使用済みプラスチックの再生材で製品をつくる設備や、分解しやすい製品の生産設備、中古品を再生して売る設備が対象です。こうした資源循環の設備投資に、上限なしで補助が出るのが自律型資源循環システム強靱化促進事業です。二次公募の締切は2026年11月6日(金)15時です。
下限が1億円のため、小さな設備投資では申請できません。補助率は中小企業等が1/2以内、大企業等が1/3以内です。
自律型資源循環システム強靱化促進事業(二次公募)の要点まとめ
正式名:自律型資源循環システム強靱化促進事業(令和8年度・二次公募)
だれが
- 申請者
- 事業者(日本法人の民間会社・共同体)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 再生材製品の製造・環境配慮型ものづくり・リユース設備
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし(中小企業等か大企業等かで補助率が変わる)
いくら
- 補助上限額
- 上限なし(下限は1億円)
- 補助率
- 中小企業等1/2以内、大企業等1/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月1日〜2026年11月6日15時
- 事業の完了
- 最長で2029年2月28日まで
この補助金は、国(経済産業省)が一般社団法人 低炭素投資促進機構に出した資金を、機構が事業者へ交付する仕組みです。申請先は機構になります。
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 地方公共団体が主申請者
- ✕ 下限の1億円に届かない計画
- ✕ 交付停止事業者に当たる
- ✕ 国の補助金と経費が重なる
民間会社には、一般企業のほか、公益法人、社会福祉法人、学校法人も含まれます。複数の企業でつくる共同体や任意団体も、民間会社が主申請者なら申請できます。
サーキュラーパートナーズ(略称CPs)は、サーキュラーエコノミー(資源を循環させる経済)に取り組む産官学の連携組織で、経産省が2023年9月に立ち上げました。会員であることが申請の条件です。機構の広報資料には、申請にあたってCPsへの参画を申請する形でも対応できると書かれています。
GXフューチャー・リーグには、申請までに入会を申し込めば足ります。入会の申込みから4か月以内に、2030年度の排出量目標とコミットメントを報告します。中小企業は、他の温室効果ガス削減の取組を出して代えられます。
中小企業等とは、中小企業基本法第2条第1項に定める中小企業者を指します。業種ごとに資本金か従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方が上限以内であれば該当する仕組みです。公募要領には具体的な数値が書かれていないため、自社が該当するかは中小企業庁の案内か機構で確かめてください。
ただし、次のどれかに当たると、中小企業でも大企業等の補助率(1/3)になります。
- 発行済株式の1/2以上を同一の大企業が持っている
- 発行済株式の2/3以上を大企業が持っている
- 役員の1/2以上を大企業の役員か職員が兼ねている
- 資本金5億円以上の法人に、100%の株式を持たれている
- 直近3年の課税所得が年平均で15億円を超える
大企業が株式の1/2以上を持つ会社などは、実質的に大企業の支配下にあるため、みなし大企業と呼ばれます。
事業の中身で見られる条件
対象になる事業は、次の3つのどれかです。
- 再生材を原料にして、再生材を使った製品をつくる設備投資
- 長寿命化や再資源化のしやすさに役立つ「環境配慮型ものづくり」の設備投資
- リユースやリファービッシュ(中古品を整備して再び売ること)を広げる設備投資
機構の広報資料は、事業の主たる部分が専ら再資源化の工程になる事業を対象外の例に挙げています。たとえば、工業雑品のシュレッダー残渣から再生プラスチック原料をつくる事業です。再生材を使った製品の製造設備や、中古品の再生設備とは区別されています。
実施計画書では、表の目標のどれか1つを満たす必要があります。
| 目標の種類 | 達成の目安 |
|---|---|
| 再生材の利用 | 製品中の再生材の含有率が10%以上 |
| 環境配慮設計 | 事業の終了後2年以内に、環境配慮設計の製品を市場へ出す |
| CEコマースの拡大 | 仕入れた廃棄物の50%以上を、製品として再利用できる状態にする |
あわせて、年間の製造能力の最低水準、生産を始める年、コスト目標を書きます。2030年に向けた製造能力の目標も、対外的に掲げる必要があります。事業が終わったあとの出口戦略と、本事業の目的に使う製品の割合(終了後5年分)も計画に入れます。
いくら補助される?
補助額は、対象経費に補助率をかけた額です。1,000円未満の端数は切り捨てます。
- 中小企業が、再生材を原料にする製品の製造ラインに対象経費4億円をかける:4億円 × 1/2 = 2億円
- 大企業が、同じ4億円の製造ラインを整える:4億円 × 1/3 = 約1億3,300万円
- 中小企業が、中古品の再生設備に対象経費1億5,000万円をかける:1億5,000万円 × 1/2 = 7,500万円(下限を補助額で見るなら、1億円に届かない)
- 大企業と中小企業が共同で、分解しやすい製品の生産設備に対象経費3億6,000万円をかける:3億6,000万円 × 1/3 = 1億2,000万円(大企業の補助率になる)
共同申請は、組み合わせで補助率が決まります。大企業と中小企業等の共同申請は大企業の1/3、中小企業等とリース会社(大企業に当たる)の共同申請は中小企業等の1/2です。
下限の1億円は、公募要領の「補助金上限額、下限額」の項にあります。補助額の下限と読むのが自然ですが、要領と交付規程には「補助額」か「事業費」かの明記がありません。迷う場合は、事前申請の前に機構へ確かめてください。
編集部の見方では、中小企業なら対象経費が2億円以上か、大企業なら3億円以上かを、最初に見積で確かめるのが近道です。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 土地やオフィス用建物の取得費
- 既存建物の撤去費
- 消費税(申請額は税抜きで書きます)
- 自社製品を調達する場合の利益分(製造原価だけが対象)
- 実績報告書の作成や経理処理にあたる人件費
- 国の他の補助金の対象になっている経費
- リース料のうち、手数料や保険料
対象になる経費は、事業に直接必要なものに限られます。
- 建物費:事業のために直接必要な建物の新設、建て替え、リフォーム
- 設計費:基本設計、実施設計、工事監理
- 設備費:設備や機器の本体、運搬・据付け・試運転調整、機器やシステムの製作・試験・検証(業務費)
- 工事費:材料費、労務費、直接経費、仮設費、現場管理費、付帯工事、機械器具費、調査・試験費
リースで設備を入れる場合は、設置する事業者とリース会社の共同申請になります。リースの対象は、リース会社が買った設備です。建物をリースで取得する場合、建物等取得費は対象外です。
申請の流れとスケジュールは?
- 公募要領とQ&A集を読み、事前申請書をメールで出す(事業者→機構。2026年10月19日まで)
- GビズIDプライムを取り、会員登録と入会を済ませる(事業者→GビズID、サーキュラーパートナーズ、GXフューチャー・リーグ。申請まで)
- 実施計画書、事業概要書などをつくる(事業者。様式は機構のサイトから)
- 事前着手が必要なら、jGrantsで届出をする(事業者→機構。11月6日15時まで)
- jGrantsに入力してPDFを添付し、書類一式を郵送する(事業者→機構。11月6日15時までに必着)
- 書類審査と面接審査を受ける(評価委員会→事業者。代表権のある人が出席)
- 交付決定を受けて事業を進め、実績報告を出す(事業者→機構。完了後30日以内か2029年2月28日の早い日まで)
事前申請は任意です。出さなくても本申請は審査されますが、内容によっては別の事業への申請を勧められることがあります。
GビズIDプライムとは、国の電子申請に共通で使うIDです。未取得の方は、早めの登録が呼びかけられています。
jGrantsは、補助金の電子申請システムです。この補助金は、jGrantsの入力と、書類の郵送の両方が必要です。どちらかが欠けると、原則として受付されません。
交付決定とは、採択とは別に届く通知です。事業の開始日は、この交付決定日になります。交付決定の前に発注や契約をした経費は、原則として補助対象外です。
必要な書類
準備できた 0 / 13
履歴事項全部証明書は、申請日から3か月以内の発行分です。共同申請の場合は、全申請者の分が要ります。
会員関係書類は、サーキュラーパートナーズの事務局に出した書類の写しを添えます。GXフューチャー・リーグの入会手続きで出した書類の写しも添えますが、提出書類チェックシートでは、中小企業基本法の中小企業は対象外とされています。
機器の仕様書、会社概要、事業の紹介資料も出します。見積書は、申請の段階では概算見積(1者)でも構いません。
賃上げ表明書は、中小企業等が1.5%以上の賃上げを従業員に表明するときの様式で、加点の対象です。ワーク・ライフ・バランス認定証も加点用の任意書類です。
事前着手を希望する場合は、別にjGrantsで届出をします。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定前の発注や契約は原則対象外です。事前着手届出が受理された場合だけ、通知にある開始日以降の経費が対象になる可能性があります。受理は採択を約束するものではありません。
- 相見積を取らなかった:契約は競争入札か3者以上の相見積が必要です。補助額は、最も安い見積の金額で決まります。取れない場合は理由書を出します。
- 振込以外で払った:支払いは金融機関の振込だけです。手形、割賦、相殺は認められません。工事の完了と検収の前に払った分も対象外になります。
- 賃上げの表明を選んだのに、従業員へ表明しなかった:申請書で賃上げを表明すると選んだのに、交付決定までに従業員へ表明しなかった場合は、原則として交付決定が出ません。表明したのに実行しなかった場合は、加点されません。
- 取得した財産を勝手に処分した:単価50万円以上の資産を処分する前は、機構の承認が要ります。処分制限の期間中に処分すると、収入などの一部を国に納めることがあります。
- 実績が申請と大きく違った:申請時の経費と実績の経費が理由なく大きく離れると、不交付や減額になります。
虚偽の記載などの不正が分かると、交付決定が取り消されます。受け取った補助金には年10.95%の加算金がつき、返還を求められます。
スケジュールと支払いで知っておくこと
補助対象の期間は、交付決定日から2029年2月28日(最長)です。事業が1年以上になる場合は、事業を始めて1年後を目安に、ステージゲート審査があります。事業の進み具合と社会実装の見込みを見て、継続できるかを決める審査です。
補助金は精算払いです。設備代などはいったん自社で全額払い、機構が支払いを確認したあとに交付されます。必要と認められた経費は概算払いも受けられます。
一次公募は2026年9月14日に終了しています。二次公募の説明会は、10月6日15時にWeb開催と案内されていました。8月13日に掲載された公募説明会のQ&A集は、機構のサイトで読めます。
よくある質問
二次公募の締切はいつですか?
二次公募は2026年10月1日から11月6日(金)15時までです。jGrantsへの入力と、書類一式の郵送の両方が、締切までに届いている必要があります。郵送は発送済みでは足りず、必着です。事前申請の期限は10月19日で、本申請より早く来ます。配送事故に備え、配送状況を追跡できる方法で送ってください。
下限1億円とは何ですか?
公募要領は、1件あたりの下限額を1億円と定めています。補助額の下限と読むなら、補助率が1/2のとき対象経費は2億円以上、大企業の1/3なら3億円以上が目安です。上限は設けられていません。下限が補助額を指すのか事業費を指すのかは、要領と交付規程の記載から言い切れないため、事前申請の前に機構へ問い合わせてください。
中小企業でも申請できますか?
申請できます。補助率は中小企業等が1/2以内で、大企業等の1/3以内より高くなります。条件は、日本法人の民間会社であることなどです。株式の1/2以上を同一の大企業が持つ会社などは、中小企業でも大企業等の補助率になります。下限の1億円に届く規模の投資かどうかが、現実の分かれ目です。
サーキュラーパートナーズの会員でないと申請できませんか?
申請の条件に入っています。サーキュラーパートナーズは、経産省が2023年9月に立ち上げた、サーキュラーエコノミーに関する産官学の連携組織です。申請書類には、事務局に出した各種書類の写しを添えます。機構の広報資料には、申請にあたって参画を申請する形でも対応できるとあります。会員でない場合は、先に入会の手続きを進めてください。入会の手順は、組織の窓口で確かめてください。
GXフューチャー・リーグに入っていないと申請できませんか?
入会していなくても、申請までに入会を申し込めば足ります。入会の申込みから4か月以内に、2030年度の排出量目標とコミットメントを報告します。中小企業は、他の温室効果ガス削減の取組を提出して代えられます。入会手続きで事務局に出した書類の写しも添えますが、提出書類チェックシートでは中小企業は対象外とされています。
事前申請は必ず出す必要がありますか?
任意です。事前申請は、応募内容が公募要領の要件に合うかを確認するための手続きで、期限は10月19日です。メールで機構に出し、件名は「R8資源循環事業 事前申請書(申請者名)」にします。出さなくても、締切までの本申請は審査されます。ただし、内容によっては別の事業への申請を勧められることがあります。
事前着手とは何ですか?
交付決定の前に発注や支出をしても、補助対象経費として認めてもらう手続きです。jGrantsで11月6日15時までに届出をします。必要性と緊急性があると認められ、受理の通知が届いた場合だけ、通知にある開始日以降の経費が対象になる可能性があります。受理されても採択は約束されず、届出の日より前の経費は対象外です。
面接審査はありますか?
あります。審査は書類に加えて、非公開の面接審査(プレゼン)で行います。面接には、代表権のある人かそれに準じる人が出席します。見られるのは、基本的な事項、産業競争力強化への貢献、排出削減への貢献、民間だけでは投資判断が難しい事業かどうか、人材確保の取組です。予算を超えた場合は、評価の高い事業から採択されます。
補助金はいつ受け取れますか?
補助金は、事業が終わって実績報告を出し、機構の確定検査を受けたあとに払われます。実績報告は、事業の完了後30日以内か、2029年2月28日のうち早い日までに出します。設備代などは、先に自社で払います。概算払いが認められる経費は、事前に機構へ相談したうえで、請求書を出します。
事業はいつまでに終えればよいですか?
補助対象の期間は、交付決定日から2029年2月28日までが最長です。この日までに、工事の完了、検収、支払いのすべてを終えます。やむを得ず予定の期間内に終えられないときは、事前に事故報告書を出します。事業が1年以上になる場合は、1年後を目安にステージゲート審査があり、継続の可否が判断されます。
共同申請が必要なのはどんなときですか?
設備の所有者と、設備を使って生産する人が違う場合は、原則として共同申請です。リース会社を使う場合も、設置する事業者とリース会社の共同申請になります。複数の企業で取り組む場合も共同申請にして、交付申請書に各社の役割を書きます。見積依頼から領収書の受け取りまでの役割分担の様式も出します。
問い合わせ先はどこですか?
低炭素投資促進機構です。問い合わせは、機構サイトのフォームか、メール(r8skgshigen@teitanso.or.jp)が基本です。メールの件名は「R8資源循環事業 問合せ(申請者名)」にします。電話は03-6264-8381で、受付は平日の9時から12時、13時から17時です。質問の前に、公募説明会のQ&A集を確認してください。
