パートの労働時間を延ばすと、社会保険料の負担が増える。だから時間を延ばせない。キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長支援コース)は、いわゆる「年収の壁」対策として、この労働時間延長に1人あたり最大50万円を支給する制度です。
支給額は、延長する時間と、賃金の増加率の組み合わせで決まります。時間を大きく延ばすほど、賃金の増加要件は緩くなる設計です。
キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長支援コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(短時間労働者の労働時間を延長し、社会保険を新規適用させる事業主) |
| 制度名 | キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長支援コース) |
| 対象業種 | 全業種 |
| 利用目的 | 短時間労働者の労働時間延長・賃金増加により、新たに社会保険(厚生年金・健康保険)の被保険者とする取組の支援 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(小規模企業・中小企業・大企業で支給額が異なる) |
| 補助上限額 | 1人あたり最大50万円(小規模企業、1年目)。2年目の取組を含めると最大75万円 |
| 補助率 | 定額(詳細は本文の表を参照) |
| 申請受付 | 通年(各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画の提出が必要) |
| 公式サイト | 厚生労働省「キャリアアップ助成金」 |

いくらもらえる?延長時間と賃上げ率の組み合わせ表
1年目の取組は、次のいずれかを実施すると支給対象になります。
| 労働時間の延長 | あわせて必要な賃金の増加 | 小規模企業 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|---|---|
| 5時間以上 | 不要 | 50万円 | 40万円 | 30万円 |
| 4時間以上5時間未満 | 5%以上 | 同上 | 同上 | 同上 |
| 3時間以上4時間未満 | 10%以上 | 同上 | 同上 | 同上 |
| 2時間以上3時間未満 | 15%以上 | 同上 | 同上 | 同上 |
小規模企業とは、卸売業・小売業・サービス業の一部で従業員5人以下、それ以外の業種で20人以下が目安の事業主です(詳細区分は都道府県労働局にご確認ください)。5時間以上延長すれば、賃上げ要件なしで満額が対象になります。
2年目の取組は、1年目の取組後にさらに次のいずれかを行うと追加で支給されます。
| 2年目の取組内容 | 小規模企業 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|---|
| 労働時間をさらに2時間以上延長 | 25万円 | 20万円 | 15万円 |
| 基本給をさらに5%以上増加、または昇給・賞与・退職金制度の適用 | 同上 | 同上 | 同上 |
1年目と2年目をあわせると、小規模企業で最大75万円まで積み上がります。「年収の壁」を意識した段階的な処遇改善を、2年がかりで後押しする設計です。
対象になる労働者の条件
対象は、労働時間の延長と賃金の増加によって、新たに社会保険(厚生年金保険・健康保険)の被保険者となる短時間労働者です。すでに社会保険に加入している労働者の労働時間を延ばしても、この助成金の対象にはなりません。
よくある質問
すでに社会保険に加入しているパートの労働時間を延ばしても対象になりますか
対象になりません。本コースは、労働時間の延長・賃金の増加によって、新たに社会保険の被保険者となる短時間労働者が対象です。
小規模企業の判断基準はどこにありますか
卸売業・小売業・サービス業の一部で従業員5人以下、それ以外の業種で20人以下が目安です。判断に迷う場合は都道府県労働局・ハローワークにご確認ください。
1年目の取組をせずに、いきなり2年目の取組から始められますか
できません。2年目の取組は、1年目の取組を実施したうえで行うことが前提です。
