海外で自社ブランドと似た商標を見つけたら、すぐに助成金を申請できるのか——できません。東京都「海外商標対策支援助成事業」は、申請日以前に公益財団法人東京都中小企業振興公社の知財相談を受けていることが必須要件です。トラブルに気づいてすぐ弁理士に依頼して終わり、ではこの助成金は使えません。
知財相談を挟むという手順が必須である以上、対応が後手に回るほど申請の準備期間も短くなります。まず相談の予約から動く必要があります。
海外商標対策支援助成事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 海外商標対策支援助成事業(令和8年度・東京都中小企業振興公社) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 進出予定国での他社類似商標等の取消・無効化にかかる費用(情報収集、異議申立、無効審判、不使用取消審判、行政訴訟関連費用) |
| 対象地域 | 都内中小企業(会社・個人事業者)、中小企業団体、一般社団・財団法人 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者(業種ごとに資本金または従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当) |
| 補助上限額 | 500万円 |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 随時(最終受付:令和8年12月1日17時まで) |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「海外商標対策支援助成事業」 |

「知財相談が先」という線引き
この助成金の対象になるのは、自社ブランドで海外販路拡大を進める中小企業が、進出予定国でビジネスの障害になる他社の類似商標を取り消す、または無効化する取り組みです。申請日より前に、助成事業の内容について公社の知財相談を受けていなければ、そもそも申請要件を満たしません。トラブルが起きてから弁理士だけに相談して手続きを進めても、この助成金の対象にはなりません。
対象経費は、情報収集関連費用、異議申立・無効審判・不使用取消審判関連費用、行政訴訟関連費用の3項目に分かれます。商標登録そのものの出願費用や、国内での商標調査費用は対象に含まれません。あくまで海外で見つかった類似商標に対抗するための費用が対象です。
申請は「1年度1社1案件」に限られます。複数国で同時に商標トラブルが起きている場合でも、その年度に助成を受けられるのは1案件だけという点も、事前に理解しておく必要があります。
よく誤解されるポイント
「商標を出願する費用も助成される」と誤解されがちですが、この助成金は既に生じている他社類似商標との対抗措置が対象です。これから海外で新規に商標登録したい、という段階では対象になりません。海外での商標出願支援を探している場合は、別の制度(外国出願費用助成等)を確認する必要があります。
もう一つの誤解は、対象組織の範囲です。都内の中小企業者・中小企業団体・一般社団法人・財団法人は対象ですが、NPO法人や学校法人などは公式ページに明記がなく、対象外の可能性があります(東京都中小企業振興公社へお問い合わせください)。
よくある質問
商標を新規に出願する費用も対象になりますか?
なりません。対象は、進出予定国で見つかった他社類似商標の取消・無効化にかかる費用です。新規の商標出願費用は対象外です。
知財相談はどこで受けられますか?
公益財団法人東京都中小企業振興公社の知財相談窓口です。申請日以前に相談を受けていることが必須要件のため、まず窓口へ問い合わせて予約してください。
1年度に複数案件申請できますか?
できません。1年度1社1案件に限られます。
