多摩市に新しく事業所を構えると、固定資産税がまるごと戻ってくるのか。結論から言うと、投下する固定資産額が一定規模を超えた場合に限られます。中小企業等で1.5億円以上、大企業で3億円以上が目安です。小さな店舗の開業や、既存事務所の模様替え程度では対象になりません。
多摩市企業立地促進奨励金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 多摩市企業立地促進奨励金(企業立地促進条例に基づく奨励金) |
| 対象業種 | 業種指定なし(対象施設を新設・増設する事業者) |
| 利用目的 | 設備投資(本社・工場・宿泊施設等の新設に伴う固定資産税・都市計画税相当額の交付) |
| 対象地域 | 東京都多摩市(市内に対象施設を新たに立地させる事業者) |
| 従業員数 | 規定なし(新規雇用20名以上などの別要件あり) |
| 補助上限額 | 一般施設は上限1億円(交付期間5年)/本社施設・宿泊施設・省エネルギー性能優良施設は上限1.5億円(宿泊施設は交付期間最大10年) |
| 補助率 | 対象固定資産税・都市計画税相当額の80%(一般施設)、100%(本社施設・宿泊施設・省エネルギー性能優良施設) |
| 申請受付 | 通年(企業立地促進条例に基づく指定制度。締切日の記載はありません) |
| 公式サイト | 多摩市「企業誘致」 |

「投下固定資産額」とは何か
この制度の対象かどうかを分けるのが、投下固定資産額という指標です。新たに取得する土地・建物・機械設備等の取得価額を合計した額を指します。多摩市の要件は次のとおりです。
- 大企業: 投下固定資産額3億円以上(または対象用地2,000平方メートル以上)
- 中小企業者等: 投下固定資産額1.5億円以上(または対象用地2,000平方メートル以上)
このどちらかを満たせば、規模要件はクリアです。加えて、新規雇用者数がおおむね20名以上(施設の種類によっては10名以上)であることも条件になります。
対象になる施設・ならない施設
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる | 市内に新設する本社機能・研究所・工場・宿泊施設で、投下固定資産額の要件を満たすもの |
| 対象になる | 省エネルギー性能に優れた施設(性能要件を満たす場合、奨励率が100%まで上がります) |
| 対象にならない | 既存事業所の内装改修・模様替えのみで、新たな固定資産の取得を伴わないもの |
| 対象にならない | 投下固定資産額が要件(中小企業等1.5億円)に届かない小規模な店舗・オフィスの新設 |
なぜこの線引きになるのか。奨励金の原資は、その事業所が新たに納める固定資産税・都市計画税です。税収が新たに生まれる規模の投資でなければ、奨励の対象にならないという設計になっています。
よく誤解されるポイント
「多摩市に引っ越せば奨励金がもらえる」と誤解されがちですが、正確には既存の税額を減らす制度ではなく、新たに発生する税額相当を市が交付する制度です。すでに多摩市内で事業を営んでいる企業が、既存の建物をそのまま使い続けても対象にはなりません。あくまで、新規の投資によって新たに固定資産税が発生する部分が交付の対象です。
宿泊施設だけ交付期間が最大10年と長いのも、他の施設(5年以内)との違いとして押さえておく必要があります。
申請までの流れ
- 経済観光課 商工観光担当へ事前相談します
- 投下固定資産額・雇用計画などの要件を満たすか確認します
- 施設の新設・稼働後、指定申請の手続きを行います
- 市の審査を経て、固定資産税・都市計画税の納付実績に応じて奨励金が交付されます
よくある質問
中小企業でも対象になりますか?
対象になります。中小企業者等は投下固定資産額1.5億円以上(または対象用地2,000平方メートル以上)が要件です。大企業(3億円以上)より要件が緩和されています。
賃貸オフィスへの入居でも対象になりますか?
(多摩市 経済観光課 商工観光担当へお問い合わせください)。公式ページには賃貸物件のテナント入居に関する具体的な記載がなく、投下固定資産額の考え方が所有物件と異なる可能性があります。
交付までにどのくらいの期間がかかりますか?
公式ページに標準処理期間の記載はありません。施設の新設・稼働後に固定資産税の課税実績を確認したうえでの交付になるため、投資を決める段階で早めに経済観光課へ相談することをおすすめします。
