パソコンやタブレットは、この補助金で買えるのか——結論から言うと、買えません。大垣市の「IoT導入支援」は、事務処理用のパソコン・スマートフォン・タブレット単体を明確に対象外としています。対象になるのは、現場のデータを取るためのセンサーやカメラといった機器と、それを動かすためのソフトウェア・通信工事・コンサルタント費です。
補助率は対象経費の2分の1、上限は1事業者あたり100万円です。ただし対象は「市内に事業所を有する製造業の中小企業」に限られ、業種が違えばそもそも申請の土俵に乗りません。
自社が対象になるかどうかを、線引きから順番に確認していきます。
IoT導入支援の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | IoT導入支援 |
| 対象業種 | 製造業 |
| 利用目的 | IoT・ロボット・AI等の先端技術を活用した生産性向上・製造現場の課題解決 |
| 対象地域 | 大垣市内に事業所を有する事業者 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者であること(業種基準に準ずる) |
| 補助上限額 | 1事業者あたり100万円 |
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内(国・県の補助金を受けている場合はその額を除く) |
| 申請受付 | 随時受付。予算額に到達次第終了(締切日の記載なし) |
| 公式サイト | 大垣市「IoT導入支援」 |

対象になるのは「製造業の中小企業」だけです
大垣市の公式ページには「市内に事業所を有する中小企業者・事業者(製造業に限る)」と明記されています。ここでいう中小企業者とは、中小企業基本法第2条第1項が定める基準のことで、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっています。製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、小売業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下、サービス業は資本金5,000万円以下または従業員100人以下です。どちらか一方を満たせば該当します。
小売業やサービス業を営む事業者は、この補助金の対象にはなりません。IoT・AIを使った取組であっても、業種が製造業でなければ申請できない点は先に押さえておく必要があります。
対象になる経費・ならない経費の線引き
公式ページで確認できる範囲では、次のように分かれます。
対象になる経費
- センサー・カメラなどのデバイス
- データ送受信装置
- ソフトウェアの購入費
- 電気通信工事費
- コンサルタント費(IoT導入に関する専門家への相談費用)
対象にならない経費
- 事務処理用のパソコン・スマートフォン・タブレット単体
- 消費税及び地方消費税に相当する額
- 交付決定前に発注・契約した経費(「事業実施前に申請」が条件のため、見積を取るだけなら問題ありませんが、発注・外注申込・契約をした時点でアウトになります)
「IoTを導入する」と聞くと、現場のタブレット端末を更新するような取組をイメージしがちですが、端末そのものではなく、データを取得・活用する仕組みに使う経費が対象という点が、この補助金の線引きの核心です。
よく誤解されるポイント:似た名前の補助金が3つある
大垣市の経済部産業振興室は、製造業向けに似た構造の補助金を複数用意しています。
| 制度名 | 補助上限額 | 使い道 |
|---|---|---|
| IoT導入支援 | 100万円 | IoT・ロボット・AI機器の導入 |
| ものづくり技能スキルアップ支援 | 5万円 | 職業能力開発大学校等のセミナー受講料 |
| スマート経営アドバイザー派遣支援 | 3万円 | ソフトピアジャパンのアドバイザー派遣費用 |
いずれも「補助対象経費の2分の1以内」という補助率は共通ですが、上限額はまったく違います。「大垣市の製造業向け補助金」とだけ覚えていると、100万円のつもりで申請して実は上限3万円の制度だった、という取り違えが起こりえます。申請前に、必ず制度名を公式ページで確認してください。
申請の流れと隠れた期限
申請受付は随時ですが、予算額に到達した時点で終了します。締切日が決まっていない分、「早いもの勝ち」の性質が強い制度だと理解しておくべきです。
実績報告の期限は、事業完了(納品・作業完了・支払い完了)後30日以内、または令和9年3月26日までのいずれか早い日です。年度をまたぐ発注計画を立てている場合は、この期限から逆算してスケジュールを組む必要があります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
できます。法人・個人事業主のどちらも対象で、条件は中小企業基本法上の中小企業者に該当することです。
既存設備の保守・修繕費用は対象になりますか?
公式ページに記載がありません(大垣市経済部産業振興室へお問い合わせください)。公式ページで確認できる対象経費は、機器等導入費と導入に必要な経費(センサー・カメラ、データ送受信装置、ソフトウェア購入、電気通信工事、コンサルタント費)に限られています。
国や県の補助金と併用できますか?
補助率の計算上、国・県から他の補助金を受けている場合は、その額を差し引いた額が大垣市補助金の基準になります。二重取りにはならない仕組みです。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助上限額・補助率・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず大垣市の公式ページで最新の内容をご確認ください。
出典(一次情報)

