同じ共聴施設の整備でも、補助率が2分の1の市町村と、3分の1の市町村があります。分かれ目は財政力指数で、市町村の財政力を表す数値です。この事業では、財政力指数が0.8以下の市町村などが対象でした。
令和5年度補正予算と令和6年度当初予算は同時に公募され、第三次締切は2024年7月19日でした。令和6年度当初予算の分は、2025年1月にも追加で公募され、締切は2月7日でした。これが最後の公募です。共聴施設とは、山間地などで住民が共同で電波を受信し、各家庭に配る設備のことです。この事業の目的は、難視聴の解消と、災害に強い施設への整備でした。
辺地共聴施設整備補助金(R6)の要点まとめ
正式名:ケーブルテレビネットワーク光化等による耐災害性強化事業(辺地共聴施設整備支援事業)
だれが
- 申請者
- 市町村または市町村の連携主体
- 対象業種
- 指定なし(自治体が実施主体)
- 利用目的
- 共聴施設の光化等による耐災害性の強化
- 対象地域
- 全国(離島・過疎地域などを含む地域)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 上限なし(交付額の下限は100万円)
- 補助率
- 1/2(財政力指数0.5以下)、1/3(0.5超0.8以下)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2025年2月7日(最後の公募の締切)
うちの市町村は対象になる?
申請の要件は4つあり、すべて満たす必要があります。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 老朽化に伴う単純更新
- ✕ 民間事業者や共聴組合が単独で実施
- ✕ NHK共聴・受信障害対策の施設
- ✕ 登録・届出のない共聴施設
- ✕ 事業費が下限に届かない
補足です。連携主体とは、複数の団体が組んで申請する体制のことです。防災計画とは、災害対策基本法にもとづく地域防災計画(自治体が防災の取り組みを定めた計画)を指します。7つの地域は、離島、豪雪地帯、辺地、山村、半島、特定農山村、過疎地域です。条件不利地域を含む整備箇所の市町村と一体で進める事業なら、その市町村全体を対象エリアにできます。地域防災計画の記載は申請時に必要ですが、改正が確実だと分かる書類を付け、実績報告時に改正後の計画を出す形も認められています。
財政力指数は、0.8を超える市町村は原則として対象外でした。ただし、合併前の市町村単位で0.8以下だった地域は、合併前の数値を使えます。「特に必要と認める地域」も含まれると書かれていますが、基準は公募要領にありません。放送法や有線電気通信法の登録・届出がない施設、NHK共聴、受信障害対策用の施設は、補助の対象外です。
いくら出る?
補助額は、補助対象経費に補助率をかけた額が上限です。公募要領に金額の上限は書かれていませんが、実施マニュアルのQ&Aが「交付額の上限はない」と答えています。計画の固まり方、費用対効果、必要最低限の設備かを審査し、予算の範囲内で決まります。
- 財政力指数0.5以下で、補助対象経費が600万円:600万円 × 1/2 = 300万円
- 財政力指数0.5超0.8以下で、補助対象経費が600万円:600万円 × 1/3 = 200万円
- 財政力指数0.5以下で、事業費が200万円:200万円 × 1/2 = 100万円(下限ちょうど)
- 財政力指数0.5超0.8以下で、事業費が300万円:300万円 × 1/3 = 100万円(下限ちょうど)
交付額には、一施設あたり100万円の下限があります。事業費は、0.5以下なら200万円以上、0.5超0.8以下なら300万円以上が目安でした。同じ事業費でも、財政力指数が高い市町村ほど、より大きな事業でないと対象になりません。
何に使える?
対象にならないもの
- 共聴施設の老朽化に伴う単純更新
- 難視聴解消や耐災害性強化の目的がない整備
- 耐災害性の強化と関係のない設備の単純更新(同時に行う場合も)
- 交付決定の前に契約・着工した工事
- 共架費、保守・修繕費、電波利用料などのランニングコスト
対象になるもの
- 難視聴解消を目的とする共聴施設の、耐災害性強化のための整備(光化等)
公募要領は、この事業が耐災害性の強化を目的にしていると説明しています。実施マニュアルは、同軸ケーブルの幹線を光ファイバーにする整備や、それに伴うヘッドエンドの改修、自営柱の補強を例に挙げています。これまで共聴施設がないエリアへの新設は、原則対象外です。経費区分の細目は、交付要綱の別表に定められています。
申請の流れ
- 総合通信局に相談する(市町村→管轄の総合通信局。早めに)
- 公募申請書類を出す(市町村→総合通信局等、またはJグランツ。第三次は7月19日正午必着)
- 内示を受ける(総務省→申請者。外部有識者の意見を聞いて採択候補を決める)
- 交付の本申請をする(内示を受けた団体→総務省)
- 交付決定を受ける(総務省→申請者。追加の条件が付くことがある)
- 事業を行い、実績報告書を出す(申請者→総務省。事業終了後すみやかに)
第一次締切に出した案件は、7月中旬に内示と本申請、7月下旬に交付決定という想定でした。第二次以降は順次の対応です。
交付決定の日より前に結んだ契約や始めた工事の費用は、補助の対象になりません。 実施マニュアルは、契約日か仮契約日が交付決定日より前なら事前着工にあたると書いています。契約や着工は、交付決定の通知を受けてからにしてください。
必要な書類
準備できた 0 / 8
工事概要書は工事が要るときだけ出します。連携主体で申請するときは、構成団体一覧と代表承認書も付けます。共聴組合が所有する施設では、「公共的団体にかかる証明書類」も付けます。市町村が負担する経費に地方財政措置を受けたいときに求められる書類で、組合が認可地縁団体などの法人格を持つ場合が典型例と、実施マニュアルは説明しています。見積書は相見積を添え、「一式」だけの書き方は認められません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 財政力指数が0.8を超える:要件を満たさず、対象外になります。
- 老朽化の更新だけの計画:公募要領は単純更新を認めていません。耐災害性を強める中身を、整備計画書で示す必要があります。
- 交付決定前の契約・着工:前倒しで始めた工事の費用は、緊急の事情があっても対象になりません。
- 対象外の共聴施設:登録・届出のない施設、NHK共聴、受信障害対策用の施設は対象になりません。
- 希望と違う予算になる:令和5年度補正と令和6年度当初は同時に公募され、どちらを使うかは総務省が内示のときに決めます。
- 予算が先になくなる:応募が多いと予算が調整されます。第二次・第三次の締切は、先の締切で予算に達しそうなとき、受付を行わないことがあります。
令和8年度の似た制度との違い
この事業の公募は、令和7年1月にも出ています(令和6年度当初予算)。令和8年度には、名前の近い「辺地共聴施設の高度化支援事業」が公募されています。この事業の後継だと明記した資料は読んでいませんが、対象の施設は重なります。
令和8年度の公募要領には、財政力指数や地域防災計画の要件が書かれていません。補助率も、改修事業は一律2分の1です。申請主体も、代替事業では通信事業者などに広がっています。
この事業の名前で調べて出てくる要件は、令和8年度の事業にそのまま使えません。
よくある質問
民間のケーブルテレビ事業者は申請できますか?
できません。この事業の実施主体は、市町村と市町村の連携主体だけです。民間事業者が単独で申請することは想定されていません。民間事業者が連携主体に加われるかどうかは、公募要領に書かれていません。民間のケーブルテレビ事業者が整備に関わりたい場合は、まず地元の市町村に相談し、あわせて管轄の総合通信局に確かめてください。
共聴組合は申請できますか?
直接は申請できません。実施マニュアルのQ&Aは、共聴組合を実施主体として認めないと答えています。組合が所有する施設の場合は、市町村が実施主体となり、組合と連携して取り組む扱いです。事業の進め方や役割分担は市町村の裁量で、整備計画書に書きます。まず市町村に相談し、総合通信局にも確かめてください。
財政力指数とは何ですか?
市町村の財政力を表す数値です。この事業では、0.8以下であることが要件でした。0.5以下なら補助率は2分の1、0.5を超え0.8以下なら3分の1です。数値が小さいほど、補助率が高くなります。ご自身の市町村の数値は、市町村の財政担当に聞くのが確実です。
老朽化した設備の更新だけでも対象ですか?
対象になりません。公募要領は、共聴施設の設備老朽化に伴う単純更新は認められないと書いています。この事業は、難視聴の解消を目的とする共聴施設について、耐災害性強化の観点から整備を行うものです。光化などの強化の中身を、整備計画書に示す必要があります。
事業費はいくらから対象ですか?
交付額に100万円の下限があるため、財政力指数が0.5以下の市町村と連携主体は事業費200万円以上、0.5を超え0.8以下の場合は300万円以上です。この金額は、交付要綱に定める区分ごとに見ます。複数の工事を一つの事業にまとめるときは、区分ごとの金額を見積書の段階で確かめてください。
補助金の上限額はありますか?
ありません。公募要領には金額の上限が書かれていませんが、実施マニュアルのQ&Aが「交付額の上限はない」と答えています。実際の交付額は、補助対象経費と補助率、全体の応募状況や予算額を踏まえて決まります。下限は一施設あたり100万円です。大きな事業を計画する場合は、事前に総合通信局へ相談してください。
申請の締切はいつでしたか?
公募開始が2024年4月19日で、第一次が5月24日、第二次が6月21日、第三次が7月19日でした。いずれも正午必着です。令和6年度当初予算の分は、2025年1月17日から2月7日正午必着で、追加の公募もありました。総務省は、締切の後も随時受け付ける場合があると案内していました。第一次締切に出した案件から交付決定が始まるため、早く出した案件ほど先に処理される扱いでした。
令和5年度補正と令和6年度当初のどちらが使われますか?
公募は同時に行われ、個々の案件にどの予算を使うかは、総務省が全体の評価の後に選び、内示のときに知らされます。希望する予算と違う可能性を承知のうえで申請する、と公募要領に書かれています。予算の種類で補助率や要件が変わるとは、書かれていません。
交付決定の前に契約や工事を始めてもよいですか?
始めてはいけません。実施マニュアルは、交付決定前に着手した工事等の費用は補助対象として認められないと答えています。契約日か仮契約日が交付決定日より前の場合も、事前着工にあたります。交付決定の通知が届いてから、契約と着工に進んでください。
書類はどこへ出しますか?
管轄の総合通信局等にメールか大容量ファイル転送システムで電子ファイルを出すか、Jグランツで申請します。公募の段階では、正式な公文書の提出は不要でした。担当窓口は、実施マニュアルを見て管轄の総合通信局等に問い合わせます。申請を希望する場合は、早めに相談するよう総務省は呼びかけています。
採択はどう決まりますか?
各申請主体から出た内容について、外部の有識者の意見を聞きます。そのうえで、全体の申請状況と予算額を踏まえて、総務省が事業採択候補の内示を出します。内示を受けて本申請をした団体に、総務省が交付決定を行います。交付にあたって、追加の条件が付くことがあります。
補助金はいつ支払われますか?
事業が終わったあと、すみやかに実績報告書を出し、補助金の額が確定してから支払われる精算払いです。交付決定の内容に書いた使い道以外には使えません。工事の費用を先に立て替える必要があるため、資金の手当ては申請の段階から計画に入れておいてください。
同じ事業は今後も募集されますか?
この名前の事業の令和6年度当初予算分は、令和7年1月にも公募されました。令和8年度には、名前の近い「辺地共聴施設の高度化支援事業」が公募されました。今後の予定は、総務省のページに載るまで分かりません。申請を検討する場合は、最新の公募要領の要件を確かめてください。
