日本で出した特許や商標を外国の特許庁にも出すときの費用を、INPITが半分補助します。令和8年度第1回の受付は2025年12月22日に終わっています。令和8年度は第4回(2026年9月28日締切)まで終わっていて、INPITは令和9年度第1回を2026年11月30日から12月21日の予定と案内しています。
INPIT外国出願補助金の要点まとめ
正式名:【令和8年度・第1回】INPIT外国出願補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(中小企業者・創業特定法人・個人事業主・大学等)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 外国での特許・実用新案・意匠・商標の出願
- 対象地域
- 全国(日本国内に本社があること)
- 従業員数
- 業種ごとの基準以下(製造業等は300人、小売業は50人など)
いくら
- 補助上限額
- 1事業者あたり300万円(特許1出願150万円まで)
- 補助率
- 1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2025年12月1日〜2025年12月22日(受付終了)
- 公式サイト
- INPIT「INPIT外国出願補助金」
実用新案・意匠・商標の登録出願は1出願60万円まで、商標の抜け駆け対策の出願は30万円までです。
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
個人は、日本国内に住所がある個人事業主だけが対象です。大学の教員や大学を設置する法人、公設試験研究機関を設置する自治体などの試験研究機関等も、対象に入ります。創業10年未満の法人は、資本金が3億円以下のものを指します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 海外の子会社として出す
- ✕ 特許庁の事業と同じ出願で重複する
みなし大企業は、同じ大企業が株式の1/2以上を持つ会社や大企業が株式の2/3以上を持つ会社のことです。
日本の出願を基にしない出願も一部は対象です。特許協力条約(PCT)による国際出願の国内移行・ハーグ協定による意匠の出願・商標の直接出願に限ります。この場合も外国と日本の出願人の名義が同じでなければなりません。
中小企業者の基準
資本金か常勤の従業員数のどちらかが、次の数字以下であれば中小企業者です。
| 業種 | 資本金 | 常勤の従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円 | 300人 |
| 卸売業 | 1億円 | 100人 |
| サービス業(ソフトウェア業等を除く) | 5,000万円 | 100人 |
| 小売業 | 5,000万円 | 50人 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
| 旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
| 上記以外 | 3億円 | 300人 |
ゴム製品製造業は資本金3億円か従業員900人です。企業組合や事業協同組合などの組合と特定非営利活動法人も対象です。
いくら戻ってくる?
補助率は1/2です。上限は1事業者で300万円、1出願ごとには特許150万円・実用新案と意匠と商標60万円・商標の抜け駆け対策30万円です。令和8年度の交付決定額は、第1回から第4回までを合計して300万円までです。大学の教員や大学を設置する法人など、試験研究機関等の一部(要領3(3)①〜③)には1事業者の上限がありません。
1出願は基になる日本の出願1つのことです。複数の国に出しても1出願と数えます。
計算例です。費用の金額は仮の数字で、消費税は除きます。
- 特許1出願:外国の費用240万円 × 1/2 = 120万円
- 特許1出願:外国の費用400万円 × 1/2 = 200万円 → 1出願の上限150万円
- 特許2出願で上限の150万円ずつ、意匠1出願で40万円:合計340万円 → 1事業者の上限300万円
共同出願では1出願の上限に持ち分割合か費用負担割合の低い方を掛けます。意匠と商標の出願はそれぞれ5件までです。
何に使える?
対象にならないもの
- 補助金の申請書や実績報告書をつくる費用
- 消費税と、海外の付加価値税(VAT)
- 日本の特許庁に払う手数料(優先権証明書の発行料など)
- 先行技術や先行登録の調査の費用
- 国際出願の国際段階の手数料
- 期間を過ぎたときの救済の手数料
- 特許料と登録料
対象になるもの
- 外国の特許庁などに払う手数料(出願手数料・出願審査請求料・手続補正書の手数料)
- 国内の代理人(弁理士など)と現地の代理人の費用
- 明細書などの翻訳の費用
代理人は国内1事務所と出願先ごとに現地1事務所が前提です。2つの代理人の間に別の代理人を入れると、その手数料は原則対象になりません。翻訳の費用は、単価と単語数かページ数の内訳が見積書に書かれたものに限ります。
交付決定の前に発注した費用は対象外です。交付決定のあとに発注し、補助事業の期間内に検収と支払いを終えた費用だけが補助されます。支払いは銀行振込で確認します。
申請の流れ
- GビズIDプライムを取る(事業者→デジタル庁。発行まで1週間程度かかります)
- 見積書と書類をそろえる(事業者→国内の代理人。外国の費用の内訳が分かる見積書が要ります)
- Jグランツで応募する(事業者→INPIT。公募期間内に。1社1申請で、複数の案件はまとめて出します)
- 採択と交付決定を待つ(INPIT→事業者。採択のあとに、交付申請をやり直す必要はありません)
- 出願して費用を払う(事業者→外国の特許庁と代理人。交付決定のあとに発注します)
- 実績報告を出す(事業者→INPIT。完了から30日以内か補助事業の期間の終わりの早い方まで)
- 精算払請求をする(事業者→INPIT。金額が確定した通知を受けてから)
補助金は精算払いで、振込先は補助事業者名義の口座に限ります。
必要な書類
準備できた 0 / 10
表は法人の場合です。個人事業主は、決算書や履歴事項全部証明書などの代わりに確定申告書別表第1(直近2年分)を出します。開業1年未満なら、開業届と預金残高証明書などで代えます。大学等の試験研究機関等は、履歴事項全部証明書と株主名簿と法人事業概況説明書が要りません。
特許出願の場合だけ、特許出願非公開制度の誓約書が要ります。外国の出願に経済安全保障推進法の特定技術分野の発明を含む特許出願は応募できません。調査報告書は、国際調査報告や拒絶理由通知書や特許査定で代えられることがあります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:その費用は対象外です。先に出願の手続きを進めると、その分は補助されません。
- 同じ出願で重複して申請した:特許庁の海外出願支援事業にも申請すると、不採択になります。交付決定が出ていれば取り消されます。
- 権利化状況報告書を出さない:交付決定の取消しや補助金の返還、次回以降の不採択につながることがあります。
- 賃上げの加点を受けて実績が足りない:給与支給総額の2.5%に満たないと、交付決定を取り消されることがあります。
中間手続の補助
外国の特許庁から拒絶理由通知を受けたときの応答や出願審査請求にも補助があります。対象は特許出願だけで、意匠の拒絶理由通知への応答は対象外です。出願手続の補助を受けた案件か、特許庁事業の補助を受けた案件でなければ申請できません。
よくある質問
令和8年度第1回は、今から申請できますか?
できません。令和8年度第1回の受付は、2025年12月22日で終わりました。令和8年度の公募は第2回から第4回まで終了しています。INPITは、令和9年度の公募を第1回が2026年11月30日から12月21日、第2回が2027年3月1日から3月19日、第3回が2027年6月7日から6月28日の予定と案内しています。日程は変わることがあるので、INPITのページで確かめます。
どんな出願が対象になりますか?
日本の特許庁にすでに出している特許・実用新案・意匠・商標を基に、パリ条約の優先権を主張して外国の特許庁などへ出す出願が中心です。出願の方法は、各国の法令による出願と特許協力条約による国内移行とハーグ協定による意匠の出願とマドリッド協定議定書による商標の出願があります。外国の出願と日本の出願の名義が同じであることも条件です。
優先権を使わない出願も対象ですか?
一部は対象です。特許協力条約による国際出願を国内移行する場合と、ハーグ協定で日本を指定国に含めて意匠を出す場合と、商標を直接出す場合です。商標の直接出願は、日本の出願や日本国内の登録商標と対応するものに限ります。日本に先行する登録がなく、すでに使っているか使う予定が具体的な商標だけです。調査結果や使用の資料を出します。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。個人は、日本国内に住所がある個人事業主だけが対象です。開業から1年たっていなくても応募できます。その場合は確定申告書の代わりに、開業届や預金残高証明書などを出します(案内ページのよくある質問には、事業計画書と収支計画書を出すという答えもあります。申請する回の公募要領で確かめます)。常勤の従業員数や資本金の基準は、事業の業種ごとに決まっています。個人事業主でも、同じ基準で中小企業者かどうかを判断します。
補助金は全部でいくらまでもらえますか?
1事業者あたり300万円までです。令和8年度は第1回から第4回の交付決定額の合計が、この上限を超えられません。1出願ごとにも上限があり、特許は150万円、実用新案・意匠・商標は60万円、商標の抜け駆け対策は30万円です。応募の回数に制限はありませんが、過去に採択された出願と同じ出願には重ねて補助を受けられません。
欧州特許庁への出願は対象ですか?
対象です。ただし、欧州特許庁から各加盟国へ移す(有効化する)手続きと欧州単一効特許の申請は対象外です。どちらも登録査定のあとに行うためです。外国での先行技術調査や先行登録調査の費用も、対象になりません。翻訳文の提出が遅れたときなどの期間を過ぎた救済の手数料も同じです。見積書の内訳で対象になる費用を分けておきます。
交付決定の前に代理人へ依頼してよいですか?
依頼しても、その費用は補助されません。補助されるのは、交付決定の日付より後に契約か発注をして、補助事業の期間内に検収と支払いを終えた費用です。応募のときは見積書を出せば足ります。出願の期限が先に来る場合は、補助を受ける案件に含めるか自費で出すかを申請の前に決めておきます。決めるときは代理人にも相談します。
補助金はいつ振り込まれますか?
精算払いなので、出願や支払いがすべて済んだあとに振り込まれます。補助事業が終わると実績報告を出し、補助金の額が確定します。その通知を受けてから精算払請求を出すと、請求書に不備がなければ補助事業者名義の口座へ振り込まれます。実績報告の確認には、締切から約2〜3か月かかります。出願の費用は、先に自分で払う前提で資金を用意します。
共同出願のときは、まとめて申請できますか?
まとめて申請はできません。共同出願人のうち補助を受けたい人が、それぞれ自分の名義で申請します。採択後の手続きも、各自で行います。1出願の上限は、持ち分割合か費用負担割合の低い方を掛けた額になります。持ち分割合や費用負担割合が分かる契約書や覚書を書類として出します。名義が違うと対象外になります。
他の補助金と一緒に使えますか?
同じ外国の出願について、国費を財源とする別の支援にも申請することはできません。都道府県の中小企業支援センターが実施する特許庁の海外出願支援事業も、同じです。重複が分かると不採択になり、交付決定の取消しもあります。ただし、一方が不採択になったあとなら、同じ出願について他方に申請できます。
中間手続の補助だけを申請できますか?
できません。中間手続の補助は出願手続の補助か特許庁事業の補助で交付決定を受けた特許出願が、対象です。意匠や商標の手続きは対象に入りません。なお、過去の特許庁の海外出願支援事業などで、同じ案件の中間応答の補助をすでに受けていると出願手続の補助には申請できません。外国の特許庁から通知が来たときのために出願の段階で補助の対象にしておくかを考えます。
申請にはGビズIDが必要ですか?
必要です。申請はJグランツだけで受け付けていて、GビズIDプライムアカウントが要ります。発行まで1週間程度かかります。過去に取ったIDがあれば、再発行は要りません。同じ法人で同じ利用者は、複数のアカウントを持てないためです。早めに取得します。
