商品のデザインは、特許や商標と違って見過ごされがちですが、海外では模倣されやすい権利のひとつです。意匠権(商品の形状・模様・色彩といったデザインを保護する権利)を海外で取得していないと、似た形の商品が先に流通してしまうことがあります。東京都の「外国意匠出願費用助成事業」は、この海外での意匠出願費用を助成する制度です。
外国意匠出願費用助成事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主・中小企業団体等) |
| 制度名 | 外国意匠出願費用助成事業 |
| 対象業種 | 指定なし(創造性または審美性のある意匠を有し、海外で広く活用しようとする都内中小企業者) |
| 利用目的 | 知的財産(海外での意匠出願費用) |
| 対象地域 | 東京都内(都内で事業を営んでいること) |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者に該当する規模(業種ごとに資本金・従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当。詳細は公社へお問い合わせください) |
| 補助上限額 | 60万円(1年度1社1意匠) |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 申請受付 | 第1回:令和8年4月22日~5月14日/第2回:令和8年9月2日~9月25日(いずれも17時締切) |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「外国意匠出願費用助成事業」 |

対象経費は「出願」から「先行意匠調査」まで
助成対象になる経費は、外国出願手数料・代理人費用・翻訳料・先行意匠調査費用です。先行意匠調査(似たデザインが海外ですでに登録されていないかを事前に確認する調査)まで含まれているのが特徴で、出願前の段階から助成対象になります。「デザインを海外で守りたいが、まず似たものが無いか確認したい」という初期段階からでも使える設計です。
年2回・1回あたり2〜3週間だけの募集期間
申請受付は年2回、第1回が令和8年4月22日〜5月14日、第2回が9月2日〜9月25日です。いずれも2〜3週間ほどの短い期間しか開いていません。海外進出の計画が固まってから慌てて準備すると、次の募集回まで半年近く待つことになりかねません。出願予定があるなら、募集開始の前から代理人(弁理士等)への相談を進めておくのが安全です。
商標・特許とは別枠。デザインだけを守りたい場合はこちら
東京都には、海外への特許出願を助成する「外国特許出願費用助成事業」、商標出願を助成する「外国商標出願費用助成事業」など、権利の種類ごとに別の助成制度があります。技術的な仕組みではなくデザインそのものを海外で守りたい場合は、この意匠出願費用助成事業が該当します。1つの商品について複数の権利(意匠と商標など)を同時に海外出願する場合は、それぞれ別の制度に個別に申請する必要があります。
よくある質問
意匠権とはどのような権利ですか?
商品の形状・模様・色彩といったデザインを保護する権利です。技術的な仕組みを守る特許権、ロゴや商品名を守る商標権とは対象が異なります。
国内で意匠登録済みでないと申請できませんか?
制度の案内文では国内登録を前提とした記載はありませんが、海外出願にあたっては国内出願をもとに優先権を主張するのが一般的です。国内での意匠登録状況によって進め方が変わるため、代理人(弁理士等)に事前に相談することをおすすめします。
1年度に複数のデザインを海外出願したい場合はどうなりますか?
この助成金は「1年度1社1意匠」が原則です。複数デザインを申請したい場合、今年度分として申請できるのは1件になります。優先順位を決めて申請してください(正確な取扱いは公社へお問い合わせください)。
