海外展開を進める企業が直面する典型的なトラブルの一つが、現地での「商標の冒認出願」です。自社が使ってきたブランド名を、無関係の第三者が先に海外で商標登録してしまい、自社が使えなくなる、あるいは高額での買い戻しを迫られるケースがあります。この助成金は、そうした事態への対抗手段(異議申立・無効審判・行政訴訟など)にかかる費用を助成する制度です。
対象は東京都内の中小企業者・中小企業団体・一般社団/財団法人で、助成率2分の1以内、上限500万円という高水準の支援です。
令和8年度海外商標対策支援助成事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主・中小企業団体・一般社団法人/財団法人) |
| 制度名 | 令和8年度海外商標対策支援助成事業 |
| 対象業種 | 業種不問 |
| 利用目的 | 知的財産・商標対策 |
| 対象地域 | 東京都 |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 500万円 |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 随時受付(2026年4月10日〜2026年12月1日17時) |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「令和8年度海外商標対策支援助成事業」 |

対象経費 「守るための手続き」に特化
対象経費は次の3つです。
- 情報収集関連費用
- 異議申立・無効審判などの手続関連費用
- 行政訴訟関連費用
この助成金は、これから商標を出願する費用ではなく、すでに他者に取られてしまった商標、あるいは取られそうな商標を「取り戻す・守る」ための手続き費用に特化しています。 新規の商標出願費用を支援する制度と混同しないよう注意が必要です。海外での事業展開を検討し始めた段階の企業には、別の知的財産関連の助成金のほうが合う可能性があります。
申請前に「知財相談」を受けることが条件
申請前に知財相談を受けることが要件になっています。 東京都中小企業振興公社が実施する知的財産に関する相談窓口を、事前に利用しておく必要があります。相談を受けずに申請書だけを準備しても、要件を満たさない可能性があるため、まず知財相談の予約から動き出すのが確実です。
過去にこの助成金を受給したことがある事業者は、報告書の提出が必須です。未提出のまま新たに申請することはできないと考えられるため、過去の受給履歴がある場合は報告状況を確認してください。
随時受付 最終締切は12月1日
この助成金は随時受付です。最終締切は令和8年12月1日17時と設定されています。他の東京都の助成金のような複数回の締切設定ではなく、通年で申請を受け付けたうえで、この日をもって締め切る形です。予算の消化状況によっては、締切前に受付が終わる可能性もあるため、対抗手続きの必要性が生じた時点で早めに動くことをおすすめします。
申請方法 電子申請と書類送付の両方が必要
申請は、デジタル庁の「jGrants」での電子申請と、書類の郵送(簡易書留等)の両方が必須です。jGrantsの利用にはGビズIDプライムアカウントが必要で、取得には2〜3週間かかります。海外での商標トラブルは対応の時間的猶予が短いことも多いため、GビズIDを持っていない事業者はすぐに取得手続きを始めることをおすすめします。
よくある質問
新しく海外で商標を出願する費用も対象になりますか?
対象経費は情報収集関連費用、異議申立・無効審判などの手続関連費用、行政訴訟関連費用です。新規出願そのものの費用が含まれるかは、東京都中小企業振興公社への確認をおすすめします。
知財相談はどこで受けられますか?
東京都中小企業振興公社が実施する知的財産に関する相談窓口で受けられます。詳細は公式ページでご確認ください。
過去にこの助成金を受給したことがある場合、再度申請できますか?
過去の受給者は報告書の提出が必須とされています。報告状況によって再申請の可否が変わる可能性があるため、事前に東京都中小企業振興公社へ確認することをおすすめします。
