事業承継と一口に言っても、後継者がいない、親族に継がせたい、逆にこれから引き継ぎたい、と事業者ごとに状況はまったく違います。東京都の「事業承継支援助成金」は、この違いを踏まえて4つのタイプに分かれているのが特徴です。自分がどのタイプに当てはまるかを最初に見極める必要があります。
事業承継支援助成金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 事業承継支援助成金 |
| 対象業種 | 指定なし(都内中小企業) |
| 利用目的 | 事業承継(M&A・親族内承継・譲受支援) |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者(業種ごとに資本金・従業員数のどちらか一方の基準を満たすこと) |
| 補助上限額 | 200万円(申請下限額20万円) |
| 補助率 | 3分の2以内(小規模企業者が「企業価値等算定」に取り組む場合は10分の10) |
| 申請受付 | 第1回:6月1日~7月17日/第2回:8月3日~9月16日/第3回:10月13日~12月15日 |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「事業承継支援助成金」 |

タイプが4つあるのは、承継の立場が違うからです
- Aタイプ: 後継者が未定で、M&A等で第三者への承継を目指す事業者
- Bタイプ: 親族や従業員への承継を予定している事業者
- Cタイプ: 令和7年度に公社の「企業継続支援」を受け、承継に向けた経営改善に取り組む事業者
- Dタイプ: 事業や株式を譲り受ける側の事業者(令和8年6月1日~7月10日に公社の現地診断を受けることが条件)
対象経費もタイプごとに変わります。Aタイプは株式評価費用やM&A仲介費用、Bタイプは相続手続き費用や人材育成費用、Dタイプはデューデリジェンス費用などが想定されています。どのタイプも「外部専門家への委託費」が対象という点は共通です。自分で作業した分の人件費は対象になりません。社内の担当者が自力で進めた作業は、いくら時間をかけても助成対象にならないという点は覚えておいてください。
補助率は「小規模企業者かどうか」で変わる
補助率は原則3分の2以内ですが、小規模企業者が企業価値等算定に取り組む場合に限り、10分の10(全額)まで補助されます。ここでいう小規模企業者とは、常時使用する従業員数が原則20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者を指します。第一段階の「自社の値段を知る」ハードルを下げることで、そこから先の承継準備に進んでもらう狙いだと読み取れます。
助成対象期間は最長8か月。申請回によって動ける期間が変わる
助成対象期間は令和8年10月1日~令和9年5月31日で固定されています。つまり、第1回(6月申請)と第3回(12月申請)とでは、実際に使える期間の長さが変わりませんが、専門家との契約や作業のスケジュールを組む余裕は第1回のほうが長く取れます。委託先の専門家を早めに決められるなら、第1回での申請が動きやすいでしょう。
よくある質問
複数のタイプに当てはまる場合はどうすればよいですか?
公式ページの案内は1事業者につき1タイプでの申請を前提にしています。(東京都中小企業振興公社 総合支援課へお問い合わせください)
申請は電子申請だけですか?
はい。国の「Jグランツ」電子申請システムのみで受け付けており、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。発行には2〜3週間かかるため、早めに準備してください。
20万円未満の委託費でも申請できますか?
できません。申請下限額は20万円と定められており、これを下回る経費だけでの申請は対象外です。
