事務所の改装や広告宣伝、試作品の材料費の2/3(上限300万円)を、栃木県産業振興センターが助成します。対象になるのは、行政・金融機関などから評価や支援を受けた実績のある事業だけで、自分で新しいと申告するだけでは申請できません。
令和8年度は第1次と第2次の公募があり、どちらも募集を終えています。次の公募は、公式ページに案内が出ていません。
スタートアップ支援事業の要点まとめ
正式名:とちぎ未来チャレンジファンド活用助成事業(スタートアップ支援事業)
だれが
- 申請者
- 起業家、または創業後10年以内の中小企業者等
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 創業・事業拡大(拠点整備・広告宣伝・試作)
- 対象地域
- 栃木県内(県内に本社か主たる事務所を置く)
- 従業員数
- 中小企業者(業種ごとに資本金・人数の基準あり)
いくら
- 補助上限額
- 300万円
- 補助率
- 2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度は第2次(8/17〜9/30)まで募集終了
- 事業の完了
- 交付決定日から最長1年
うちの事業は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 第三者の評価や支援が何もない
- ✕ 創業後10年以内で、すでに利用した
創業予定の起業家は、交付決定日から助成事業期間の終了日までに、法人登記をして県内に本社か主たる事務所を置きます。創業後10年以内の企業は、申請の時点で県内の本社か主たる事務所で事業を営んでいる必要があります。
創業後10年は、事業計画書を出す日から数えて、法人登記の日(登記申請の受理日)から10年以内のことです。
中小企業者は、業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、県内に本社か事業所を持つ会社と個人が対象です。大企業が株式の1/2以上を持つ会社などは、みなし大企業として対象外になります。
「評価・支援を受けている」に当たるもの
次の5つのどれかに当たる必要があります。
- 経済産業省からJ-Startupまたは地域版J-Startupに選定されている
- 行政機関等のスタートアップ支援事業に、過去5年以内に採択された
- 適格機関投資家などの投資運用業者から出資を受けている
- 行政機関等・金融機関が主催か共催したビジネスプランコンテストで、過去5年以内に入賞した
- 大学から大学発ベンチャーとして認定を受けている
いくら助成される?
助成対象経費の2/3で、上限は300万円です。消費税は対象外なので、税抜きの金額で計算します。上限の300万円に届くのは、対象経費が450万円以上のときです。
- 試作品の材料費150万円と市場調査50万円:200万円 × 2/3 = 約133万円
- 店舗の改装240万円と広告宣伝60万円:300万円 × 2/3 = 200万円
- 事務所の改装と試作に合わせて600万円:600万円 × 2/3 = 400万円 → 上限の300万円
助成金の額は、原則として千円単位です。
何に使える?
対象にならないもの
- 交付決定日より前に発注・契約したもの
- 自分や三親等以内の親族、その親族が代表の法人などが持つ物件の工事費・賃借料
- 敷金、礼金、共益費
- 通販機能や課金機能など、広告宣伝の範囲を超えたWebサイトの部分
- 事務所・店舗の新築、建物本体に影響する増築、原状回復の工事
- 取引が目的の広告、プリペイドカードや商品券などの金券
- 経営全般の顧問契約
- 学会への出席や他社の視察のための専門家の旅費
- 助成で作った試作品の販売
対象になるもの
- 工事費(事務所・店舗の改修・改装。工事業者への外注に限る)
- 賃借料(事務所・店舗の賃借)
- 備品費(この事業だけに使う事務機器のリース・レンタル)
- 広告宣伝費(新聞掲載、ホームページ、パンフレット、販促品、電子広告)
- 試作用材料費(試作品に使う原材料と副資材)
- 専門調査診断費(市場調査やマーケティングリサーチの専門家への謝金・旅費・委託料)
パンフレットや販促品は、無償で配るものに限ります。交付決定日より前に結んだ賃貸借契約でも、物件の確保や開業準備に必要と認められれば、交付決定日以降の賃借料は対象です。
住居と兼用の物件は、間仕切りなどで店舗・事務所の部分が物理的に分かれている場合だけ、その専有部分の工事費と賃借料が対象です。試作用材料は、見本品や展示品でも販売する可能性があるものは対象外で、事業の終了時に残った分も対象になりません。専門家への謝金は、士業や大学の教授などで1日5万円が上限の目安です。助言の内容が分かる議事録や、調査報告書などの成果物がないと、専門調査診断費は対象外になります。
申請の流れ
令和8年度の第2次公募の手順です。
- 窓口に連絡して事前チェックを受ける(事業者→経営支援部 経営支援グループ。電話 028-670-2607)
- 事業計画書と添付書類を出す(事業者→産業振興センター。持参か郵送で、9月30日17時必着だった)
- 審査委員会の審査を受ける(センター。プレゼンが必要な人には別途連絡)
- 採否の通知を受け、採択なら交付申請書を出す(事業者→センター)
- 交付決定のあとに発注して、事業を進める(事業者。最長1年)
- 実績報告を出し、精算払いで受け取る(事業者→センター)
第2次公募では、審査委員会と採否の決定が11月中旬ごろ、交付決定が12月上旬の予定でした。助成の対象になるのは、交付決定日以降に発注・契約した経費だけです。50万円以上(税抜き)のものは、原則として2者以上から同じ条件で見積もりを取ります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
所有者が分かる資料と改修前の写真は、事務所や店舗を改修・改装するときに要ります。事務機器を借りるときは、仕様が分かるカタログなども付けます。登記事項証明書は、申請時点で直近3か月以内に発行されたものです。個人の場合は、定款と登記事項証明書の代わりに、住民票か運転免許証の写しと開業届の写しを出します。創業予定か創業後1年以内なら、決算報告書の代わりに今期の予算書と決算見込を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定日以前に発注・契約したものは助成の対象外です。
- 評価の裏づけがない:5つの条件のどれにも当たらないと、スタートアップ支援事業としては応募できません。
- 自分や親族の物件で工事・賃借した:本人、三親等以内の親族、その親族が代表や50%超の議決権を持つ法人の物件は対象外です。
- 助成で作った試作品を販売した:助成事業で取得した原材料で作ったものは、販売できません。
- 書類に不備があった:提出書類に不備や不足があると、受理されません。
同じファンドの創業支援との違い
同じファンドに、創業分野の助成が3つあります。上限額と、使える人の条件が違います。
| 事業 | 上限額 | 使える人 |
|---|---|---|
| 創業支援事業(新規創業支援) | 100万円 | 創業塾などの修了者、地域課題の解決で創業する人 |
| 創業支援事業(創業後支援) | 50万円 | 創業後5年以内で、創業塾などの修了者 |
| スタートアップ支援事業 | 300万円 | 創業後10年以内で、第三者の評価を受けた事業 |
どれも助成率は2/3以内です。複数の補助金を受けている、または受ける予定の場合は、応募の前に窓口へ相談してください。内容によって助成が認められないことがあります。
よくある質問
次の公募はいつですか?
公式ページに、次の公募の案内は出ていません。令和8年度は、第1次が4月20日から5月29日、第2次が8月17日から9月30日の2回でした。次の時期を推測で書くことはできないため、産業振興センターの経営支援グループ(電話 028-670-2607)への確認が確実です。募集が始まると、公式ページに公募要領が載ります。
創業前でも申請できますか?
申請できます。起業家として創業する人も対象です。ただし、交付決定日から助成事業期間の終了日までに、法人登記をして県内に本社か主たる事務所を置くことが助成金交付の要件です。登記が間に合わないと交付されません。創業の時期と、交付決定が出る時期を見比べて、計画を立ててください。
個人事業主でも申請できますか?
公式ページに、スタートアップ支援事業へ個人事業主が応募できるとは明記されていません。公募要領の中小企業者の定義には個人が含まれ、提出書類にも個人向けの欄(住民票か運転免許証の写し、開業届の写し)があります。ただしスタートアップ支援は、起業家に法人登記を求め、創業後10年も法人登記の日から数えるため、法人を前提にした書き方です。個人事業主の場合は、応募できるかどうかを、申請の前に経営支援グループへ確認してください。
「評価・支援を受けている」とは、具体的に何ですか?
J-Startupへの選定、行政機関等のスタートアップ支援事業への採択(過去5年以内)、投資運用業者などからの出資、ビジネスプランコンテストでの入賞(過去5年以内)、大学発ベンチャーの認定のうち、どれかです。事業計画書には、このどれかに当たることを示す書類を添えます。
コンテストで入賞していれば、何年前のものでも使えますか?
使えません。行政機関等や金融機関が主催か共催した、過去5年以内のビジネスプランコンテストなどで入賞したビジネスプランが対象です。5年より前の入賞は、この条件に当たりません。ほかの4つの条件に当たるものがないか、確認してください。入賞したプランに基づく事業であることも条件です。
加点項目に当たらないと申請できませんか?
申請はできます。未来技術(IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなど)、海外展開、とちぎSDGs推進企業登録制度の登録事業者、とちぎ産業振興協議会などの会員に関連する事業計画は、審査で加点されます。加点は審査の中の評価で、応募の条件ではありません。事業計画書には、該当の有無を書く欄があります。
消費税は助成の対象になりますか?
対象になりません。消費税と地方消費税は、助成対象外です。見積書や請求書の金額が税込みでも、助成額の計算には税抜きの金額を使います。たとえば税抜き200万円の工事なら、2/3をかけた約133万円が助成額の目安です。見積もりを取るときは、税抜きの金額が分かる形にしてもらってください。
事務所を親族から借りた場合は対象になりますか?
対象になりません。申請者本人、三親等以内の親族、本人か親族が代表の法人、本人か三親等以内の人が50%超の議決権を持つ法人が持つ不動産を事務所・店舗にする場合は、工事費と賃借料が助成の対象外です。契約する前に、貸主がこれらに当たらないかを確かめておくと、あとで困りません。
ホームページの制作費は対象ですか?
広告宣伝だけを目的にしたWebサイトなら対象です。通販機能や、サービスの提供・課金の機能を持つ部分は、広告宣伝の範囲を超えるため対象外になります。ECサイトを兼ねるサイトを作る場合は、見積書で広告宣伝の部分と通販などの機能の部分を分けておくと、対象の範囲を説明しやすくなります。
試作品を作って売ってもいいですか?
売ることはできません。助成事業で取得した原材料や、それを加工した材料で作った物は、販売できないと決められています。試作用材料費は、試作品の製造過程で使う原料や材料で、助成事業期間内に使うものに限ります。販売用の商品の材料費として計上しないよう、気をつけてください。
発注はいつからしてよいですか?
交付決定日以降です。交付決定日より前に発注や契約をしたものは、助成の対象外です。第2次公募では、交付決定が12月上旬の予定でした。例外は、交付決定日前に結んだ事務所・店舗の賃貸借契約で、物件の確保や開業準備に必要と認められる場合だけです。この場合も、助成の対象は交付決定日以降の賃借料です。
新規創業支援との違いは何ですか?
上限額と対象者が違います。新規創業支援は上限100万円で、創業塾の修了者などが対象です。スタートアップ支援は上限300万円で、行政・金融機関などから評価を受けた事業が対象になります。創業塾を修了していても、第三者の評価がなければスタートアップ支援には応募できません。どちらに当たるか迷うときは、窓口に相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
栃木県産業振興センターの経営支援部 経営支援グループです。電話は028-670-2607、FAXは028-670-2611です。応募する前に、持参でも郵送でも、窓口に連絡して担当者の事前チェックを受けるよう案内されています。対象になるかどうか、経費の可否で迷うときも、応募の前に相談してください。
