停電のとき、入所者の医療機器や空調を動かし続けられるか。その備えに、東京都が機器費の4分の3を出す補助金でした。交付申請の受付は2026年9月4日(必着)で終わっています。
事業そのものも、公式ページに「令和8年度をもって終了する予定」とあります。いま関わるのは、すでに交付決定を受けた施設です。第1回の実績報告は10月16日(必着)までなので、先に期限を確かめておくという手があります。
東京都 社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業補助金
だれが
- 申請者
- 社会福祉施設等の設置者(法人・個人事業主・区市町村)
- 対象業種
- 社会福祉施設等(高齢・障害・子供子育て・生活福祉の4分野)
- 利用目的
- 非常用電源等の導入(停電対策)
- 対象地域
- 東京都
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(コールセンターへお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 375万円(非常用電源設備。機器ごとに異なる)
- 補助率
- 4分の3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月21日〜9月4日(第2回)。受付は終了
- 事業の完了
- 2027年2月28日まで(補助対象期間)。報告の期限が先
対象になっていたのはどんな施設?
次の項目にすべて当てはまる施設が対象でした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
法人の種類は問われず、本社が都外の法人や個人事業主も申請できました。BCP(事業継続計画。災害時の判断基準や行動手順を前もって決めておく計画)は、補助事業の完了時までに策定していることが条件です。
次のどちらかに当たると対象外でした。
- ✕ 過去にこの補助金の交付を受けた
- ✕ 別事業の加算メニューⅤを受けた
「別事業」は、東京都の「介護事業所等に対するサービス継続支援事業」です。この補助金は過年度も含めて1施設1回限りで、実績報告をやめて交付に至らなかった施設は対象に戻れます。
機器は都内で使い続けるものに限ります。交付要綱にはほかにも条件があります。過去に都の補助を受けて非常用電源設備を設置した施設は、非常用電源設備を選べません(4分野の要綱とも同じ)。賃貸の建物に設置する場合で、その建物に抵当権が付いているときは、原則として対象外です。都の実地指導などの検査を受けたことがある事業所は、改善状況報告書が出され、改善が確認されている必要があります。
いくら出た?機器ごとの上限
補助額は、機器の費用から寄附金などの収入を引いた額と、補助基準額を比べて少ない方に4分の3を掛けた額です。1,000円未満は切り捨てます。消費税と地方消費税は対象経費に入りません。
| 機器 | 基準額 | 補助額の上限 |
|---|---|---|
| 非常用電源設備 | 500万円 | 375万円 |
| 外部給電器 | 80万円 | 60万円 |
| V2H | 130万円 | 97万5,000円 |
| 可搬型蓄電池 | 40万円 | 30万円 |
| 車両接続型電源 | 25万円 | 18万7,000円 |
| 外部電源接続切替盤 | 50万円 | 37万5,000円 |
| 外部給電器+切替盤 | 130万円 | 97万5,000円 |
| 車両接続型電源+切替盤 | 75万円 | 56万2,000円 |
補助額の上限は、基準額に4分の3を掛けて端数を切り捨てた計算値です。計算例は次のとおりです。
- 可搬型蓄電池を25万円で2台買う:50万円は基準額の40万円まで → 40万円 × 3/4 = 30万円
- 外部電源接続切替盤を工事費込みで40万円:40万円 × 3/4 = 30万円
- V2Hを工事費込みで150万円:基準額の130万円まで → 130万円 × 3/4 = 97万5,000円
- 非常用電源設備を工事費込みで400万円:400万円 × 3/4 = 300万円
非常用電源設備は、総事業費が500万円未満のものに限ります。 500万円以上になると、超えた分だけでなく事業ごと対象外です。交付決定のあとに総事業費が500万円を超えた場合も同じです。総事業費に消費税を含むかどうかは、公式ページで確認できませんでした。
何が対象で、何が対象外?
対象外になるものから先に挙げます。
- 可搬型の発電機
- ソーラーパネル単体
- 設置済み機器の補修・メンテナンス費用
- 非常用電源設備を交換するときの旧設備の撤去費用
- レンタル・リース
- 送料と振込手数料
- ポイントや金券で払った分
対象になる経費は、機器の種類で変わります。
- 外部給電器・可搬型蓄電池・車両接続型電源:本体の購入費用だけ
- 非常用電源設備・V2H・外部電源接続切替盤・その2つを組み合わせたもの:本体の機器費と、設置にかかる工事費
選べるのは1施設につき1種類の機器だけです。同じ種類の中なら、基準額の範囲で複数台を買えます。2026年4月以降に買った機器は、交付申請や交付決定より前でも対象でした。購入・納品・支払いが、補助対象期間(2026年4月1日〜2027年2月28日)のうち実績報告の提出までに終わっていることが条件です。
訪問介護や通所介護など、一部の介護事業所は外部給電器・可搬型蓄電池・車両接続型電源を申請できません。対象事業所の一覧は公式ページにあります。
申請から入金までの流れ
受付は終わっているので、流れは交付決定を受けた施設の視点で並べます。
- 交付申請を出す(設置者→事務局。第1回は6月19日、第2回は9月4日が必着)
- 交付決定を受ける(事務局→設置者。決定だけでは入金されません)
- 機器を買い、納品と支払いを終える(設置者。実績報告の提出までに。機器の種類を変えるなら先に変更交付申請)
- 実績報告を出す(設置者→事務局。第1回は10月16日、第2回は2027年1月4日が必着)
- 額の確定通知を受けて、請求する(事務局→設置者。入金は確定のあと)
申請の方法は2通りで、交付申請と実績報告は同じ方法でそろえます。
- データ送信と書類の郵送
- jGrants(GビズIDプライムというアカウントが先に要ります)
必要な書類
準備できた 0 / 10
印鑑証明書は申請日から3か月以内のものです。請求書と口座振替依頼書は申請様式集に入っていて、実績報告で押印のうえ出します。通帳がないときは、銀行が出す口座情報の書類で代えられます。見積書と工事費内訳書・施工写真は、非常用電源設備・V2H・外部電源接続切替盤とその組み合わせのときに要ります。委任状は、申請や受け取りを他の人に任せるときだけで、その場合は郵送の方法で申請します。印鑑証明書は、任せる側のものを出します。申請様式のExcelには、所要額調書、誓約書、歳入歳出予算書抄本も入っています。
BCPの写しは、施設名か法人名と、補助金で整備する機器の種類の両方が書かれたものに限ります。カードや口座引き落としで払った場合は、引き落としが期間内に終わったとわかる口座の写しも要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 納品か支払いが報告に間に合わない:実績報告の提出までに購入・納品・支払いが終わらないと、交付決定を受けていても対象外になります。遅れそうなら、すぐ事務局へ相談します。補助対象期間(2027年2月28日まで)に終わらないものは、どんな理由でも対象外です。
- 機器の種類を変えたのに届けない:変更交付申請をしないと、買った機器は対象になりません。実績報告の受付が始まると、変更は出せません。
- 対象外の製品を買った:買う前に、型番か紹介ページのURLを事務局へ送って確かめるのが確実です。
- BCPが条件を満たさない:抜粋では受け付けられず、施設名と機器の種類の記載もそろえる必要があります。
- 支払い方法が合わない:リボ払いは対象外で、個人名義のカードや口座で払うと立替払清算書などが要ります。
併用と今年度限りの扱い
同じ経費に、ほかの補助金や助成金を重ねて受けることはできません。工事などの契約は、一般競争入札にかけるなど、都の契約手続きに準拠するよう求められています。補助で取得した財産のうち、1件50万円以上のものを処分するときは、事前に都の承認が要ります。処分の制限期間は、V2Hが5年、外部給電器が3年です。
この事業は、令和8年度で終了する予定です。来年度に同じ内容の募集があるとは、公式の文書から読み取れませんでした。
よくある質問
いまから申請できますか?
できません。交付申請は、第1回が2026年5月1日〜6月19日、第2回が7月21日〜9月4日(ともに必着)で、公式ページにも「受付は終了しました」とあります。期間を過ぎた申請は受け付けないと明記されています。第3回の案内は、2026年10月7日時点で見当たりません。
来年度も同じ補助金はありますか?
公式ページには、本事業は令和8年度をもって終了する予定と書かれています。令和9年度以降の募集は、要綱や交付要綱を読んでも確認できませんでした。事業周知用のチラシにも、同じく今年度をもって終了する予定とあります。整備を考えている施設は、東京都福祉局や区市町村の窓口で、別の支援がないかを確かめるのがよいでしょう。
交付決定のあと、何をすればいいですか?
機器を買って、納品と支払いを実績報告の提出までに終え、実績報告を出します。期限は第1回が2026年10月16日、第2回が2027年1月4日(ともに必着)です。補助対象期間は2027年2月28日までですが、報告の期限が先に来ます。交付決定の時点では入金されません。実績報告の審査で額が確定し、そのあとに請求して振り込まれます。
個人事業主でも申請できましたか?
施設の設置者であれば申請できました。個人事業主は、法人名の欄を空欄にして、法人代表者の欄に自分の名前を書きます。法人の種類(社会福祉法人や株式会社など)は問われませんでした。本社が東京都にない法人も、施設が都内にあれば対象でした。ただし受付は2026年9月4日に終わっています。
機器を2種類買った場合、両方に補助が出ますか?
出ません。補助を受けられる機器は1施設につき1種類です。たとえば可搬型蓄電池とV2Hの両方を買っても、どちらか一方だけが対象になります。同じ種類の機器なら、基準額の範囲で複数台をまとめて申請できます。可搬型蓄電池を25万円で2台買った場合は、基準額の40万円までが対象で、補助額は30万円です。
同じ法人の複数の施設で申請できましたか?
施設ごとに申請できました。同じ種類の施設が2つあっても、別の種類の施設でも、それぞれ申請できます。ただし1施設につき1回限りで、第1回と第2回の両方に同じ施設で申請することはできません。子供・子育て支援分野の複合施設は、1つの事業だけです。
非常用電源設備の総事業費が500万円を超えたらどうなりますか?
対象外になります。非常用電源設備は、総事業費が500万円未満のものに限られています。交付決定を受けたあとに総事業費が500万円を超えた場合も、超えた分だけでなく事業そのものが対象外です。見積もりの段階で、500万円を下回るかどうかを確かめておく必要がありました。
すでに買った機器も対象になりますか?
2026年4月以降に購入した機器で、対象の機器に当たるものなら、交付申請や交付決定の前に買ったものも対象です。購入だけでなく、納品と支払いまでが、補助対象期間(2027年2月28日まで)のうち実績報告の提出までに終わっている必要があります。買う前に、対象機器かどうかを事務局へ確かめるよう案内されています。
発電機やソーラーパネルは対象ですか?
どちらも対象外です。可搬型の発電機は、8種類の補助対象機器のどれにも当たりません。ソーラーパネル単体の製品も同じです。設置済みの発電機の部品交換などの補修費用も対象外で、非常用電源設備を交換するときの旧設備の撤去費用も対象に入りません。購入予定の製品が対象かどうかは、型番を添えて事務局へ事前に確かめるよう案内されています。
クレジットカードで払った場合は対象になりますか?
対象になります。引き落としが済んだ時点で支払い完了と見なされるので、引き落としも補助対象期間内に終わらせてください。分割払いは最後の引き落としまでです。リボ払いは対象外です。法人名義のカードで払い、実績報告で口座の写しなど引き落としの証明を出します。
訪問介護事業所は可搬型蓄電池を申請できますか?
この補助金では申請できません。訪問介護、通所介護、特別養護老人ホームなど一部の介護事業所は、外部給電器・可搬型蓄電池・車両接続型電源を対象外とされています。それらは東京都の「介護事業所等に対するサービス継続支援事業」で申請するよう案内されています。
BCPはいつまでに作ればいいですか?
補助事業の完了時まで、実績報告のときまでに策定していることが条件です。災害のときの判断基準や行動手順を前もって決めた計画で、施設ごとの利用者の特性や職員体制を踏まえて作ります。実績報告には全ページの写しが要り、施設名か法人名と、整備する機器の種類の記載が必要です。
問い合わせ先はどこですか?
東京都社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業コールセンター(電話 0120-983-484)です。受付は9時から18時までで、土日祝日と年末年始は休みです。公式ページにお問い合わせフォームもあります。まず公式ページの「よくあるご質問」を確かめてから連絡するよう案内されています。
