1階を店として貸したい。でも玄関も内部も、2階の住まいとつながっている。甲府市の中心市街地には、そういう店舗兼住宅の空き物件があります。このままだと借り手が入りにくいので、先に店舗と住居を分ける工事が要ります。
その工事費の1/2(上限50万円)を、甲府市が所有者に補助します。対象になるのは、身内や自分ではなく、広く借り手を募って貸す物件だけです。工事に着手したあとの申請は受け付けられません。
甲府市 空き店舗兼住宅向け分離改修補助金の要点まとめ
正式名:空き店舗兼住宅向け分離改修補助金
だれが
- 申請者
- 空き店舗兼住宅の所有者(個人・法人)
- 対象業種
- 指定なし(所有者が申請。借り手の業種は不問)
- 利用目的
- 空き店舗の活用(店舗と住居の機能分離)
- 対象地域
- 甲府市の中心市街地
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 上限50万円
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年4月1日〜令和9年2月28日(予算に達し次第終了)
- 事業の完了
- 令和9年3月31日までに工事を終える
まず確かめたいのは、その物件が対象かどうか
次の項目にすべて当てはまれば、対象になる見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 9
店舗と住居の入り口が一体、または内部が区切られていない物件が対象です。ここでいう空き店舗は、商業や事務所に使っていた店舗で、連続して1か月以上使われていないものです。大型商業施設などのテナント型店舗は、原則として除かれます。居住者と所有者が別なら、居住者の同意書が要ります。中心市街地の範囲は、市が公表している区域図で決まります。
暴力団の構成員でないことと、拘禁刑以上の刑の執行中でないことは、法人なら代表者と役員も同じです。誓約書には役員等の名簿が付き、市が山梨県警察本部や市の税の部署へ照会することに同意します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ すでに工事に着手している
- ✕ 自分や親族の店にするための工事である
- ✕ 備品の購入や、機能向上だけの工事である
親族については、3親等以内が対象外の線です。親と子が1親等、祖父母・孫・兄弟姉妹が2親等、おじ・おば・おい・めいが3親等にあたります。法人の場合は、法人本体と役員、役員の3親等以内の親族が借り手になる工事が外れます。
いくら戻る?工事費の半分、上限50万円
補助額は、対象になる工事費の1/2です。50万円に届くのは、対象の工事費が100万円以上のときです。金額は計算の例で、実際の見積とは違います。
- 出入り口と間仕切り壁の新設で40万円:40万円 × 1/2 = 20万円
- 玄関の分離と電気・給排水のメーター分離で80万円:80万円 × 1/2 = 40万円
- 解体、壁の新設、設備の分離、残置物処分まで含めて130万円:130万円 × 1/2 = 65万円 → 上限の50万円
どの例でも、上限を超えた分は所有者の負担です。内装デザインを足しても、補助の額は増えません。
どんな工事なら対象になる?
対象にならない経費
- 備品の購入費
- 内装デザインや外装塗装など、機能の分離に直接関係しない工事
- バリアフリー工事など、機能向上のための工事
- 工事に着手してから申請した分
対象になる経費
- 仮設と解体の工事費
- 出入り口、壁、間仕切りの新設や、共用玄関の分離
- 電気、ガス、給排水の工事、メーターの分離
- 残置物など、既存の設置物の処分費
「入り口を分けるついでに外壁を塗り直す」ような工事は、塗装の分が対象外です。見積書は、分離の工事と、それ以外の工事を分けて出してもらう形が整理しやすくなります。
申請から受け取りまでの順番
- 市に相談する(所有者→中心市街地振興課。工事に着手する1か月前までに必ず)
- 交付申請書を出す(所有者→中心市街地振興課。窓口に提出。郵送は不可)
- 交付決定の通知を待つ(甲府市→所有者。通知が届くまで着工しない)
- 工事をして、年度内に終える(工事業者。令和9年3月31日までに完了)
- 実績報告書を出す(所有者→中心市街地振興課。工事完了後1か月以内。3月31日のほうが早ければそれまでに)
- 額の確定を受けて、補助金が振り込まれる(甲府市→所有者)
交付決定の通知を受けたあと、申請を取り下げるときは、通知を受けた日から20日以内に書面で出します。予算に達し次第、申請の受付は終わります。年度の後半は、受付の終わりと工事の期間が重なります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
誓約書には役員等名簿の欄があります。履歴書は申請者が個人のとき、定款・規約の写しは法人や団体のときに出します。居住者の同意書は、所有者と居住者が違うときだけです。ほかに、市長が必要と認める書類を求められることがあります。実績報告では、工事の実施状況の写真と、不動産バンクへの登録がわかる書類を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 着工してから申請した:工事に着手済みの物件は対象外です。相談は着手の1か月前までに済ませます。
- 要件を満たさなくなった:貸し出す店舗部分を、工事完了後、原則3年以上、不動産バンクなどで広く借り手を募って提供し続ける必要があります。補助対象期間中に要件を満たさなくなると、その年度の交付決定が全部取り消され、交付済みなら期限を決めて返還を命じられることがあります。貸し出す見込みが変わったときは、先に変更等承認申請書を出します。
- 取り消された物件は再申請できない:取消しになると、同じ物件で補助金をもう一度申請することはできません。
併用と消費税のこと
この制度は、甲府市中心市街地空き店舗活用事業補助金の要綱に定められた区分の1つです。同じ要綱には、店舗を借りて開業する事業者向けの内装・設備工事費の補助もあります。所有者が分離工事をして、借りた事業者が内装工事をするときは、申請者も対象経費も別です。併用の可否は、相談のときに確かめます。
消費税は、仕入れで控除できる部分があるとき、その分を減らして申請します。実績報告のあとに税額が確定して控除額が出たときは、補助金の返還を求められることがあります。
よくある質問
自分の店にするために店舗部分を分ける工事は対象ですか?
対象外です。要綱は、所有者本人や所有者の3親等以内の親族に貸すための工事を補助の対象から外しています。法人の場合も、法人自体や役員、役員の3親等以内の親族に貸す工事は外れます。この補助は、身内以外の事業者へ広く貸し出して、空き店舗を解消するためのものです。貸す相手が決まっているときは、申請の前に市へ相談します。
店舗の借り手がまだ決まっていなくても申請できますか?
申請できます。借り手の決定は申請の条件になっていません。むしろ、工事のあとに「こうふまちなか不動産バンクサポートサイト」などで、広く不特定多数の借り手を募ることが条件です。実績報告では、サイトへ登録したことがわかる書類を出します。借り手が決まる前の物件でも、分離工事をして貸しやすくするための補助だと考えると整理しやすくなります。
すでに工事を始めてしまった場合はどうなりますか?
補助の対象外です。公式ページに、すでに工事に着手している場合は対象外と書かれています。要綱でも、交付決定の通知があるまでは工事に着手できません。見積を取る段階までは問題ありません。契約や着工は、交付決定の通知を受けたあとにします。工事業者の都合で日程を先に押さえたいときは、着工日を通知のあとに設定できるか、見積の段階で確かめておくと安心です。
中心市街地とは、どの範囲ですか?
甲府市中心市街地活性化基本計画で定められた区域です。市の案内ページに、区域図のPDFが掲載されています。住所だけで判断せず、図で確かめます。図を見てもわからない物件は、中心市街地振興課へ地番を伝えて相談すると確実です。区域は約115ヘクタールで、相生、朝日、愛宕町、北口、宝、武田、中央、丸の内の各町の全部または一部です。中央一丁目と丸の内一丁目は全域、ほかは一部だけが入ります。区域の外にある物件は、この補助の対象になりません。
補助額の上限はいくらですか?
補助対象経費の1/2以内で、上限は50万円です。対象の工事費が100万円のとき、ちょうど50万円になります。130万円かかっても補助は50万円のままで、残りは所有者の負担です。補助の額は千円未満が切り捨てになります。内装デザインや塗装など、対象外の工事は、費用の合計に入れて計算しないでください。
申請はいつまでにすればよいですか?
公式ページでは、令和8年度分の申請期間が令和8年4月1日からです。終わりの日は「令和9年2月29日」と書かれていますが、令和9年は平年で2月29日がありません。実際は2月28日ごろまでと見込まれます。ただし、交付決定額が予算に達した時点で受付は終わります。改装工事も年度内に完了させる必要があるので、早めに相談します。
申請はどこへ、どうやって出しますか?
商工観光室の中心市街地振興課(甲府市役所本庁舎8階)です。窓口への提出で、郵送は受け付けていません。工事に着手する1か月前までに、必ず相談することになっています。電話は055-237-5693です。申請書の様式は、市の案内ページにそろっています。平日の開庁時間は午前8時30分から午後5時15分です。
居住者がいる物件でも申請できますか?
申請できます。所有者と居住者が違うときは、居住者の同意書を添えます。店舗と住居を分ける工事は、住んでいる人の生活にも影響します。電気やガス、給排水のメーターを分ける場合は、とくに事前の説明が要ります。同意書は、見積や図面と同じ時期に準備しておくと、申請が遅れにくくなります。様式は公式ページに見当たらないので、窓口で確かめてください。
工事が終わったあと、何をすればよいですか?
実績報告書を出します。期限は、工事完了後1か月以内です。年度内の3月31日のほうが早いときは、その日までです。添付するのは、事業報告書、債務が確定していることを示す書類の写し、工事の実施状況の写真、不動産バンクへの登録がわかる書類などです。市が審査して補助金の額が確定し、その後に支払われます。
3年以上貸す条件を守れなかったらどうなりますか?
交付決定の取消しと返還の対象になることがあります。要綱は、補助対象期間中に要件を満たさなくなった場合、市長が交付の決定を取り消せると定めています。3年以上貸し出すことは、その要件の1つです。すでに支払い済みなら、期限を決めて返還を命じられます。取消しのあと、同じ物件で再度申請することもできません。貸す計画に変更が出たら、変更等承認申請書の提出が必要です。
書類は、いつまで保存すればよいですか?
補助対象経費の収支がわかる証拠書類は、事業が完了した会計年度の終了後5年間、保存します。見積書、請求書、領収書、工事の写真などが対象です。調査や確認を受けることがあるので、紙でも電子でも、あとから出せる形で残します。工事完了の年度の翌年度から数えて5年と考えると、保存期限を間違えにくくなります。
同じ要綱の、店舗を借りる人向けの補助とは別の制度ですか?
申請者も対象経費も別です。この記事の補助は、所有者が貸し出すために店舗と住居を分ける工事費の補助です。同じ要綱には、店舗を借りて開業する事業者に向けた、内装や設備の工事費の補助もあります。賃借料の補助は、令和7年度に交付決定を受けた人が、令和8年度も続けて申請する場合に限られます。借りる側の補助は、1階路面店などの条件や、補助率と限度額が別に決まっています。借りる側の補助は、市の別の案内ページで確かめられます。
