LED照明や高効率の空調に替えたい。そう決めても、この助成金には申請書を書く前にやることがあります。先に公社の「ハンズオン支援」を受け、脱炭素の戦略・ロードマップを作った事業者だけが申請できるからです。
ハンズオン支援は、公社のマネージャーと専門家が最長2年6か月、無料で伴走する支援です。そのあとの助成金は、設備・自社PR・人材育成にかかる費用の1/2、上限1,500万円。申請期限は2027年1月29日17時で、ロードマップ作りに約6か月かかります。
ゼロエミッション経営推進支援事業助成金の要点まとめ
正式名:ゼロエミッション実現に向けた経営推進支援事業助成金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 省エネ設備の導入・脱炭素PR・人材育成
- 対象地域
- 東京都
- 従業員数
- 中小企業者の基準(製造業は資本金3億円以下または300人以下)
いくら
- 補助上限額
- 1,500万円
- 補助率
- 助成対象と認められる経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月14日〜2027年1月29日17時(順次受付)
- 事業の完了
- 交付決定日から1年6か月以内(ハンズオン終了日が先ならそこまで)
うちは対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ ハンズオン支援を受けていない
- ✕ ロードマップに載っていない取組
- ✕ 同じ内容で他の助成を受けた
ハンズオン支援は助成金とは別の申込みで、4月1日から翌年3月31日まで随時募集です。支援規模は30件で、30件に達した時点で募集が終わります。
中小企業者とは、会社と個人事業者のうち、資本金か従業員数が業種ごとの上限以下のものです。どちらか一方を満たせば該当します。
| 業種 | 資本金または従業員数 |
|---|---|
| 製造業・その他 | 3億円以下または300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下または100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下または100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下または50人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下または200人以下 |
ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤなどを除く)は3億円以下または900人以下です。
大企業の経営下にないとは、大企業が単独で株式の1/2以上、複数で2/3以上を持っていないこと、役員の1/2以上を大企業の役員や職員が兼ねていないことなどです。いわゆるみなし大企業は、中小企業でも対象外になります。
そのほか、事業税などを滞納していないこと、1企業につき申請は1件であることが条件です。同じ内容で公社・国・都道府県・区市町村などから助成を受けていないことも求められます。他の助成との併願はできますが、両方に採択されたら一方を辞退します。
いくら戻ってくる?
助成率は、助成対象と認められる経費の1/2以内です。千円未満は切り捨てになります。上限の1,500万円に届くのは、対象経費が3,000万円以上のときです。
- 工場の空調と照明を高効率型に入れ替える:2,400万円 × 1/2 = 1,200万円
- 生産ラインの設備を更新し、蓄電池も入れる:3,600万円 × 1/2 = 1,800万円 → 上限の1,500万円
- 自社サイトを脱炭素のPR入りに作り直す:120万円 × 1/2 = 60万円
- 担当者が脱炭素の講座と資格を受ける:40万円 × 1/2 = 20万円
PRの助成額は3つの区分(自社サイト、印刷物、動画)の合計で300万円まで、人材育成の助成額は2つの区分(研修・講座、資格取得)の合計で300万円までです。助成金は工事や納品が終わり、公社の完了検査を受けてからの後払いで、交付決定額から減ることもあります。
何に使える?
対象にならないもの
- 生産・量産のための経費、収益の増加が直接の目的の経費
- 中古品、リース・レンタル品
- パソコン、タブレット、携帯電話などの汎用端末とソフト、社内の通信環境の整備
- 建物の改修工事(断熱・遮熱の取組は除く)
- 設計費、保守費、消費税、振込手数料などの間接経費
- 親会社・子会社など関連会社との取引
対象になるもの
- 省エネ設備(高効率空調、LED照明、高効率ボイラー、断熱窓、インバータ制御など)
- 運用改善の設備(デマンド監視装置、EMS、人感センサなど)
- 計測機器、廃棄物を減らす設備、蓄電池
- 設置に直接必要な工事費(運搬、据付、撤去、処分、足場代、労務費など)
- PR費(自社サイトの制作・改修、印刷物、動画。外部の専門業者への委託に限る)
- 人材育成費(研修・講座の受講料、資格の受験料)
既設の蛍光灯をLEDにするときは、安全のため器具ごとの交換にします。ロードマップに書いてある取組でも、審査で対象経費と認められないことがあります。
申請の流れ
- ハンズオン支援に申し込む(事業者→公社 senryaku-reserve@tokyo-kosha.or.jp。申請書と登記簿謄本または開業届。随時、30件で終了)
- 面談を受けて支援事業者に決まる(公社→事業者。申込みから決定まで2〜4週間ほど)
- 約6か月かけて戦略・ロードマップを作る(事業者と公社マネージャー・専門家。月1回ほど訪問)
- GビズIDプライムを取る(事業者→デジタル庁。国の電子申請に共通で使うIDで、発行まで2〜3週間)
- Jグランツで助成金を申請する(事業者→公社。2027年1月29日17時まで)
- 交付決定を受ける(公社→事業者。申請から1〜2か月ほど)
- 発注・納品・支払いを終える(事業者。交付決定から1年6か月以内、ハンズオン支援の終了日が先ならそこまで)
- 実績報告を出し、完了検査を受ける(事業者→公社。確定通知のあと請求し、2〜3週間ほどで入金)
ロードマップ作りは6か月程度が目安(公社のチラシは「最長6か月」)です。締切の2027年1月29日から逆算すると、ハンズオン支援の開始は7月ごろまでが目安です。支援の決定まで2〜4週間かかるため、それより遅く始める場合は、この年度の締切に間に合わない可能性があります。
交付決定とは、採択とは別に出る通知のことです。助成対象になるのは、助成対象期間内に発注し、納品と支払いまで終えた経費だけです。それより前の発注は対象になりません。
この助成金はJグランツの検索には表示されません。限定公開で、公社の案内にあるURLから入ります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
法人は法人事業税と法人都民税の納税証明書、個人は個人事業税の納税証明書と住民税の証明書(区市町村)です。未決算の企業などは、代表者の源泉徴収票や所得税の納税証明書が代わりになります。
代理申請をするときは「同意書(代理申請用)」も要ります。工程表や建物所有者の承諾書などを、あとから求められることもあります。
ハンズオン支援の申込みから登記や開業の状況が変わったときだけ、履歴事項全部証明書(発行後3か月以内)か開業届の写しを足します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- ロードマップにない取組:ロードマップに書かれていない取組の経費は対象外です。書いてあっても、審査で認められないことがあります。
- 助成対象期間の外:発注、納品、支払いのどれかが期間の外にあると対象外になります。他社発行の手形や小切手、他社名義の口座からの支払いも認められません。
- ハンズオン支援をやめた:支援を終了(中止・取消を含む)すると、申請要件を満たさなくなります。
- 取得した財産を勝手に処分した:法定耐用年数を経過する日、または事業を完了した年度の翌年度から5年を経過する日まで、承認なしに売却や廃棄はできません。違反すると返還を求められます。
- ポイントを使った:カードのポイント分は助成対象経費から引かれます。
他の助成と一緒に使える?
併願はできます。ただし同じ内容で二重に受け取ることはできないため、両方に採択された場合は、一方を辞退します。
よくある質問
いきなり助成金だけ申請できますか?
できません。公社が実施するハンズオン支援を受け、戦略・ロードマップを作った事業者が助成金の申請者です。助成金の募集要項にも、ハンズオン支援の終了や中止をしていないことが条件として書かれています。まずは電話(03-5822-7232)かメールで、公社の経営戦略課に事前相談するのが近道です。
ハンズオン支援は本当に無料ですか?
はい。最長2年6か月のあいだ、公社マネージャーと専門家によるコンサルティングを無料で受けられます。マネージャーの現地訪問は最大22回、専門家派遣は最大18回までです。ただし助成金で購入する設備や、PR・研修の費用は自己負担が先に出ます。助成は費用の1/2以内で、後払いです。
助成金の申請はいつまでですか?
2026年5月14日から2027年1月29日17時までの順次受付です。ただし予算に達し次第、期限前でも受付が終わることがあります。戦略・ロードマップの作成に約6か月かかるため、実際には締切の半年以上前を目安に、ハンズオン支援を始めておくことになります。申請は国の電子申請システム「Jグランツ」で行います。
申請書は誰でも書けますか?
申請書は、公社から案内されるExcelで作ります。記入例が付いています。申請書類を出す人と連絡担当者は、原則として申請者の役員か従業員です。代理申請もJグランツの代理申請機能に限って認められますが、設備の購入先や公社の相談員などは受けられません。確認と提出は、申請者本人が行います。
中小企業者かどうかは何で決まりますか?
会社か個人事業者で、資本金または従業員数が業種ごとの上限以下であることが条件です。製造業・その他は3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。大企業が経営に実質的に関わる会社は対象外です。
工場やお店が都外にあっても使えますか?
取組の実施場所は、自社の事業所か工場で、原則として東京都内です。埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、山梨の各県でも認められます。賃貸借契約をしている建物でも構いません。ただし、都内で実質的に事業を行っていること自体が申請要件です。登記や建物があるだけでは認められません。
蛍光灯をLEDに替える費用は対象ですか?
対象です。募集要項は、省エネ設備の例としてLED照明設備を挙げています。既設の蛍光灯をLEDにするときは、安全のため器具ごとの交換が求められます。撤去費や処分費などの工事費も、設置に直接必要なものなら対象です。ただし設計費や保守費、消費税、振込手数料などの間接経費は対象外です。照明の更新費用は、見積書の項目別内訳が申請の根拠資料になります。
自社サイトの制作費も助成されますか?
外部の専門業者に委託する自社サイトの制作・改修費は、自社のCO₂削減の取組をPRするページが含まれていれば対象です。ドメインやサーバーなどの運用費、自社で作ったサイトの費用、ECサイトやSNSの一部は対象外です。印刷物と動画を含めたPR費の助成額は、合計で300万円までです。
支払いは現金やカードでもいいですか?
原則は申請者名義の口座からの振込です。やむを得ない場合に限り、法人カード(個人は代表者のカード)、総額10万円未満(税込)の現金払い、自社発行の手形・小切手が認められます。カードは助成対象期間中に口座から引き落とされたものだけが対象で、分割払いで引き落としが終わっていないものは対象外です。ポイント分は引かれます。
助成金はいつ入金されますか?
交付決定だけでは入金されません。事業を終えて実績報告書を出し、公社の完了検査を受けます。助成金額の確定は完了検査からおよそ1か月後で、確定通知を受けたらJグランツで請求します。請求書が届いてから、入金まではおよそ2〜3週間です。指定の期限内に請求しないと、支払われない可能性があります。
問い合わせ先はどこですか?
助成金の質問は、ゼロエミ助成金事務局(電話 0570-011-030、平日9時〜17時)です。ハンズオン支援については、公社 経営戦略課 ゼロエミ経営推進担当(電話 03-5822-7232、senryaku-reserve@tokyo-kosha.or.jp)に聞きます。GビズIDプライムの手続きは、デジタル庁のヘルプデスク(0570-023-797)が窓口です。
