海外や県外の工場に生産を頼っていたら、コロナ禍でその調達網が止まった——2020年、多くの製造業がこの経験をしました。部材の調達先や生産拠点を県内に持ち直す動きに、三重県が最大3,000万円の補助を用意していたのがこの制度です。
三重県サプライチェーン強靱化促進緊急対策補助金(令和2年度)は、2020年11月30日17時15分で受付を終了しています。今から申請することはできませんが、金額の内訳は今後の同種の公募でも参考になる考え方なので、押さえておきましょう。
三重県サプライチェーン強靱化促進緊急対策補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人。大企業・中小企業を問わず、県内で製造を行っていれば本社所在地は県外でも可) |
| 制度名 | 三重県サプライチェーン強靱化促進緊急対策補助金(令和2年度・一般枠/F/S特化枠) |
| 対象業種 | 製造業(三重県の基幹産業=輸送用機械器具・電子部品デバイス・化学工業、または成長分野=クリーンエネルギー・次世代自動車・ライフイノベーション・食品・航空宇宙・高度部材関連) |
| 利用目的 | 設備投資(県内での生産転換・研究開発機能の新設増設・生産能力増強) |
| 対象地域 | 三重県内で製品等の製造を行う事業者 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業者かそれ以外かで補助率が変わる) |
| 補助上限額 | 一般枠3,000万円(投下償却資産額+設置移転費+F/S費の合算額×補助率に、常用雇用者増加分を加算。F/S費は100万円が上限)/F/S特化枠100万円 |
| 補助率 | 中小企業者1/2以内・その他1/3以内(転換型・増強型)、中小企業者1/3以内・その他1/4以内(研究開発強化型) |
| 申請受付 | 終了(募集開始2020年10月26日〜応募締切2020年11月30日17時15分必着) |
| 公式サイト | 三重県「三重県サプライチェーン強靱化促進緊急対策補助金」 |

3つの「型」で対象事業が分かれる
一般枠は、事業の内容によって3つの型に分かれていました。
- 転換型: 海外・県外で生産していた製品を県内製造に転換、または他社への外注を県内事業所で内製化に転換
- 研究開発強化型: 研究開発機能を県内に新設・増設
- 増強型: 強靱で高度なサプライチェーンを構築するための生産能力増強
「県内に工場や研究拠点を持ち直す」という方向性の投資が軸になっており、単なる既存設備の更新や運転資金は対象になりません。本社所在地が県内である必要はなく、県内で実際に製造を行っていれば県外本社の企業も応募できた点は見落とされがちなポイントです。
補助上限3,000万円の中身
補助上限額は「(投下償却資産額+設置移転費+F/S費の合算額)×補助率」に、常用雇用者増加分を加えた額でした。ただしF/S(実行可能性調査)費は100万円が上限です。
補助率は中小企業者かそれ以外かで変わります。
| 型 | 中小企業者 | その他 |
|---|---|---|
| 転換型・増強型 | 1/2以内 | 1/3以内 |
| 研究開発強化型 | 1/3以内 | 1/4以内 |
雇用増加分は、新規雇用した常用雇用者1人あたり、若者(45歳未満)50万円、それ以外30万円、研究者100万円が加算される仕組みでした。既存事業からの異動者は対象外で、交付申請日以降に新規雇用した人数に限られます。
投資要件と雇用維持要件がセットになっている
補助を受けるには、補助事業完了時点で補助対象経費(投下償却資産額+設置移転費+F/S費の合算額)が中小企業者3,000万円以上、その他5,000万円以上という投資要件を満たす必要がありました。小規模な設備更新だけでは、そもそもこの下限に届きません。
さらに、申請時点の常用雇用者数を事業開始後3年間維持することが条件になっていました。補助金を受け取った直後に人員を削減すると、この要件に抵触するおそれがあります。
よくある質問
令和2年度分の申請はもう出せませんか?
出せません。応募締切は2020年11月30日17時15分(必着)で終了しています。三重県の緊急対策として組まれた単年度の制度のため、同一名称での再募集は行われていません。同種の県内投資促進策が出た場合は、三重県雇用経済部企業誘致推進課のページで確認できます。
本社が県外にある企業でも申請できましたか?
できました。本社所在地が三重県内にある必要はなく、県内で対象製品の製造を行っていれば申請可能でした。ただしF/S(実行可能性調査)特化枠のみ、県内に事業所を有する事業者に限られていました。
中古の機械設備を導入する場合も対象になりますか?
対象になり得ます。二者以上の中古品流通事業者から型式や年式が記載された相見積もりを取得している場合には、中古設備も投下償却資産額として補助対象に含められる扱いでした。
