トラックが荷物を届けたあとに空で戻る「空荷の帰り」を減らすため、データ連携の仕組みづくりを国が後押しします。荷主と物流事業者が同じ形式で情報を出し合えば、共同輸配送や帰り荷の確保が進めやすくなります。
対象になるのは、荷主企業2社以上を含む協議会だけです。1社でシステムを入れ替えても補助されません。補助率は経費の1/2以内、上限は1協議会あたり4,000万円です。特設サイトの第4次公募は、2026年10月23日17時に締め切られました。
物流データ連携促進支援事業の要点まとめ
正式名:中小物流事業者の労働生産性向上事業費補助金(共同輸配送や帰り荷確保等のための物流データ連携促進支援事業)
だれが
- 申請者
- 荷主企業2社以上を含む協議会(物流事業者・システム事業者なども参加)
- 対象業種
- 荷主企業、貨物運送事業者、倉庫事業者、物流システム事業者など
- 利用目的
- 物流情報標準ガイドラインに準拠した、データ連携システムの構築・運用
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし(中小企業に限定しない)
いくら
- 補助上限額
- 1協議会あたり4,000万円
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2次公募 2026年6月15日〜2026年7月31日(4次は10月23日締切)
- 事業の完了
- 令和9年2月19日
うちの協議会は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
物流情報標準ガイドラインは、物流情報の標準的な形式を定めたものです。準拠するシステムを現場の運用に使うことが条件です。準拠の定義と事例は、特設サイトにある「利用の手引」で確かめられます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 荷主企業が1社だけ
- ✕ 単独の企業がシステムを入れ替える
- ✕ 補助金等の停止・指名停止中の事業者がいる
中小企業に限った制度ではないため、大企業が加わる協議会でも申請できます。協議会に法人格は要らず、自治体や大学が加わることもできます。国土交通省から補助金等停止措置または指名停止措置を受けている事業者が1社でも入ると、協議会ごと対象外です。
いくら補助される?
総事業費から寄付金などの収入を引いた対象経費の、1/2以内です。上限の4,000万円に届くのは、対象経費が8,000万円以上のときです。
- 配送情報の可視化システムを入れる:3,000万円 × 1/2 = 1,500万円
- 特設サイトの例(5,000万円のシステム導入):5,000万円 × 1/2 = 2,500万円
- 荷主と荷受人のデータ連携基盤を作る:1億円 × 1/2 = 5,000万円 → 上限の4,000万円
上の3,000万円と1億円は計算の見本で、実際の事業費ではありません。協議会が負担する残りの分は、参加する企業で分け合う形になります。
公募要領には、申請の状況に応じて補助率を1/2以内で調整する場合があると書かれています。採択後に、対象経費として認められない分が見つかると、補助率や上限額が下がることもあります。消費税は、免税事業者や簡易課税事業者などを除き、対象経費から外して計算します。
何に使える?
対象は、物流情報標準ガイドラインに準拠したシステムの導入や改修と、共同物流の実施にかかる費用です。交付決定の日から令和9年2月19日までに、支払いが終わったものだけが対象になります。
対象にならないもの
- 事務用パソコン、タブレット、スマートフォンなど汎用品
- 車両、建物、不動産の購入費
- 免許・資格・権利の取得費
- 飲食・接待費、各種保険料、振込手数料
- 交付決定日より前に発注した経費
対象になるもの
- ガイドライン準拠のシステムの導入・改修(稼働済みシステムの改修も可)
- クラウドサービスの利用料
- RFID機器、EDIのパッケージシステム
- 共同物流の運賃、共同倉庫の利用料(事務局が認めたもの)
- 事業に直接従事する人件費、旅費などの事務費
事務費には上限があり、工事費・設備費・業務費の合計に率を掛けた範囲内です。5,000万円以下の部分は6.5%、5,000万円超1億円以下の部分は5.5%、1億円を超える部分は4.5%です。個別の費用が対象かどうか迷うときは、申請の前に事務局へ問い合わせてください。
特設サイトが示す事業のテーマは、複数荷主の配送情報の可視化、共同保管・共同配送、TMSの導入、バース予約システム、荷主と荷受人のデータ連携基盤です。目標値の例は、積載効率の向上、車両台数の削減、荷待ち時間の短縮、検品レスによる荷受け作業時間の短縮です。実際の事業内容は、申請者ごとに違ってかまいません。
申請の流れ
- 協議会を作る(荷主2社以上+物流事業者など。申請の前に)
- 公募要領と様式を入手する(協議会→特設サイト。締切の前に)
- 実施計画書などを用意する(協議会。記載例が特設サイトにある)
- 電子メールで事務局に出す(代表事業者→物流データ連携促進支援事務局。締切の日の17時必着)
- 審査を受ける(形式審査のあと、有識者の第三者委員会が採択を判定)
- 交付決定を受ける(事務局→協議会。2次公募では8月下旬が予定だった)
- システムを入れて、令和9年2月19日までに支払いまで終える(協議会)
- 実績報告を出す(協議会→事務局。令和9年2月26日まで)
事務局はJMAC(日本能率協会コンサルティング)で、メールアドレスは datarenkei-jigyo2026@jmac.co.jp です。
必要な書類
準備できた 0 / 9
役員名簿、登記事項証明書、貸借対照表、損益計算書は、協議会に参加する全事業者の分が要ります。登記事項証明書は取得後3か月以内、決算書は直近1年分です。登記事項証明書と決算書は、各事業者から直接出すこともできます。見積書は原則3社以上の相見積もりで、随意契約の場合は理由書を付けます。協議会である証憑は、協議会の設立に関する協定書や覚書などで、特設サイトに雛形案があります。随意契約でシステムを入れるときは、特設サイトの「システム機能別工数一覧表」も出します。
締切後の追加提出は一切認められません。全員分を締切前にそろえます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 荷主企業が1社だけ:荷主企業2社以上を含む協議会でなければ、申請の対象になりません。
- 単独企業のシステム入れ替え:協議会で取り組むデータ連携ではないため、対象外です。
- 交付決定の前に発注した:交付決定日前に発注を終えた事業は、補助の対象になりません。
- 事業期間に収まらない:令和9年2月19日までに納品と支払いが終わらないと、補助対象になりません。
- 書類を締切後に出した:登記事項証明書の取得が遅れるなど、一部の書類でも締切後の提出は認められません。
- 汎用品を買った:事務用パソコンなど、目的外にも使える物品の購入費は対象外です。
よくある質問
1社だけでも申請できますか?
できません。申請するのは協議会で、荷主企業を2社以上含む必要があります。そこに貨物運送事業者、倉庫事業者、物流システム事業者などが加わる構成が想定されています。単独の企業が自社のシステムを入れ替えるだけの事業は対象になりません。まず荷主として一緒に取り組める相手を探すところから始まります。
中小企業でなくても対象になりますか?
対象になります。特設サイトに、対象事業者を中小企業に限定する事業ではないと書かれています。制度名には「中小物流事業者」とありますが、大企業が参加する協議会も申請できます。従業員数や資本金の要件は、公募要領にありません。ただし、荷主企業が2社以上入ることは、企業の規模に関係なく必須です。物流事業者や荷主の大企業と、地域の中小企業が一緒に協議会を作る形も考えられます。
補助上限額と補助率はどうなっていますか?
補助率は対象となる経費の2分の1以内、上限額は1協議会あたり4,000万円です。特設サイトの例では、5,000万円のシステム導入が補助対象なら、補助は2,500万円になります。経費が8,000万円を超えても、補助額は4,000万円で頭打ちです。超えた分は、協議会の参加企業の負担になります。
どんなシステムが対象になりますか?
物流情報標準ガイドラインに準拠したシステムです。特設サイトの例には、TMS(輸配送管理システム)の導入、WMS(倉庫管理システム)のデータ形式の統一、バース予約システム、荷主と荷受人のデータ連携基盤があります。複数荷主の配送情報の可視化や、共同保管・共同配送のための仕組みも例に挙がっています。
物流情報標準ガイドラインとは何ですか?
物流情報の標準的な形式を定めたガイドラインです。荷主と物流事業者でデータの形式がばらばらだと、システム同士がつながりません。形式をそろえれば共同輸配送や帰り荷の確保がしやすくなります。補助の条件は、このガイドラインに準拠するシステムを現場の運用に使うことです。準拠の事例は、特設サイトの利用の手引で見られます。
申請の受付はいつですか?
特設サイトには、第4次公募の案内があります。受付は2026年9月25日14時に始まり、10月23日17時必着で締め切られました。このほかに、国土交通省の報道発表で2次公募(6月15日14時〜7月31日17時)を確認できます。5回目以降の公募は確認できていません。次の告知は、特設サイトと国土交通省の報道発表で確かめてください。
申請はどのように出しますか?
申請書類と必要な添付書類を用意し、代表事業者から事務局に電子メールで出します。郵送とFAXでは受け付けません。事務局は執行団体の日本能率協会コンサルティングで、メールアドレスは datarenkei-jigyo2026@jmac.co.jp です。件名の冒頭に「【物流データ連携・申請】」と書き、メールは30MBまでです。受信すると、翌日までに事務局から返信が届きます。応募様式1の実施計画書には記載例が公開されています。電話は070-8813-1134(事務局への直通)で、相談はお問い合わせフォームからも受け付けます。
事業はいつまでに終えればよいですか?
事業の期間は交付決定日から令和9年2月19日(金)までです。交付決定は、2次公募では8月下旬ごろの予定でした。受付の回によって交付決定の時期が変わるため、実際に使える期間は公募ごとに違います。システムの導入や現場での試行に必要な期間を逆算して、計画を組むことが大切です。
説明会やオンライン相談はありますか?
特設サイトによると、2026年8月31日に説明会が開かれ、その動画が公開されています。これは3次公募の時点の説明会で、4次公募では公募期間が変わっただけで、内容に変更はないと書かれています。オンラインの個別相談も受け付けています。希望する場合は、特設サイトのお問い合わせフォームから連絡します。
協議会はどんな構成にすればよいですか?
想定されている構成は3つです。荷主企業が2社以上、貨物運送事業者や倉庫事業者などの物流事業者、物流システム事業者などの関係組織です。参加する事業者数に上限はなく、法人格も要りません。グループ会社が複数入る協議会も対象になりえますが、自社や関係会社から調達するときは、利益を除いた原価で計上する決まりがあります。自治体や大学も加われます。特設サイトには協議会の雛形案が参考として載っています。構成が決まらないうちは、事務局の個別相談を使えます。
補助対象にならない経費は何ですか?
事務用パソコン、プリンタ、タブレット、スマートフォンなど、目的外にも使える汎用品の購入費は対象外です。車両や建物、不動産の購入費、免許や資格の取得費、飲食・接待費、各種保険料、振込手数料、事務所の家賃も対象になりません。消費税等は、免税事業者などを除いて対象経費から外します。交付決定日より前に発注した経費も対象外です。個別の費用は、公募要領の8項と事務局への問い合わせで確かめてください。
見積書は1社分だけでも出せますか?
原則は、複数社から相見積もりを取ります。公募要領では3社以上が目安です。既存システムの改修などで複数社に頼めないときは、単独見積になる理由書を申請時に付けます。自社でシステムを開発する場合は、人件費の単価表や工数がわかる資料を出します。随意契約でシステムを入れるときは、特設サイトの「システム機能別工数一覧表」も要ります。見積書の工数と、この一覧表の合計工数は合わせます。
すでに入れているシステムは対象になりますか?
稼働済みのシステムでも、改修が事業の目的に合えば対象です。新しく入れるものだけに限りません。ただし、そのシステムはガイドラインに準拠させる必要があります。システムを動かすためのパソコンは、目的外にも使える汎用品なので対象外です。RFID機器やEDIのパッケージシステムは対象になるとされています。
