分で管理する農地の整備費用を、1/2以内で補助します。対象は暗渠排水・揚水施設や用排水施設・畦畔の除去の3種類で、工事ごとに上限が10万円から70万円まで分かれます。
小規模土地改良事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度小規模土地改良事業補助金
だれが
- 申請者
- 農業者(個人・法人)
- 対象業種
- 農業
- 利用目的
- 農地の整備(暗渠排水・揚水施設や用排水施設・畦畔の除去)
- 対象地域
- 千葉県印西市
- 従業員数
- 規定なし(農業を営む個人・法人)
いくら
- 補助上限額
- 70万円(共同施工の揚水・用排水施設)
- 補助率
- 対象事業費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 締切日の記載なし。予算がなくなり次第終了
自分は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
法人や団体は、住民登録の代わりに本店か主たる事業所が市内にあることが条件です。暴力団員等でないことも求められます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ すでに着工した工事
- ✕ 自分で管理しない施設
- ✕ 新設でない揚水施設
市の案内には、農地そのものが市内にあるかどうかの条件が書かれていません。市外にある農地で工事をする場合は、農政課に先に聞くのが確実です。
いくら補助される?
工事によって、補助額の決まり方が違います。暗渠排水と畦畔の除去は「1mあたりの単価」と「事業費の1/2」の低いほう、揚水施設と用排水施設は事業費の1/2以内です。
| 工事の種類 | 要件 | 上限 |
|---|---|---|
| 暗渠排水(業者に委託) | 特になし | 50万円 |
| 暗渠排水(自力施工) | 特になし | 25万円 |
| 揚水・用排水施設(単独施工) | 農地30a以上、事業費10万円以上 | 50万円 |
| 揚水・用排水施設(共同施工) | 農地50a以上、事業費10万円以上 | 70万円 |
| 畦畔の除去 | 隣り合う2筆以上、除去後の一区画が10a以上、除去する畦畔が20m以上 | 10万円 |
計算例です。事業費は対象になる経費だけを数えます。
- 暗渠排水を業者に頼む(300m、対象事業費80万円):1,000円 × 300m = 30万円と、80万円 × 1/2 = 40万円の低いほう → 30万円
- 暗渠排水を自力で行う(200m、資材費24万円):500円 × 200m = 10万円と、24万円 × 1/2 = 12万円の低いほう → 10万円
- 暗渠排水を業者に頼む(600m、対象事業費150万円):60万円と75万円の低いほうは60万円 → 上限の50万円
- 農地50aで揚水施設を共同で新設する(事業費160万円):160万円 × 1/2 = 80万円 → 上限の70万円
- 畦畔を除去して3筆30aを1枚にする(除去する長さ200m):25,000円 × 3 = 7.5万円と、400円 × 200m = 8万円の低いほう → 7.5万円(リーフレットの事例と同じ)
上限70万円に届くのは、50a以上の農地を共同で整備して、事業費が140万円以上になる揚水・用排水施設だけです。暗渠排水は最大50万円、畦畔の除去は最大10万円と考えてください。
何に使える?
対象にならないもの
- 処分費・諸経費(委託の暗渠排水、揚水・用排水施設)
- 処分費・燃料費(自力施工の暗渠排水)
- 着工済みの工事
- 境界杭の保全・復元(当事者間で対応)
対象になるもの
- 暗渠排水施設の整備(地中に管を埋めて、田畑の余分な水を抜く工事)
- 揚水施設の新設(用排水施設の整備に含まれる)
- 畦畔の除去(隣り合う農地の間の土手を取り、区画を広げる工事)
揚水施設は「新設に限る」と書かれています。すでにある施設の修理や入れ替えが含まれるかは、案内に記載がありません。
申請の流れ
- 農政課に事前に連絡する(農業者→農政課 振興係。工事予定の農地の地番と工事内容を整理して、早めに)
- 見積書を取る(農業者→工事業者。50万円未満は2社、50万円以上は3社。畦畔を自力で除去する場合は不要)
- 申請書類を出す(農業者→農政課。着工の前に。暗渠排水と畦畔の除去は原則9月1日以降)
- 工事をして、2月末頃までに終える(農業者または工事業者。施工中と施工後の写真を撮る)
- 実績報告書を出す(農業者→農政課。事業計画(実績)書、請求書・領収書の写し、工事写真を添える)
実績報告書の様式には、交付決定の通知の日付と番号を書く欄があります。申請のあとに市から交付決定の通知が出る流れです。着工を通知の前後どちらにしてよいかは案内にないため、農政課に確かめてください。
必要な書類
準備できた 0 / 10
事業計画(実績)書の添付書類の欄には、位置図・見積書の写し・現況写真のほか「工事内容図面」も挙がっています。リーフレットの一覧にはない書類なので、図面が要るかは申請前に農政課で聞いてください。完了時の工事写真には、施工の前に暗渠管などの部材を一か所に並べた写真も添えます。
同意書は、申請する人が土地の所有者でないときだけ要ります。通帳の写しは、金融機関名・支店名・口座名義・口座番号が分かるページです。畦畔を自力で除去する場合は、請求書・領収書は要りません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 着工してから申請した:申請の前に着工した工事は、補助の対象外です。見積だけ取るのは問題になりませんが、契約や発注の時期は農政課に聞いてからにしてください。
- 施工を現地で確認できなかった:市の職員が現地を確認します。施工中・施工後の写真が足りず、施工が確認できないと、補助金を交付できないことがあります。
- 予算がなくなった:予算には限りがあり、なくなり次第終了です。締切日の記載がないので、動くなら早いほうが安全です。
- 工事が2月末頃を過ぎる計画だった:整備が2月末頃までに終わる計画にするよう求められています。工期が長くなる工事は、申請の前に農政課へ相談してください。
勘違いしやすい3点
1. 上限70万円は、すべての工事に出る額ではありません。 暗渠排水は50万円か25万円、畦畔の除去は10万円までです。70万円は共同で整備する揚水・用排水施設の上限です。
2. 暗渠排水と畦畔の除去は、事業費の半分がそのまま出る制度ではありません。 1mあたりの単価で計算した額と、事業費の1/2を比べて、低いほうが補助額になります。長さが短い工事ほど、単価のほうで頭打ちになりやすいです。
3. 畦畔の除去は令和8年度から加わりました。 前の年度の案内には載っていなかった工事です。古いチラシや前年度の情報で判断せず、今年度のリーフレットを確かめてください。
編集部の判断としては、工事の種類によって上限も要件も違うため、見積を取る前に農政課へ連絡して、自分の工事がどの区分に入るかを聞いておくことを勧めます。
よくある質問
すでに工事を始めてしまった場合、補助は受けられますか?
受けられません。市の案内には、申請の前に着工済みの工事は補助の対象にならないと書かれています。工事の予定がある人は、計画の段階で農政課に相談するよう求められています。見積書を取っただけで契約も発注もしていない段階なら、まだ着工とは言えません。ただし、どこからが着工に当たるかの線引きは案内にないため、迷ったら発注の前に農政課へ電話で確認すると安全です。
畦畔の除去は、どんな工事なら対象になりますか?
隣り合う2筆以上の農地の間にある畦畔を除去する工事です。除去したあとの一区画が10a以上になること、除去する畦畔の長さが20m以上あることが要件になります。1aは100平方メートルなので、10aは1,000平方メートルです。補助額は10aあたり25,000円と1mあたり400円の低いほうで、上限は10万円です。自力でも業者への委託でも対象になります。
自分で施工する場合も補助されますか?
暗渠排水と畦畔の除去は、自力施工でも補助されます。暗渠排水の自力施工は、1mあたり500円と事業費の1/2の低いほうで、上限は25万円です。委託する場合の上限50万円より低く設定されています。自力施工では、処分費と燃料費が補助の対象外です。畦畔を自力で除去するときは、見積書と、完了時の請求書・領収書が要りません。ただし工事写真は必要です。
見積書は何社分そろえればよいですか?
事業費が50万円未満なら2社、50万円以上なら3社の見積書が要ります。畦畔を自力で除去する場合は見積書が要りません。見積は、申請の時点で必要な書類の一つです。業者の日程が詰まりやすい時期は、見積依頼から提出までに時間がかかるので、農政課への連絡と並行して早めに依頼しておくと間に合いやすくなります。
市外に住んでいる人が、印西市の農地で工事をする場合は対象ですか?
市の案内では、申請者の条件として「市の住民基本台帳に記録されている者」が挙げられています。法人や団体の場合は、本店または主たる事業所が市内にあることです。市外に住む人が市内の農地で工事をする場合の扱いは、案内に記載がありません。申請の前に農政課の振興係(電話 0476-33-4488)へ問い合わせて、対象になるかを確かめてください。
農地の所有者が自分でない場合は申請できますか?
申請できます。事業の施行について土地所有者の同意を得ていることが条件で、申請する人が地権者でない場合は、同意書を出します。同意書の様式は、市の農政課の窓口か市のホームページで手に入ります。借りている農地で暗渠排水などの工事をするときは、工事の内容を所有者に説明して、同意書をもらってから申請の準備を進めてください。
申請はいつからできますか?
市の案内に、受付の開始日と締切日は書かれていません。暗渠排水の整備と畦畔の除去は、原則として9月1日以降に申請するよう求められています。揚水施設や用排水施設の時期は、案内に記載がありません。事前の申し込みが必要なので、工事を考えているなら、受付の時期も含めて農政課に早めに連絡するのが確実です。予算がなくなり次第終了します。
工事はいつまでに終えればよいですか?
整備の完了が2月末頃までに見込まれるように計画してください、と市の案内に書かれています。完了後は実績報告書を出し、請求書・領収書の写しと工事写真を添えます。冬の間は天候や業者の予定で工期が延びやすいので、2月末までに終わるかどうかを、見積を取る段階で業者と話しておくと安心です。間に合わない見込みなら、申請の前に農政課に相談してください。
処分費や諸経費は補助の対象になりますか?
対象になりません。委託の暗渠排水、揚水施設・用排水施設の整備では、処分費と諸経費等が補助の対象外です。自力施工の暗渠排水では、処分費と燃料費が対象外になります。見積書に諸経費や処分費が含まれている場合、その分を除いた額が補助の計算の基になるため、自己負担は見積の半分より増えます。見積の内訳を、業者に分けて書いてもらうと計算しやすくなります。
揚水施設の修理や入れ替えは対象になりますか?
案内では、揚水施設の整備は「新設に限る」と書かれています。そのため、すでにある揚水施設の修理や入れ替えが対象になるかは、案内からは分かりません。新設以外の工事を考えている場合は、見積を取る前に農政課へ内容を伝えて、対象になるかを確かめてください。なお、暗渠排水と畦畔の除去には、新設に限るという記載はありません。
予算がなくなったら、その年は申請できませんか?
予算には限りがあり、なくなり次第終了と案内に書かれています。終了したあとの追加の受付や、翌年度の扱いは、案内に記載がありません。受付の期間が決まっていないぶん、予算の残りは外からは見えにくくなります。工事を予定しているなら、先に農政課に連絡して、今年度の枠が残っているかを聞いてから見積を取ると、無駄な手間を避けられます。
問い合わせ先はどこですか?
印西市役所 環境経済部 農政課 振興係です。電話は0476-33-4488、メールは nouseika@city.inzai.chiba.jp です。窓口の受付時間は、土日祝日と年末年始を除く午前9時から午後4時30分です。申請の書類は、市のホームページから様式を入手できます。対象になるか迷う工事や、着工のタイミングで迷うときは、書類を作り始める前に電話で聞いておくと、出し直しを防げます。
