宇治市の「創業支援補助金」は、市内で新規創業・第二創業を行う者の経費を補助する制度です。基礎分100万円(対象経費の1/3)に加算分を足して、最大180万円まで支援されます。申請受付は令和8年9月30日17時必着。募集額は1,400万円です。

この制度で最初に押さえておきたいのは、要件が10項目あり、そのうち2つ(融資利用・特定創業支援等事業の受講)は、補助金の書類を揃えるより先に動き出す必要があるという点です。この要件には理由があります。順を追って説明します。

この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
制度名令和8年度宇治市創業支援補助金
対象業種京都信用保証協会の対象業種に該当する業種(農業・林業・漁業・金融保険業の一部、風俗営業等は除く)
利用目的新規創業・第二創業に要する経費(工事費・店舗購入費・備品購入費・家賃・広報費)
対象地域京都府宇治市(市内に事業所を設置している、または設置しようとする者)
従業員数業種ごとに資本金または従業員数のいずれかが基準内(例:小売業・飲食業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下)
補助上限額最大180万円(基礎分100万円+加算分最大80万円)
補助率基礎分:対象経費の1/3以内(加算分は補助率の定めなし・加算額を支援)
申請受付令和8年9月30日(水)17時必着
公式サイトhttps://www.city.uji.kyoto.jp/site/ujinext/102325.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

「新規創業」と「第二創業」、この制度での定義

この補助金でいう「新規創業」「第二創業」は、日常語とは少し違います。細分類が異なる事業への転換だけが「新事業」として扱われるという点が、いちばんの見落としどころです。

区分定義
新規創業事業を営んでいない個人が新たに事業を開始すること。または、新たに法人を設立して事業を開始すること(既存の個人・法人が新設法人を作る場合も、新事業の開始が必要)
第二創業既存事業者の後継者が、令和7年9月1日〜令和9年1月31日の間に事業を引き継ぎ、かつ新事業を開始すること
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「新事業」の定義は、既存事業と日本標準産業分類の細分類が異なる事業であること。同じ飲食店のまま業態を少し変える、という程度では新事業と認められない可能性があります。飲食店から小売業へ転換する、というような業種そのものの変更が必要というのが、この制度の設計です。

対象期間は令和8年3月1日〜令和9年1月31日。この期間内に創業・引き継ぎを行うことが条件です。

対象になるための10の条件

補助対象事業者と認められるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 令和8年3月1日〜令和9年1月31日の間に新規創業・第二創業を行うこと
  2. 市内に事業所を設置している、または設置しようとしていること(個人は市内に住所、法人は市内に登記)
  3. 日本政策金融公庫の融資、または保証協会の保証がある融資を利用すること(令和9年1月31日までに融資実行が必要)
  4. 国の認定を受けた「特定創業支援等事業」を受けたこと(申請段階では未受講でも可。実績報告までに証明手続きを完了)
  5. 京都信用保証協会の対象業種・企業規模に該当すること
  6. みなし大企業に該当しないこと
  7. フランチャイズ契約、またはこれに類する契約に基づく事業でないこと
  8. 市税を完納していること
  9. 創業後3年間は宇治市内で事業を継続すること
  10. 他の創業に関わる補助金・助成金を受けていないこと(創業以外の補助金との併用は、同一経費でなければ可)

条件3と条件4は、書類を揃える段階ではなく、創業準備の初期から着手すべき条件です。ここに気づかず、申請直前になって慌てるケースが後を絶ちません。

なぜ「融資」が補助金の条件になっているのか

一見すると不思議です。補助金をもらうのに、なぜ融資の利用が条件なのか。答えは、事業計画の実現可能性を、金融機関の審査でも担保する設計になっているからです。

日本政策金融公庫や保証協会は、返済能力・事業計画の妥当性を独自に審査します。この審査を通過していることが、宇治市にとっては「事業として成立する見込みがある」ことの裏付けになります。

ここで行動が変わるのはこの点です。融資は令和9年1月31日までに実行されている必要があります。融資審査には数週間から数か月かかることが一般的です。補助金の書類を揃える前に、まず融資の相談を始めるべきというのが、この要件から導かれる実務上の結論です。

「特定創業支援等事業」に今すぐ動くべき理由

「特定創業支援等事業」は、宇治市が認定する4つのプログラムのいずれかです。

プログラム内容令和8年度の実施時期
創業塾商工会議所等連携のセミナー全2回+個別相談指導2回以上(1か月以上)例年1月下旬〜2月上旬
京都知恵産業創造の森のプログラムセミナー・アクセラレーションプログラム4回以上(1か月以上)通年(要問合せ)
うじ創業セミナー全6回程度のセミナー(1か月以上継続受講)9月30日〜11月
オンライン創業支援ワークショップ「スタパス」全5回のオンラインワークショップ(1か月以上継続受講)7月9日/16日/23日/8月6日/27日
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補助金の申請段階では未受講でも構いません。ただし、実績報告の提出までに、受講済みであることの証明手続きを完了させる必要があります

見落としがちなのは、プログラムの多くが「1か月以上の継続受講」を条件にしていること。思い立ってすぐ終わる研修ではありません。「うじ創業セミナー」は9月30日開始、「創業塾」は1月下旬開始と、実施時期も年度で固定されています。自分の創業スケジュールと、プログラムの開催時期が噛み合うかを、早い段階で確認しておく必要があります。

いくら戻るか。基礎分と加算分のシミュレーション

補助金額は、基礎分(対象経費の1/3・上限100万円)と、加算分(要件を満たすごとに加算・上限80万円)の合計です。

加算要件加算額備考
創業者が市外から移住10万円令和7年3月1日〜令和9年1月31日までに市内へ移住
創業者が若者10万円40歳未満(令和9年1月31日時点)
市内新規雇用1人あたり10万円(最大30万円)正規職員の雇用に限る。事業専従者・代表者は除く
空き家等活用30万円概ね1年以上使用されていない物件を活用して開業
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公式の限度額例をもとに、事業費の規模別に整理すると次のようになります。

事業費加算要件基礎分加算分補助金額自己負担
180万円なし60万円0円60万円120万円
180万円空き家活用+若者60万円40万円100万円80万円
300万円なし100万円(上限)0円100万円200万円
300万円空き家活用+若者+雇用1人100万円(上限)50万円150万円150万円
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基礎分だけで上限に届くのは、対象経費300万円のとき。 加算要件をすべて満たせば、そこからさらに80万円まで上乗せできます。 空き家等活用の物件を選ぶかどうかで、補助金額が30万円変わる計算です。

じつは、開業前に動いたものが対象になるかどうかは、割り切れないことがあります。同じ支出でも、交付決定より前に契約したのか、後に契約したのかで扱いが変わるからです。この順番の考え方は、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、自治体の創業支援に共通する実例とあわせて紹介しています。

対象経費の線引き。パソコン単体は対象外

対象経費は、工事費・修繕費、店舗購入費(用地は除く)、備品購入費、家賃、広報費の5区分です。

汎用性の高い物品は、単体では対象外という規定があります。パソコン・カメラ・ソフトウェア・ライセンス等が、対象外経費の例として明記されています。備品としての調達費用に含めたい場合、使用目的を明確に特定できる形で計画する必要があります。

家賃は対象になりますが、敷金・礼金・保証金は対象外です。広報費も、切手購入費用は対象外とされています。

対象業種にも線引きがあります。農業(園芸サービス業は除く)、林業(素材生産業は除く)、漁業、金融・保険業の一部、風俗営業等に該当する業種は、原則として対象から除かれます。

審査は書類だけで終わらない

宇治市の創業支援補助金は、書類審査だけで採択が決まる制度ではありません。一次選考(書類審査)を通過した者だけが、二次選考(プレゼンテーション審査)に進みます。

令和8年度は11月13日(金)に開催予定。発表時間は3分以内、質疑応答を含めて10分以内です。「日程が合わない」という理由での別日審査は行われず、欠席は不採択として扱われます。

審査の着眼点は次の6つです。

  1. 事業の固有性・独創性
  2. 事業の実現可能性
  3. 事業の収益性
  4. 事業の継続性
  5. 資金調達の可能性
  6. 地域貢献策の内容

審査には、宇治市・宇治商工会議所・京都信用保証協会・日本政策金融公庫で構成する「創業支援ネットワーク宇治チャレンジスクエア」の意見が反映されます。似た名前の創業支援制度は他の自治体にもありますが、審査体制にここまで金融機関が関与する設計は、宇治市ならではの特徴です。

申請までのタイミングを逆算する

時期の目安やること
創業を決めたら、まず融資の相談(日本政策金融公庫・保証協会)と、特定創業支援等事業のプログラム選びを始める
令和8年9月30日17時まで事前相談のうえ、指定申請書(様式1)・事業計画書(様式2)・地域貢献策計画書(様式3)を窓口へ持参
指定通知後20日以内に交付申請書(様式5)を提出。融資実行の証明書類・許認可証等を添付
11月13日(予定)プレゼンテーション審査
融資実行・創業まで令和9年1月31日までに完了させる
事業終了後1か月以内実績報告書(様式8)・収支決算書・特定創業支援等事業の証明書等を提出
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「補助金の申請書類を先に揃えてから、融資や研修を考える」という順番では間に合いません。創業を決めた時点で、融資と特定創業支援等事業の両方に着手しておくのが、この制度に合った動き方です。

自分の創業計画以外にも、使える補助金・助成金がないか気になる方は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。

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特定創業支援等事業の選び方や、加算要件の組み合わせ方など、実務の進め方に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。

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よくある質問

開業前でも申請できますか?

申請段階では、まだ創業していなくても構いません。交付申請の時点で創業されていない方は、融資実行の証明などの添付書類を実績報告時に提出することが認められています。ただし対象期間(令和8年3月1日〜令和9年1月31日)内に創業する見込みであることが前提です。

特定創業支援等事業を受けていないと応募自体できませんか?

応募・申請段階では受講していなくても申請できます。ただし実績報告書の提出までに、受講済みであることの証明手続きを完了させる必要があります。プログラムには「1か月以上の継続受講」が必要なものが多く、実績報告の期限(事業終了後1か月以内)から逆算すると、早めの受講開始が安全です。

個人事業主が法人成りする場合も対象になりますか?

対象になり得ます。既に事業を営んでいる個人が、新たに法人を設立して事業を開始する場合は「新規創業」に区分されますが、新事業の開始(既存事業と日本標準産業分類の細分類が異なる事業)が条件です。単に個人事業を法人化しただけでは対象にならない可能性があるため、事前相談での確認をおすすめします。


免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた宇治市公式の募集要項にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・審査日程・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず宇治市の公式ページおよび最新の募集要項でご確認ください。

出典: