海外の見本市に一度出るだけで、航空券、宿泊、ブースの出展料、サンプルの輸送費が一気に重なります。社員2人で行けば、旅費は倍です。
宮城県は、県内の中小企業が自社の製品を海外で売り込む費用の2分の1、上限100万円を補助しています。国の重点支援地方交付金を使った事業で、申請は2027年2月1日までです。ただし、航空券の購入や出展の契約は、原則として交付決定のあとに始めます。先に買うと対象外になるので、順番が第一の関門です。
宮城県 県内企業海外販路開拓重点支援事業補助金の要点まとめ
正式名:県内企業海外販路開拓重点支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 県内に本店のある中小企業者(みなし大企業は除く)
- 対象業種
- 業種の指定なし(自社製品の海外販路開拓が対象)
- 利用目的
- 海外の商談会・展示会への出展、学術会議での発表、海外企業との商談
- 対象地域
- 宮城県
- 従業員数
- 中小企業等経営強化法の中小企業者(規模の基準は業種で異なる)
いくら
- 補助上限額
- 100万円(同じ申請者の複数回の利用も上限内で可)
- 補助率
- 対象経費の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年1月16日〜2027年2月1日(予算次第で早期終了あり)
- 事業の完了
- 2027年3月1日まで(支払まで終えたもの)
まず何から始める?
書類を作る前に、国際ビジネス推進室へ連絡します。県は申請の前にヒアリングを行っていて、公式ページも「まずはお問い合わせ先までご一報ください」と案内しています。
- 食品以外:022-211-2962(国際ビジネス推進第一班)
- 食品:022-211-2346(国際ビジネス推進第二班)
渡航や出展の日程が決まっていなくても、候補の見本市と自社製品が対象に当たるかを話せます。申請の受付は長いのですが、補助対象の事業は2027年3月1日までに完了して支払まで終える必要があります。日程から逆算して連絡するのが現実的です。
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
「中小企業者」は、中小企業等経営強化法で業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、規模の基準は業種で異なります。くわしくは県の担当課に確かめてください。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ みなし大企業
- ✕ 一般消費者への販売が主な催し
- ✕ 市場調査だけの聞き取り
- ✕ 県内に事業所がない
みなし大企業とは、同じ大企業が資本金の2分の1以上を持つ、複数の大企業で3分の2以上を持つ、大企業の役職員が役員の2分の1以上を占める、のどれかに当たる会社です。
対象は自社で開発・製造した製品の販路開拓だけです。他社の商品を仕入れて売る商社型の取り組みが対象になるかは、公式ページから読み取れません。そうした場合は、ヒアリングの場で確かめます。
出る催しにも条件があります。製品サンプル、カタログ、パネルの展示や試食で自社製品を見せ、商談をする場であること。参加する国・地域へ宮城県産品を輸出できること。学術会議なら、多くの国・地域の研究者が集まり、自社製品に関わる研究を自分で口頭発表やポスター発表することが条件です。海外企業との商談は、ビジネスの交渉に限られ、市場調査のための聞き取りは含みません。
いくら戻ってくる?
かかった費用の半分で、上限は100万円です。対象経費が200万円になると、上限に届きます。
- 海外の展示会に1回出る:150万円 × 1/2 = 75万円
- 商談会と現地の企業訪問を組む:200万円 × 1/2 = 100万円
- 大型の見本市に出る:260万円 × 1/2 = 130万円 → 上限の100万円
補助額は千円未満を切り捨てます。たとえば対象経費が1,234,567円なら、半分は617,283.5円で、千円未満を切り捨てた617,000円が補助額です。
上限の範囲なら、同じ事業者が複数回使えます。1回目の展示会で30万円の補助を受けたあと、次の商談に使えるのは残りの70万円です。
- 1回目:60万円 × 1/2 = 30万円
- 2回目:140万円 × 1/2 = 70万円(合計100万円で上限)
何に使える?
対象にならないもの
- 日本国内の宿泊料
- 海外の現地での交通費
- ビジネスクラスなどエコノミー以外の航空賃
- 3人目以降の旅費(1回の出張につき、役員・従業員の2名分まで)
- 同じ業務時間に2人目の通訳
- 関税を含む公租公課
- 国や県、市町村などほかの補助金・交付金と同じ経費
対象になるもの
- 旅費(航空券代、国内の出発地から空港までの交通費、海外の宿泊料、旅行代理店の手配手数料)
- 通訳雇用費
- 出展費(必要最小限のスペースと備品、オンライン展示商談会の出展基本料、振込手数料)
- 輸送費(サンプル・展示物の国内と現地の輸送、通関、検査)
- その他経費(自社製品の紹介資料・パンフレット・動画の作成、翻訳、印刷)
- 国際的な認証の取得費用(農林水産物とその加工品の場合のみ。ハラール、コーシャ、有機JASなど)
航空券は、申請時の正規割引航空券の見積額が上限です。宿泊料と通訳の日数は県が認めた範囲で、宿泊料には県の規定に準じた上限額があります。
申請の流れ
- 国際ビジネス推進室に連絡して、ヒアリングを受ける(事業者→県。申請より前)
- 見積書と出展先の資料をそろえる(事業者。海外の費用は円換算の根拠も)
- 電子申請システム「LoGoフォーム」で交付申請する(事業者→県。2027年2月1日まで)
- 交付決定を受けてから契約・航空券の購入に進む(県→事業者)
- 渡航・出展・商談をして、3月1日までに支払まで終える(事業者)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了の日から30日後か2027年3月1日の早いほうまで)
申請の区分ごとにフォームが分かれています。交付申請のほか、計画変更の承認、事業の中止・廃止の承認、実績報告があり、使うフォームを間違えないようにします。
受付の締切が2027年2月1日、事業の完了が3月1日です。2月1日に出すと、交付決定のあとに使える期間が1か月を切るおそれがあります。交付決定までの日数は公式に書かれていないので、渡航日が決まっているなら、早めに出すほうが安全です。
必要な書類
準備できた 0 / 9
出展先の概要資料は、展示会や学会、商談先企業、海外販路開拓活動の内容が分かるものです。換算資料は、海外の費用を日本円に直す根拠になるものを指します。
実績報告では、商談先の名刺、商談や展示会の様子の写真、Eチケットか搭乗券の半券、宿泊の明細、現地通貨の支払いの換算資料なども出します。出張中に撮る写真や集める名刺が、あとで書類になります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:着手とは、補助の対象になる経費の契約を結ぶことです。航空券の購入も含まれます。やむを得ない事情があるときは、県の指導を受けて「交付決定前着手届」を出せば先に始められますが、交付決定までに生じた損失はすべて自己責任です。
- ほかの補助金と同じ経費を重ねた:国、県、市町村、その他の団体の補助金・交付金と同じ内容の経費は使えません。
- 県税に未納がある:未納があると交付申請ができません。
- 期間内に終わらなかった:2027年3月1日までに事業を完了し、支払まで終えたものだけが対象です。
交付のあとも手続きが残ります。補助金の交付後3年間は、県から事業成果の報告を求められることがあります。経理の帳簿と証拠書類は、事業が終わった年度の終了後5年間保存します。県が行う広報への協力も、努力義務として求められます。
よくある質問
すでに買った航空券は対象になりますか?
原則として対象になりません。補助事業の着手は、交付決定を受けてから行うことになっています。ただし、やむを得ない事情があるときは、県の指導を受けたうえで交付決定前着手届を出せば先に着手できます。その場合も、交付決定までに起きた損失はすべて自己責任です。事前にヒアリングで相談してください。
令和7年12月に契約した分も対象ですか?
対象になる場合があります。要綱の別表に、令和7年12月1日以降に着手した事業を対象にすると書かれています。附則では、12月1日から施行日(令和8年1月16日)までに着手した事業について、「交付決定日から」という期間の定めと交付決定前着手の規定を当てはめないとしています。この期間の契約は、交付決定より前でも対象に含められる読み方になります。12月1日より前の着手は対象外です。該当しそうな場合は、国際ビジネス推進室に確認します。
展示会に3人で行くと、旅費は何人分が対象ですか?
1回の出張につき、申請者の役員または従業員の2名分までが対象です。3人目の航空券や宿泊料は、自社負担になります。通訳も、同じ業務時間中は1名分だけが対象です。誰を2名に選ぶかは、商談を担当する人と技術の説明をする人など、出張の目的から決めると整理しやすくなります。
海外での移動や、日本国内の宿泊は補助されますか?
どちらも対象外です。旅費の対象は、日本から事業を行う場所までの往復の航空賃、国内の出発地と空港の間の交通費、宿泊料です。宿泊料は海外分だけで、日本国内の宿泊は含みません。海外の交通費も補助の対象外で、現地での移動は自社負担になります。航空券はエコノミークラスに限られます。
オンラインの展示会でも使えますか?
出展費のなかに、オンライン展示商談会への出展基本料が対象として書かれています。ただし、補助の対象となる事業は、海外で開催される商談会・展示会などへの出展です。対象の催しに当たるか、渡航がなくても申請できるかは、公式ページだけでは判断できません。申請の前にヒアリングで確かめます。
同じ会社で、何回も申請できますか?
上限の範囲内であれば、同じ事業者の複数回の利用が認められています。1回目に使った補助額は、上限100万円から差し引かれます。たとえば1回目で30万円の補助を受けたら、2回目に使えるのは70万円までです。回数の定めは書かれておらず、上限と予算の範囲で考えます。
商社などから仕入れた他社の商品を売り込む場合は、対象ですか?
公式ページと要綱からは判断できません。補助対象事業の要件は「自らが開発又は製造した製品の海外販路を開拓する取組であること」です。申請者の側も、自社の製品について、本店や事業所が主体となって海外販路開拓に取り組むことが条件になっています。仕入商品の扱いは、ヒアリングで確かめます。
1回の申請で、いくつの展示会を対象にできますか?
原則は、1回の申請で対象になる商談会等は1つです。ただし、1回の渡航で複数の商談会等に参加するときは、旅程や会期を確かめたうえで、必要かつ合理的と認められたものに限り、複数の経費が対象になります。同じ渡航で展示会と取引先訪問を組むなら、申請の前に日程表を持って国際ビジネス推進室へ相談します。
宮城県のものづくり産業海外販路開拓支援事業補助金とは何が違いますか?
県の別の補助金で、対象事業者と上限額が違います。令和8年度の案内では、ものづくり産業向けは、製造業(食品を除く)を主たる事業にする事業者が対象で、補助率は1/2、上限は50万円です。受付は2027年2月12日までで、外国語の販促媒体の作成費も対象に入っています。この記事の補助金は、業種の指定がなく食品も含まれ、上限は100万円です。どちらを使えるかは業種で変わるので、事前のヒアリングで確かめます。同じ経費を両方の補助金に出すことはできません。
申請の受付がいつまでか、予算が先になくなりませんか?
申請の期限は2027年2月1日です。ただし、申請状況によっては、募集期間の途中で募集を締め切る場合がある、と公式ページに書かれています。予算の残りは公表されていません。渡航や出展の日程が決まっているなら、2月の締切を待たず、できるだけ早くヒアリングに進みます。
実績報告はいつまでに出せばいいですか?
補助対象事業が完了した日から30日を過ぎた日か、2027年3月1日のどちらか早い日までに出します。事業実績書、収支決算書、商談や展示の様子が分かる資料、経費の契約と支払いが分かる書類などを添えます。海外での商談会等のレポートは、海外販路を開いた品目が食品の場合の添付です。成果品(制作したチラシなど)も必要です。出張の前から、写真や名刺を残す準備をします。
消費税や仕入控除税額はどう扱いますか?
申請のときに、補助金の対象経費に含まれる消費税と地方消費税の仕入控除税額を減らして申請するのが原則です。申請の時点で金額がまだ明らかでないときは、そのまま申請できますが、実績報告のときに明らかになったら減額して報告します。報告のあとで金額が確定した場合は、県に報告して返還を命じられることがあります。
為替の換算や現地通貨での支払いは、どう書類にしますか?
宿泊料や通訳雇用費を現地の通貨で払った場合は、支払い時の日本円への換算の基礎になる資料を出します。申請の段階でも、事業費の積算の根拠として、日本円に直す根拠の資料が要ります。航空券代は、Eチケットか搭乗券の半券の写しです。宿泊料は明細が確認できるものを出します。
問い合わせ先はどこですか?
宮城県の国際ビジネス推進室です。食品以外は電話022-211-2962(国際ビジネス推進第一班)、食品は022-211-2346(国際ビジネス推進第二班)です。申請の前にヒアリングを行っているので、申請書を作る前に連絡します。対象の催しに当たるか、経費がどこまで認められるかも、この窓口で確かめられます。
