令和8年度後期の受付は2026年8月20日17時で終わりました。県が10月1日に公表した結果では、申請10件のうち5件が採択されています。
次の募集に備える事業者にとって、いちばん外しやすい条件は日付です。交付決定の前に発注・契約・支払いをした経費は全額が対象外になります。
新分野等チャレンジ支援事業の要点まとめ
正式名:新分野等チャレンジ支援事業(新かがわ中小企業応援ファンド等事業)
だれが
- 申請者
- 県内の中小企業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 新分野進出の商品・技術開発、試作品作成、実証試験、可能性評価
- 対象地域
- 香川県内
- 従業員数
- 業種ごとに基準あり(本文で説明)
いくら
- 補助上限額
- 200万円
- 補助率
- 2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月18日〜2026年8月20日(令和8年度後期・終了)
- 事業の完了
- 交付決定から1年以内(2027年9月30日まで)
うちの会社は対象になる?
実施するのは公益財団法人かがわ産業支援財団です。次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ NPO法人・医療法人・任意団体
- ✕ 開発を丸ごと外部に任せる
- ✕ 販売用の商品を量産する
- ✕ 同じ内容で過去に採択済み
中小企業者とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構法に定める中小企業者です。資本金か従業員数のどちらか一方が基準以内なら該当します。
- 製造業・建設業・運輸業など:資本金3億円以下または従業員300人以下
- 卸売業:1億円以下または100人以下
- サービス業:5,000万円以下または100人以下
- 小売業:5,000万円以下または50人以下
ソフトウェア業や旅館業などには別の基準があります。従業員数は申請時点の人数です。会社役員や個人事業主本人、一部のパートタイム労働者は数えません。大企業が株式や出資の2分の1以上を持つ会社(みなし大企業)も公募要領では対象に含まれています。
個人事業主は住民票の住所と開業届の納税地がどちらも県内であることが条件です。研究開発の一部を県外に出すこと自体は禁じられていません。ただし企画から進行管理までを県内の事業所で一切行わない「丸投げ」は助成の対象外です。
いくら助成される?
対象経費(税抜)の3分の2以内です。上限の200万円に届くのは対象経費が300万円以上のときです。
下限もあります。助成金の申請額は50万円以上にします。対象経費にすると75万円からです。
- 試作用の材料と試験費が75万円:75万円 × 2/3 = 50万円
- 試作機の製作と外注が150万円:150万円 × 2/3 = 100万円
- 実証用の装置と専門家謝金が360万円:360万円 × 2/3 = 240万円 → 上限の200万円
助成額は1,000円未満を切り捨てた額です。令和8年度後期の採択5件のうち、4件が上限の200万円、1件が140万円でした。
何に使える?
先に、対象にならないものを挙げます。
- 自社の役員報酬と従業員の人件費
- 事務所の家賃、光熱水費、通信費
- 文房具などの消耗品、雑誌や会費
- セミナー・研修の参加費、受講費
- 税理士や弁護士への費用、振込手数料
- 販売や貸出に回す商品の生産・調達費
- 試作で使い切らなかった材料分
- すでに自社にある設備で足りる機械、取り替え更新
- 交付決定日より前に発注・契約・支払いをしたもの
対象になるのは研究開発費と販路開拓費の2区分です。
- 原材料・消耗品費(試作に直接使うもの)
- 機械装置・工具器具費(研究開発専用のもの)
- 試験検査費、知的財産権の取得費
- 委託・外注費(自社でできない業務の一部)
- 専門家謝金
- 市場調査費、展示会への出展費、広告宣伝費
販路開拓費の合計は対象経費全体の50%以下です。旅費は研究開発費と販路開拓費を合わせて30万円以下に収めます。
審査では何が見られる?
公募要領には審査基準が5つ書かれています。新規性、市場性、妥当性、実現可能性、地域活性化への波及効果です。
市場性の欄には客観的なデータにもとづく調査・検討がなされているかが入っています。「売れそう」という感触だけではこの欄に答えたことになりません。
審査は書類だけで終わりません。現地調査(ヒアリング)があり、審査委員会では申請者によるプレゼンテーションも行われます。香川県の経営革新計画の承認を受けた事業は、申請時に申し出れば加点の対象です。
審査の経過と採否の理由には問い合わせに応じないと公募要領に書かれています。不採択だった場合に理由が聞けない点は先に知っておいてください。
申請の流れ
令和8年度は前期と後期の2回募集がありました。前期は2025年12月4日から2026年2月12日まで、後期は2026年6月18日から8月20日までです。令和9年度分の日程は確認できた公式資料に載っていませんでした。募集が出たら、次の順で進みます。
- 申請登録をする(事業者→かがわ産業支援財団。財団のホームページから。受付期間内)
- 申請書類を出す(事業者→財団。PDFの電子申請。受付期間の最終日17時必着)
- 審査を受ける(財団。書類審査、現地調査、審査委員会のプレゼン)
- 交付決定の通知を受ける(財団→事業者。この日から助成期間が始まる)
- 事業を実施する(事業者。発注から支払いまで、すべて助成期間内に終える)
- 実績報告書を出す(事業者→財団。事業の完了から10日以内)
- 額の確定を受けて請求する(事業者→財団。助成金は精算払いで、事業の完了後に支払われる)
研究開発の事業は申請登録のあと、財団のコーディネーターが計画づくりの助言をしてくれます。受付期間の終わり間際に頼むと、応じてもらえないことがあります。
必要な書類
準備できた 0 / 8
納税証明書と登記事項証明書は申請日から3か月以内の発行分です。個人事業主は財務諸表と登記事項証明書のかわりに、住民票の写し、開業届出書の控え、直近3か年の確定申告書が要ります。単価が税抜50万円以上の機械を買うときは「機械等購入計画書兼誓約書」も付けます。専門家謝金を計上するときは、「技術導入計画書」か「専門家への依頼内容説明書」も要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に動いた:注文書、契約書、納品書、支払日のどれか1つでも助成期間の外にあると、その経費は全額が対象外です。
- 助成期間内に終わらなかった:交付決定が出ても、期間内に事業を完了できないと助成金は支給されません。
- 開発した製品を売り始めた:販売日の前日で事業が完了したものとみなされます。購入予約の受付開始も同じ扱いです。開発品を返礼品にするクラウドファンディングは、開始日の前日で完了とみなされます。以降の経費は対象外です。
- 承認を取らずに内容を変えた:事業の内容を変えるときは、事前に財団の承認が要ります。経費の配分を20%以内で動かす程度なら不要です。
- 買った機械を勝手に処分した:単価50万円以上の機械などは、助成後も耐用年数に当たる期間は処分が制限されます。
併用と重複の決まり
同じ経費をほかの公的な補助金の対象にはできません。ほかの補助金の対象経費をこの助成金に入れることもできません。
同じ事業者が同じ支援メニューに2件以上は申請できません。採択を受けた事業を実施中で、助成期間が重なるときも新たな申請はできません。
同じ募集には販路開拓を目的とする別メニューもあります。助成率や上限額は別物なので、海外の展示会に出るなら次の記事を見てください。
よくある質問
令和8年度後期の受付は、まだ間に合いますか?
間に合いません。受付は2026年8月20日17時の必着で終わりました。香川県は10月1日に結果を公表し、新分野等チャレンジ支援事業は申請10件のうち5件を採択しています。この記事は次の募集に向けて、対象の条件や経費の線引きを確かめるためのものです。募集が出たときの要件はその回の公募要領で必ず確認してください。
次の募集はいつですか?
確認できた公式資料には令和9年度分の日程が載っていません。令和8年度は前期が2025年12月4日から2026年2月12日まで、後期が2026年6月18日から8月20日までの2回でした。同じ形になるかは分かりません。日程はかがわ産業支援財団のホームページか、香川県産業政策課(電話087-832-3352)で確かめてください。
試作品をつくるだけでも対象になりますか?
対象です。公募要領は助成対象事業に「市場性を見極めるための試作品作成」を挙げています。新分野進出のための商品・技術の開発、実証試験、新事業の可能性評価、技術課題の解決も同じ扱いです。ただし、売るための商品を量産する経費は対象外です。研究開発の要素が薄く、量産のための機械購入が中心の計画も対象になりません。
助成額に下限はありますか?
あります。助成金の申請額は50万円以上にする必要があります。助成率が3分の2以内なので税抜の対象経費にすると75万円からです。上限は200万円で、対象経費が300万円以上だと上限に届きます。助成額は税抜の対象経費に助成率をかけ、1,000円未満を切り捨てて決まります。
社員の人件費は対象になりますか?
対象外です。助成対象外の経費に、自社の役員報酬と従業員の人件費が入っています。この例外は別の支援メニュー(競争力強化研究開発支援事業の一般枠)だけで新分野等チャレンジ支援事業には当てはまりません。社内で開発を進める場合も対象になるのは材料費、設備費、外注費、専門家謝金などです。
開発を外部の会社に任せてもいいですか?
一部なら任せられます。委託・外注費は自社で実行するのが難しい業務の一部に限って対象です。一方で、製品のコンセプト、要求の定義、仕様、開発スケジュール、進捗管理、関係者との調整を自社で一切行わない「丸投げ」は助成対象外です。県外の企業や研究機関に出す場合も県内の事業所で企画と進行管理を担う必要があります。
助成金はいつ支払われますか?
事業が終わったあとです。交付決定を受けた事業者が事業を実施し、支出の証拠書類を付けて実績報告書を出します。財団が審査して額を確定し、その通知を受けた事業者が請求書を出すと、助成金が支払われます。つまり、期間中の費用はいったん自社で立て替えます。実績報告書は事業の完了から10日以内に出します。
開発した製品を売り始めたらどうなりますか?
販売日の前日で、助成事業が完了したものとみなされます。購入予約の受付開始も販売に含まれ、複数の商品を開発している場合は1つでも売り始めた日が基準です。販売日以降に支払った経費は助成の対象になりません。クラウドファンディングで開発品を返礼品にするときは開始日の前日が完了日です。
展示会に出す費用は対象になりますか?
助成事業で開発した試作品の出展なら、展示会等出展費が対象です。出展の申込みは交付決定の前でもかまいません。ただし出展料の請求書の発行日や支払日が交付決定日より前だと、その分は対象外です。試作品を販売する目的で製品として出展したときは出展日の前日で事業が完了したものとみなされます。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。中小企業者の基準を満たし、住民票の住所と開業届出書の納税地がどちらも県内にあることが条件です。申請する取組みも県内の事務所や事業所で実施します。添付書類は法人と少し違い、財務諸表のかわりに、直近3か年の確定申告書と開業届出書の控え、住民票の写しが必要になります。
海外見本市出展支援事業とは何が違いますか?
目的が違います。この記事の新分野等チャレンジ支援事業は新しい商品や技術の研究開発が対象です。海外見本市出展支援事業は海外の展示会への出展が対象で、助成率は10分の10以内、上限は80万円でした。令和8年度後期の採択予定は前者が5件程度、後者が3件程度でした。2つは別々の申請になります。
申請書の書き方を相談できますか?
研究開発を目的とする事業には財団のコーディネーターによる支援があります。申請登録のあと、希望すれば、事業計画づくりや申請書類の磨き上げについて助言を受けられます。受付期間の終わり間際に希望すると、応じられないことがあります。窓口はかがわ産業支援財団の技術振興部研究開発支援課(電話087-840-0338)でした。
