商店街の理事会で、毎年出る議題があります。「今年は商品券、やるかどうか」。豊田市には、この判断を後押しする補助金が2つあります。
つながる応援プレミアム付き商品券発行事業費補助金と、家計応援ポイント還元事業費補助金です。商品券のプレミアム分やポイント還元分、印刷費・システム利用料まで、実施団体の負担を市が引き受けます。ただし対象は「実施事業者」。個々の店舗が単独で申請することはできません。ここを取り違えると、問い合わせ先から話が進みません。
申請できるのは実施団体だけです
対象になるのは、次の団体に限られます。
- 地域経済団体(豊田商工会議所、市内6商工会)
- 商店街団体(商店街振興組合、事業協同組合、商店街振興組合に準ずる団体)
- 指定法人
- 再開発施設管理運営法人
- 実行委員会
1軒の飲食店や美容室が、直接申請する制度ではありません。商品券やポイント還元の事務局を担う団体だけが窓口です。実施団体側にも、豊田市税を滞納していないことなど7つの要件があります。
この補助金の概要(早見表)
| 検索項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主)※実際は豊田商工会議所・商店街振興組合・指定法人等の団体に限る。個々の店舗事業者は対象外 |
| 制度名 | 豊田市つながる応援プレミアム付き商品券発行事業費補助金・豊田市家計応援ポイント還元事業費補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(商工会議所・商店街振興組合・指定法人等の実施団体が対象) |
| 利用目的 | プレミアム付き商品券の発行、またはコード決済のポイント還元による消費喚起・地域経済活性化 |
| 対象地域 | 愛知県豊田市(市内で事業を実施する団体) |
| 従業員数 | 規定なし(法人・団体単位で審査。従業員数要件の記載なし) |
| 補助上限額 | 商品券発行事業:1回目5,000万円・2回目は1億円-1回目の交付決定額/ポイント還元事業:5,000万円 |
| 補助率 | 商品券発行事業:プレミアム分100%(プレミアム率30%)、事務経費60〜90%/ポイント還元事業:還元分100%(還元率20%)、事務経費60% |
| 申請受付 | 令和7年12月19日〜令和8年9月30日(交付申請期限) |
| 公式サイト | https://www.city.toyota.aichi.jp/jigyousha/shogyoshinko/1072040.html |
※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。
早見表の「申請者」欄にある「事業者」は、商品券やポイント還元を運営する団体を指します。個人事業主が単独で申請する枠はありません。
商品券発行とポイント還元、補助率と上限の違い
2つの補助金は、名前も対象経費も似ています。数字で並べると違いがはっきりします。
| 項目 | つながる応援プレミアム付き商品券 | 家計応援ポイント還元 |
|---|---|---|
| 仕組み | 額面より安く販売する紙・デジタル商品券 | コード決済の利用額に応じたポイント付与 |
| 割増・還元率 | プレミアム率30% | ポイント還元率20% |
| プレミアム分・還元分の補助率 | 100% | 100% |
| 事務経費の補助率 | デジタル+関係交流促進事業あり90%/紙+関係交流促進事業あり80%/デジタルのみ80%/紙のみ60% | 60% |
| 限度額 | 1回目5,000万円、2回目は1億円-1回目の交付決定額(申請2回まで) | 5,000万円(要綱の別表に2回目の内訳記載なし) |
| 両方への同時申請 | 不可 | 不可 |
事務経費に含められるのは、消耗品費・印刷製本費・システム使用料・広告料・筆耕翻訳料・委託料・会場借上料の7項目です。販売目的の物品費や消費税相当額は対象外。この線引きは自治体によってかなり違うので、豊田市の要綱でこの7項目を確認するところから始めてください。
補助額のシミュレーション:実施団体3パターン
数字だけでは実感が湧きません。想定の規模で計算してみます。
- 商工会議所がデジタル商品券のみ発行:販売総額8,000万円、システム利用料等の事務経費200万円。プレミアム分は8,000万円×30%=2,400万円で、補助率100%だと2,400万円。事務経費は200万円×80%=160万円。合計の交付決定見込みは2,560万円で、1回目の限度額5,000万円に収まります
- 商店街振興組合が紙商品券+旧町村エリアで関係交流促進事業も実施:販売総額3,000万円、印刷製本費等の事務経費120万円。プレミアム分は3,000万円×30%=900万円が全額補助。事務経費は120万円×80%=96万円。関係交流促進事業側の事務経費は、販売総額の10%(300万円)か実費のいずれか低い額が別枠で対象になります
- 指定法人がコード決済のポイント還元を実施:決済総額2,000万円、システム利用料等の事務経費80万円。還元分は2,000万円×20%=400万円が全額補助。事務経費は80万円×60%=48万円。合計の交付決定見込みは448万円
規模が大きいほど、1回目の5,000万円に近づきます。商品券発行事業だけは2回目の申請枠(1億円-1回目の交付決定額)が用意されている点も、事業規模を検討する材料になります。
申請から実績報告までのタイミング
| 時期 | やること |
|---|---|
| 検討開始時 | 商品券かポイント還元か、デジタルか紙か、関係交流促進事業もあわせて実施するかを決める |
| 交付申請(〜令和8年9月30日) | 交付申請書、事業計画書、収支予算書、誓約書、役員一覧表、法人の履歴事項全部証明書の写し等を提出 |
| 交付決定後 | 発注・契約に着手する(原則、着手できるのは交付決定日から) |
| 商品券・ポイントの利用期間 | 令和8年2月1日〜令和9年1月31日の間で、6か月以内に設定する |
| 事業完了後14日以内 | 実績報告書、着手日と支払いを確認できる書類、収支決算書を提出する |
着手(発注・契約)は交付決定日からというのが原則です。印刷や広告の発注を先に進めたくても、通常はここで足止めになります。やむを得ず先に動く必要がある場合は、「補助対象事業事前着手届」をあらかじめ市に提出すれば、交付申請日の翌日から着手できます。ただし、この届出を出しても交付決定が保証されるわけではありません。
事業の完了期限は、交付決定日の翌日から10か月以内。令和8年度中に交付申請する場合は、10か月経過日か令和9年2月12日のいずれか早い日までです。年度末に近づくほど、この期限が実質的な締切になります。
事務経費の対象・対象外の線引きは、自治体の販路開拓・消費喚起系の補助金でとくに揉めやすいポイントです。GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、対象経費の切り分け方の実例とあわせて紹介しています。
個店にとっての意味:直接申請できなくても、取扱店にはなれます
この補助金は、店主が直接受け取るお金ではありません。豊田商工会議所や地元の商店街振興組合が事業を立ち上げ、実施が決まって初めて、店舗は取扱店として参加できます。
取扱店に加われば、商品券やポイントを目当てにした来店が見込めます。まずは加盟する商工会議所・商店街振興組合に、今年度の実施予定を確認するのが近道です。実施団体側は、令和8年9月30日という交付申請期限を踏まえ、加盟店への声かけを逆算して動く必要があります。
豊田市以外でも、地域の消費喚起策として使える補助金が他にないか気になる場合は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。
実施団体としての申請書類の整え方や、商品券とポイント還元のどちらを選ぶか迷う場合は、専門家に相談するのも一つの手です。
よくある質問
個々の店舗が直接この補助金を申請できますか?
できません。対象は豊田商工会議所・6商工会などの地域経済団体、商店街振興組合等の商店街団体、指定法人、再開発施設管理運営法人、実行委員会です。個店は、実施団体が始めた事業に取扱店として参加する形になります。
プレミアム付き商品券とポイント還元、両方申請できますか?
できません。要綱でどちらか一方しか申請できないと定められています。商品券発行事業へ交付申請した団体は、ポイント還元事業費補助金の交付申請ができません。逆にポイント還元を申請した団体も、商品券発行事業へは申請できません。
交付決定の前に印刷や広告を発注してもいいですか?
原則できません。発注・契約に着手できるのは交付決定日からです。やむを得ず先に動く必要がある場合は、「補助対象事業事前着手届」を市にあらかじめ提出すれば、交付申請日の翌日から着手できます。ただし、届出の受理は交付決定を保証するものではありません。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず豊田市の公式ページおよび最新の交付要綱・手続要領で内容をご確認ください。
出典:
- 豊田市公式サイト「【実施事業者向け】つながる応援プレミアム付き商品券発行事業費補助金・家計応援ポイント還元事業費補助金」
- 豊田市つながる応援プレミアム付き商品券発行事業費補助金交付要綱(PDF)
- 豊田市家計応援ポイント還元事業費補助金交付要綱(PDF)
- J-Net21「愛知県豊田市:【実施事業者向け】つながる応援プレミアム付き商品券発行事業費補助金・家計応援ポイント還元事業費補助金」
