製品づくりに入る前に、素材の比較や動作の確認を外部の力を借りて進める費用を、東京都と公社が1/2以内(上限100万円)で助成します。計画が途中で変わっても構いません。ただし委託・外注費を1つも使わない申請は対象外で、原材料費だけでは申請できません。
製品開発着手支援助成事業の要点まとめ
正式名:製品開発着手支援助成事業
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主・創業予定者)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 製品・技術開発前の技術検討
- 対象地域
- 東京都
- 従業員数
- 業種ごとの上限あり(製造業は300人以下か資本金3億円以下)
いくら
- 補助上限額
- 100万円(申請下限額10万円)
- 補助率
- 助成対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月28日〜2026年11月18日(17時まで)
- 事業の完了
- 2028年2月29日まで(助成対象期間は2027年3月1日から)
自社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
「GビズIDプライム」は、国(デジタル庁)の電子申請システム「Jグランツ」の利用に必要なIDです。申請はJグランツだけで受け付けます。
「中小企業者」は、資本金か従業員数が業種ごとの上限以下の会社や個人事業者です。どちらか一方を満たせば足ります。製造業・建設業・運輸業・情報通信業などは資本金3億円以下か従業員300人以下です。卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。大企業が実質的に経営に加わっている会社は除かれます。事業協同組合などの中小企業団体、複数の企業で組むグループ(共同申請)、都内での創業予定者も申請できます。
法人は登記簿上の本店か支店が都内にあることが条件です。個人事業者は、開業届で都内の納税地や事業所が確認できる必要があります。開業から1年未満でも申請できます。基準日は2026年10月1日です。都内での創業を具体的に計画している人も申請できます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 機械や金型の導入が目的
- ✕ 技術検討がほぼ終わっている
- ✕ 医療法人やNPO法人など
医療法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、LLPなどは助成対象外と公社の募集要項に書かれています。ほかにも、量産の段階にある技術や、既製品の軽い改良にとどまるものは対象になりません。
いくら助成される?
助成額は、対象と認められた経費の1/2以内です。千円未満は切り捨てます。申請額の下限は10万円です。上限の100万円に届くのは、対象経費が200万円のときです。申請書には、対象経費を200万円超でもそのまま書き、助成金の申請額の合計が100万円に収まるように調整します。
- 試験の委託費100万円と原材料費20万円:120万円 × 1/2 = 60万円
- 動作検証の外注費200万円:200万円 × 1/2 = 100万円(上限に到達)
- 試験の委託費100万円と顧客ニーズ調査60万円:100万円 × 1/2 + 市場調査費(60万円 × 1/2 = 30万円 → 上限の25万円)= 75万円
顧客ニーズ調査などの市場調査費は、助成を受けられる額が25万円までです。調査費が50万円に届くと、その上限に当たります。最終の助成額は、経費区分ごとに実際の支出の1/2を出し、交付予定額と比べて低いほうを合計して決まります。
検討の例
公社が活用例に挙げているのは次の3つです。
- 研究開発で使う部材を選びたい:外部で材料特性や部品性能を試験・評価してもらう
- 設計の仕様や手法を決めたい:材料の特殊加工や部品の特殊な組み立てを外注する
- 計算の処理方法を決めたい:複数のエンジンやアルゴリズムの処理能力を検証してもらう
何に使える?
対象にならないもの
- 機械装置・工具器具・試作金型・ソフトウェアの購入費や使用料
- 規格・認証の取得費、特許など産業財産権の費用
- 直接人件費
- 消費税、振込手数料、通信費、光熱費、自社の交通費などの間接経費
- 完了時に使い切れず残った原材料
- 親会社・子会社など資本関係のある会社との取引
対象になるもの
- 原材料・副資材費(検討に使い切る鋼材、電気部品、化学薬品、試験用部品など)
- 委託費(外部に頼む試験、評価、分析、調査)
- 外注費(外部に頼む原材料の加工、試料の製造)
- 共同研究費(大学や試験研究機関との共同研究契約にかかる費用)
- 市場調査費(市場調査を仕事にする事業者への依頼。25万円まで)
原材料費だけでは申請できません。委託費・外注費・共同研究費のどれか1つ以上を含めます。市場調査費だけの申請も認められません。
申請の流れ
- GビズIDプライムを取る(事業者→デジタル庁。未取得なら最初に)
- 募集要項と申請書をダウンロードする(事業者→公社の事業ページ。10月1日から掲載)
- 必要書類をそろえて、Jグランツで申請する(事業者→公社。11月18日17時まで)
- 書類審査と総合審査を受ける(公社。12月から2027年2月上旬まで)
- 交付決定を受ける(公社→事業者。2027年2月下旬。結果はJグランツで全員に届く)
- 2027年3月1日からの助成対象期間に、発注・納品・支払いまで終える(事業者)
- 完了日の翌日から15日以内に実績報告を出す(事業者→公社。完了検査を受ける)
- 助成金を請求し、受け取る(事業者→公社。請求から振込まで1か月ほど)
「交付決定」は、審査のうえ助成対象にすると決める通知です。最終の助成額を約束するものではありません。
必要な書類
準備できた 0 / 8
登記簿謄本は発行から3か月以内のものです。納税証明書は、法人は法人事業税と法人都民税、個人は個人事業税と住民税のものです。税務署では発行されません。創業2年未満の人は直近1期分で足ります。決算を迎えていない法人や創業予定者は、資金繰り表などで代えます。市場調査委託先資料は、市場調査費を計上するときだけです。同意書は、第三者に代理申請を頼むときだけです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 申請前や期間外に払った費用:対象期間は2027年3月1日から2028年2月29日です。契約・取得・実施・支払いが全部この期間内に終わっていない経費は対象外です。
- 完了前に製品を売り始めた:事業化は、完了検査日の翌日から始めます。完了前の販売は営業行為も含め、助成の取消しになります。
- 承認なしに内容を変えた:実施場所や委託先の変更、経費区分の20%超の増額などは、事前に公社の承認が要ります。無断で変えた経費は対象外です。
- 支払い方法が決まりに合わない:支払いは助成事業者名義の口座からの振込が原則です。手形・小切手・電子記録債権での支払いは使えません。
- 経費の証拠がそろわない:見積書、契約書、納品書、請求書、振込控えなどの原本を確認します。そろわない経費は原則として対象外です。
併願・保管・報告
この記事は令和8年度の募集です。令和7年度(2025年11月18日に受付終了)と令和6年度は終了しており、内容は別の記事にまとめています。前の年度の内容は、令和7年度の記事と令和6年度の記事でご覧ください。公社の事業ページは、年度ごとに最新の募集の内容に差し替わります。
同じ年度の申請は、1事業者につき1申請までです。過去に公社の助成金を受けた人は、それぞれの助成事業で決められた企業化状況報告書などを出し終えていることが条件になります。登記簿謄本や納税証明書は【原本】と書かれた書類で、交付決定後の事前支援(職員の訪問)で原本を照合することがあります。
事業化に向けた開発は、助成事業の完了後に進めます。作った試作品などは、5年間保存する義務があります。50万円以上(税抜)の財産には、公社のステッカーを貼って管理します。
完了した年度の翌年度から2年間は、毎年度の終了ごとに企業化状況報告書を出します。関係書類は5年間保管します。
ものづくり補助金など他の公的な制度との併願はできます。両方に採択された場合は、同じテーマ・経費では一方を辞退します。公社の他の助成事業とは、同じテーマ・経費での併願ができません。
よくある質問
申請の締切はいつですか?
2026年11月18日(水)17時までです。申請はJグランツだけで受け付けます。郵送、持参、メールでは受け付けません。Jグランツの利用にはGビズIDプライムが要ります。取得に時間がかかることがあるので、先に取っておくと安心です。書類に不備があるとJグランツで差し戻され、担当者のメールに通知が届きます。締切の直前は避けて出してください。
原材料費だけで申請できますか?
できません。委託費・外注費・共同研究費のうち、1つ以上を必ず申請に含めます。この助成事業は、自社だけでは進められない技術検討を、社外の力を借りて進める費用を助成するものだからです。市場調査費だけの申請も同じく認められません。材料費は、外部に頼む検討とセットで計上します。
機械や金型の購入費は対象になりますか?
対象になりません。機械装置、工具器具、試作金型、ソフトウェアの購入費や使用料は、助成対象外と募集要項に書かれています。生産や量産のための設備投資を目的とした事業も対象外です。この助成は技術検討の費用だけを対象にしています。設備を買いたい場合は、別の補助金を探してください。
創業前でも申請できますか?
申請できます。都内で創業を具体的に計画している人が対象です。申請時の所在地が都内の外でも構いません。交付決定の後に、すみやかに開業してください。登記簿謄本か、税務署に出した開業届の写しで、都内の所在地を示す必要があります。決算書がないため、資金繰り表などを出します。
開業して1年たっていなくても申請できますか?
申請できます。都内で創業して1年に満たない事業者は、未決算企業として扱われます。基準日は2026年10月1日です。確定申告書の代わりに、代表者の源泉徴収票や所得税の納税証明書と、資金繰り表を出します。創業から2年に満たない場合は、確定申告書は直近1期分で足ります。
医療法人やNPO法人でも対象ですか?
対象外です。公社のよくある質問で、社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、学校法人、有限責任事業組合(LLP)などは助成対象外とされています。中小企業基本法でいう会社とは、会社法上の株式会社、合同会社、合名会社、合資会社などを指します。法人の種類は、申請の前に確かめておくと安心です。
申請前に払った費用は対象になりますか?
対象になりません。助成対象期間は2027年3月1日からです。期間内に契約、取得、実施、支払いが全部終わった経費だけが対象になります。交付決定は2027年2月下旬の予定ですが、発注するのは3月1日以降です。見積書だけは、3月1日より前の日付のものでも構いません。申請前に見積もりを取っておくのは問題ありません。
他の補助金と一緒に申請できますか?
国や自治体など、他の公的機関の制度との併願はできます。ものづくり補助金などが例に挙がっています。ただし、同じテーマ・同じ経費で二重に受け取ることはできず、両方に採択されたら一方を辞退します。公社の他の助成事業とは、同じテーマ・経費での併願ができません。別のテーマなら併願できます。
計画した検討を全部やれなかったらどうなりますか?
申請書に書いた検討項目の一部をやらなくても、技術検討が完了したと判断できれば、助成事業を完了できます。実施した項目の経費は助成の対象です。ただし、申請書にある技術検討項目そのものの変更は認められません。事業の終了予定日を延ばすときや、委託先を変えるときは、事前に公社の承認を受けます。
申請を第三者に頼めますか?
Jグランツ上の代理申請機能を使えば、行政書士などが申請書の作成を代行できます。申請者がGビズID上で委任の手続きをし、同意書を公社に出します。内容の確認と提出は、申請者自身が行います。外注先の事業者や、公社の職員・相談員は、代理申請を引き受けられません。トラブルは当事者どうしで解決します。
助成金はいつ振り込まれますか?
助成事業が終わり、完了検査と実績報告の確認が済んでからです。実績報告は、完了日の翌日から15日以内にJグランツで出します。公社の精査で助成額が確定したら、Jグランツで請求します。請求から振込までは1か月ほどです。助成金は後払いなので、期間中の支払いは先に自社で用意します。
助成を受けた後、製品を売ってもいいですか?
助成事業の完了後から売れます。完了検査日の翌日からが目安です。完了前の販売は、営業行為を含めて助成の取消しになります。技術検討で作った製作物そのものの販売を目的にした事業は、対象外です。事業化したあとも、2年間は企業化状況報告書を出します。
検討に使う場所は他社の工場でもいいですか?
だめです。実施場所は、申請者自身の事業所や工場に限ります。委託先や外注先を含め、他社を実施場所にはできません。原則として東京都内ですが、首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、山梨)なら申請できます。購入品や成果物の現物が確認できることが条件です。製造設備のないファブレス企業も申請できます。ただし、構想・企画と、技術検討のあとの開発の主要な部分は、自社で行うことが条件です。
