海外で自社製品を守りたいと考えたとき、最初にぶつかる壁は費用です。外国での特許出願は、出願手数料・代理人費用・翻訳料が重なり、1か国だけでも数十万円、複数国となれば数百万円に達することも珍しくありません。東京都の「外国特許出願費用助成事業」は、この負担を最大400万円まで軽くする制度です。
令和8年度第1回の申請受付は2026年5月22日で終了しています。 ただし年に複数回の募集がある制度で、東京都中小企業振興公社は第2回を2026年10月1日から10月16日まで実施すると案内しています。今回は制度の内容を押さえつつ、第2回に向けて何を準備すべきかをまとめます。
外国特許出願費用助成事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 外国特許出願費用助成事業 |
| 対象業種 | 業種不問(中小企業者、中小企業団体、一般社団・財団法人) |
| 利用目的 | 外国での特許出願にかかる費用の助成 |
| 対象地域 | 東京都内の中小企業者等 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者に該当すること(業種ごとに資本金・従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 400万円(出願にかかる経費のみの場合は300万円) |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 申請受付 | 第1回:2026年5月8日~5月22日(終了)/第2回:2026年10月1日~10月16日17時まで |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「外国特許出願費用助成事業」 |

助成の対象になる費用
対象となるのは、外国出願手数料、審査請求料や中間手続きにかかる費用、現地代理人への報酬、翻訳料、先行技術調査費用、国際調査手数料、国際予備審査手数料などです。特許出願そのものだけでなく、審査の過程で発生する手続き費用まで幅広くカバーされているのが特徴です。
助成率は2分の1以内なので、たとえば海外出願にかかる費用の総額が600万円なら助成額は300万円、800万円なら上限の400万円に届く計算です。ただし出願にかかる経費のみの申請は上限300万円までとなる点に注意してください。
1年度に1社1出願という制限
この助成金には「1年度1社1出願に限る」という条件があります。 複数の発明を同じ年度に同時出願しようとしても、助成が使えるのは1件だけです。複数の出願を計画している事業者は、どの出願を優先するか、あるいは出願のタイミングを年度をまたいでずらすかを事前に検討しておく必要があります。
第2回募集に向けてやっておきたいこと
第2回は2026年10月1日から10月16日17時までの予定です。募集開始から締切までが2週間程度と短いため、直前に動き出すと間に合わない可能性があります。
- 出願予定国の絞り込み: どの国に出願するかで手数料・翻訳料が大きく変わるため、早めに現地代理人へ見積を依頼しておく
- 国内出願の状況確認: 外国出願の前提として国内での特許出願・優先権主張の関係を整理しておく
- 見積書一式の準備: 代理人費用・翻訳料の見積は複数社から取っておくと、審査書類の作成がスムーズになる
申請時期が近づいてから代理人を探すと、見積の取得だけで締切に間に合わなくなることがあります。出願を検討している時点で相談を始めておくのが安全です。
よくある質問
令和8年度第1回にまだ申請できますか?
いいえ。第1回の受付は2026年5月22日で終了しています。第2回は2026年10月1日から10月16日17時までを予定しています。
大企業やみなし大企業は対象になりますか?
対象は中小企業者、中小企業団体、一般社団・財団法人です。大企業が出資する子会社などの「みなし大企業」(大企業が株式の一定割合を持つ等で中小企業でも対象外になる会社)は対象外となる場合があるため、公式ページでご確認ください。
助成率2分の1・上限400万円は誰でも満額もらえますか?
いいえ。助成額は実際にかかった経費の2分の1と上限400万円のいずれか低い額で、審査を経て決定されます。出願にかかる経費のみの場合は上限が300万円になる点にも注意が必要です。
