京都市内の旅館・ホテルが、非常用電源やAEDの購入、伝統産業製品や市内産木材を使った内装工事に、費用の1/2(中小企業の場合)の補助を受けられる制度です。この記事は二次募集の内容で、受付は2026年7月1日から7月31日まででした。二次募集は終了しています。同じ事業の三次募集が、2026年8月31日から11月13日まで設けられています。
三次募集の実施要領は、申請期間と審査の区切り、審査結果の通知日を除いて二次と同じ文面でした。申請の準備に使う内容は、そのまま三次にも当てはまります。ただし三次募集では、一次・二次に応募済みの旅館・ホテルは対象外と三次の特設ページに書かれています。三次募集の詳細は三次募集の記事で扱っています。
宿泊施設の質の向上(受入環境充実)支援事業補助金の要点まとめ
正式名:宿泊施設の質の向上(受入環境充実)支援事業補助金(二次募集)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 旅館業法の旅館・ホテル営業(簡易宿所は対象外)
- 利用目的
- 地場産品の活用、災害対応、バリアフリー化、地域貢献の取組
- 対象地域
- 京都府京都市
- 従業員数
- 中小企業は資本金5,000万円以下または従業員100人以下
いくら
- 補助上限額
- 最大1,000万円(メニューB)。メニューAは100万円
- 補助率
- 中小企業1/2以内、大企業1/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月1日〜2026年7月31日(受付終了)
- 事業の完了
- 完了後30日以内(Aは2027年1月15日、Bは2月15日まで)
実施するのは京都市観光協会で、財源は京都市の宿泊税(宿泊客に課される市の税)です。予算の総額は、特設ページにも実施要領にも書かれていませんでした。
うちの宿は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
京都観光モラル推進宣言事業者とは、観光協会が認定する事業者です。京都観光モラル(京都市と観光協会が定めた観光客と事業者の行動基準)に沿った取組を宣言します。申請時点で未認定でも、認定を申請済みで実績報告時までに認定されていれば対象です。
開業5年以上は、2026年4月1日時点で数えます。事業譲渡があった場合は、譲渡前の期間も含みます。
所有者の同意は、申請書の確認事項に入っています。申請者が賃借で営業している場合は、所有者から本事業の実施について同意を得る必要があります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 許可種別が簡易宿所である
- ✕ 一次募集に応募済みである
- ✕ 市税や宿泊税を滞納している
- ✕ 宿泊客が大人専用に限られている
特設ページには、一次募集に応募済みの旅館・ホテルは二次募集の対象外と書かれていました。簡易宿所も対象外です。大人専用の施設は、実施要領で性風俗関連の営業に類する者の例に挙げられています。予約サイトに大人専用と載せていると、申請できません。
次の施設も対象外です。法令や条例による処分を受けている事業者、国や自治体が所有・運営する施設、観光客を広く受け入れていない施設、譲渡や交換の予定がある施設です。
資本金5,000万円以下または従業員100人以下の会社と個人が、補助率1/2の中小企業等に当たります。どちらか一方を満たせば足ります。大企業やみなし大企業(大企業が株式の一定割合を持つ会社)は1/4です。
いくらもらえる?
補助額は、消費税抜きの対象経費に補助率を掛けた額です。千円未満は切り捨てます。以下は計算のための仮の例です。
- 町家の旅館が非常用電源・簡易トイレ・AEDをそろえる(A):60万円 × 1/2 = 30万円
- シティホテルが備蓄飲料水と電動ベッドを買う(A):250万円 × 1/2 = 125万円 → 上限の100万円
- 旅館が客室と共用部を市内産木材で改装する(B):2,400万円 × 1/2 = 1,200万円 → 上限の1,000万円
- 大企業のホテルが同じ改装をする(B):2,400万円 × 1/4 = 600万円
対象経費の合計が10万円未満だと申請できません。AとBは併用でき、合わせると最大1,100万円です。メニューAの中で複数の事業を選んでも、Aの上限は合計100万円です。
国や京都府など他の補助金を受ける場合は、その額を事業費から引いて計算します。公式の例では、事業費200万円から府の補助50万円を引いた150万円が対象経費です。これに1/2を掛けた75万円が交付申請額になります。京都市の補助金とは併用できません。
何に使える?
対象にならないもの
- 電気代、通信費、サブスク、メンテナンス費などの運用費
- 地場産品を使わない工事や、導入箇所以外の工事費・諸経費
- 伝統産業製品や市内産木材が主な部分ではない物品
- 中古品、原状回復、機器の更新、消耗品
- 法令で設置が義務づけられている設備の改修費
- 自社の従業員の人件費、自社やグループ会社からの調達
- 工事を伴うバリアフリー化や段差解消の工事費
対象になるもの
- 地場産品(A-1):京都市指定の伝統産業製品(74品目)や、市内産木材「みやこ杣木」を使った備品
- 災害対応(A-2):非常用電源、備蓄飲料水・食料、非常用トイレ、AED、外国人向け災害対応リーフレット
- バリアフリー化(A-3):電動ベッド、施設内用車椅子、シャワーチェア、置くだけのスロープや手すり
- 観光マナーの啓発(A-4):館内案内の多言語化、ディスプレイ、Wi-Fi設備の機能強化
- 地域貢献(A-5):地域清掃用の物品、周辺マップの作成、国際的な持続可能な観光の認証の新規取得
- 内外装工事(メニューB):伝統産業製品や市内産木材を、壁・天井・床と一体で使う客室・共用部の工事
備蓄の飲料水と食料は、購入時点で保存年限が5年以上のものに限ります。壊れた電動ベッドの修理は対象外で、新しく買い替えれば対象です。
メニューBで補助されるのは、地場産品の材料費と、その導入箇所に付随する工事費だけです。壁紙を全面張り替えて一面だけ伝統産業製品を使うなら、補助されるのはその一面にかかる工事です。
申請の流れ
二次募集の手順です。三次募集も同じ流れで、日付だけが変わります。
- 見積もりを取る(事業者→業者。同じ条件で原則2者以上)
- 申請書類をオンラインで出す(事業者→京都市観光協会。申請期間の中で)
- 審査と交付決定を待つ(観光協会→事業者。決定の前に発注しない)
- 発注・購入・工事をして、銀行振込で支払う(事業者→業者)
- 実績報告を出す(事業者→観光協会。完了後30日以内か、Aは2027年1月15日・Bは2月15日の早い日まで)
- 確定通知を受けて請求する(事業者→観光協会。支払いは請求から1か月ほど)
二次募集の審査結果は、2026年8月31日までに通知されました。メニューBの工事は、審査のときと実績報告のときに、観光協会が現地を確認するのが原則です。
導入した物品や活動は、宿泊税を活用した事業であることが宿泊者にわかるように、説明文の設置やホームページで知らせる決まりです。A-1とB-1は、地場産品についても同じように知らせます。
必要な書類
準備できた 0 / 11
業者選定理由書は、見積書が1者分しか取れないときだけ出します。地場産品の確認書は、A-1とB-1を申請するときだけ要ります。地域活動がわかる書類は、加入なら名簿や自治費の領収書、参加・協力なら会報や写真などです。
納税証明書は申請日の直前年度分で、発行から3か月以内のものです。写しでも構いません。宿泊税の領収書は2025年3月から2026年2月分です。領収書をなくした場合は、納税証明書で代えられます。
導入物品等一覧表(別紙3)には、品名、数量、型番、設置場所、耐用年数を書きます。災害用の備蓄飲料水・食料は賞味期限も書きます。事業者情報(別紙1)では、客室数、宿泊定員、直前年度の稼働率と宿泊客数を聞かれます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:理由を問わず、その事業の全額が対象外になります。
- 銀行振込以外で支払った:現金、クレジットカード、電子マネー、ポイント、手形は認められません。
- 見積書の内訳がない:「一式」や「諸経費」だけの記載は、内訳が分からないと対象外です。
- 予算を超える申請があった:要件を満たしていても、不採択になることがあります。
- 実績報告の期限を過ぎた:交付決定を受けても、期日までに出さないと支払われません。
- 取得した物品を勝手に処分した:法定耐用年数のあいだは、観光協会の承認なしに譲渡・廃棄できません。残存価額に相当する額を返すことになります。
- 請求の時点で休業中だった:補助金は、請求日の時点でも旅館業の営業を続け、宿泊客を受け入れていることが条件です。申請時や申請後に休業中の施設は、受け取れません。
二次募集のあとは?
特設ページのFAQには、この補助金が毎年実施されるかは市の予算次第と書かれています。二次募集のあとに、三次募集が設けられました。三次募集の申請期間は2026年8月31日から11月13日までで、3期に分けて審査されます。
各期の審査で予算を超えた場合は、以後の期の審査と受付が行われません。三次募集の受付は、予算の消化しだいで途中で終わる可能性があります。
よくある質問
二次募集に間に合わなかった場合、次の機会はありますか?
二次募集のあとに、三次募集が設けられました。申請期間は2026年8月31日から11月13日までで、9月30日・10月30日・11月13日を区切りに3期に分けて審査します。実施要領は二次とほぼ同じ文面です。一次・二次に応募済みの旅館・ホテルは、三次も対象外です。各期の審査で予算を超えると、以後の期の審査と受付は行われません。来年度以降の実施は、市の予算次第とFAQに書かれています。
一次募集に応募した施設は、二次募集にも応募できましたか?
できませんでした。特設ページに、一次募集(5月29日締切)へ応募済みの旅館・ホテルは二次募集の対象外と書かれていました。同一の施設で交付申請が複数回認められると、交付決定が取り消されることがあります。三次募集の特設ページにも、一次募集・二次募集に応募済みの旅館・ホテルは対象外と書かれています。
簡易宿所は対象になりますか?
対象になりません。対象は旅館業法の「旅館・ホテル営業」の許可を受けた施設だけです。特設ページに、許可施設一覧で種別欄に「旅館・ホテル」とある事業者のみが対象で、「簡易宿所」は対象外と書かれていました。自分の施設の種別は、旅館業の許可書で確かめられます。
開業して5年たっていない宿は申請できますか?
申請できません。2026年4月1日の時点で、開業から5年以上たっている必要があります。事業譲渡があった場合は、譲渡前の期間も数えます。たとえば2021年4月2日に開業した施設は、この日付の時点で5年に1日足りないため対象外です。基準日は申請日ではなく4月1日です。
京都観光モラル推進宣言事業者の認定がまだ取れていません。申請できますか?
認定を申請済みであれば、申請できます。申請の時点で認定を受けていなくても、実績報告のときに認定を受けていれば対象です。ただし実績報告の時点で認定されていないと、交付決定を受けていても補助金は受け取れません。認定を受けた事業者の一覧は、観光協会のモラル推進宣言事業者のページで見られます。
メニューAとメニューBは両方申請できますか?
両方申請できます。実施要領に、メニューAとBは併用できると書かれています。Aの上限は100万円、Bの上限は1,000万円で、合わせると最大1,100万円です。Aの中でA-1からA-5までの複数の事業を選ぶこともできますが、Aの上限は合計100万円のままです。見積書は、事業ごとに分けて取るのが原則です。
国や京都府の補助金と一緒に使えますか?
国や京都府など、京都市以外の補助金とは併用できます。この場合の対象経費は、事業費から他の補助金の額を引いた金額です。事業費200万円で府の補助が50万円なら、対象経費は150万円で、交付申請額は75万円になります。京都市の補助金や、京都市の補助金を使った団体の補助とは併用できません。
大企業でも申請できますか?
申請できます。補助率が1/4以内になる点だけが違います。中小企業等は資本金5,000万円以下または従業員100人以下の会社と個人で、これに当たらない事業者は大企業の扱いです。みなし大企業(大企業が株式の一定割合を持つ会社)も1/4です。たとえば対象経費2,400万円なら、中小企業は上限の1,000万円、大企業は600万円になります。
工事や購入を始めてよいのはいつからですか?
交付決定の通知を受けたあとです。決定日より前に発注や契約をした事業は、理由を問わず全額が対象外になります。見積もりを取るだけなら交付決定の前でも問題ありません。内容や費用を変えるときは、契約の前に変更の承認申請を出します。出さないと、補助金を受け取れないことがあります。
支払いはクレジットカードでもよいですか?
使えません。補助対象経費の支払いは銀行振込に限られます。現金、クレジットカード、電子マネー、仮想通貨、クーポン、ポイント、商品券、小切手、手形、相殺による支払いは認められません。ポイントを使って買った場合は、ポイント相当額を引いた金額が対象です。実績報告で、銀行振込受領書の写しを出します。
申請できる補助額の下限はありますか?
あります。対象経費の合計が10万円以上必要です。10万円に届かない小さな買い物だけでは申請できません。金額は消費税抜きで数え、交付申請額に千円未満の端数が出たら切り捨てます。申請は1施設ごとにできます。市内で複数の旅館・ホテルを運営している場合は、許可を受けた施設の単位で申請します。
自治会に入っていなくても対象になりますか?
地域活動に参加していれば対象になります。自治会や町内会への加入か、施設のある地域での地域活動への参加・協力のどちらかを満たせば足ります。加入なら名簿や自治費の領収書、活動なら会報や写真などを添付します。京都府・京都市との災害協定を結んでいるだけでは、対象になりません。
問い合わせ先はどこですか?
京都市観光協会の「宿泊施設の質の向上(受入環境充実)支援事業補助金」担当です。電話は050-3649-5676で、平日の9時から17時(12時から13時を除く)に受け付けています。メールはhojyokin@kyokanko.or.jpです。審査結果や実績確認の中身についての問い合わせには、応じてもらえないと実施要領に書かれています。
