レアメタルやレアアースを扱っていれば誰でも使えるのか——そう思って読み進める方が多い制度ですが、対象は「調達ルートの切り替え」や「代替調達先のサンプル評価」など、供給途絶リスクを下げる具体的な取組を行う法人に絞られています。単なる仕入れコストの補填ではありません。
令和8年度 情報処理・サービス・製造産業事業費補助金(重要鉱物に係るサプライチェーン強靱化事業)は、重要鉱物(レアメタル・レアアース等)の安定調達を実現するため、調達ルートの切替やサンプル評価などの取組にかかる費用を支援する国の制度です。この記事を書いている時点で、この公募は2026年6月18日に募集終了しています。
重要鉱物サプライチェーン強靱化事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(日本の法令に基づき設立された法人) |
| 制度名 | 令和8年度 情報処理・サービス・製造産業事業費補助金(重要鉱物に係るサプライチェーン強靱化事業) |
| 対象業種 | 漁業/建設業/製造業 |
| 利用目的 | 研究開発・実証 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(公式ページに記載なし) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(執行団体窓口へお問い合わせください) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし |
| 申請受付 | 2026年6月18日に終了 |
| 公式サイト | Jグランツ「重要鉱物に係るサプライチェーン強靱化事業」 |

「重要鉱物」は何を指すのか
この補助金でいう重要鉱物とは、半導体・蓄電池・モーター等の製造に欠かせないレアメタル・レアアース類を指します。特定の国・地域に調達が集中していると、輸出規制や供給停止が起きたときに国内の製造業が止まってしまいます。この事業は、その調達の一極集中を崩すための取組を支援するものです。
対象になる取組には、次のようなものが想定されています。
- 既存の調達先に加えて、代替となる調達ルートを新たに開拓する取組
- 代替調達先から仕入れた鉱物のサンプル評価・品質検証にかかる費用
- 供給途絶リスクを踏まえた調達体制の見直しにともなう調査・実証
対象になる/ならないの線引き
- 対象になる:日本の法令に基づき設立された法人で、重要鉱物の調達ルート切替やサンプル評価等、供給途絶リスクの低減につながる取組を行う事業者
- 対象になりにくい:単に重要鉱物を扱っているだけで、調達ルートの多元化や供給リスク低減に直接つながらない通常の仕入れ・在庫積み増し
なぜこの線引きなのか。この補助金は経済安全保障の観点から、特定国依存からの脱却を目的にした事業だからです。通常の運転資金的な仕入れ費用や、リスク低減に結びつかない支出は対象外になりやすいと考えられます。
よくある誤解されやすいポイント
- 「重要鉱物」=レアメタル業者だけの制度と思い込む:対象業種にはDB上で漁業・建設業・製造業が挙がっており、重要鉱物を「使う側」の製造業も対象に含まれます。自社が鉱物を直接扱わなくても、部材調達に組み込まれていれば関係する可能性があります
- 一般的な原材料高騰対策の補助金と混同する:物価高騰対策の助成金とは異なり、この制度は供給網の構造そのものを変える取組を対象にしています。単価上昇分の補填を目的とした申請は想定されていません
- 応募前相談を省略してしまう:執行団体(cm-ssc.jp)では応募前にフォームでの事前相談が案内されています。要件や対象経費の解釈が個別性の高い制度のため、事前相談を挟まずに申請書だけ準備するのは避けたほうがよいでしょう
次回公募に備える準備
経済安全保障分野は政策的な優先度が高く、重要鉱物のサプライチェーン強靱化は今後も継続的なテーマになる見込みです。
- 自社の調達している鉱物・部材が、特定の国・地域に依存していないかを棚卸ししておく
- 代替調達先の候補や、サンプル評価にかかる想定費用を整理しておく
- 執行団体サイト(cm-ssc.jp)や経済産業省の公募情報を定期的に確認する
よくある質問
今から申請できますか?
この公募は2026年6月18日に募集を終了しています。重要鉱物のサプライチェーン強靱化は継続的な政策テーマのため、次回公募が出る可能性があります。執行団体・経済産業省の公募情報でご確認ください。
中小企業でも申請できますか?
対象者は「日本の法令に基づき設立された法人」とされており、企業規模の下限は確認できていません。ただし調達ルート切替やサンプル評価という取組の性質上、一定規模の調達実績がある事業者が中心になると考えられます。詳細は執行団体にお問い合わせください。
補助率や上限額はいくらですか?
公式に確認できる範囲では補助率・上限額の明記が見当たりません。案件ごとの審査で決まる可能性があるため、次回公募時には執行団体の公募要領原本でご確認ください。
