ドローンを使った観光の補助金は、観光事業者なら誰でも使えるのか。使えません。対象は、東京都内に主たる営業所があり、旅行業の登録を受けた旅行事業者だけです。しかも使い道は、障害者や高齢者が参加しやすい旅行商品をつくることに限られます。
ドローン活用ツアー造成等支援補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度ドローンを活用したツアー造成等支援補助金(第2回)
だれが
- 申請者
- 旅行事業者(都内に主たる営業所がある旅行業登録者)
- 対象業種
- 旅行業
- 利用目的
- ドローンを使う旅行商品の造成・販売・運営
- 対象地域
- 東京都
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(受入環境課へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 500万円(1申請=旅行商品1つあたり)
- 補助率
- 2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月17日〜2026年10月16日(必着)
- 事業の完了
- 交付決定の日から2027年1月31日まで
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
登録の区分は、東京都知事登録の第2種・第3種・地域限定の旅行業者と、主たる営業所が都内にある第1種旅行業者です。募集型企画旅行とは、旅行会社が行程と代金を先に決めて参加者を募集する旅行のことです。旅行契約の相手は申請した会社自身で、募集・申込みの受付・代金の受け取り・旅行条件書の交付も自社で行う必要があります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 都税の未納がある(分納中も不可)
- ✕ 他社の名義で売る旅行
- ✕ 遠隔地での体験だけで終わる旅行
- ✕ 単なる実証・研修・広報が目的
販売業務の一部を、旅行業法にもとづく受託契約で他の旅行会社に任せることは認められています。ただし代金の受け取りや旅行条件書の交付などの責任は申請した会社が負います。使うドローンは、航空法にもとづく登録を受けた機体です。旅行先は主に都内の観光地や観光施設で、参加者がそこを実際に訪れてドローン体験をする形でなければなりません。
いくら出る?
対象経費の2/3以内で、1申請あたり最大500万円です。申請は旅行商品ごとに出します。上限の500万円に届くのは、対象経費が750万円以上のときです。
- 経費が600万円の旅行商品:600万円 × 2/3 = 400万円
- 経費が750万円の旅行商品:750万円 × 2/3 = 500万円(上限)
- 経費が900万円の旅行商品:900万円 × 2/3 = 600万円 → 上限の500万円
交付決定額はあくまで補助の上限です。事業が終わったあとの実績報告で実際に払った額に2/3をかけて額を確定します。決定額より低ければ、低い方が支払われます。1,000円未満は切り捨てです。採択は、特に優れた企画を6件(予定)選ぶ形で、申請すれば必ず通る制度ではありません。
何に使える?
線を引いているのは「旅行商品をつくり、売り、運営するための経費か」です。ドローンの機体を買うための補助金ではありません。
対象にならないもの
- ドローンなど設備・機械・器具・備品の購入費(レンタルは対象)
- 消費税などの税金、収入印紙代、通信費、送料などの間接経費
- 宿泊費に含まれない飲食費、ツアー中の飲食費、参加者に渡す物品
- 構築したシステムの保守費、設置後の維持費
- 中古品、使用実績のないもの、金券
- 関連会社や親族の会社との取引
- 東京都のほかの補助金や委託費で払っている経費
対象になるもの
- 商品をつくる経費:現地調査の旅費・宿泊費・入場料、現地ガイドやドローンパイロットへの委託費、ニーズ調査、機器のレンタル代、体験用システムの構築・クラウド利用
- 商品を売る経費:Web・雑誌・テレビ・ラジオなどの広告掲載費、パンフレット・チラシ・自社Webページの制作費
- 商品を運営する経費:ツアー当日の機器レンタル代、会場費、保険、添乗員・ガイド・ドローンパイロット・介護補助員への委託費
外注や委託は、自社で直接できないか、自社でやるのが適当でない場合だけが対象です。Web広告は、各社と直接契約した分に限ります。支払いにはクレジットカードやポイントカードを原則使わないでください。
申請の流れ
- 旅行商品の企画と見積書をそろえる(事業者。行程・価格・定員、ドローン体験の安全体制まで)
- 交付申請書を出す(事業者→受入環境課。10月16日必着で、jGrantsか簡易書留の郵送)
- 審査を受ける(都→事業者。書類審査のあとに面接審査があり、申請者本人が出席。結果は受領から1か月ほどが目安)
- 交付決定の通知を受けてから契約・発注する(事業者→委託先。交付決定とは、補助の対象として認める都の通知です)
- 2027年1月31日までに実施して支払いまで終える(事業者。口座振込が原則)
- 実績報告書を出す(事業者→都。事業が終わってから30日以内)
- 額の確定通知のあと請求し、補助金が支払われる(都→事業者)
jGrantsは国の補助金の電子申請システムで、使うにはGビズIDプライム(国の電子申請に共通のID)の発行が要ります。発行には通常2〜3週間かかるので、持っていなければ早めに手続きを。電子申請が難しいときだけ郵送です。
必要な書類
準備できた 0 / 11
登記事項証明書と印鑑証明書は、発行から3か月以内のものです。印鑑証明書は郵送のときだけ必要で、電子申請なら不要です。都税納税証明書は直前期分で、法人は法人事業税、個人事業者は個人事業税のものです。国税のものと間違えないでください。見積書には、仕様書もつけます。登記された本店・支店がどちらも都内にないときは、都税事務所が出す「事業開始等申告書提出済証明書」も要ります。前年度の決算が赤字のときなどは、当年度の事業計画書や補足資料を求められることがあります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:交付決定より前に結んだ委託契約などには、補助金が支払われません。
- 2027年1月31日までに支払いが終わらなかった:実施だけでなく、支払いまでが期限内に終わる必要があります。
- 広報物の表示や事前提出を飛ばした:広報物には都が決めた文言を入れ、印刷や公表の前に原稿を都へ出して承認を得ます。守らないと、一部の経費の交付決定が取り消されることがあります。
- 内容や配分を承認なしで変えた:事業の内容を変えるときや、経費区分を超えて流用するときは、事前に都の承認が要ります。
- 証憑に不備がある:見積書・契約書・請求書・領収書・振込控に不備があると、原則対象外になります。
勘違いされやすいのは「ドローンの補助金」という響き
名前から、ドローンを導入したい観光事業者向けの補助金に見えます。実際は、旅行会社が障害者や高齢者も参加できるドローン旅行商品をつくるための補助金です。
| 勘違い | 実際 |
|---|---|
| ドローンの機体を買える | 購入費は対象外。レンタルは対象 |
| 観光事業者なら申請できる | 旅行業の登録を受けた都内の旅行事業者だけ |
| 空撮映像をつくれば対象 | 参加者が現地を訪れて体験する旅行商品が対象 |
| 遠隔でも対象 | 遠隔地体験は、訪問体験をする旅行の一部として行う場合だけ |
都は、過去の事業のナレッジ集(令和6年度・令和7年度)も案内ページで公開しています。企画を考えるときの参考になります。
よくある質問
旅行会社でなくても申請できますか?
申請できません。対象は、東京都内に主たる営業所があり、旅行業法にもとづく登録を受けた旅行事業者です。具体的には、東京都知事登録の第2種・第3種・地域限定の旅行業者と、主たる営業所が都内にある第1種旅行業者が当たります。ドローン事業者や観光協会は、そのままでは申請者になれません。
ドローンの機体を買う費用は補助されますか?
補助されません。設備・機械・器具・備品の購入費は対象外経費に挙げられています。一方でツアー行程での機器のレンタル代、輸送費、設置費や、ドローンパイロットへの委託費は対象です。機体を自社で持つ前提にせず、借りるか操縦者ごと委託する前提で経費を組むと対象に収まりやすくなります。
空撮映像をつくるだけの企画でも対象になりますか?
対象になりません。対象は、参加者が観光地を実際に訪れ、現地でドローンを使った体験をする募集型企画旅行です。単なるドローン体験、実証実験、教育・研修、広報が主な目的の事業は、対象外と書かれています。障害者や高齢者の観光参加を広げることが、旅行商品の主な目的として明確である必要があります。
遠隔地の体験だけの旅行は対象ですか?
遠隔地体験だけで完結する旅行は対象外です。遠隔地体験を入れる場合は、現地を訪れた参加者が自分の体験や風景を、関係する特定の人と共有するために、行程の一部として行う必要があります。旅行に参加していない人に、旅行気分の提供や広報のために見せる目的では対象になりません。
他社の名義で売る旅行でも申請できますか?
できません。申請者自身が旅行の企画・実施の主体で、旅行者との契約の当事者である必要があります。他の旅行会社が名義人になって募集や代金の受け取りをする形は、対象外です。販売の一部を旅行業法にもとづく受託契約で他社に任せるのは構いませんが、代金の受け取りなどの責任は申請者が負います。
補助額はいくらまでですか?
対象経費の2/3以内で、1申請あたり500万円が上限です。申請は旅行商品ごとに出します。たとえば経費が750万円なら500万円で上限に届き、それ以上かけても補助額は増えません。交付決定額は上限として扱われ、実績報告で実際に払った額から額が確定します。決定額より低くなることもあるので、資金の準備は余裕をもって立ててください。
事業はいつまでに終わらせればいいですか?
交付決定の通知を受けた日から2027年1月31日までです。実施だけでなく、経費の支払いまでこの期間内に終える必要があります。支払いが終わっていないと補助金は支払われません。実績報告書は、事業が完了した日から30日以内に出します。冬の時期の天候でドローンが飛ばせない場合の対応も、審査で見られるので計画に入れておきます。
交付決定の前に発注してもいいですか?
発注できません。委託業務などの契約は、必ず交付決定日以降に結んでください。交付決定前に結んだ契約の経費は、補助金が支払われません。契約は原則として競争入札か見積合わせで、最も低い価格を示した業者を選びます。見積書は申請の時点で必要なので、交付決定を待つ間に業者を決めておくのが現実的です。
審査はどのように行われますか?
二段階です。一次審査は書類審査で、補助対象の要件と、ドローン飛行の安全性を確かめます。通った申請は二次審査の面接審査に進み、申請者が出席します。実効性、事業性、自走可能性、履行の確実性、波及効果が見られます。審査内容は公表されず、結果への異議申し立ても認められていません。
申請の受付はいつまでですか?
2026年10月16日(金)までで、必着です。申請書類を受け取ってから、審査結果の連絡まで1か月ほどが目安です。jGrantsを使うにはGビズIDプライムが必要で、発行に2〜3週間かかります。郵送は簡易書留で送ります。都庁の受入環境課の宛先は、案内ページと募集要領に載っています。
問い合わせ先はどこですか?
事務全般は、東京都産業労働局 観光部 受入環境課(電話 03-5320-4802)です。内容の詳細は、補助金事務局(合同会社デロイト トーマツ内)が平日9時から17時30分に受け付けています。連絡先は案内ページに載っています。対象に当たるか迷う企画は、申請の前に確かめておくと、出し直しを防げます。
