介護や障がい福祉の現場は、若手職員ほど早く辞めていく傾向があります。足立区が的を絞ったのが「家賃」でした。

足立区福祉サービス事業所職員家賃支援事業は、区内の介護・障害福祉・児童福祉のサービス事業所が新しく採用した若手職員について、家賃の一部を月3万円まで、最長5年間補助する制度です。補助を受けるのは職員個人ではなく、事業所を運営する法人です。

この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
制度名足立区福祉サービス事業所職員家賃支援事業
対象業種介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法に基づく指定を受けた福祉サービス事業(訪問介護・通所介護・障害者グループホーム等)
利用目的若手職員の家賃負担軽減による福祉人材の就労促進・定着
対象地域東京都足立区
従業員数規模要件の定めなし(対象は事業所に新規採用された個々の職員)
補助上限額月額3万円×最長5年間(総額で最大180万円)
補助率本人負担額の2分の1(1,000円未満切り捨て)
申請受付通年受付。令和8年度の交付申請期限は令和8年5月20日(水)だが、それ以降の申請も可能
公式サイトhttps://www.city.adachi.tokyo.jp/shogai/yachinsien.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

対象になる事業所と、対象にならない働き方

補助を受けられるのは、次の3つの法律のいずれかに基づく指定を受けた、足立区内の事業所を運営する法人です。

  1. 介護保険法に基づく指定事業(訪問介護・通所介護など)
  2. 障害者総合支援法に基づく指定事業(障害者グループホームなど)
  3. 児童福祉法に基づく指定事業

対象になる職員の要件は、次の4つすべてを満たす人です。

  • 申請年度に新規採用された職員であること
  • 申請年度末時点で39歳以下であること
  • 常勤契約(期間の定めのない労働契約)を結んでいること
  • 法人の役員ではないこと

職種の制限はありません。介護職・保育士だけでなく、事務職も対象に含まれます。一方、有期雇用や非常勤の職員は、この4条件のうち「常勤契約」を満たさないため対象外です。

なぜ「新規採用の39歳以下」に絞っているのか

この制度の目的は、公式ページで「不足している福祉人材の就労促進と定着を図ること」と明記されています。

ここから読み取れるのは、対象を新規採用者に絞っている理由です。すでに働き続けている職員の家賃をあとから補助しても、採用の意思決定には影響しません。就職を検討している段階の人に効かせるための制度だからこそ、「申請年度に新規採用」という条件が付いています。

つまり、採用が決まってから時間が経つほど、この補助金は使いにくくなります。人材紹介や求人の段階から、家賃支援の存在を候補者に伝えられるかどうかが、実務上のポイントになります。

補助額の計算:月3万円は何によって決まるのか

補助額は「本人が負担する家賃・共益費・管理費の2分の1」です。ただし上限は月3万円なので、実際の負担額によって補助額は変わります。

  • 家賃6万円(管理費込み)の職員:本人負担の1/2は3万円 → 上限どおり月3万円を補助
  • 家賃4万円の職員:本人負担の1/2は2万円 → 月2万円を補助(上限に届かない)

補助期間は「最初の補助金交付月から起算して5年間」です。年度末で区切られるわけではないため、採用した月から数えて満5年間、補助を受けられる計算になります。月3万円が5年間続けば、総額は180万円です。

申請の流れとタイミングの注意点

申請は足立区オンライン申請システムから行います。必要書類は次の8点です。

  1. 交付申請書
  2. 計画書
  3. 勤務形態一覧
  4. 賃貸借契約書の写し
  5. 雇用開始証明書
  6. 法人確認書兼誓約書
  7. 補助対象職員同意書兼申告書
  8. 住民票の写し(または区内確認への同意)

公式ページには「令和8年5月20日(水)が交付申請期限」とありますが、その後の申請も可能と併記されています。ここは断定できる範囲です。ただし、対象職員が「申請年度に新規採用された者」である以上、年度をまたいで申請すると対象年度がずれる可能性がある点は、担当課への確認が必要な領域として残ります。

窓口が変わったことに注意する

足立区の案内には「令和8年度から窓口が変更になった」との記載があります。現在の窓口は次のとおりです。

  • 医療介護連携課 介護人材確保・育成支援担当
  • 電話:03-6807-1046
  • 所在地:足立区江北5-14-5 すこやかプラザあだち内

以前この制度を調べたことがある法人の担当者は、古い窓口の情報のまま問い合わせてしまうことがあります。過去に調べた資料が残っている場合は、窓口が変わっている前提で確認し直すのが安全です。

国の「人材確保等支援助成金」との設計の違い

福祉人材の確保を目的にした制度は、区のこの事業だけではありません。国の「人材確保等支援助成金」も、雇用管理制度の整備を通じて離職率の改善を支援しています。

ただし、設計の考え方が異なります。足立区の家賃支援は、職員個人の生活費(家賃)に直接手当てをする仕組みです。一方、国の助成金は、評価制度や賃金規定といった法人側の雇用管理の仕組みを整えることに対する支援です。

家賃支援は採用直後の職員1人ずつに効き、国の助成金は法人全体の制度設計に効く。両方を組み合わせて使える場面があるという考え方です。どのコース・どの制度の組み合わせが自法人に合うか迷う場合、判断材料はGRANTOS公式LINEの登録者限定ページでも紹介しています。

よくある質問

介護職以外の職種でも対象になりますか?

対象になります。職種の制限はなく、事務職も含まれます。介護保険・障害福祉・児童福祉の指定事業所に常勤契約で新規採用された39歳以下の職員であれば、職種を問わず対象です。

すでに5年前から働いている職員も対象になりますか?

対象外です。この制度は「申請年度に新規採用された職員」に限定されています。在職期間が長い職員の家賃を、あとから補助する仕組みではありません。

家賃が2万円の職員の場合、補助額はいくらになりますか?

本人負担額の2分の1である月1万円が補助額の目安です。上限は月3万円ですが、実際の家賃負担額の2分の1を超えることはありません。1,000円未満の端数は切り捨てられます。


免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。対象要件・補助額・申請期限・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず足立区の公式ページおよび最新の交付要綱で内容をご確認ください。

出典:


補助金の概要早見表(暫定・subsidiesマスタ未登録)

項目内容
対象地域東京都足立区
対象業種介護保険・障害福祉・児童福祉のサービス事業
利用目的若手職員の家賃負担軽減による人材確保・定着
対象者規模規模要件なし(対象は個々の新規採用職員)
補助上限額月額3万円×最長5年間(総額最大180万円)
補助率本人負担額の2分の1
申請受付期間通年受付(令和8年度の交付申請期限は令和8年5月20日、以降も申請可)
公式サイトhttps://www.city.adachi.tokyo.jp/shogai/yachinsien.html
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他にも福祉人材の確保・定着に使える助成金がないか、どの制度を組み合わせるべきか迷う場合は、専門家に相談するのも一つの手です。

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