能登6市町の商店街が、地震で傷んだアーケードや街路灯を直す費用の3/4を、石川県が補助します。上限はありません。ただし交付決定の前に発注した費用は、原則として対象外です。
申請するのは個店ではなく、商店街振興組合や事業協同組合などの組織です。第6次公募の交付申請は、令和9年1月15日(金)までです。
商店街災害復旧補助金の要点まとめ
正式名:令和6年能登半島地震にかかる商店街災害復旧事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(商店街等組織)
- 対象業種
- 商業(商店街振興組合・事業協同組合・任意団体等)
- 利用目的
- 設備投資(アーケード・共同施設等の災害復旧)
- 対象地域
- 能登6市町(七尾市・輪島市・珠洲市・志賀町・穴水町・能登町)
- 従業員数
- 規定なし(組織単位で申請)
いくら
- 補助上限額
- 上限なし
- 補助率
- 3/4
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年1月15日(第6次公募)
- 事業の完了
- 交付決定日〜2027年3月12日
- 公式サイト
- 石川県「商店街災害復旧事業補助金」
うちの商店街は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
「商店街等」には、商店街のほかに共同店舗・テナントビル・温泉街・飲食店街・問屋街・市場も入ります。いずれも、構成する店舗の多くが中小企業者であることが条件です。
「組織」は、商店街振興組合・事業協同組合などの法人か、規約で代表者が決まっている任意団体です。任意団体は、原則として結成から1年以上たっている必要があります。同じ役割の前身組織があれば、1年に満たなくても対象になります。
組織の中の青年部・女性部や、民間事業者は対象外です。商工会・商工会議所は、ほかに商店街の組織がない地域で、その役割を担っていると認められる場合などに限られます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個店や有志団体の施設の修理
- ✕ 能登6市町の外にある商店街
- ✕ 仮設(一時的な利用)の設置
いくら補助される?
対象経費の3/4が補助されます。上限も下限もありません。ただし消費税は原則、対象経費に入れません。
- 税抜1,000万円の街路灯の更新:1,000万円 × 3/4 = 750万円(自己負担250万円)
- 税抜1億2,000万円のアーケード改修:1億2,000万円 × 3/4 = 9,000万円
- 保険金500万円が出る施設で、復旧費が2,000万円:(2,000万円 − 500万円) × 3/4 = 1,125万円
復旧する施設に保険金が出る場合は、その分を引いた額が補助の対象です。免税事業者や簡易課税事業者などは、消費税を含めて計算できる例外が、経済産業省のQ&Aに書かれています。自分の組織が当てはまるかは、県に確かめてください。
要綱の趣旨には「予算の範囲内」とあります。上限なしでも、予算が尽きれば出ない可能性は残ります。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税等(原則)
- 仮設(一時的・暫定的な利用)の費用
- 間接経費(手数料・保険料・通信費・印紙代・雑費)
- 個店や、組織になっていない有志団体の施設の改修費
- 設計費(実施設計を除く)と測量試験費
- 補助金の申請書を作るための費用
対象になるもの
- アーケード・共同店舗・地域交流施設・街路灯の復旧費
- 防犯カメラ・路面舗装・駐車場・イベント広場の復旧費
- 来街の妨げになる障害物の撤去費
- 資材・工事費、設備の調達・移転設置費、取壊し・撤去費、整地・排土費
建て替えや全部撤去は、原則、罹災証明書などで全壊か大規模半壊と確認できる施設に限ります。半壊でも、建築士などが「改修では復旧できない」と評価すれば認められます。改修で足りるのに建て替えると、その経費は全額が対象外です(Q&Aより)。商店街組織の事務所は、原則として対象外です。
交付決定の前に着手した分は、原則として対象外です。ただし特殊な事情があれば、この限りではありません。県のページは「県までご相談ください」と案内しています。
交付決定の前に動いてしまったら
応急の復旧を先に済ませた場合、書類によって書き方が違います。
- 交付要綱:地震以降に交付決定の前に行った事業も、写真や書類で確認でき、適正と認められれば対象にできる
- 交付申請要領:交付決定の前に契約や発注をした費用は、原則として対象外。ただし特殊事情がある案件は、この限りではない
経済産業省のQ&Aは、復旧作業の遅れなどの特殊事情で、これまで申請できなかった案件を挙げています。写真や書類で確認でき、適正と認められれば対象です。公式に明記があるのはここまでで、どこまで認められるかは、個別の案件を見た県の判断になります。
着工済みの工事があるなら、新しい契約を結ぶ前に経営支援課へ相談してください。申請書類には、着手後の場合に出す書類(契約書の写し・支払資料・完了写真など)が別に決まっています。
申請の流れ
- 対象かどうかを県に相談する(組織→石川県 経営支援課。着工済みなら必ず)
- 見積書を2者以上から取り、書類をそろえる(組織→施工業者・市町・法務局。市町には支援表明書を頼む)
- 交付申請を出す(組織→経営支援課。令和9年1月15日まで)
- 審査を受け、交付決定の通知を待つ(石川県。書面審査で、必要なら現地調査。交付決定は随時)
- 交付決定の後に契約して工事をする(組織→施工業者。令和9年3月12日まで)
- 実績報告を出し、額の確定後に請求する(組織→経営支援課)
郵送は当日必着です。メールは、締切日の17時までに到着が確認できたものが有効です。メールで出したら、受信確認の電話を入れるよう求められています。
事業の完了期限は、交付決定の時期にかかわらず3月12日です。締切の近くに出すと、工事に使える期間は短くなります。
必要な書類
準備できた 0 / 16
地方公共団体からの支援表明書は必須で、出ていないと書類の不備になります。県の様式に、市町の担当課が書く形です。財政・人的・広報などの支援内容を書いてもらうため、早めに市町へ頼んでください。
見積書を「一式」で出すときは、積算数量計算書の写しも付けます。罹災証明書が取れないときは、被災を記録した詳細写真でも代えられます。設備を入れ替える場合は、修理できない根拠の資料も出します。甚大な被害で添付できない書類があるときは、その理由書を出します。被災前の状況を示す書類は、固定資産課税台帳や減価償却台帳などです。すべてをそろえる必要はなく、施設の規模・構造・所有・利用の状況が分かればかまいません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:交付決定の通知より前の契約や発注は、対象外になります。
- 事業期間内に払い終えなかった:支出は令和9年3月12日までに終えます。間に合わないと分かったら、すぐ県に相談します。
- 保険金を引かずに申請した:保険金が出る施設は、その額を引いた金額で申請します。
- 決定が取り消された:決まりに反したり、目的外に使ったりすると、取り消されて返還を命じられます。加算金が付く場合があります(年10.95%)。
- 補助でできた財産を勝手に売った:単価50万円以上の機械・器具などは、売却や担保にするのに県の承認が要ります。
似た名前の「にぎわい創出事業」との違い
県には「商店街にぎわい創出事業補助金」もあります。同じ地震関連ですが、お金の出し方が違います。
| 区分 | 災害復旧事業 | にぎわい創出事業 |
|---|---|---|
| 目的 | 施設の復旧 | にぎわいを生む取組 |
| 補助率 | 3/4 | 定額(10/10) |
| 上限 | なし | 1組織100万円(下限30万円) |
| 対象地域 | 能登6市町 | 県内の商店街等組織 |
復旧は施設を直す費用で、にぎわい創出は催しなどの取組費です。1組織100万円で足りる取組と、アーケードのように桁が違う復旧は、別の制度で考えます。にぎわい創出事業は、公募の回ごとに締切と申請回数の上限が違います。詳しくは県の案内ページを見てください。
よくある質問
個人商店が単独で申請できますか?
できません。申請できるのは商店街等の組織です。個店や、組織になっていない有志の団体の施設の改修費は、対象外と書かれています。自分の店の被害は別の支援策を探し、商店街の共同施設の被害は、組織として申請する形になります。まずは所属する商店街組織の事務局に、申請の予定があるかを確かめてください。
任意団体でも申請できますか?
申請できます。ただし規約などで代表者が決まっていて、財産の管理を適正にできることが条件です。原則として、結成から1年以上たっている必要もあります。未加入の個店が集まっただけの有志の集まりは、組織とは認められません。団体の規約と役員名簿がそろうかを、申請の前に確かめておくと安心です。
温泉街や共同店舗も「商店街等」に入りますか?
入ります。商店街のほかに、共同店舗・テナントビル、温泉街・飲食店街、問屋街・市場も含まれます。どの場合も、構成する店舗の多くが中小企業者であることが条件です。市場や問屋街は、不特定多数の一般消費者を相手に事業をしていることも求められます。判断に迷うときは、経営支援課に相談してください。
本当に上限はないのですか?
交付申請要領には、上限額も下限額も「なし」と書かれています。補助率は対象経費の3/4以内です。ただし交付要綱の趣旨には「予算の範囲内において」とあります。事業費が大きいほど自己負担も大きくなるため、4分の1の資金をどう用意するか、後払いの時期とあわせて計画しておく必要があります。
消費税は補助されますか?
原則として補助対象外です。交付申請の段階で、消費税と地方消費税を除いた額で補助金額を計算します。免税事業者や簡易課税事業者などは、含めて計算できる例外がQ&Aにあるため、当てはまるかは県に確かめてください。税込の見積書をそのまま使うと、申請額が大きくなりすぎます。また、完了後に消費税の仕入控除税額が確定したときは、県への報告と、場合により返還が必要です。見積書は税抜の額を分けて書いてもらってください。
補助金はいつ支払われますか?
原則として事業が終わった後の精算払いです。完了から30日たった日か3月12日の、早い方までに実績報告書を出します。県が額を確定し、請求書を出してから支払われます。特に必要と認められる場合だけ、途中で概算払いになることがあります。工事の代金を先に払う資金は、組織で用意する前提です。
応急復旧で先に着手した工事は対象になりますか?
原則は対象外です。ただし要綱には、地震以降に交付決定前に行った事業も、写真や書類で確認でき、適正と認められれば対象にできると書かれています。県のページも、特殊事情のある案件は相談を求めています。認められるかは案件ごとの判断です。着手時の見積書や契約書、完了写真を残しておき、早めに相談してください。
罹災証明書が取れない場合はどうしますか?
原則は罹災証明書(被災証明書)を出します。取るのが難しいときは、被災を記録した詳細写真などで代えられます。設備を入れ替える場合は、修理できないことの根拠資料も要ります。ほかにも、甚大な被害で出せない書類があれば、出せない理由書を添える決まりです。何で代えられるかは、事前に県へ確認してください。
申請はメールでもできますか?
できます。ただし締切日の17時までに到着が確認できたものだけが有効です。送信後は、石川県商工労働部経営支援課に受信確認の電話をするよう求められています。郵送の場合は当日必着です。紙の資料はPDFにし、書類ごとに通しのページ番号を下部中央につけます。締切の直前は避け、余裕をもって出してください。
能登6市町の外の商店街は使えますか?
この補助金は使えません。対象は、七尾市・輪島市・珠洲市・志賀町・穴水町・能登町にある商店街等組織です。能登6市町の外でも、にぎわい創出事業補助金は県内の商店街等組織が対象になっています。ただし目的が施設の復旧ではなく取組の支援なので、使い道の確認が必要です。
補助金で直した設備を後で売れますか?
単価50万円以上の機械・器具などは、県が定める期間内に売却・貸付・担保の設定をするとき、県の事前承認が要ります。承認されても、売った収入の一部または全部を、県を通じて国に納めることになる場合があります。抵当権を付けるときも事前の承認が要り、根抵当権は原則認められません。将来の資金計画に関わるので、導入前に確認してください。
問い合わせ先はどこですか?
石川県商工労働部経営支援課です(電話 076-225-1521)。申請書類の提出先でもあります。中小企業庁の商業課や、中部経済産業局の商業振興室でも問い合わせを受け付けています。対象の判断や書類の書き方で迷ったときは、申請の前に電話で確かめておくと、出し直しを防げます。
