若手社員の採用面接で「奨学金の返済が重い」という声を聞いたことはないでしょうか。大川市は、企業が従業員の奨学金を代わりに返す仕組みを作った場合、その一部を市が補助する制度を用意しています。
対象は市内に本店・主たる事業所を置く中小企業者と、認可保育所・認定こども園の設置者です。従業員1人あたり年間最大10万円、1事業者あたり年間50万円が上限で、同じ従業員について最大3年度分まで対象になります。
大川市奨学金代理返還企業応援金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業基本法上の中小企業者、認可保育所・認定こども園の設置者) |
| 制度名 | 大川市奨学金代理返還企業応援金 |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 人材確保・定着(奨学金代理返還制度の導入支援) |
| 対象地域 | 福岡県大川市(本店または主たる事業所) |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 従業員1人あたり年10万円(事業者上限年50万円、同一従業員につき最大3会計年度) |
| 補助率 | 定額(月1万円以上の代理返還を行った場合、年間最大10万円) |
| 申請受付 | 企業登録は令和8年6月1日から/交付申請は令和9年2月20日まで |
| 公式サイト | 大川市「大川市奨学金代理返還企業応援金について」 |

何から始めるか:まず「企業登録」
この制度は、いきなり交付申請から入れません。先に企業登録を済ませ、審査を通ってから、実際の代理返還の交付申請に進むという2段階です。企業登録の受付は令和8年6月1日からで、就業規則や賃金規程など、従業員に周知した文書に奨学金返還支援の制度を明記していることが前提になります。
登録が済むと、企業は市のホームページで紹介されます。採用ページに「奨学金代理返還あり」と書ける企業になる、という副次的な効果もあります。
自分の会社は対象になるか
事業者側の要件は次のとおりです。
- 市内に本店または主たる事業所があること
- 中小企業基本法上の中小企業者、または認可保育所・認定こども園の設置者であること
- 従業員本人の奨学金について、就業規則等に明記した代理返還の制度を設けていること
- 市税などの公的義務を果たしていること
- 過去3年間に労働関係法令違反がないこと
従業員側にも条件があります。市内に住民登録がある雇用保険の被保険者で、日本学生支援機構の奨学金返還義務がある正社員。初回申請年度末時点で39歳以下という年齢の上限がある点は見落としやすいところです。
いくら戻るか:月1万円が分かれ目
補助のラインは「月1万円以上の代理返還」です。これを下回ると、年間の補助額もその分減ります。
- 月1万円を代理返還する場合: 年12万円のうち、補助は年10万円(上限到達)
- 月5,000円を代理返還する場合: 年6万円が対象額で、補助額もそれに応じて目減りします
従業員5人に対して満額の代理返還を行うと、事業者上限の年50万円に届きます。それ以上人数を増やしても、上限を超えた分は補助の対象になりません。
つまずきやすいのは「順番」
登録より前に代理返還を始めていた場合、その分がさかのぼって対象になるとは限りません。制度を設計する段階で、次の順番を意識しておく必要があります。
- 就業規則・賃金規程に代理返還制度を明記する
- 企業登録申請(令和8年6月1日〜)
- 登録審査を通過する
- 対象従業員との雇用契約・奨学金返還状況を確認する
- 実際に代理返還を行う
- 交付申請(令和9年2月20日まで)
「制度を作ってから申請しよう」ではなく、制度を作った時点で早めに登録の相談をするという考え方が安全です。
よくある質問
パートやアルバイトの奨学金返還も対象になりますか?
対象になりません。対象は正社員に限られます。
40歳の社員がいる場合、その社員の分は対象外ですか?
初回申請年度末時点で40歳以上の従業員は対象外です。年齢は「初回申請時点」で判定される点に注意してください。
認可外保育施設も対象になりますか?
対象になりません。対象は認可保育所と認定こども園の設置者です。
