補助金は、経費を払った後に戻ってくるお金だと思われがちです。この制度は違います。自分で寄附を集め、集まった額がほぼそのまま補助額になる仕組みです。多摩市の「ふるさと納税を活用した資金調達支援事業補助金」は、クラウドファンディング型ふるさと納税を使って、事業資金を調達する制度です。

資金の流れが逆になる仕組み

通常の補助金は「経費を払う→領収書を提出する→補助金が振り込まれる」という順番です。この制度は次のように進みます。

  1. 事業計画を市に申請する
  2. 市が「補助対象事業」として承認する
  3. 多摩市を寄附の受入先として、クラウドファンディング型ふるさと納税で寄附を募る
  4. 集まった寄附金から、ポータルサイトの手数料等を差し引いた額が補助金として交付される

補助額は「寄附金額 − 手数料等(ポータルサイトに支払う費用等)」で決まります。寄附が集まらなければ、補助額もその分減ります。 通常の補助金のように、あらかじめ確定した金額が保証されているわけではありません。

対象になる事業者

対象になるのは、次のすべてに当てはまる個人・法人です。

  • 市内に住所を有する個人事業主、または市内に事業所を有する法人
  • 市税を滞納していない
  • 暴力団関係者、宗教・政治団体、風俗営業等に該当しない
  • 同一年度中に本補助金の交付を受けていない

対象になる事業は、多摩市の産業振興及び地域課題の解決に資する事業です。創業・新分野展開・業種転換など、市の総合計画の理念に沿った取り組みが想定されています。

目標額の3割に届かなくても、市が補填する

この制度で読者が最も気にするのは、「寄附が集まらなかったらどうなるか」でしょう。ここに、下限保証という仕組みがあります。

市が指定する次の4類型の事業については、集まった寄附金額が目標額の30%に満たない場合、不足分を市が補助します。

  • 創業(個人が新たに事業を始める・法人を設立する)
  • 新分野展開(主たる事業を変えずに新しい市場へ進出する)
  • 事業転換(主たる事業内容を変更する)
  • 業種転換(主たる事業と業種の両方を変更する)

30%という数字は決して高いハードルではありません。目標額の3割さえ集まれば、事業を打ち切らずに進められるという安全弁が、通常のクラウドファンディングとの大きな違いです。

募集期間はプロジェクトごとに違う

この制度には、年1回の一斉募集のような固定スケジュールはありません。承認された事業ごとに、寄附募集の開始日・終了日が個別に設定されます。過去には7月21日から10月18日までという募集期間の例がありました。

「思い立ったらすぐ寄附を集められる」制度ではありません。 事業計画の申請から市の承認までの期間を見込んで、逆算してスケジュールを組む必要があります。

申請の流れ

  1. 経済観光課への事前相談
  2. 事業計画書等を添えた交付申請
  3. 市の審査・承認
  4. クラウドファンディング型ふるさと納税ポータルサイトでの寄附募集開始
  5. 募集期間終了後、事業を実施
  6. 実績報告書を提出
  7. 寄附金額から手数料を差し引いた額が交付される

よくある質問

寄附が目標額を超えて集まった場合、超過分はどうなりますか?

公式ページには超過分の扱いが明記されていません。申請時に経済観光課へ確認することをおすすめします。

創業・新分野展開以外の事業でも申請できますか?

申請自体は可能です。ただし、下限保証(寄附目標額の30%を市が補填する仕組み)が適用されるのは、創業・新分野展開・事業転換・業種転換の4類型に限られます。 それ以外の事業は、寄附が集まらなければ補助額もその分減る前提になります。

個人事業主でも申請できますか?

できます。「市内に住所を有する個人事業主」が対象と明記されています。法人化していなくても、開業して事業を営んでいれば申請の対象になり得ます。

事業計画の作り方や、下限保証の対象になる事業類型への位置づけ方に迷う場合は、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、自治体の創業・立地系補助金に共通する論点とあわせて紹介しています。

この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
申請者事業者(法人・個人事業主)
制度名多摩市ふるさと納税を活用した資金調達支援事業補助金
対象業種業種指定なし(産業振興・地域課題解決に資する事業)
利用目的クラウドファンディング型ふるさと納税による資金調達
対象地域東京都多摩市(市内に住所・事業所を有する事業者)
従業員数規定なし
補助上限額寄附金額に連動(上限の定めなし。目標額の30%は下限保証)
補助率寄附金額から手数料等を差し引いた額(指定4類型は目標額の30%を下限保証)
申請受付通年(事業ごとに個別に募集期間を設定)
公式サイトhttps://www.city.tama.lg.jp/shisei/jigyosha/1012227/1012232/1014763.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

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事業計画の作り方や下限保証の対象事業への該当判断に迷う場合は、専門家に相談するのも一つの手です。

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免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助内容・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず多摩市の公式ページおよび最新の案内で内容をご確認ください。

出典: