海外で自社の技術やブランドを守るには、権利ごとに出願国を選び、現地代理人を立てて手続きを進める必要があります。この手間とコストが壁になり、海外出願を後回しにしている長野県内の企業は少なくありません。「中小企業等海外展開支援事業費補助金(外国出願支援事業)」は、この出願費用を補助する制度です。この記事で扱う令和8年度分の公募は、2026年6月22日で受付を終了しています。
実施主体は長野県中小企業振興センター(NICE)。対象は長野県内に主たる事業所を有する中小企業者等です。ただし、大企業の支配下にある企業や、直近3年の平均課税所得が15億円を超える企業は対象から除外されます。補助上限額は1企業あたり300万円、補助率は補助対象経費の1/2以内です。
外国出願支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 令和8年度中小企業等海外展開支援事業費補助金(外国出願支援事業) |
| 対象業種 | 指定なし(全業種) |
| 利用目的 | 販路開拓・展示会 |
| 対象地域 | 長野県内に主たる事業所を有する中小企業者等 |
| 従業員数 | 規定なし(大企業支配下・高所得企業は対象外) |
| 補助上限額 | 300万円(特許出願150万円/件、実用新案・意匠・商標60万円/件、抜け駆け対策商標30万円/件) |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 令和8年度分は受付終了(2026年5月14日〜6月26日) |
| 公式サイト | https://www.nice-o.or.jp/support/support-2985/ |

何から始めるか
この補助金でまず確認したいのが、自社が「大企業の支配下にある企業」や「直近3年の平均課税所得15億円超」に該当しないかという点です。通常の中小企業であればまず問題になりませんが、投資ファンドの出資を受けている場合などは注意が必要です。対象要件を確認したら、次は出願予定の権利(特許・実用新案・意匠・商標)と出願国を整理します。
自分の会社は対象になる?
対象は長野県内に主たる事業所を有する中小企業者等です。単に県内に営業所があるだけでなく「主たる事業所」であることが条件とされている点は、他県の類似制度と比べても注意すべきポイントです。本社機能が県外にある場合は対象になるか事前確認が必要です。
いくら戻るか計算する
補助上限は権利の種類ごとに、特許出願が1件150万円、実用新案・意匠・商標が1件60万円、抜け駆け対策商標が1件30万円です。1企業あたりの総額上限は300万円です。
たとえば製造業の会社が2か国に特許を出願し、出願手数料・現地代理人費用・翻訳費用の合計が280万円かかった場合、補助率1/2で補助額は140万円という計算になります。複数国・複数権利を組み合わせるほど対象経費が膨らみやすいため、総額上限300万円をどう配分するかを先に決めておくと、出願計画が立てやすくなります。
対象経費は外国特許庁への出願経費、現地・国内代理人経費、翻訳経費です。
つまずきやすい順番の話
海外出願支援の補助金に共通する注意点として、交付決定前に出願手続きを進めた費用は対象外になる可能性が高いことが挙げられます。海外展開のスピードを優先して先に代理人へ依頼してしまうと、補助金の対象から外れるリスクがあります。公募要領で交付決定のタイミングを確認し、そこから代理人への正式依頼を進める順番を守ってください。
次回公募に向けて準備しておきたいこと
- 自社が大企業支配下・高所得企業の除外要件に該当しないかの確認
- 出願予定の国・権利の種類の整理
- 現地代理人・国内代理人の見積り取得
- NICE(長野県中小企業振興センター)の次回募集案内のチェック
よくある質問
今から申請できますか?
令和8年度分の公募は2026年6月22日で締め切られています。次回公募の時期はNICEの公式ページで確認してください。
県外に本社がある場合は対象になりますか?
対象は「長野県内に主たる事業所を有する」中小企業者等です。単なる営業所ではなく主たる事業所であることが条件のため、事前確認をおすすめします。
特許以外の商標や意匠も対象になりますか?
対象になります。特許出願は1件150万円まで、実用新案・意匠・商標は1件60万円まで、抜け駆け対策商標は1件30万円までがそれぞれの上限です。
