京都市のデジタル化推進プロジェクトには、いまから申し込めますか。申し込めません。令和8年度の支援申請は2026年5月29日17時で終わり、採択された事業者の補助金交付申請も9月11日に締め切られました。
次の募集は、2026年10月時点で京都市と運営事務局の公式ページに載っていません。京都市は令和2年度から、事業名を変えながらこの種のデジタル化支援を続けています。令和8年度の仕組みをここに残すので、次の募集に備える目安にしてください。
令和8年度は、補助金だけを申請する形ではありませんでした。採択されたあとにIT専門家の派遣を最低2回受けることが、補助金を交付する条件です。
京都市デジタル化推進プロジェクトの要点まとめ
正式名:京都市デジタル化推進プロジェクト(令和8年度)
だれが
- 申請者
- 京都市内の中小企業等(法人・個人事業主・中小企業で構成する団体)
- 対象業種
- 業種の指定なし(産業ごとに資本金・従業員数の上限あり)
- 利用目的
- ITツール等の導入による販路拡大・生産性向上
- 対象地域
- 京都府京都市
- 従業員数
- 業種ごとに上限あり(製造業は300人以下または資本金3億円以下)
いくら
- 補助上限額
- デジタル展開枠100万円/デジタル導入枠40万円
- 補助率
- デジタル展開枠2/3以内/デジタル導入枠4/5以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年2月24日〜2026年5月29日(受付終了)
- 事業の完了
- 導入枠は2026年12月25日、展開枠は2027年1月29日まで
自社は対象になる?
導入枠と展開枠はどちらで申請する?
2つの枠は、デジタル化がどこまで進んでいるかで分かれます。両方には申請できず、不採択になったあとで別の枠として審査し直すこともありません。
| デジタル導入枠 | デジタル展開枠 | |
|---|---|---|
| 主な対象 | ITツールを活用できていない、デジタル化の初期段階の事業者 | すでにITツールの導入などでデジタル化に取り組んでいる事業者 |
| 補助率・上限 | 4/5以内・40万円 | 2/3以内・100万円 |
| 想定される例 | POSレジ、会計ソフト、顧客管理ソフト、ペーパーレス化 | ECサイト、基幹システム、RPA(定型業務の自動化) |
| 採択の目安 | 50社程度 | 150社程度 |
| 事業の完了期限 | 2026年12月25日 | 2027年1月29日 |
手書きの会計帳簿を会計システムに替えるのは導入枠で、受発注から請求までをまとめる基幹システムを作るのは展開枠です。デジタル化をまったく進めていない会社でも、上限の高い展開枠に申請すること自体はできます。ただし審査で取り組みの状況が見られ、展開枠ではパソコンなどのハードウェアだけを申請できません。事務局は導入枠での申請を勧めています。
対象になる事業者
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
主たる事業所等は、主たる事業所または事業拠点のことです。1年以上かどうかは2026年2月24日の時点で見ます。中小企業等は、業種ごとの資本金または従業員数の上限以内の事業者です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 開業・設立から1年未満
- ✕ みなし大企業
- ✕ 法人格のない任意団体
- ✕ 国や地方公共団体から出資等を受けている者
- ✕ 風営法の性風俗関連特殊営業など
みなし大企業は、同じ大企業が株式の2分の1以上を持つ会社、大企業が3分の2以上を持つ会社、大企業の役員や職員が役員の2分の1以上を占める会社です。任意団体は商店街の組織や親睦会、サークルなどです。性風俗関連特殊営業に類する業種を営む者も対象外です。
中小企業等の上限は、製造業・建設業・運輸業が資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業が1億円以下または100人以下、サービス業が5,000万円以下または100人以下、小売業が5,000万円以下または50人以下です。ソフトウェア業と情報処理サービス業は3億円以下または300人以下、旅館業は5,000万円以下または200人以下とされています。どちらか一方を満たせば該当します。医療法人・社会福祉法人・学校法人は、従業員100人以下が条件です。
過去の補助歴で、申請できる枠が変わります。
- 導入枠にも展開枠にも申請できる:京都市のデジタル化の補助を受けたことがない事業者
- 展開枠だけ申請できる:令和2年度の「中小企業等IT利活用支援事業」、令和3〜5年度の「中小企業デジタル化推進事業」、令和6年度の「中小企業デジタル化・DX推進事業」のデジタル枠、令和7年度の導入枠、令和7年度のDXモデル構築プロジェクトで補助金なしの採択者
- どちらも申請できない:令和6年度のDX枠、令和7年度の展開枠、令和7年度のDXモデル構築プロジェクトで補助金ありの採択者、令和7年度のグローバル展開支援中堅企業創出プロジェクト
支援に採択されたあと、専門家派遣を受けてから補助金の交付前に辞退した事業者は、申請できます。
いくら補助される?
補助対象経費は税抜きで数え、補助金額は千円未満を切り捨てます。
- POSレジ20万円、業務ロボット10万円、パソコン14万円、タブレット3万円、Webカメラ1万円を導入する導入枠(パソコン・タブレット・Webカメラの17万円は上限の15万円までなので、対象経費は45万円):45万円 × 4/5 = 36万円
- 対象経費が50万円の導入枠:50万円 × 4/5 = 40万円(上限ちょうど)
- 対象経費が120万円の展開枠:120万円 × 2/3 = 80万円
- 対象経費が150万円の展開枠:150万円 × 2/3 = 100万円(上限ちょうど)
交付決定額は上限の額で、実績報告のあとの確定で減ることがあります。補助金は原則として、事業が終わって金額が確定してから払われます。成果物を確認できる既払いの経費に限り、交付決定額の半額を上限に、事業の期間中1回だけ概算払を請求できます。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
対象にならないもの
- 通信費(携帯電話の通話料、Wi-Fiの月額、インターネット回線・プロバイダー料金)
- 消耗品(USBメモリ、SDカード、バッテリー、タブレットケース、インクなど)
- 広告宣伝費(リスティング広告、SNS広告、動画広告など)
- 機器の修理や保守サポート、コンサルティング、従来の汎用ソフトの研修費
- ホームページのドメイン・サーバーの維持費
- ECサイトやホームページの商品撮影・コンテンツ作成用のカメラ
- 中古品、自作パソコン、オークションで買ったもの
- すでに使っているソフトの更新
- 親会社・子会社・関連会社・代表者の親族との取引
- テレワーク(在宅勤務)の導入と利用促進の事業
- 設備投資にあたる経費(原則)
対象になるもの
- ソフトウェア購入費(ライセンス料を含む)
- システム構築費(ECサイトやホームページの構築を含む)
- ハードウェア購入費(ソフトやシステムに付随して使う機器)
- 導入関連経費(機器の設置工事、UTMなどのセキュリティ機器、操作指導)
- クラウドサービス利用料(交付決定のあとの利用分だけ)
- 賃借料(リース料・レンタル料)
ハードウェアは、1個あたり税抜1万円以上のものだけが対象です。パソコンやタブレットには上限があります。導入枠では、パソコン・タブレット・周辺機器(キーボード、マウス、Webカメラ、スピーカー)の合計が税抜15万円までです。展開枠では、1台15万円までで、補助対象経費の全体の3/5以内に収めます。ハードウェア全体は、展開枠だと補助対象経費の3/4以内です。CADやサーバー用の特別な用途は、専門家の意見書に理由を書けば15万円の上限の対象外にできます。
ホームページやECサイトを作る場合は、売上の増加見込みや閲覧件数など、数字で示した目標が申請書に必要です。名刺代わりのホームページは認められません。補助対象の期間内に公開まで終える必要があり、見積額が50万円を超えると、担当とは別の専門家が内容と金額の妥当性を審査します。
申請の流れ
令和8年度のスケジュールで書きます。
- 支援申請書を出す(事業者→運営事務局。Web申請が原則で、2026年5月29日17時必着です。1事業者につき1回限りです)
- 採択の通知を受ける(事務局→事業者。受付の終了から40日以内に通知され、6月下旬が予定でした)
- IT専門家と計画を詰める(事業者→専門家。最低2回、原則最大5回の派遣を受けます。この間は発注も契約もしません)
- 補助金交付申請書を出す(事業者→運営事務局。専門家の意見書をつけて、2026年9月11日までです)
- 交付決定を待つ(事務局→事業者。書類に不備がなければ、到達から概ね20日以内に通知されます)
- 発注・導入・支払いをして完了する(事業者→IT事業者。導入枠は12月25日、展開枠は2027年1月29日までです)
- 実績報告と請求をする(事業者→運営事務局。事業の完了日から14日を過ぎた日か、期限日のいずれか早い日までに報告します)
必要な書類
準備できた 0 / 16
様式は、支援申請書が導入枠は第1号・展開枠は第2号、補助金交付申請書が第6号・第7号、実績報告書が第13号・第14号です。補助金交付申請書は、鑑文書、別紙1の計画書、別紙2の収支予算書と内訳の4点がそろって1式です。申請意見書は第8号様式、導入状況報告書は第15号様式です。
業務内容がわかるものは、定款や会社パンフレットなどです。法人は直近1期分の決算報告書、個人は確定申告書の写しを出します。登記事項証明書は法人のみで発行後3か月以内の写し、開業届は個人のみで税務署の受領印がある控えの写しです。
納税証明書は、京都市民税・固定資産税(土地・建物)・都市計画税のもので、発行後3か月以内の写しです。事業所がある区の区役所・支所の市民窓口課か出張所で取ります。支払いを確認できる書類は、請求書、領収書、振込明細などです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:採択の通知が届いても、発注はできません。交付決定の通知日より前の発注・契約・ライセンス取得は、どんな事情があっても補助金を交付できないと、Q&Aに書かれています。
- 専門家派遣を受けなかった:専門家派遣は必須です。事業の開始時とIT導入後の最低2回を受けないと、補助金は交付されません。
- 支払い方法が決まりに合わなかった:小切手・手形、売掛金との相殺、電子マネー、ポイントやクーポンの利用は認められません。クレジットカードは1回払いだけで、引き落とし日も補助対象の期間内でなければなりません。
- 期間内に終わらなかった:導入枠は12月25日、展開枠は1月29日を過ぎた日付の領収書や引き落としは対象外です。ECサイトやホームページは、期間内に公開まで終える必要があります。
- 計画を変えて承認を受けなかった:交付決定額が3分の1以上変わる場合と、事業の内容が変わる場合は、変更の承認申請が要ります。
- 関連会社・親族との取引や、実質無償の導入だった:ITツールを実質無償にする販売や、代金の一部を戻す取引は、不正として交付決定の取り消しと返還の対象です。
よく誤解されるポイント
採択されれば、補助金は決まりですか
決まりません。採択は専門家派遣を受けられる段階で、補助金が決まるのは補助金交付申請のあとの交付決定です。採択の通知のあとに発注しても、補助の対象になりません。
市内のITベンダーに頼まないといけませんか
頼む必要はありません。京都市内の事業者に限らず、自由に選べます。ただし補助金交付申請書に、なぜその事業者を選んだかの理由を書くことが全申請で必須です。価格の妥当性や実績、提案内容が、理由の例として挙げられています。
展開枠のほうが上限が高いので得ですか
補助率は導入枠が4/5、展開枠が2/3です。展開枠ではパソコンなどだけの申請もできず、審査でデジタル化の取り組み状況も見られます。対象経費が50万円なら導入枠で上限の40万円に届くので、小さく始める会社には導入枠が合います。
DXモデル構築プロジェクトと同じ制度ですか
別の制度です。DXモデル構築プロジェクトは、令和8年度は上限300万円、補助率1/2以内で、4月10日から6月12日まで受け付けました。約2年間の伴走支援で、補助金支援を受けるにはDX認定制度などへの申請が条件でした。この記事のデジタル化推進プロジェクトとは、募集の時期も採択の数も違います。
本社が京都市内なら、市外の店舗への導入も対象ですか
対象外です。申請者が京都市内に主たる事業所を持つだけでは足りず、補助の対象になる事業も京都市内で行う必要があります。
次の募集と併用
令和8年度は2月5日に発表され、2月24日から受付が始まりました。次の募集が実施されるか、いつ始まるかは、運営事務局のサイトと京都市の補助金一覧では確認できませんでした。募集が出れば、京都市の「事業者向け支援制度」のページか、運営事務局のサイトに載ります。
同じ経費を国や京都府の別の補助金・助成金でも受けることはできません。補助の対象経費が他の補助事業と重複していると、対象外になります。取得した機械やシステムは、事業が終わったあとも決められた期間は売ったり捨てたりできません。
よくある質問
いまからでも申し込めますか?
申し込めません。令和8年度の支援申請は2026年5月29日17時で終わり、採択された事業者の補助金交付申請も9月11日に締め切られました。次の募集があるかどうかは、2026年10月時点の京都市と運営事務局の公式ページでは確認できません。京都市の「事業者向け支援制度」のページと運営事務局のサイトに募集が載るので、そこを見ておくと早く気づけます。
導入枠と展開枠は両方申請できますか?
両方には申請できません。導入枠か展開枠のどちらか一方を選んで出します。不採択になった場合も、別の枠として審査し直されることはありません。どちらに当たるか迷ったら、申請の前に運営事務局に相談するよう、Q&Aに案内があります。ただし事務局の助言は参考情報として扱い、最終的には募集要項を読んで自分で判断する決まりです。
専門家派遣は断れますか?
断れません。専門家派遣は必須の条件で、受けない場合は補助金が交付されません。ITコーディネータの資格を持つ専門家が面談し、デジタル化計画と事業のスケジュールを確認します。事業の開始時と、IT導入が終わったあとの最低2回が必要で、原則最大5回まで受けられます。特定のツールを強制されることはないと、Q&Aに書かれています。
開業して1年未満でも申請できますか?
申請できません。令和8年度は、2026年2月24日の時点で開業または設立から1年未満の事業者が対象外でした。法人を設立して間もない場合も同じです。判定の日は申請の日ではなく、2月24日という募集開始日だった点に注意してください。次の募集では判定の日が変わる可能性があるので、募集要項で確かめてください。
採択されたら、すぐにITベンダーへ発注してよいですか?
発注できません。採択のあとは専門家と協議して補助金交付申請書を出し、交付決定の通知が届いてから発注・契約・支払いをしたものだけが対象です。交付決定の日より前に発注や契約をすると、どんな事情があっても補助金は交付されません。ライセンスの取得も同じで、交付決定の日より前に取得したものは対象になりません。
パソコンだけを買うための申請はできますか?
できません。展開枠では、パソコンなどのハードウェアだけの申請ができません。導入枠でも、システムの導入と関係なく、パソコンの増設やバージョンアップをするだけの経費は対象外です。パソコンやタブレットは、ソフトやシステムに付随して使う機器として認められます。導入枠の合計は税抜15万円までです。
ホームページを作る費用は対象ですか?
対象になりますが条件があります。名刺代わりのホームページは認められず、売上の増加見込みや閲覧件数の増加といった、数字で示した目標を申請書に書く必要があります。書かないと不採択になる可能性があります。見積額が50万円を超える場合は、担当以外の専門家が妥当性を審査します。補助対象の期間内に公開まで終える必要もあります。
クラウドサービスの年払いは全額が対象ですか?
全額は対象になりません。対象になるのは、交付決定の日から事業の完了期限までの利用期間分だけです。導入枠は2026年12月25日、展開枠は2027年1月29日が期限です。年払いでも、期間外の日数分は日割りで除かれ、自己負担になります。クラウドサービスの利用料は、交付決定の通知のあとに発生した分だけが対象です。
現金で払ってもよいですか?
銀行振込が確実です。募集要項と、8月19日の交付申請説明会の資料は、1取引が税抜10万円以上の現金払いを認めず、10万円未満なら可としています。Q&Aだけが「10万円超」の現金払いと書いていて、表現が食い違っています。10万円ちょうどの現金払いは、前者の読み方だと不可、Q&Aの読み方だと可です。どちらが正しいかは公式資料では確認できなかったため、現金払いは10万円未満にとどめるか、銀行振込にしておくのが無難です。電子マネーやポイントの利用は認められません。
補助金はいつ入金されますか?
原則として、事業が終わって実績報告をし、金額が確定したあとに請求して入金されます。実績報告の前に専門家が事業の場所を訪ねて確認し、事務局が検査に行く場合もあります。成果物を確認できる既払いの経費に限り、交付決定額の半額を上限に、事業の期間中1回だけ概算払を請求できます。確定の額は、交付決定額から減ることがあります。
市外のITベンダーに発注できますか?
できます。京都市内の事業者に限らず、自由に選べます。ただし補助金交付申請書に、そのベンダーを選んだ理由を書くことが全申請で必須です。価格の妥当性、実績、提案内容の優れた点などを書きます。ベンダーがさらに業務を再委託する場合も、その理由を書く必要があります。理由が曖昧だと、審査で確認や修正を求められます。
問い合わせ先はどこですか?
運営事務局です。電話は075-746-6868で、受付は平日の午前9時から正午までと午後1時から午後5時までです。メールはdigital_kyoto2026@nta.co.jpです。令和8年度の募集が終わったあとの窓口の対応は、公式ページから確認できませんでした。次の募集の内容は、京都市産業観光局地域企業振興室(075-222-3329)にも問い合わせられます。
