原材料や資材のコストが上がるなか、価格転嫁だけで乗り切るのは限界があります。だからこそ「安いものを安く売る」から「高くても選ばれる」商品への転換を考える食品事業者が増えています。
大分県は、県産加工食品の高付加価値化と販路開拓を後押しする「県産加工食品高付加価値化等支援事業費補助金」を実施しています。商品の試作・開発・改良には補助率1/2・上限150万円、商談会への出展には賃上げ枠で補助率2/3・上限40万円(一般枠は1/2・上限30万円)が用意されています。申請期間は2026年9月1日から9月30日までです。
県産加工食品高付加価値化等支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業者) |
| 制度名 | 県産加工食品高付加価値化等支援事業費補助金 |
| 対象業種 | 食品製造・販売業(県産加工食品の製造・販売を行う事業者) |
| 利用目的 | 高付加価値商品の開発・改良、商談会出展による販路開拓 |
| 対象地域 | 大分県 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業支援法第2条第1項の中小企業者であること) |
| 補助上限額 | 開発・改良:上限150万円(原材料費は上限75万円)/商談会出展:賃上げ枠 上限40万円・一般枠 上限30万円 |
| 補助率 | 開発・改良:1/2以内/商談会出展:賃上げ枠2/3以内・一般枠1/2以内 |
| 申請受付 | 2026年9月1日~9月30日 |
| 公式サイト | https://www.pref.oita.jp/soshiki/14300/r8-support-added-value.html |
対象になる事業者
対象は、県産加工食品の製造・販売を行う事業者で、次のいずれにも該当する必要があります。
- 中小企業支援法第2条第1項に該当する中小企業者であること(業種ごとに資本金・従業員数の基準が定められている区分です)
- 県内に本社を有すること
- 自社で製造・販売する商品について、原材料・製造方法・デザイン等の開発や改良を行い、自社の商品群の中心となる商品と比較して高価格・高品質で高い収益性が見込まれること
ここでいう「県産加工食品」とは、県産品を主原料として利用している加工食品、または県内で製造・加工している加工食品を指します。OEM委託・受託による商品は対象外です。自社で企画・製造している商品であることが前提になります。
対象になる経費
支援メニューは2つに分かれています。
01. 高付加価値商品の試作・開発・改良
- 原材料費(商品の試作・開発・改良に伴う原材料の購入等)
- 資材費(箱・容器・ラベル等の資材、販促資材の作成等)
- 委託費・コンサル費(デザイン作成・改良、ブランド化に要する費用)
02. 国内で開催される商談会等への出展
- 出展料
- ブースの装飾に要する委託費
補助額と補助率
高付加価値商品の試作・開発・改良は、補助率1/2以内・上限150万円です。ただし原材料費だけは上限75万円という別枠がかかります。
- 対象経費が200万円(うち原材料費80万円)の場合、原材料費は上限75万円が適用され、残る資材費・委託費部分とあわせて全体で1/2・上限150万円の範囲内で補助額が決まります。
商談会等への出展は、賃上げ枠と一般枠で補助率が変わります。
- 賃上げ枠:補助率2/3以内・上限40万円(全従業員の基本給を平均1.5%以上引き上げ、事業完了日または1月末日のいずれか早い期日までに支払いを完了することが条件)
- 一般枠:補助率1/2以内・上限30万円
たとえば、商談会出展料が45万円かかった場合、賃上げ枠なら2/3の30万円、一般枠なら1/2の22.5万円が補助額の目安です。賃上げ要件を満たせるかどうかで、補助額に7万円以上の差が出る計算になります。
なお、「高付加価値商品」に価格の数値基準は設けられていませんが、目安として自社の一般商品と比較して希望小売価格が1.5倍程度以上を目指す商品が想定されています。
申請の流れ
- 計画申請:計画申請書(様式第1号~第4号及び添付書類)を提出し、事業計画の採択を受けます。年2回(4月・9月)の申請受付が予定されています。
- 交付申請:採択を受けた事業計画に係る交付申請書(第1号様式)・添付省略書(別紙1)を提出します。交付決定は年2回(5月下旬・10月下旬)を予定しています。
- 事業実施:申請内容に沿って事業を実施します。取組内容や予算額に変更が生じる場合は、担当者へ相談のうえ変更手続きが必要です。
- 実績報告:事業完了後30日以内(または2月末のいずれか早い日まで)に実績報告書(第12号様式)を提出します。
- 額の確定・支払い:県からの額の確定通知後、請求書(第11号様式)を提出し、指定口座に振り込まれます。
落ちる・返還になる要因
- 交付決定前の発注・請求:交付決定日より前の請求書等は補助対象外です。審査会の採択はあくまで計画への採択であり、「申請時点で補助を確約するものではない」点も踏まえておく必要があります。
- 領収書・明細書の不備:領収書、明細書等がないものは経費として認められません。
- OEM委託・受託商品での申請:自社製造・販売でない商品は対象外です。
- 賃上げ要件の未達:賃上げ枠を選択したのに、平均1.5%以上の賃上げや期日までの支払いが完了しないと、賃上げ枠としての補助を受けられない可能性があります。
- 中小企業者に該当しない:中小企業支援法上の中小企業者の基準を超える規模の事業者は対象外です。
よくある質問
Q. 個人事業主でも申請できますか?
対象は「県産加工食品の製造・販売を行う事業者」で中小企業者に該当することが条件です。個人事業主が該当するかは、大分県商業・サービス業振興課(電話097-506-3285)にご確認ください。
Q. OEMで製造している商品は対象になりますか?
OEM委託・受託による商品は対象外です。自社で製造・販売している商品が対象になります。
Q. 賃上げ枠と一般枠はどちらが有利ですか?
賃上げ枠は補助率2/3・上限40万円、一般枠は補助率1/2・上限30万円です。賃上げ要件(平均1.5%以上の賃金引上げ等)を満たせるなら、賃上げ枠のほうが補助額は大きくなります。
Q. 申請は年に何回受け付けていますか?
計画申請は年2回(4月・9月)の予定です。交付決定も年2回(5月下旬・10月下旬)を予定しています。
Q. 原材料費だけで150万円使い切ることはできますか?
できません。原材料費には別枠で上限75万円が設けられています。資材費・委託費等とあわせて全体で上限150万円です。
