自社製品のデザインを海外で真似されて困った、という相談は珍しくありません。意匠権は商標と並んで、海外展開の際にまず押さえておきたい知的財産権です。ただし、出願には代理人費用や翻訳料がかかり、複数国となると負担はすぐに膨らみます。
東京都の「外国意匠出願費用助成事業」は、その費用の半分を、上限60万円まで助成する制度です。実施は東京都知的財産総合センター(東京都中小企業振興公社)。令和8年度第2回の受付期間は9月2日から9月25日までです。
外国意匠出願費用助成事業(令和8年度第2回)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 外国意匠出願費用助成事業(令和8年度第2回) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 海外展開、資金繰り改善(知的財産権の取得費用) |
| 対象地域 | 東京都内に事業所を有する事業者 |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条に定める中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します)、中小企業団体、一般社団・財団法人 |
| 補助上限額 | 60万円 |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 令和8年9月2日(水)〜9月25日(金)17時 |
| 公式サイト | https://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/josei/isho/index.html |
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対象は「意匠」に限られるため、商標登録の費用は対象外です。商標も同時に出願する場合は、別枠の「外国商標出願費用助成事業」を併用することになります。
いくらもらえるか
助成率は対象経費の1/2以内、助成限度額は60万円です。
たとえば、雑貨メーカーが新商品のデザインを2か国(米国・韓国)へ意匠出願し、出願手数料・代理人費用・翻訳料の合計が80万円だった場合、助成額は40万円(1/2)。自己負担は40万円になります。
さらに出願国を増やし、5か国で対象経費が140万円になった場合、1/2は70万円ですが、上限60万円が適用され、自己負担は80万円です。対象経費が120万円を超えると助成額は60万円で頭打ちになるため、出願国数と自己負担のバランスを事前に試算しておくと計画が立てやすくなります。
対象になる経費・ならない経費
対象経費は次の4つです。
- 外国出願手数料
- 代理人費用(現地代理人・弁理士への報酬)
- 翻訳料
- 先行意匠調査費用
対象外は、出願後の異議申立・審判対応の費用、日本国内の意匠出願にかかる費用、商標・特許など意匠以外の知的財産権にかかる費用です。
申請の流れと期限
- 外国意匠出願(またはその予定)を確定させ、対象経費の見積を取る
- GビズIDプライムアカウントを取得する(未取得なら早めに着手)
- Jグランツでの交付申請と、申請書類の提出(東京都知的財産総合センターへ)
- 審査を経て交付決定
- 助成対象期間(令和8年4月1日〜令和9年9月30日の1年6か月)内に発生した経費について実績報告
助成対象期間は「令和8年4月1日〜令和9年9月30日」に固定されています。この期間より前に支払いを終えた経費、この期間を過ぎて発生する経費は対象になりません。
落ちる・返還になる要因
- 交付決定前に出願・支払いを済ませている:先に出願・支払いを終えてしまうと対象外になる可能性があるため、申請と出願のタイミングは事前に事務局へ確認してください
- 1年度1社1出願の上限を超えた申請:同一年度内で対象になるのは1出願のみです
- 助成対象期間外の経費:期間の外にある支払いは対象外です
- 証憑書類の不備:出願手数料や代理人費用の請求書・領収書・出願関連書類が揃わないと、実績報告の段階で認められないことがあります
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
対象者は「東京都内の中小企業者、中小企業団体、一般社団・財団法人」とされ、中小企業基本法上の中小企業者に該当すれば、法人・個人事業主を問わず対象になり得ます。
外国商標出願費用助成事業と両方申請できますか?
意匠と商標は別制度として運用されているため、それぞれの出願実績があれば両方の助成事業に申請できる可能性があります。ただし、それぞれの制度で「1年度1社1出願」の上限がある点は共通です。
第1回に申請できなかった場合、第2回に応募できますか?
できます。第1回(4月〜5月頃)と第2回(9月2日〜9月25日)は別枠の申請受付です。第1回のタイミングで出願準備が間に合わなかった場合は、第2回での申請を検討できます。
複数のデザインをまとめて1回の出願にした場合、対象になりますか?
「1出願」の数え方(複数意匠を含む一括出願の扱い)については、公募要領・申請の手引きで確認する必要があります。
助成対象期間内であれば、いつ出願してもよいですか?
助成対象期間(令和8年4月1日〜令和9年9月30日)内であることに加えて、交付決定を受けたタイミングとの前後関係が重要です。交付決定前の支払いが対象外になる可能性があるため、出願・支払いのスケジュールは申請前に事務局に確認することをおすすめします。
