台風や豪雨で保育所や特別養護老人ホームが被災したとき、復旧費用を支える仕組みの一つがこの国庫補助金です。実施主体は九州厚生局で、福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県の8県にまたがって運用されています。特定の災害の名前が付いた制度ではなく、災害が起きるたびにこの枠組みが使われる常設の仕組みです。
社会福祉施設等災害復旧費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(社会福祉施設等の設置者・法人) |
| 制度名 | 社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金 |
| 対象業種 | 福祉・医療(社会福祉施設等の設置者。保育所、幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園、感染症指定医療機関、市町村設置の火葬場・と畜場など。対象施設の全リストは公式ページに記載なし) |
| 利用目的 | 災害で被災した社会福祉施設等の建物・附属設備の復旧 |
| 対象地域 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県(九州厚生局の管轄区域) |
| 従業員数 | 規定なし(施設単位で申請) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(施設の種類・設置者により異なります。九州厚生局健康福祉課へお問い合わせください) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(施設の種類・設置者により異なります。九州厚生局健康福祉課へお問い合わせください) |
| 申請受付 | 締切の定めなし(常設の枠組み。実際に災害が発生した際、都道府県を通じて個別に案内されます) |
| 公式サイト | 九州厚生局「社会福祉施設等の災害復旧関係」 |

対象になるかどうかの分かれ目は「基準額」
この補助金には、被害額による足切りがあります。災害復旧費の調査額が、1件につき80万円以上であることが基本の条件です。感染症指定医療機関や、市町村が設置する火葬場・と畜場は40万円以上に条件が緩みます。保育所や幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園は、さらに低い30万円以上で対象になります。同じ施設種別でも、施設によって基準額が変わる点に注意してください。
建物が対象。備品は対象になりません
対象経費の中心は建物の復旧費です。家具や什器などの備品は対象外というのが原則です。一方で、給排水設備や空調設備のように建物と一体になっている設備は対象に含まれます。壊れたものが「建物の一部」なのか「置いてあるだけの備品」なのかで、対象かどうかが分かれます。
実際に、令和8年7月28日発生の令和8年熊本地震では、熊本県・熊本市がこの枠組みを使い、建物向けの補助金と、備品・什器など<設備>向けの補助金を別々に案内しました。両方に被害がある施設は、どちらの枠に当てはまるかを窓口で切り分けて確認する必要があります。
申請は都道府県経由。今すぐ出せる書類ではありません
この補助金は、九州厚生局に施設が直接申請する仕組みではありません。まず施設がある都道府県(政令市の場合は市)の福祉担当課に相談し、都道府県が取りまとめて九州厚生局と調整する流れになります。平常時には具体的な締切や補助率の案内が出ていません。災害が発生し、国が災害復旧の対象になると認めたあとで、都道府県を通じて個別に案内されます。被災したら、まず自分の施設がある都道府県・市の福祉担当課に連絡することが最初の一歩です。
よくある質問
この補助金は今すぐ申請できますか?
現時点で、特定の災害に対する募集は出ていません。実際に災害が発生し、国が復旧費用の対象と認めた場合に、都道府県を通じて案内されます。
老人ホームの家具や備品も対象になりますか?
原則対象外です。建物と一体的な設備(給排水設備・空調設備等)は対象になります。備品・什器の復旧は、別枠の補助制度が案内されることがあります。
佐賀県や大分県の施設でも同じ枠組みが使えますか?
はい。福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県の8県が対象です。窓口はまず、施設がある都道府県(政令市は市)の福祉担当課になります。
