災害支援枠は、能登半島地震で被害を受けたら誰でも出せるのか。出せません。第10次公募は、能登3市3町で事業用資産が壊れ、特別な事由により第9次公募までに補助事業を行えなかった事業者に限られます。
しかも災害支援枠は第10次で終わりで、受付は2026年10月16日(金)までです。商工会・商工会議所に出す支援機関確認書(様式3)の依頼は10月9日で締め切られています。
持続化補助金・災害支援枠(第10次)の要点まとめ
正式名:小規模事業者持続化補助金 一般型 災害支援枠(令和6年能登半島地震等)第10次公募
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種不問(小規模事業者であること)
- 利用目的
- 被災からの事業再建(機械・広報・店舗改装など)
- 対象地域
- 石川県の能登3市3町(珠洲・輪島・能登・穴水・七尾・志賀)
- 従業員数
- 商業・サービス業5人以下、宿泊・娯楽業と製造業その他20人以下
いくら
- 補助上限額
- 200万円(事業用資産が壊れた直接被害の事業者)
- 補助率
- 対象経費の2/3以内(定額の要件を満たせば全額、上限200万円まで)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月16日まで(7月27日開始。郵送は消印有効、電子は17時)
- 事業の完了
- 2028年10月31日まで(支払いまで含む)
うちの事業は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
小規模事業者の基準は、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で常時使用する従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他で20人以下です。会社役員や個人事業主本人、同居の親族は人数に数えません。法人は、資本金5億円以上の法人に100%の株式を持たれている場合と、直近3年の課税所得の年平均が15億円を超える場合も対象外です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 在庫や棚卸資産だけが被害を受けた
- ✕ 取引先の被災による売上減少だけ
- ✕ 地震の発生時に事業をしていなかった
- ✕ 過去の持続化補助金の報告が未提出
「第9次までに事業を行えなかった」とは、事業者の責めによらない理由で復旧工事に着手できなかったことです。公募要領の例は、仮設施設に入ったものの工事の遅れで内装が終わらない場合や、公共工事の遅れで着工できない場合です。自分が当たるか迷う場合は、地域の商工会か商工会議所に先に聞いてください。この事由は、応募対象者確認シートの項目4に自分で書きます。
過去の災害支援枠で採択を受けて補助事業を実施した事業者は、原則として対象外です。ただし、地震の被害で採択を受けた事業者が、令和6年9月の能登豪雨の被害で申請する場合は認められます。
いくら補助される?
補助対象経費の2/3以内です。上限は200万円です。補助金は後払いで、先に全額を自分で支払います。
- 店舗の改装と陳列棚で経費が90万円:90万円 × 2/3 = 60万円
- 機械の導入と広報で経費が300万円:300万円 × 2/3 = 200万円(上限ちょうど)
- 経費が450万円:450万円 × 2/3 = 300万円 → 上限の200万円
補助率2/3の場合、経費が300万円を超えても補助は200万円で止まります。超えた分は自己負担です。消費税は、免税事業者などを除いて補助対象外なので、税抜きで考えます。
補助率が定額になるのは、次の要件をすべて満たす場合です。定額は対象経費の10/10で、上限は同じ200万円です。コロナの影響を受けたこと、過去5年以内に災害救助法の適用を受けた災害で被災し国等の支援を使ったこと、売上が20%以上減っている(または厳しい債務状況で認定経営革新等支援機関に確認を受けた)こと、復旧に要した債務があること、能登半島地震等で施設・設備が被災し復旧しようとしていること、です。認定経営革新等支援機関とは、国が認定した支援機関(商工会議所・金融機関・税理士など)のことです。当てはまる可能性がある方は、公募要領11ページを読んでください。
何に使える?
対象にならないものを先に見ます。
- パソコン、タブレット、事務用プリンター、電話機などの汎用品
- 事業再建につながらない、単なる取替え更新の機械
- 古い機械の撤去・廃棄費用(設備処分費にあたるものを除く)
- 不動産の購入、建物の増築・増床
- 販売する商品の仕入、消耗品、光熱水費、人件費、税理士への費用
対象になるのは、事業再建の経営計画に沿った次の11区分の経費です。
- 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費
- 旅費、新商品開発費、借料、設備処分費
- 修繕費、委託・外注費、車両購入費
壊れた事業用資産の取替え・買換えは、事業計画に最低限必要なものなら機械装置等費で対象になります。ウェブサイト関連費は、申請額の1/4(最大50万円)までです。ウェブサイト関連費だけの申請はできません。
車両購入費と設備処分費は、申請時に計上していないと、あとから追加できません。単価50万円(税抜き)以上の機械・車両や、50万円以上の外注工事は処分制限財産になり、一定期間は売却や転用ができません。
申請の流れ
- GビズIDプライムを取得する(事業者。電子申請の場合。数週間かかります)
- 経営計画書(様式2)を作る(事業者。自分で考えた計画であることが前提です)
- 様式2の写しを出し、様式3の発行を頼む(事業者→商工会・商工会議所。2026年10月9日まで)
- 申請書類を出す(事業者→補助金事務局。10月16日まで。郵送は当日消印、電子は17時)
- 採択後、見積書等を出す(事業者→補助金事務局。2028年9月30日まで)
- 交付決定を受けて事業を進め、支払いまで終える(事業者。2028年10月31日まで)
- 実績報告書を出し、額の確定を受けて請求する(事業者→補助金事務局)
社外の代理人だけで、商工会・商工会議所への相談や様式3の依頼をすることはできません。申請者本人が相談を受けることが前提です。
必要な書類
準備できた 0 / 7
被害状況の書類は、市町が発行する罹災証明書など公的なものです。原則として名義は事業者名にします。決算書は、法人は貸借対照表と損益計算書(直近1期分)、個人事業主は直近の確定申告書です。車両を買うなら様式5、定額で申請するなら様式6・7などを足します。郵送の場合は、電子データを入れたCD-Rなどの電子媒体も必要です。
取り違えやすい4つのこと
対象は4県ではなく、能登3市3町です。 事務局サイトの冒頭は石川・富山・福井・新潟の4県と書いていますが、これは災害支援枠全体の説明です。第10次は能登3市3町の直接被害を受けた事業者に絞られています。
間接被害の100万円枠は、第10次にありません。 事務局サイトには上限100万円の記載が残っています。第10次の公募要領が定める上限は、直接被害の200万円だけです。
交付決定の前に払った経費も、対象になる場合があります。 通常の持続化補助金は、交付決定前の発注・契約が対象外です。この枠は特例で、地震や豪雨の発生日以降に交付決定前に行った事業の経費を、適正と認められれば遡って対象にします。写真や書類で確認できることと、実施時に取った見積書が必要です。
熊本地震の災害支援枠は別の公募です。 事務局サイトにはリンクがありますが、この記事の制度とは別です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 様式3の依頼が間に合わなかった:発行の受付締切は10月9日です。締切後は、どんな理由でも依頼できません。
- 経費に対象外のものを入れた:汎用品や消耗品を計上すると、その分を除いて計算されます。大半が対象外なら不採択や採択取消になります。
- 見積書を出さなかった:2028年9月30日までに出さないと、採択が取り消されます。
- 処分制限財産を無断で処分した:売却や転用には事務局の承認が要ります。承認なしだと、補助金の返還を求められます。
- 第三者の支援を申告しなかった:商工会・商工会議所以外の第三者から助言を受けたのに、様式2へ書かないと、虚偽として不採択や交付決定の取消です。
よくある質問
災害支援枠の第10次は、どこの事業者が対象ですか?
石川県の能登3市3町(珠洲市、輪島市、能登町、穴水町、七尾市、志賀町)で、令和6年能登半島地震等の直接被害を受けた事業者です。その中でも、事業者の責めによらない特別な事由で第9次公募までに補助事業を行えなかった事業者に限られます。富山県・福井県・新潟県の事業者や、能登3市3町の外の事業所は、第10次の対象に入っていません。
直接被害と間接被害は、どう違いますか?
直接被害は、自社の事業用資産が地震や豪雨で損壊した場合です。市町が出す罹災証明書など、公的な書類で証明します。在庫や棚卸資産の損害は、事業用資産の損壊に入りません。間接被害は、取引先の被災などによる売上減少です。第10次の対象は直接被害の事業者で、上限額は200万円です。
受付はいつまでですか?
2026年10月16日(金)までです。郵送は当日の消印有効、電子申請は17時までです。ただし、商工会・商工会議所に出す支援機関確認書(様式3)の依頼は、10月9日で受付が終わっています。様式3がないと申請できません。締切を過ぎると、新たに申請することはできません。この枠は第10次で終了すると事務局が案内しているため、次の公募は予定されていません。
交付決定の前に発注した経費は対象になりますか?
適正と認められれば、対象になります。通常の持続化補助金と違い、この公募は特例として、地震や豪雨が起きた日以降で交付決定前に行った事業の経費を、遡って対象にします。ただし、写真や書類で確認できること、実施時に取った見積書(相見積もりを含む)を出せることが条件です。支払いは銀行振込が原則で、10万円超の現金払いは認められません。
罹災証明書がない場合は申請できますか?
被害状況を示す公的な書類が必須です。公募要領は、市町が発行する罹災(被災)証明書などの写しを求めています。原則として、証明書の名義は事業者名にします。書類が手元にない場合は、事業所のある市町の窓口で、発行の可否と手続きを確認してください。市町が罹災証明書ではなく届出証明書しか出さない場合は、届出者が申請者と同じで、能登半島地震等による被災が書かれ、自治体の印があれば公的書類として扱われます。書類なしで出すと、必須書類の不足にあたります。
商工会や商工会議所に相談しないと申請できませんか?
申請できません。申請の前に、経営計画書(様式2)の写しを事業所のある地域の商工会か商工会議所に出して、支援機関確認書(様式3)の発行を受ける必要があります。社外の代理人だけで相談や依頼をすることは認められていません。商工会の管轄か商工会議所の管轄かで窓口が分かれるので、自分の地区が分からない場合は事務局(03-6634-9307)に聞いてください。
補助金は返さなくていいのですか?
補助金は、原則として返済しなくていい補助事業です。ただし、収益納付や、処分制限財産を承認なしに処分した場合の減額・返還があります。会計検査院などの検査で返還を命じられることもあります。不正があれば、交付決定の取消と加算金つきの返還です。補助金は法人税や所得税の課税対象にもなります。
申請書類は郵送ですか、電子申請ですか?
どちらも使えます。郵送は持参や宅配便ではなく、郵便で送ります。電子申請はJグランツで、GビズIDプライムかメンバーのアカウントが要ります。取得に数週間かかります。郵送は、応募書類と電子データを入れたCD-Rなどの電子媒体が必要で、送り先は商工会地区と商工会議所地区で違います。
補助事業は、いつまでに終えればよいですか?
事業の実施期限は2028年10月31日です。支払いまで含めて、この日までに終えます。実績報告書は、事業の完了から30日後か2028年11月10日の、早いほうまでに出します。見積書等の提出期限は2028年9月30日で、過ぎると採択が取り消されます。交付決定は2026年12月ごろの予定ですが、状況で変わります。
通常の持続化補助金(一般型)と併用できますか?
同じ取組での重複受給はできません。持続化補助金は、同一の補助事業で国の別の補助金を重ねて受け取れません。過去に一般型などの補助事業者だった場合は、事業効果等状況報告書(様式第14)が提出済みであることが条件です。内容が重なると、補助額が減る可能性があります。併用を考えるなら、事前に事務局か商工会へ確認してください。
問い合わせ先はどこですか?
商工会地区の事業者は、石川県商工会連合会(076-204-6755)か最寄りの商工会です。受付は平日の9:00〜12:00、13:00〜17:00です。商工会議所地区の事業者は、商工会議所地区の事務局(03-6634-5798)です。地区が分からない方は03-6634-9307に聞けます。窓口を誤ると準備が遅れるので、先に管轄を確かめてください。
