水産加工の現場では、遠方から来る従業員のための住まいをどう確保するかが、採用そのものより先に壁になることがあります。宿舎を新築・改修するとなれば数百万円から数千万円単位の投資になり、簡単には踏み出せません。
宮城県の「水産業従業員宿舎整備事業」は、こうした従業員宿舎の整備費を補助する制度です。対象は水産食品製造業・海面漁業・海面養殖業に属する中小水産業者等で、補助対象経費の2分の1以内、上限2,000万円(下限100万円)を補助します。申請受付は令和8年7月2日から8月21日(金曜日)午後5時必着までです。
水産業従業員宿舎整備事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 水産業従業員宿舎整備事業 |
| 対象業種 | 漁業/製造業(水産食品製造業) |
| 利用目的 | 従業員用宿舎の新築・改造・増築・改修 |
| 対象地域 | 宮城県内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者(業種ごとに資本金・従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 2,000万円(下限100万円) |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 申請受付 | 令和8年7月2日(木曜日)~8月21日(金曜日)午後5時必着 |
| 公式サイト | 宮城県「水産業従業員宿舎整備事業について」 |

何から始めるか
締切まで日数が限られています。宿舎の新築・改造・増築・改修のいずれかを検討している場合は、まず見積もりを取り、補助対象経費が下限の100万円を超えるかどうかを確認するのが最初の一歩です。交付決定前に契約・着工してしまうと補助の対象から外れるため、見積もりの段階では発注しないよう注意が必要です。
自分の会社は対象になるか
対象は水産食品製造業、海面漁業、海面養殖業に属する事業者、または関連する協同組合です。従業員確保のための宿舎整備を行うこと、県税に未納がないこと、暴力団関係者でないことが要件になっています。土地取得費や駐車場整備、被災建物の撤去費は対象外経費です。
いくら戻るか計算する
対象になる工事は新築(中古取得を含む)、改造(他用途からの転用)、増築(床面積の拡大)、改修(内装・機能向上)の4種類です。たとえば空き家になっている社宅を水産加工従業員向けの宿舎に改修する工事に800万円かけた場合、補助率2分の1で400万円が補助の目安になります。新築で3,000万円規模の工事を行う場合でも、補助は上限の2,000万円までで、実際に受け取れる額は補助率2分の1にあたる1,500万円が上限内に収まる計算です。
つまずきやすい順番の話
もっとも見落としやすいのが着手のタイミングです。交付決定前の経費は補助対象外で、契約締結も交付決定後に行う必要があります。工事業者との契約を先に進めてしまうと、その工事は補助の対象にならない可能性が高くなります。見積もりの依頼までは進めてよいものの、契約は交付決定の連絡を受けてからにしてください。
書類をそろえるときに確認しておきたいこと
申請は宮城県の電子申請システム「LoGoフォーム」から行い、原本が必要な書類は郵送または持参での提出が必須です。計画に変更が生じる場合は事前の相談が必要とされているため、工事内容が固まりきっていない段階でも、早めに宮城県水産業振興課へ相談しておくと後の手続きがスムーズになります。
よくある質問
既存の社宅を改修する場合も対象になりますか?
改修(内装・機能向上)は対象経費に含まれます。ただし従業員宿舎としての整備であることが条件です。
土地の取得費は補助対象になりますか?
土地取得費、駐車場整備、被災建物の撤去費は対象外経費と明記されています。
交付決定前に工事の契約をしてしまったらどうなりますか?
交付決定前の経費は補助対象外です。契約締結も交付決定後に行う必要があるため、契約前に必ず交付決定の通知を確認してください。
