子どもが生まれる前後に、父親が4週間まで休める「産後パパ育休(出生時育児休業)」。調べると「給付率80%で手取り10割相当」という説明が出てきます。
給付金は何割かというと、賃金の80%です。 ただしこの80%という数字、1つの給付金の話ではありません。2つの給付金の合計です。
- 出生時育児休業給付金 … 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
- 出生後休業支援給付金 … 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 13%
合計して80%になります。そして重要なのは、13%のほうは、育休を14日以上取らないと1円も付きません。 10日だけ休むつもりの方は、67%だけの計算になります。
もう1つ、多くの記事が反映できていない点があります。令和8年8月1日から上限額が変わりました。 休業開始時賃金日額の上限は16,540円(令和9年7月31日までの額)で、28日間の育休を取った場合の出生時育児休業給付金の上限は310,290円です。
この記事では、土台の67%(出生時育児休業給付金)を中心に、自分の額を出せるところまで整理します。上乗せの13%については出生後休業支援給付金とはで詳しく扱っているので、あわせてご覧ください。
支給の3要件(もらえる条件)
出生時育児休業給付金を受け取るための条件は、次の3つです。すべて満たす必要があります。
- 子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて産後パパ育休を取得した雇用保険の被保険者であること(2回まで分割取得可)
- 育児休業を開始した日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(ない場合は就業した時間数が80時間以上の月)が12か月以上あること
- 休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること
3番目の「最大10日」は、28日間フルに休んだ場合の数字です。休業期間が短ければ、その日数に比例して短くなります。
- 14日間の休業 → 最大5日(5日を超える場合は40時間)
- 10日間の休業 → 最大4日(4日を超える場合は約28.57時間)
なお、この給付金は原則として男性を対象としています。女性は産後休業(出産日の翌日から8週間)が優先されるため、養子を迎える場合などに限られます。
有期雇用(契約期間の定めがある方)の場合は、別途の要件があります。
公務員は対象になるか
この給付金は雇用保険の制度なので、雇用保険に加入していない公務員は対象外です。 国家公務員・地方公務員の育児休業は、それぞれ国家公務員の育児休業等に関する法律・地方公務員の育児休業等に関する法律にもとづく別の制度で、給付は共済組合などから行われます。
ただし、配偶者が公務員の場合は関係します。 出生後休業支援給付金(上乗せの13%)には「配偶者も育児休業を取得していること」という要件があり、配偶者が公務員として各種法律にもとづく育児休業を一定期間に14日以上取得していれば、この要件を満たすものとして扱われます。詳しい取扱いは、勤務先または管轄のハローワークにご確認ください。
支給額の計算式と計算方法
計算方法はシンプルです。
出生時育児休業給付金 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数(28日が上限)× 67%
休業開始時賃金日額の出し方
育児休業開始前6か月間の総支給額を180で割った額です。
- 総支給額は、社会保険料や税金が引かれる前の額です
- 賞与(ボーナス)は含みません
- 残業代・通勤手当などは含まれます
たとえば、育休前6か月の給与総額(賞与を除く)が180万円なら、180万円 ÷ 180 = 10,000円が休業開始時賃金日額です。
正確な額は、勤務先がハローワークに提出する「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」で確定します。 自分で計算した額とずれることがあります。
厚生労働省が示している計算例
休業開始時賃金日額が10,000円の方が、産後パパ育休を28日取得し、その期間を対象とした賃金の支払いがない場合。
10,000円 × 28日 × 67% = 187,600円
これが出生時育児休業給付金の額です。ここに出生後休業支援給付金(13%)が乗ります。
10,000円 × 28日 × 13% = 36,400円
合計224,000円。 賃金日額の80%にあたる額です。
月収別シミュレーション早見表(28日取得・賃金の支払いなし)
自分の月収に近いところを見てください。月収は賞与を除いた総支給額として計算しています。ここが給付金のシミュレーションの土台になります。
| 月収(賞与除く) | 賃金日額 | 出生時育児休業給付金(67%) | 出生後休業支援給付金(13%) | 合計(80%) |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 約6,667円 | 約125,100円 | 約24,300円 | 約149,400円 |
| 25万円 | 約8,333円 | 約156,400円 | 約30,300円 | 約186,700円 |
| 30万円 | 10,000円 | 187,600円 | 36,400円 | 224,000円 |
| 35万円 | 約11,667円 | 約218,900円 | 約42,500円 | 約261,400円 |
| 40万円 | 約13,333円 | 約250,100円 | 約48,500円 | 約298,600円 |
| 50万円以上 | 16,540円(上限) | 310,290円(上限) | 60,205円(上限) | 370,495円 |
月収50万円を超えると、賃金日額が上限16,540円で頭打ちになります。 これが令和8年8月1日から令和9年7月31日までの額です。
高収入の方ほど、実際の給付率は80%を下回ります。 月収60万円の方なら、本来の80%は約48万円ですが、上限により約37万円になります。
給付金の引き上げはいつからか
「80%に引き上げられた」という話をいつから適用されるのか、という疑問への答えです。
厚生労働省のパンフレットに明記されています。出生後休業支援給付金は、2025(令和7)年4月1日に創設された給付金です。 これによって、従来の67%に13%が上乗せされ、合計80%になりました。
つまり、引き上げは令和7年4月1日からです。それより前に取得した産後パパ育休については、67%のみになります。
もう1つ、上限額の改定も別にあります。休業開始時賃金日額の上限額は毎年8月1日に改定されます。直近では令和8年8月1日に改定され、現在の上限は16,540円(令和9年7月31日までの額)です。
上限額の詳細
厚生労働省のパンフレット(令和8年8月1日改訂版)に、次のように示されています。
- 休業開始時賃金日額の上限額は16,540円(令和9年7月31日までの額)
- 出生時育児休業給付金の支給上限額(休業28日) … 16,540円 × 28日 × 67% = 310,290円
- 出生後休業支援給付金の支給上限額(休業28日) … 16,540円 × 28日 × 13% = 60,205円
この上限額は毎年8月1日に改定されます。毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに見直されるためです。育休を取る時期によって適用される額が変わる点にご注意ください。
育休中に働くと、いくらから減るのか
産後パパ育休は、休業期間中に一時的に働くことが認められています(最大10日、または80時間まで)。ここが通常の育児休業と違うところです。
ただし、賃金が支払われると給付金が減額されることがあります。減額の仕組みは3段階です。
基準になるのは「休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数」という額です。これを仮に「基準額」と呼びます。
| 支払われた賃金 | 出生時育児休業給付金 | 出生後休業支援給付金 |
|---|---|---|
| 基準額の13%以下 | 減額なし(基準額 × 67%) | 減額なし(基準額 × 13%) |
| 基準額の13%超〜80%未満 | 基準額 × 80% − 賃金額 | 減額なし(基準額 × 13%) |
| 基準額の80%以上 | 支給されません | 支給されません |
13%以下なら減額されないというのが、実務上の安全ラインです。
厚生労働省の計算例
休業開始時賃金日額が10,000円で、14日間の出生時育児休業を取得した場合。
この期間に賃金が支払われていない場合
- 出生時育児休業給付金 … 10,000円 × 14日 × 67% = 93,800円
- 出生後休業支援給付金 … 10,000円 × 14日 × 13% = 18,200円
この期間に3日就労して賃金30,000円が支払われた場合
基準額は10,000円 × 14日 = 140,000円。支払われた賃金30,000円は、その13%(18,200円)を超え、80%(112,000円)未満です。したがって2段目に該当します。
- 出生時育児休業給付金 … 140,000円 × 80% − 30,000円 = 112,000円 − 30,000円 = 82,000円
- 出生後休業支援給付金 … 18,200円(減額なし)
合計100,200円。賃金30,000円を足すと130,200円で、働かなかった場合(112,000円)より多くなります。
ただし注意点があります。 出生時育児休業給付金が支給されない(賃金が80%以上)場合は、出生後休業支援給付金も支給されません。 土台が消えると上乗せも消える仕組みです。
もう1つ、出生時育児休業期間を対象としない賃金であれば、減額されません。 育休前の労働に対する給与が育休期間中に支払われた場合などは、この減額の対象外です。
28日を超えて休む場合
産後パパ育休として取得できるのは4週間(28日)までです。
30日間休んだ場合はどうなるか。厚生労働省の説明では、出生時育児休業給付金の支給は28日間が限度のため、28日分のみが支給されます。29日目以降は支給されません。
ただし、29日目以降について、被保険者と事業主との間で育児休業に振り替える旨を合意すれば、育児休業給付金として別途申請できます。
つまり、長く休みたい場合は次のような組み立てになります。
- 最初の28日 … 産後パパ育休(出生時育児休業給付金 67%)
- 29日目以降 … 育児休業(育児休業給付金 67%、180日経過後は50%)
育児休業給付金の計算や延長については、育児休業給付金はいくら?計算式と月収別の早見表で扱っています。
分割取得は2回まで
産後パパ育休は2回まで分割して取得できます。
たとえば「出産直後に2週間、里帰りから戻るタイミングでもう2週間」という取り方ができます。合計が28日以内であれば、両方とも給付の対象です。
3回目は対象外です。 厚生労働省の説明では、3回目に取得した出生時育児休業については出生時育児休業給付金の支給対象外とされています。ただしこの場合も、事業主との合意により育児休業に振り替えれば、育児休業給付金として申請できます。
分割する場合、就業できる日数・時間の端数処理は期間ごとに行われます。 14日ずつ2回に分けるなら、それぞれについて最大5日(または40時間)が上限です。
取得日数をどう決めるか
28日まで取れますが、全員が28日取るわけではありません。日数によって給付の構造が変わるので、判断材料を整理します。
13日以下
出生時育児休業給付金(67%)のみ。出生後休業支援給付金(13%)は付きません。
賃金日額10,000円の方が10日取った場合、10,000円 × 10日 × 67% = 67,000円です。
14日以上
13%の上乗せが付きます。 同じ方が14日取れば、67%分が93,800円、13%分が18,200円で合計112,000円。
10日から14日へ、4日延ばすだけで45,000円増えます。 1日あたり11,250円の計算になり、67%だけの日額6,700円を大きく上回ります。
13日と14日の間に、はっきりした段差があります。 日数を調整できる状況なら、14日を下回らないようにしてください。
28日(上限)
賃金日額10,000円の方で、67%分が187,600円、13%分が36,400円、合計224,000円です。
28日を超えて休む場合は、29日目以降を育児休業に振り替えることになります。給付率は同じ67%ですが、別の給付金として申請が必要です。
分割するときの考え方
2回に分けられるので、「出産直後に14日」「里帰りから戻るときに14日」という取り方ができます。合計28日以内なら、両方とも給付の対象です。
ただし、就業できる日数の端数処理は期間ごとに行われます。14日ずつ2回なら、それぞれ最大5日(または40時間)までです。「28日分をまとめて10日働ける」わけではありません。
配偶者の育休との関係
出生後休業支援給付金(13%)には、配偶者も育休を取っていることという要件があります。 ただし、配偶者がいない場合や、配偶者が育休を取得できない状況にある場合など、この要件が問われない例外が定められています。
自分が該当するかどうかは、出生後休業支援給付金とはで詳しく整理しています。
「手取り10割相当」の仕組み
80%なのに「手取り10割相当」と言われるのは、次の2つの理由があります。
- 育児休業期間中は、社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除される
- 育児休業等給付は非課税(所得税・住民税がかからない)
通常の給与からは社会保険料と税金が引かれるため、額面100%に対して手取りは80%前後になります。給付金は額面の80%がそのまま入るので、手取りベースでほぼ同じになる、という理屈です。
ただし、これは目安です。 厚生労働省のパンフレットにも「休業開始時賃金日額の上限額があ(る)」と注記されています。上限に達する高収入の方は、手取り10割になりません。
また、住民税は前年の所得に対して課されるため、育休中も前年分の住民税は支払う必要があります。 ここは見落としやすい点です。
給付金はいつもらえる?いつから・いつまでを時系列で
「いくら」と同じくらい聞かれるのが「いつ入るのか」です。ここは制度の仕組みで決まっているので、順番に押さえます。
申請期間(申請時期)はいつからか
厚生労働省のパンフレットでは、子の出生日(出産予定日より前に生まれた場合は出産予定日)から8週間を経過する日の翌日から申請できると定められています。
ただし、次のいずれかに当てはまる場合は、もっと早く申請できます。
- 出生時育児休業の取得日数が28日に達した場合 … 達した日の翌日から
- 2回目の産後パパ育休を取得した場合 … 2回目を終了した日の翌日から
つまり、28日フルに取った方は、育休が終わった翌日から申請できます。 8週間の経過を待つ必要はありません。ここは多くの解説が省いている点です。
申請期限はいつまでか
申請開始日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までです。
たとえば申請開始日が10月5日なら、2か月を経過する日は12月4日、提出期限は12月31日 になります(厚生労働省の例では、出生日10月5日・申請開始日11月30日・申請期限1月31日という図が示されています)。
2回に分割して取得した場合も、申請は1回にまとめて行います。 申請書の「支給期間その1」「支給期間その2」の欄に、それぞれの休業期間・就業日数・支払われた賃金額を記載します。
いつ振り込まれるか
厚生労働省のパンフレットに明記されています。
出生時育児休業給付金及び出生後休業支援給付金は届け出た被保険者本人の金融機関の口座に、支給決定後約1週間で振り込まれます。
つまり振込の時期は「支給決定日 + 約1週間」です。支給決定日そのものは、勤務先が申請してからハローワークの審査を経て決まります。
全体の流れを日数で並べると、次のようになります。
| 時点 | 目安 |
|---|---|
| 産後パパ育休の終了 | 起点 |
| 勤務先がハローワークへ支給申請 | 勤務先の事務処理によります |
| ハローワークの審査・支給決定 | 申請の受理から数週間 |
| 本人の口座へ振込 | 支給決定後 約1週間 |
育休が終わってすぐには入りません。 申請のタイミング次第で、育休終了から入金まで1〜2か月かかるのが一般的です。育休中の生活費は、給付金が入る前提で組まないでください。 一時的に手元の資金で回す必要があります。
振込日が土日にあたる場合
振込日が土日・祝日にあたる場合の扱いは、金融機関の営業日に準じます。支給決定通知書に記載された内容と口座の入金記録で確認してください。厚生労働省のパンフレットには「支給決定後約1週間」とだけ示されており、土日の繰り上げ・繰り下げの規定は記載されていません。正確な入金日は管轄のハローワークにご確認ください。
いつまでもらえるか
出生時育児休業給付金は、支給日数が28日で打ち止めです。29日目以降は支給されません(育児休業への振替については後述します)。また、産後パパ育休そのものが「子の出生日から8週間を経過する日の翌日まで」の期間に限られるため、それを過ぎて取得することもできません。
申請方法と必要書類
誰が申請するか
原則として、被保険者を雇用している事業主(勤務先)が申請します。 ただしパンフレットには「本人の希望があれば被保険者が直接提出することも可能」と書かれています。通常は勤務先に任せる形になります。
提出先は事業所の所在地を管轄するハローワークです。電子申請も利用できます。
提出書類(申請書)
次の2つを両方提出します。
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 … 休業開始時賃金日額を確定させる書類です
- 育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書 … これが給付金申請書の本体です
出生時育児休業給付金の支給申請は、受給資格の確認と同時に行う必要があります。 別々にはできません。
この給付金申請書には個人番号(マイナンバー)を記載します。また、払渡希望金融機関の記入欄があるので、振込先の口座をここで指定します。以前に基本手当(失業手当)を受け取ったことがある方は、そのときの口座を使うこともできます。マイナポータルに公金受取口座を登録していて、ハローワークに個人番号を届け出ている方は、その口座も使えます。
添付書類
提出書類に加えて、次の添付書類が必要です。こちらも①②の両方です。
- 賃金台帳、出勤簿、タイムカード、育児休業申出書、育児休業取扱通知書など … 産後パパ育休を開始・終了した日と、賃金の額・支払状況を証明できるもの
- 母子健康手帳(出生届出済証明のページと分娩予定日が記載されたページ)、住民票、医師の診断書(分娩予定日証明書)など … 育児の事実・出産予定日・出生日を確認できるもの(写しで可)
手書きで申請書を作成し、公金受取口座を使わない場合は、通帳やキャッシュカードの写しなど口座情報が分かる書類の添付も必要です。
本人がやること
- 勤務先の担当者に、産後パパ育休を取る意思を早めに伝える(原則として休業開始日の2週間前まで)
- 育児休業申出書に記入する(初日と末日を明らかにする必要があります)
- 母子健康手帳のコピーなど、添付書類を準備して勤務先に渡す
- 給付金の振込先口座を伝える
- 育休中に働く予定があれば、日数・時間を事前に整理しておく
勤務先が制度に不慣れな場合、手続きが遅れることがあります。 「産後パパ育休の申請をお願いしたい」と早めに伝え、必要書類を確認しておいてください。
育休中に有給休暇を使った日はどう扱われるか
休業開始時賃金月額証明書の記入にあたっては、賃金支払基礎日数に有給休暇の対象となった日と休業手当の対象となった日を含めます(厚生労働省の記載要領)。つまり、育休前に有給休暇を取っていた月も、受給資格の判定に使う「賃金支払基礎日数11日以上の月」としてカウントされます。
一方、産後パパ育休の期間中に有給休暇を重ねて取得することはできません。 休業と有給休暇は両立しないためです。育休期間中に賃金が支払われた場合は、前章の減額の仕組みが適用されます。
産後パパ育休と育休の違い、併用・連続して取る場合
ここが最も混同されやすいところです。「産後パパ育休」と「育児休業(育休)」は別の制度で、それぞれに対応する給付金があります。
2つの制度の違い
| 産後パパ育休(出生時育児休業) | 育児休業(育休) | |
|---|---|---|
| 対応する給付金 | 出生時育児休業給付金 | 育児休業給付金 |
| 取れる期間 | 子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの間で、最大4週間(28日) | 原則として子が1歳になるまで(延長あり) |
| 給付率 | 67%(14日以上なら+13%で80%) | 67%(180日経過後は50%。14日以上なら+13%) |
| 分割取得 | 2回まで | 2回まで(産後パパ育休とは別枠) |
| 休業中の就業 | 最大10日(または80時間)まで認められる | 原則として認められない(臨時・一時的なものを除く) |
| 申出の期限 | 原則、休業開始日の2週間前まで | 原則、休業開始日の1か月前まで |
違いの核は「就業できるかどうか」と「取れる時期」です。 給付率そのものは同じ67%なので、金額で選ぶ制度ではありません。
併用して連続で取る場合
産後パパ育休と育児休業は、続けて取ることができます。 取得できる枠が別なので、合計の休業可能日数が増えます。
たとえば「妻の出産直後から3か月休みたい」という場合、次のように連続させます。
- 最初の28日 … 産後パパ育休 → 出生時育児休業給付金(67%)
- 29日目以降 … 育児休業 → 育児休業給付金(67%。180日経過後は50%)
この場合、給付金は2つに分かれるため、申請も2回になります。1回目は出生時育児休業給付金の申請、2回目からは育児休業給付金の申請です。給付率は同じなので、連続で取っても手取りが途中で下がることはありません(180日を超えるまで)。
なお、上乗せの13%(出生後休業支援給付金)は、産後パパ育休と育児休業を通算して14日以上取っていれば要件を満たします。産後パパ育休だけで13日しか取れなくても、育児休業と連続させれば上乗せが付く可能性があります。
分割して交代で取る場合
夫婦で交代しながら取る組み立てもできます。産後パパ育休は2回、育児休業も2回まで分割できるため、父親は最大4回に分けて休める計算になります。
ただし、分割の回数が増えるほど申請の手続きも増えます。勤務先の担当者と事前に段取りを決めておいてください。
育児休業給付金と分けて申請すべきか
「妻の出産日から半年間休みたい」という場合、産後パパ育休と育児休業を分けて申請する必要があるのか、という疑問が出ます。
厚生労働省の回答は明確です。出生時育児休業給付金を申請せず、育児休業給付金のみを申請することも可能です。産後パパ育休を取得せず、出生日以降に育児休業を取得する形にもできます。
では、どちらが得か。給付率はどちらも67%(育児休業給付金は180日経過後に50%)で同じです。差が出るのは次の点です。
- 産後パパ育休は、休業中に最大10日(80時間)まで働ける。 育児休業は就業に厳しい制限があります
- 産後パパ育休は2回まで分割でき、育児休業とは別枠。育児休業も2回まで分割できるので、組み合わせると取得の柔軟性が上がります
- 手続きの回数が増える。 2つの給付金を別々に申請することになります
長期間まとめて休むだけなら育児休業だけで足ります。出産直後の数週間に断続的に働く可能性があるなら、産後パパ育休を使う意味があります。
もらえない・減る要因
- 雇用保険の被保険者でない … 自営業・フリーランスは対象外です
- 育休開始前2年間に、要件を満たす月が12か月ない … 転職直後は要注意です
- 休業期間中の就業が10日(または80時間)を超えた
- 育休期間を対象とした賃金が、基準額の80%以上支払われた … 給付金が0円になり、出生後休業支援給付金も出ません
- 子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間を外れた
- 28日を超えた分 … 29日目以降は支給されません(育児休業への振替で対応可能)
- 3回目以降の分割取得
- 申請期限を過ぎた
よくある質問
産後パパ育休の給付金はいくらもらえますか?
出生時育児休業給付金として、休業開始時賃金日額 × 支給日数(28日が上限)× 67%が支給されます。さらに14日以上取得すれば、出生後休業支援給付金として13%が上乗せされ、合計80%になります。賃金日額が10,000円の方が28日取得した場合、67%分が187,600円、13%分が36,400円で、合計224,000円です。
上限額はいくらですか?
令和8年8月1日から令和9年7月31日までの休業開始時賃金日額の上限額は16,540円です。28日間取得した場合、出生時育児休業給付金の上限は310,290円、出生後休業支援給付金の上限は60,205円です。この上限額は毎年8月1日に改定されます。
14日より短い育休でも給付金はもらえますか?
出生時育児休業給付金(67%)は、14日未満でも取得した日数分が支給されます。ただし、上乗せの出生後休業支援給付金(13%)は14日以上の取得が要件なので、13日以下では付きません。10日間の育休なら67%分だけになります。
育休中に働いたら給付金は減りますか?
支払われた賃金が「休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数」の13%以下であれば減額されません。13%超〜80%未満なら「基準額の80% − 賃金額」に減額されます。80%以上支払われると出生時育児休業給付金は0円になり、その場合は出生後休業支援給付金も支給されません。なお、就業できるのは最大10日(10日を超える場合は80時間)までです。
いつ振り込まれますか?
勤務先が申請してからハローワークの審査を経て振り込まれるため、育休が終わってから1〜2か月後になるのが一般的です。申請期限は、子の出生日(出産予定日前に出生した場合は出産予定日)から8週間を経過する日の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までです。育休中の生活費は、一時的に手元の資金で回す前提で準備してください。
