日本国内で特許を取っていれば、海外での出願費用も自動的に安くなるのか——そうではありません。 海外出願は別途、外国の特許庁への手数料や現地代理人費用、翻訳費用がかかり、国内出願よりむしろ高額になりがちです。INPIT外国出願補助金は、この海外出願費用の2分の1・上限300万円を補助する制度です。令和8年度第1回公募は2025年12月22日で受付を終了しており、今から申請することはできません。
INPIT外国出願補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業者・創業予定者・大学等) |
| 制度名 | 【令和8年度・第1回】INPIT外国出願補助金 |
| 対象業種 | 汎用(業種指定なし) |
| 利用目的 | DX・IT導入(知財戦略・海外展開) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者に該当すること(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 上限300万円(特許出願150万円以内、実用新案・意匠・商標の登録出願60万円以内、商標の防護対策30万円以内) |
| 補助率 | 2分の1 |
| 申請受付 | 【令和8年度・第1回】2025年12月1日〜12月22日(受付終了) |
| 公式サイト | INPIT「INPIT外国出願補助金」 |

国内出願と海外出願、何が対象で何が対象外か
「特許を取ったついでに海外にも出したい」という相談は多いのですが、この補助金が対象にするのは、すでに日本国内で出願している特許・実用新案・意匠・商標を、パリ条約の優先権を使って外国に出願する費用だけです。
- 対象になる:日本の特許庁にすでに出願済みの案件を、優先権を主張して外国特許庁等に出願する際の出願手数料・現地代理人費用・翻訳費用
- 対象にならない:日本国内での出願そのものにかかる費用、優先権主張を伴わない新規の海外単独出願
この線引きは、国内で権利化の道筋が見えている案件を、海外展開のタイミングで後押しするという制度趣旨によるものです。国内出願をまだしていない場合は、先にそちらを済ませる必要があります。
よく誤解されるポイント——「中間手続」も対象になる
出願手続きの費用だけが対象だと思われがちですが、外国特許庁とのやり取りで発生する「中間手続」の費用も別枠で補助対象になります。拒絶理由通知への対応や補正など、出願後に発生する費用も見込んで申請額を組み立てることが重要です。
もう一つ誤解されやすいのが申請のタイミングです。海外出願をしてから補助金に申し込むのではなく、原則として補助金の交付決定前に契約・発注した費用は対象外になります。 先に出願手続きを進めてしまうと、その分の費用は補助対象から外れます。
よくある質問
今から申請できますか?
できません。【令和8年度・第1回】は2025年12月22日で受付を終了しました。 INPITの公式ページでは令和8年度第4回(9月頃予定)などの後続公募が案内される場合があるため、公式ページで次回の公募情報を確認してください。
対象になるのはどんな出願ですか?
日本の特許庁にすでに出願している特許・実用新案・意匠・商標を、外国特許庁等に出願する際の費用が対象です。出願手続き費用のほか、拒絶理由通知への対応などの中間手続き費用も対象に含まれます。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。中小企業者に該当する個人事業主・創業予定者・大学等も対象です。ただし、資本金・従業員数の要件を満たしているかは業種ごとに異なるため、公式ページの詳細な要件で確認する必要があります。
