内装工事の見積書が手元に届き、そろそろ契約しようと考えている。その前に、1つだけ確かめておきたいことがあります。市の「認定」を受けたかどうかです。認定通知より前に契約・発注・着工・支払をした経費は、補助の対象外になります。
笠岡市の新規創業事業費補助金は、市内で開業する人の改装・設備・広告の費用に対して、都市機能誘導区域内で2/3、区域外で1/2(上限100万円)を補助します。受付期間の記載はなく、事業開始日の30日前までに認定申請を出すのが実質の期限です。
笠岡市 新規創業事業費補助金の要点まとめ
正式名:笠岡市新規創業事業費補助金
だれが
- 申請者
- 新たに開業する個人、設立1年以内で未開業の法人
- 対象業種
- 農業・林業・漁業・医療・福祉を除く
- 利用目的
- 市内での創業(改装・設備・備品・広告宣伝)
- 対象地域
- 岡山県笠岡市
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(笠岡市商工労政係へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 100万円
- 補助率
- 都市機能誘導区域内2/3、その他区域1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 受付期間の記載なし(事業開始日の30日前までに認定申請)
- 事業の完了
- 認定の日から原則1年以内
- 公式サイト
- 笠岡市「笠岡市新規創業事業費補助金」
自分は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
住所は、交付申請を出す日の前日までに市内へ移していれば足ります。法人の場合は、代表者にも市税の滞納がないことが条件です。創業塾は笠岡商工会議所のものが基本で、他市の会議所のものでも構わないと利用手引きに書かれています。許認可が要る業種は、取得済みか取得の見込みがあることも求められます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 農業・林業・漁業・医療・福祉
- ✕ すでに開業している
- ✕ 個人事業の法人化や事業承継
- ✕ 風俗営業の届出が要る事業
- ✕ 他の補助金と重複して受ける
このほか、政治団体・宗教団体、暴力団員、同じ経営集団の別の者がすでに同じ事業で交付を受けている場合も対象外です。国や県など他の補助金と重複して本補助金を受けることもできません。
「新たに開業する」とは、過去に事業をしていない個人、または法人設立から1年以内でまだ開業していない法人を指します。会社員のまま準備している場合は、認定申請の時点で勤めていないこと、事業所の役員でないことが条件です。在職中に認定申請を出すと、この条件を満たしません。退職日と認定申請の順番は、先に市へ相談しておくと安心です。
いくら戻ってくる?
補助率は、開業する場所で変わります。
- 都市機能誘導区域内:対象経費の2/3
- それ以外の区域:対象経費の1/2
都市機能誘導区域とは、店や施設を集めたい区域として、笠岡市が立地適正化計画に定めた範囲のことです。区域図は、市の案内ページにPDFで載っています。
- 区域内で、改装と厨房設備に90万円かかる:90万円 × 2/3 = 60万円
- 区域外で、同じ内容に90万円かかる:90万円 × 1/2 = 45万円
- 区域内で、設備と広告に150万円かかる:150万円 × 2/3 = 100万円(上限に届く)
- 区域外で、同じ150万円かかる:150万円 × 1/2 = 75万円
上限の100万円に届くのは、区域内なら対象経費150万円以上、区域外なら200万円以上のときです。千円未満は切り捨てになります。同じ150万円の工事でも、区域の内外で25万円の差が出ます。
補助金が入るのは、事業が終わって交付申請をしたあとです。工事代金は先に自分で払う必要があるため、資金計画に補助金の入金を組み込めません。利用手引きにも、補助金を当てにした資金計画はしないでほしいと書かれています。
何に使える?
対象にならないもの
- 汎用性の高い物品(エアコン、パソコンなど)
- 単価3万円未満の物品、消耗品
- 耐用年数が3年に満たない物品
- 認定通知より前に契約・発注・購入・着工・支払をした経費
対象になるもの
- 店舗等の新築・改装の費用
- 機械装置・設備の購入・修繕の費用
- 特殊車両・工具・備品の購入費(耐用年数3年以上、単価3万円以上)
- 広告宣伝費(広告折込、雑誌広告、パンフレット・チラシ・ホームページの作成など)
経費は、使い道が事業に必要だと特定できること、補助対象期間に契約・発注して発生したこと、領収書などで金額と支払が確認できることの3つを満たす必要があります。購入や工事の相手は、原則として市内に本店のある法人か、市内に住所のある個人事業主です。市内の業者では難しい場合は例外が認められています。
空き店舗や併用住宅を使う場合は、出入口が別で、事業に使う部分とそれ以外が図面などで分けられることが条件です。
申請の流れ
- 相談と準備(創業者→商工観光課・創業塾。事業開始日の3か月前が目安):創業塾の受講、事業計画づくり、見積書の取得はこの段階で進められます。
- 認定申請を出す(創業者→笠岡市商工労政係。事業開始日の30日前まで):認定申請書(様式第1号)に事業計画書などを添えます。
- 認定通知を受け取る(笠岡市→創業者):認定通知書に書かれた日から事業完了日までが補助の対象期間です。この通知のあとに契約・発注・着工へ進みます。
- 事業を実施して完了する(創業者。認定の日から原則1年以内):内容を大きく変えるときは、変更に着手する30日前までに変更認定申請書(様式第2号)を出します。変更で補助額を増やすことはできません。
- 交付申請を出す(創業者→笠岡市。事業完了から90日以内):交付申請書(様式第4号)に事業報告書や領収書を添えます。
- 請求して受け取る(創業者→笠岡市):交付決定と額の確定の通知が届いたら請求書を出し、市の確認後に支払われます。
認定通知は補助金の交付を決めるものではなく、補助の対象として認める通知です。金額が確定するのは、交付申請を審査したあとの交付決定の段階です。
必要な書類
準備できた 0 / 11
前半の7点は認定申請の書類、後半の4点は交付申請の書類です。空き店舗や空き家を使う場合は、売買または賃貸借の申込書の写しも認定申請に加わります。許認可が要る業種は、許認可を受けたことを示す書類も交付申請で必要です。認定申請の資料一式(個人事業主用・法人用)には、市が納付状況を調べることへの同意欄があります。滞納がない証明書をどの場面で出すかは、窓口に確かめると確実です。市内の業者を使えない場合は、その理由を書く様式も同じ資料一式に入っています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 認定通知より前に動いた:契約・発注・購入・着工・支払のどれかが認定通知より前にあると、その経費は対象外です。見積書の取得や物件探しは、認定申請の前でも進められます。
- 認定を受けずに事業を始めた:認定申請は事業に着手する30日前までが原則です。開業後に申請しても、対象外になります。
- 認定後に内容を無断で変えた:事業内容を大きく変える場合は、変更認定を受けないと認定が取り消されることがあります。
- 不正や名義貸しがあった:同じ経営グループの別の者が同じ事業で交付を受けた場合なども、交付決定が取り消され、返還を命じられます。
- 取得した設備を勝手に処分した:補助で買った機械や設備、車両などを、目的に反して使ったり譲ったりするには、あらかじめ市長の承認が要ります。
補助金をもらったあとの決まり
事業を始めたあとも、補助事業が完了した年度の翌年度から3年度の間、毎年度、事業継続状況報告書(様式第5号)を出します。直近の確定申告書、事務所の契約書の写し、営業中がわかる店舗の写真などを添えます。補助金は同じ事業者に1回限りです。報告を見て経営支援が必要と市が判断すると、商工会議所などの支援を受けるよう勧められ、勧めに応じる決まりです。
よくある質問
すでに開業していても申請できますか?
原則できません。認定申請の時点で、自分で事業をしていないことが条件です。補助の対象になるのは、認定通知の日から事業完了日までの間に契約・発注した経費に限られます。開業届を出したり店を開けたりしたあとでは、この順番を満たせません。創業を決めた段階で、早めに商工労政係へ相談するのが近道です。
見積書は認定申請の前に取っていいですか?
取って構いません。認定申請までの間は、創業塾の受講、事業計画づくり、市への事前相談、物件探し、見積書の取得、許認可の事前相談を進められます。ただし契約・発注・購入・着工・支払は認定通知のあとです。見積書は認定申請の添付書類にも使うので、早めに取っておくと手続きが止まりません。
法人でも申請できますか?
申請できます。ただし、法人の設立から1年以内で、かつ実際に開業していない法人に限ります。市内に本店か主たる事務所があることも必要です。代表者にも市税の滞納がないことが求められます。すでに営業している会社が新店を出す場合や、個人事業を法人にする場合は、新規創業とは認められません。
都市機能誘導区域かどうかは、どこで調べますか?
市の案内ページに、都市機能誘導区域の区域図がPDFで載っています。物件が区域に入るかどうかで、補助率が2/3か1/2かに分かれます。借りる物件を決める前に、区域図で確かめておくと、必要な自己資金の見通しが立てやすくなります。判断に迷う場所は、商工労政係に電話で聞けます。
会社員のまま準備しても大丈夫ですか?
認定申請の時点で、事業所に勤めておらず、事業所の役員でもないことが条件です。在職のまま申請を出すと、この条件を満たしません。認定申請には、退職したことがわかる離職票などの証明書も添えます。退職の時期と認定申請の順番は、あらかじめ市に相談して決めておくと安心です。
エアコンやパソコンは補助の対象になりますか?
対象外です。事業への使い道が特定できる物品でも、エアコンやパソコンのような汎用性の高いものは含まれません。単価3万円未満の物品と消耗品も対象外です。広告宣伝費や、厨房機器・業務用の機械装置などは対象になり得ます。購入の前に、見積書の品目が対象かどうかを商工労政係に確かめておくと確実です。
市外の業者に工事を頼んでもいいですか?
原則は、市内に本店のある法人か、市内に住所のある個人事業主からの購入・施工です。市内の業者では対応が難しい場合は、例外として認められています。何が難しい場合にあたるかは公式ページに細かい基準がありません。市外の業者を使いたいときは、見積を取る前に商工労政係へ事情を伝えておくと、認定申請で止まりません。
補助金はいつ振り込まれますか?
事業が完了して交付申請を出し、交付決定と額の確定の通知を受けたあとに、請求書を出します。市が確認したうえで支払われます。入金までの日数は、公式ページに記載がありません。工事代金や広告費は先に自分で払うことになるため、資金は補助金を除いた分で組んでおく必要があります。
補助金は2回もらえますか?
もらえません。この補助金の交付は、同じ事業者に1回限りです。2店舗目の出店や、事業の拡大のための改装には使えません。同じ経営グループとみなされる別の個人や法人が、同じ事業で交付を受けている場合も対象外になります。1回で使える経費を取りこぼさないよう、見積の段階で対象の品目を整理しておくとよいでしょう。
受付期間はいつまでですか?
公式ページに、受付の開始日と締切日の記載はありません。予算の範囲内で交付される制度です。実際の期限は、事業開始日の30日前までに認定申請を出すこと、と考えると整理しやすくなります。予算の残りは公式ページに載っていないため、出店の計画が固まった時点で、商工労政係に確かめておくと安心です。
問い合わせ先はどこですか?
笠岡市 産業部 商工観光課 商工労政係です。電話は0865-69-1188で、受付は平日の午前8時30分から午後5時15分まで(祝日・年末年始を除く)とされています。創業塾の日程や、認定申請の書類の書き方、物件が区域内かどうかなど、迷う点は認定申請の前に聞いておくと手戻りが減ります。
