「個人事業主 給付金」で検索する方の多くは、コロナ禍にあった持続化給付金や事業復活支援金を思い出しています。結論から言うと、その2つはすでに終了しており、2026年7月時点で「個人事業主なら誰でも無条件でもらえる給付金」は基本的にありません。 ただし、審査を通せば経費の一部が補助される「補助金」や、地域限定の「給付金」は今も存在します。この記事では、①すでに終了した制度、②今使える制度、③「50万円」「5万円」という数字が何を指しているのか、を順番に、誠実に整理します。

図: 個人事業主向け「給付金・補助金」の全体像。3つに分けて考えると混乱しません

「給付金」と「補助金」は何が違う?

同じ「もらえるお金」でも、給付金と補助金は仕組みがまったく違います。この違いを知らないまま「給付金」で検索し続けると、本来使えるはずの補助金にたどり着けません。

給付金・支援金補助金助成金
目的事業継続・生活の「救済」事業拡大・設備投資への「後押し」雇用・賃上げなど「環境改善」への対価
審査要件を満たせば原則受給できる審査・採択があり、申請しても不採択になりうる要件を満たして適切に申請すれば原則受給できる
お金の流れ先払い・一括給付が中心経費を立て替えて支払った後の「精算払い」が中心制度によるが精算払いが多い
典型例持続化給付金(終了)、自治体の物価高対策給付金小規模事業者持続化補助金、デジタル化・AI導入補助金キャリアアップ助成金など(主に雇用関係)

つまり、「給付金」は要件さえ満たせば比較的シンプルにもらえるお金、「補助金」は事業計画を審査され、経費を使った後にお金が戻ってくる仕組みです。「個人事業主 給付金」を探している方の多くが実際に使えるのは、要件を満たせば足りる「給付金」よりも、審査つきの「補助金」であるケースが多いというのが、2026年7月時点の実情です。

図: 給付金・補助金・助成金の違い。「先にもらえるか」「後から戻ってくるか」が大きな分かれ目です

すでに終了した給付金(持続化給付金・事業復活支援金)

「個人事業主 給付金」というキーワードで検索する方が思い浮かべているのは、多くの場合この2つの制度です。どちらも新型コロナウイルスの影響を受けた事業者を対象にした時限的な制度で、現在は新規の申請を受け付けていません。

持続化給付金(2020年度・個人事業主上限100万円)

売上が前年同月比で50%以上減少した事業者に対し、個人事業主は上限100万円、法人は上限200万円を給付する制度でした。申請期限は延長を重ねたうえで2021年1月15日(金)24時に終了しています。

事業復活支援金(2022年度・個人事業主上限50万円)

持続化給付金の後継として、月次支援金・一時支援金を経て実施された制度です。2021年11月〜2022年3月のいずれかの月の売上高が30%以上減少した事業者を対象に、減少率に応じて個人事業主は上限50万円、法人は上限250万円を給付する仕組みでした。申請期間は2022年1月31日〜6月17日で終了しています。

この2つは、いずれも「もう一度申請できないか」と探しても、2026年7月時点で再開の予定はありません。 検索結果に古い解説記事が表示されることがありますが、内容は当時の制度紹介であり、現在申請できるという意味ではない点に注意してください。

2026年の今、個人事業主が使える制度

「給付金」という言葉にこだわらず、審査つきの「補助金」まで視野を広げると、個人事業主が使える制度は今も複数あります。 代表的なものを整理します。

制度名種類対象になりうる使い道補助上限額補助率
小規模事業者持続化補助金補助金店舗改装・チラシ制作・ホームページ制作・展示会出展など「販路開拓」につながる投資最大250万円2/3
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)補助金クラウド会計・請求書システム、予約管理システムなどITツールの導入最大450万円1/2〜4/5
自治体独自の物価高対策支援金・給付金給付金光熱費・仕入れコスト上昇分の補填など(自治体により内容が大きく異なる)自治体・年度により異なる定額給付が中心

いずれも「個人事業主だから対象外」ということはありません。 小規模事業者持続化補助金は個人事業主・小規模の法人を主な対象にした制度ですし、デジタル化・AI導入補助金も従業員数の基準を満たせば個人事業主・フリーランスも申請できます。ただし、どちらも審査があり、事業計画書や申請書類を用意する必要がある点は、給付金とは大きく異なります。

自治体独自の給付金・支援金は、地域や年度によって内容・金額・受付期間が大きく異なるため、この記事では特定の金額を断定しません。お住まいの自治体・事業所所在地の情報を確認する方法は、後の章で紹介します。

図: 2026年7月時点で個人事業主が使える主な制度。いずれも要件確認と申請の手間が必要です

具体的にいくらもらえるか・どんな使い道が対象になるかは、それぞれの個別記事で金額シミュレーションとあわせて詳しく解説しています。

小規模事業者持続化補助金の詳しい対象経費・金額シミュレーションはこちら小規模事業者持続化補助金とは?何に使える・いくらもらえる・対象は

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の個人事業主向け解説はこちらデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は個人事業主でも使える?

「50万円」「5万円」はどの制度のこと?

「個人事業主 給付金 50万」「個人事業主 給付金 5万円」という具体的な金額での検索も多く見られます。これらの数字は、今もらえる金額ではなく、過去の制度や別の対象者向けの制度を指している可能性が高いため、それぞれ整理します。

「50万円」の正体は事業復活支援金の可能性が高い

前述のとおり、事業復活支援金は個人事業主の上限が50万円でした。 2022年に終了した制度のため、現在検索してもこの金額を新たに受け取ることはできません。「50万円」という数字だけが独り歩きして、今も申請できる給付金があるかのように誤解されているケースが多いと考えられます。

なお、小規模事業者持続化補助金の**「基本額50万円」**(特例なしの場合の上限)も同じ「50万円」という数字を持つため、こちらと混同されている可能性もあります。ただしこちらは審査つきの補助金であり、無条件でもらえる金額ではありません。

「5万円」は事業者向けではなく、子育て世帯向けの給付金の可能性

「5万円」については、事業者向けの制度というより、**低所得の子育て世帯を対象にした「子育て世帯生活支援特別給付金」(子ども1人あたり5万円)**など、家計・世帯向けの給付金と混同されているケースが多いと考えられます。これは事業を営んでいるかどうかにかかわらず、世帯の所得水準で対象が決まる制度であり、個人事業主だから受け取れる・受け取れないという話ではありません。

共通して言えるのは、「50万円」「5万円」という具体的な金額の噂の多くは、①終了した過去の制度、②別の対象者向けの制度、③自治体ごとに内容が異なる地域限定の給付金、のいずれかを指している可能性が高いということです。 今の時点で「個人事業主なら誰でも50万円もらえる」「5万円もらえる」という制度は、2026年7月時点で確認できていません。

自治体の給付金・支援金の探し方

自治体独自の物価高対策給付金・事業者向け支援金は、内容・金額・受付期間が地域によって大きく異なります。 全国一律の相場を示すことはできませんが、探し方の基本は次のとおりです。

  • 事業所が所在する市区町村の公式サイトで「物価高騰」「事業者支援」「給付金」等のキーワードで検索する
  • 商工会議所・商工会の会員であれば、窓口や会報で告知されることが多いので確認する
  • 多くの自治体給付金は受付期間が短く、期限を過ぎると再受付されないため、気づいたタイミングで早めに動く

GRANTOSでは地域ごとの補助金・給付金情報も記事として整理しています。自分の地域で使える制度を横断的に探したい場合は、無料の補助金診断も活用してみてください。

自分の事業で使える補助金・給付金を横断的に探したい方はこちら3分でできる補助金診断

申請の流れと注意点

給付金と補助金では、申請の流れが大きく異なります。

  • 給付金・支援金の場合:多くは電子申請フォームからの一括申請で、要件を満たす証憑(確定申告書、売上台帳など)を添付する形が中心です。審査というより「要件確認」に近く、受給までの期間も比較的短い傾向があります
  • 補助金の場合:事業計画書の作成、見積書の取得、交付決定後の発注・支払い、実績報告という複数のステップを踏みます。経費は基本的に立て替え払いで、着金は事業完了後の実績報告のあとになる点に注意してください

いずれの制度も、確定申告の実績や納税状況の証明を求められることが多いため、開業したばかりで確定申告をまだ済ませていない場合は、必要書類がそろわず申請が難しいケースがあります。 まずは自分が検討している制度の公募要領・募集要項で、必要書類を早めに確認しておくのが安全です。

図: 給付金と補助金では、お金を受け取るまでの流れがまったく違います

自分の状況でどの制度が使えるか、必要書類の準備で迷う場合は、専門家に相談することもできます。

どの制度が自分の事業に合うか迷ったら、専門家に直接聞くのも一つの方法です。専門家に無料相談する

よくある質問

開業したばかりでも使える制度はありますか?

制度によります。小規模事業者持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金は、確定申告書の控えなど事業実績を示す書類の提出が求められる場合が多く、開業して間もなく確定申告をまだ済ませていない場合は、必要書類がそろわず申請が難しいことがあります。 まずは各制度の公募要領で必要書類を確認しましょう。

確定申告をしていないと給付金・補助金はもらえませんか?

多くの制度で、確定申告書の控えや納税証明書の提出が求められます。確定申告をしていない場合に申請できるかどうかは制度ごとに異なり、税務上の扱いも含めて断定はできないため、 検討している制度の窓口や税理士・税務署に確認することをおすすめします。

副業でも対象になりますか?

制度により異なります。開業届を提出し、個人事業主として事業を行っている実態があれば対象になりうる制度もありますが、専業か副業かで扱いが変わる制度もあります。各制度の公募要領・募集要項の「対象者」の項目を必ず確認してください。

※本記事で紹介した制度内容・金額・受付期間は、2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助金・給付金の内容は制度改定や自治体の予算状況により変更される場合があるため、申請前に必ず各制度の公式サイト・公募要領で最新情報をご確認ください。

出典(一次情報): 経済産業省 持続化給付金制度の概要経済産業省 持続化給付金に関するよくあるお問合せNPOホームページ 持続化給付金の事前確認の申込受付期限に関するお知らせ経済産業省 事業復活支援金の詳細について(PDF)経済産業省 事業復活支援金中小企業庁 第20回小規模事業者持続化補助金 公募要領公開告知デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト


見逃しやすい"今使える"補助金・給付金情報を、LINEで先取りする

自治体の給付金・支援金は、告知から締切までの期間が短いものが多く、気づいた時には受付終了ということも珍しくありません。国の補助金の公募開始・締切変更などの最新情報も、公式サイトを毎日チェックするのは大変です。

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この記事で紹介した制度の概要(早見表)

検索項目内容
対象業種全業種(個人事業主・フリーランス)
利用目的設備整備・IT導入をしたい/販路拡大・海外展開をしたい
対象地域全国(自治体独自の給付金は地域限定)
制度名ステータス個人事業主の上限額備考
持続化給付金終了(2021年1月15日申請期限)100万円新型コロナ対応・再開予定なし
事業復活支援金終了(2022年6月17日申請期限)50万円新型コロナ対応・再開予定なし
小規模事業者持続化補助金公募中(第20回)最大250万円補助率2/3・審査あり。詳しくは個別記事
デジタル化・AI導入補助金公募中(1次締切2026-08-25)最大450万円補助率1/2〜4/5・審査あり。詳しくは個別記事

※この表の対象業種・利用目的・対象地域は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。個別の補助上限額・補助率・締切は各制度の個別記事・公式サイトでご確認ください。