ケーブルテレビの光化を支える総務省の補助事業は、予算が付くたびに公募が繰り返されてきました。この記事の回は令和3年度補正と令和4年度当初の予算分で、2022年4月22日に始まり7月15日に終わっています。
申請できたのは市町村、市町村の連携主体、第三セクター法人、承継事業者です。ケーブルテレビ会社なら誰でも出せる事業ではありません。
この回のあとも同じ事業の公募は続きました。次の回と事業名を改めた後継の事業は、下の記事で確かめられます。
ケーブルテレビ光化による耐災害性強化事業の要点まとめ
正式名:令和3年度補正及び令和4年度当初「新たな日常」の定着に向けたケーブルテレビ光化による耐災害性強化事業
だれが
- 申請者
- 市町村・連携主体・第三セクター法人・承継事業者
- 対象業種
- ケーブルテレビ網を持つ自治体・第三セクター等
- 利用目的
- ケーブルテレビ網の光化と送受信設備の整備
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 上限額の記載なし(事業費の下限は200万円、第三セクターは300万円)
- 補助率
- 市町村・連携主体は事業費の1/2、第三セクター法人は1/3を上限
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2022年4月22日〜2022年7月15日(締切は3回)
- 事業の完了
- 2023年3月31日まで
この回の対象になる団体は?
次の5つに当てはまると、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外でした。
- ✕ 通信目的の部分の光化
- ✕ CATV網でない通信網の光化
- ✕ 事業費が下限に届かない
実施主体の言葉を整理します。第三セクター法人は、地方公共団体と民間が共同で出資する法人です。承継事業者は、市町村や第三セクターが持つケーブルテレビ網の譲渡を受けるなどして、その役割を引き継ぐ者を指します。令和4年度当初予算の分から実施主体に加わりました。
地域防災計画は、市町村が災害対策基本法にもとづいて定める防災の基本計画です。ここにケーブルテレビの位置づけが書かれていることが条件でした。
7区分の地域は、離島、豪雪地帯、辺地、山村、半島、特定農山村、過疎地域です。どれか1つを含めば足ります。
財政力指数は、自治体の財政の強さを表す数値で、小さいほど財政基盤が弱いことを示します。公募要領は「0.5以下の市町村その他特に必要と認める地域」と書いています。0.5を超える場合の扱いは担当の総合通信局等に聞くことになります。
国土強靱化地域計画に光化が書かれていることは、必須条件ではなく、審査で加味される要素でした。
いくら補助された?
補助額は、事業費に補助率を掛けた額が上限です。市町村・連携主体は事業費の1/2、第三セクター法人は1/3でした。金額の上限は公募要領に書かれていません。
- 市が光化に1億円かける:1億円 × 1/2 = 5,000万円
- 第三セクターが6,000万円の光化をする:6,000万円 × 1/3 = 2,000万円
- 市の事業費が150万円:下限の200万円に届かず対象外
- 第三セクターの事業費が250万円:下限の300万円に届かず対象外
下限は1事業区分ごとに見ます。別の事業区分の事業費を足して下限に届かせることはできません。
応募が多いときは、措置する予算を調整することがあると総務省は案内していました。1/2という率は、満額の交付を約束するものではありません。
何に使えた?
対象にならないものを先に挙げます。
- ケーブルテレビ網に当たらない通信網の光化
- ケーブルテレビ網でも、通信目的の部分の光化
対象になるものは、ケーブルテレビ網の光化と、送受信設備などの整備です。事業の目的は、災害時の情報伝達を確実にすることと4K・8Kの高精細な映像を見られる環境をつくることです。経費の区分は交付要綱の別表に定められています。
光化されていない共聴施設から、光化したケーブルテレビへ視聴を移す整備は、この回の対象ではありません。令和4年度第2次補正から補助対象に加わりました。共聴施設は、共同のアンテナで受けた放送を各戸へ配る設備です。
申請の流れ
公募の段階では、正式な公文書の提出は不要でした。
- 公募の書類を出す(実施主体→管轄の総合通信局等かJグランツ。5月20日、6月17日、7月15日の各12:00必着)
- 採択候補の内示を受ける(総務省→実施主体。外部の有識者の意見を聴いて決める)
- 交付の本申請をする(実施主体→総務省。内示を受けた団体だけ)
- 交付決定を受ける(総務省→実施主体。追加の条件が付くことがある)
- 事業を終え、実績報告をする(実施主体→総務省。補助金は額の確定後に支払われる)
公募は3回の締切に分かれていました。第一次締切の案件から交付決定を行い、第二次・第三次は予算に達しそうなら受け付けないことがあると案内されていました。
補助金は交付決定の内容にある使途にしか使えません。支払いは精算払いなので、事業費を先に立て替える資金も要ります。
必要な書類
準備できた 0 / 5
工事概要書は、工事が要る場合だけ出します。補助事業の概要には、交付要綱が定める添付資料をつけます。
この記事の根拠にした公募要領は、同じ予算を募った2022年1月公募の版です。2022年4月公募の公募要領は総務省のサイトでのちの回の版に差し替えられており、原本を確かめられませんでした。書類の名前と様式番号は同じと読めますが、断定はしません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 通信目的の光化を含めた:ケーブルテレビ網に当たらない部分や通信目的の部分は、補助対象として認められません。
- 事業費が下限に届かなかった:1事業区分ごとに、市町村等は200万円、第三セクターは300万円の事業費が要ります。
- 予算に達して受付が止まった:第二次・第三次の締切は、先の応募で予算額に達しそうなときは受け付けないことがありました。
前の回との違い、ほかの事業との併用
令和3年度の分の実施主体は、市町村と連携主体と第三セクター法人でした。令和4年度当初の分から承継事業者が加わっています。公設のケーブルテレビ網を民間に移すニーズが理由として公募要領に書かれています。
民間事業者が網の譲渡を受けた場合は、対象になる可能性があります。前の回の説明だけで「民間は対象外」と決めないでください。
高度無線環境整備推進事業と併用したいときは、先に管轄の総合通信局等へ相談するよう公募要領に書かれています。
よくある質問
この回の公募は、まだ申請できますか?
申請できません。2022年4月22日に始まった公募は、第三次締切の7月15日12:00で終わっています。この事業は予算が付くたびに公募が出ており、次の回や後継の事業はこの記事の冒頭に挙げた記事で確かめられます。申請を考える団体は、総務省の案内ページと管轄の総合通信局等で受付の状況を先に確かめてください。
民間のケーブルテレビ会社だけで申請できましたか?
民間会社が単独で申請する形は想定されていません。実施主体は市町村、市町村の連携主体、第三セクター法人、承継事業者です。民間会社でも、市町村や第三セクターが持つケーブルテレビ網の譲渡を受けて役割を引き継いだ場合は、承継事業者として対象になる可能性があります。引き継ぎの形が当てはまるかは総合通信局等に聞くのが確実です。
承継事業者とは何ですか?
市町村や連携主体や第三セクター法人が持つケーブルテレビ網の譲渡を受けるなどして、ケーブルテレビの業務の提供という役割を引き続き担う者です。令和4年度当初予算の分から実施主体に加わりました。承継事業者が申請するときは、公募要領の「市町村」「第三セクター法人」をそれぞれ「市町村の承継事業者」「第三セクター法人の承継事業者」と読み替えます。
補助率はいくらですか?
市町村と市町村の連携主体は事業費の2分の1、第三セクター法人は3分の1が上限です。たとえば市が1億円の光化をするなら5,000万円までが目安になります。応募が多いと措置する予算が調整されることがありました。率は上限の考え方なので、満額が交付されるとは限りません。承継事業者は、前の主体の区分に読み替えて考えます。
補助額の上限はありますか?
公募要領には金額の上限は書かれていません。書かれているのは、事業費の2分の1または3分の1を上限に交付するという率と事業費の下限です。上限額が見当たらなくても、事業費の全額が出るわけではありません。見込み額は、見積書にもとづいて総合通信局等と事前に詰めるのが安全です。
事業費の下限はありますか?
あります。交付の下限額は100万円です。事業費に直すと、市町村と連携主体は200万円、第三セクター法人は300万円になります。見るのは1事業区分ごとなので、別の事業区分の事業費を足して下限に届かせることはできません。小規模な光化を考える団体は、事業区分の切り方を先に総合通信局等へ確かめてください。
通信用の回線も光化の対象になりますか?
対象になりません。この事業の目的は、ケーブルテレビを通じて災害時の情報伝達を確保することと高精細な映像の視聴環境をつくることです。そのためケーブルテレビ網に当たらない通信網の光化と、網の中でも通信目的の部分の光化は認められません。同じ工事に両方が含まれるときは、経費を分けて整理する必要があります。
地域防災計画にケーブルテレビの記載がないと申請できませんか?
申請の要件の1つなので、記載がなければ要件を満たしません。公募要領は、災害対策基本法に規定する地域防災計画にケーブルテレビの位置づけが書かれている市町村であることを求めています。記載がない市町村は、計画の見直しを担当部署と進めてから次の公募に備えることになります。見直しの時期は自治体で違うので、早めに防災担当へ相談してください。
財政力指数が0.5を超える市町村は対象外ですか?
公募要領の文言は「財政力指数が0.5以下の市町村その他特に必要と認める地域」です。0.5を超える市町村が「特に必要と認める地域」に当たるかは、公募要領から読み取れません。ここから先は総務省の判断になります。該当しそうな団体は、準備を始める前に管轄の総合通信局等へ個別に確認してください。
国土強靱化地域計画への記載は必須ですか?
必須とは書かれていません。公募要領は、4つの要件を満たすか確認し、そのうえで国土強靱化地域計画にケーブルテレビ網の光化等が記載されているかを加味すると定めています。記載があると審査で加味される要素です。記載がなくても、それだけで要件を欠くとは書かれていません。計画の見直しの時期は担当部署に確かめてください。
締切が3回に分かれていたのはなぜですか?
総務省の報道資料は、第一次が5月20日、第二次が6月17日、第三次が7月15日の各12:00必着と示していました。理由までは書かれていません。読み取れるのは、第一次の案件から交付決定を行い、第二次・第三次は先の応募で予算に達しそうなら受け付けないという運用です。準備が整っているなら早い締切に出すほうが安全でした。
どこに提出しましたか?
管轄する総合通信局等へ電子メールか総務省指定の大容量ファイル転送システムで電子ファイルを出す方法と、Jグランツ(国の補助金電子申請システム)で申請する方法のどちらかでした。公募の段階では正式な公文書は要りません。内示を受けたあとの本申請で、交付要綱の様式による交付申請書などを出します。
問い合わせ先はどこでしたか?
公募時の案内では、総務省 情報流通行政局 衛星・地域放送課 地域放送推進室(電話 03-5253-5808)が連絡先でした。公募要領は、実施マニュアルを参考に管轄する総合通信局等の担当窓口へ問い合わせるよう求めています。課や電話番号は組織の見直しで変わることがあるので、総務省の案内ページで確かめてから連絡してください。
