電気バスや電気トラックの見積を取ると、車両の見積の隣に充電設備の見積が並びます。どちらも金額が大きく、千葉県の補助金は車両と設備で受け付けるタイミングも条件も別です。上限は1事業者あたり2,000万円。県内に事務所か事業所を置く運送事業者や、カーシェアリング・レンタカー事業者が使えます。
車両の補助は国の補助を受けていることが前提で、県の補助だけを単独で受けることはできません。設備のほうは、契約や発注の前に申請します。順番を間違えると対象外になるため、先に流れを押さえておくと動きやすくなります。
地域交通次世代自動車導入補助金の要点まとめ
正式名:千葉県地域交通等次世代自動車導入促進補助金(地域交通事業者等向け)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)。リース会社も可
- 対象業種
- バス・タクシー・トラック、カーシェア・レンタカー、リース
- 利用目的
- 電気自動車等の導入、充電設備・蓄電池等の整備
- 対象地域
- 千葉県内(事務所・事業所、または使用の本拠の位置)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 1事業者あたり2,000万円(令和8年度の合計)
- 補助率
- 車両は国の補助額の1/2か1/4、設備は経費の1/3〜1/6
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月1日〜2027年3月5日(設備は12月24日まで)
- 事業の完了
- 設備は2027年3月5日までに実績報告(必着)
うちの会社は対象になる?
次の項目に当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 自社の荷物を運ぶ白ナンバー
- ✕ 中古車・新古車の導入
- ✕ 国の補助を受けない車両
- ✕ 国や自治体が出資する法人
補足をいくつか。
運送業は、旅客なら路線バスや貸切バス、タクシー、貨物なら緑ナンバーの一般貨物運送、黒ナンバーの軽貨物運送、第二種貨物利用運送などが入ります。道路運送法の登録を受けた自家用有償旅客運送者も対象です。カーシェアは「わ」ナンバーで自家用の車を会員に貸す事業、レンタカーは許可を受けた貸渡し事業です。
カーシェアリングとレンタカーは、貸し出す料金が同車格の内燃機関車(ガソリン車やディーゼル車など)の料金以下であることも条件です。
導入できる車両は、バスとタクシーが電気(プラグインハイブリッド含む)と燃料電池、トラックが電気と燃料電池です。カーシェア・レンタカーは電気、プラグインハイブリッド、燃料電池が対象です。
車両は、初度登録日(新車として最初に登録された日)が2026年4月1日から2027年2月26日の車が対象です。車検証の使用の本拠の位置が千葉県内にあることも条件です。
申請は、申請者本人が行います。設備業者などの代理申請はできません(行政書士等の有資格者を除く)。車両の購入では、販売事業者による代行が認められています。
補助額はいくら?
車両と設備で計算が違います。
車両は、国から受ける補助金に、1/2か1/4をかけた額です。1/2になるのは、車両を入れる事務所か事業所に太陽光発電設備がある場合と、この補助金でソーラーカーポートを設置する場合です。それ以外は1/4です。燃料電池車は太陽光の有無にかかわらず、国の補助額の1/2です。
設備は、補助対象経費(工事費を除く)に率をかけます。
| 区分 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|
| 充電設備(太陽光あり) | 1/3 | 1台150万円 |
| 充電設備(太陽光なし) | 1/6 | 1台75万円 |
| 蓄電池 | 1/6 | 1台40万円 |
| ソーラーカーポート | 1/6 | 1事業者または事業所あたり100万円 |
| 水素供給設備・燃料電池車の設備 | 1/3 | 1台150万円 |
計算例を並べます。
- 車両、太陽光あり、国の補助が400万円:400万円 × 1/2 = 200万円
- 車両、太陽光なし、国の補助が400万円:400万円 × 1/4 = 100万円
- 車両、上限に当たる例(車両本体1,000万円、国の補助700万円):700万円 × 1/2 = 350万円 → 300万円
- 充電設備、機器代300万円、太陽光あり:300万円 × 1/3 = 100万円
- 同じ充電設備で太陽光なし:300万円 × 1/6 = 50万円
上限に当たる例は、国と県の補助の合計が車両本体の価格を超えられないために起きます。1,000万円の車に国が700万円なら、県は300万円までです。
1事業者あたり2,000万円の上限は、申請を分けても令和8年度の合計で数えます。電気バス2台(1台あたり県の補助1,000万円)と充電設備2基(1基150万円)、ソーラーカーポート1棟(100万円)を入れると合計は2,400万円ですが、交付は2,000万円までです。1事業者は法人単位で数え、事業所が別でも同じ法人なら合算されます。
何に使える?
対象にならないものから確認します。
- 充電設備などの設置工事費
- 車両のメーカーオプション・ディーラーオプション
- 消費税・地方消費税
- 中古車、中古品
- 既設のカーポートに太陽光パネルを足す工事
対象になるものは次のとおりです。
- 車両本体の価格(国の補助の対象車両)
- 電気自動車用の急速・普通充電設備の機器、水素供給設備の機器
- 蓄電池の機器
- 新設するソーラーカーポートの機器(パネル、パワーコンディショナー、カーポート部材)
充電設備や蓄電池の対象になるのは、バス、タクシー、トラックに使う設備です。蓄電池は、導入する事業所に太陽光発電設備があることが条件で、ソーラーカーポートを同時に導入する場合は除かれます。自社製品や関連会社から調達する分は、利益を除いた額が対象です。
申請の流れ
車両と設備で、申請のタイミングが逆です。
車両を入れる場合
車両は、買ったあとに申請します。
- 国の補助を申請して、交付決定通知か交付予定枠内定通知を受ける(事業者→国の補助の窓口)
- 車を購入して登録し、引渡しと代金の支払いを済ませる(事業者→販売店)
- 交付申請書兼実績報告書と添付書類を出す(事業者→県の温暖化対策推進課。2027年3月5日まで)
- 県の審査を受けて交付決定の通知を受け、請求書を出す(県→事業者)
設備を入れる場合
設備は、契約や発注の前に申請します。
- 同じ機器の見積書を2者以上から取る(事業者→施工業者)
- 交付申請書と事業計画書を出す(事業者→県の温暖化対策推進課。2026年12月24日まで)
- 交付決定の通知を受けてから契約し、工事をする(県→事業者。通知の前に契約・発注しない)
- 工事と支払いが済んだら、概ね30日以内に実績報告書を出す(事業者→県。最終期限は2027年3月5日必着)
- 補助額の確定通知を受け、請求書を出す(県→事業者)
申請は、ちば電子申請サービス、電子メール、郵送のどれでも出せます。郵送は信書を送れる方法に限られ、宅配便やゆうパックは受け付けられない場合があります。書類がそろってから、申請書類一覧表を添えて出します。
必要な書類
準備できた 0 / 16
見積書と購入契約書は設備と車両でそれぞれ必要で、見積書は発行後3か月以内のものです。見積書は、補助対象と対象外の内訳が分かるように○と×を付けます。登記事項証明書も発行後3か月以内で、個人事業主は開業届の写しです。
補助対象者の証明書類は、バスなら一般乗合旅客自動車運送事業の輸送実績報告書の写し、貨物なら貨物自動車運送事業実績報告書の写し、レンタカーならレンタカー事業者証明書の写しなどです。県税の完納証明書は、法人なら法人県民税と法人事業税、個人なら個人県民税と個人事業税のもので、個人県民税は市区町村で発行されます。確定申告書は個人事業主のみで、直近1年分です。
設備は工事のあと、実績報告でも書類を出します。実績報告書(第7号様式)、事業実績書(別紙様式3)、工事の契約書か注文書と請書の写し、支払いが分かる証拠書類と納品書、施工中と施工後の写真です。国などの補助を受けた場合は、その決定通知も付けます。
導入場所が賃借地なら賃貸借契約書と所有者の承諾書、太陽光の補助率を使うなら設置場所の図面と写真も出します。リース会社が申請する場合は、貸与先の書類が追加で要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 設備を交付決定の前に発注した:車両を除き、決定前の発注や契約は補助の対象外です。見積書の取り直しや業者との打ち合わせは、着手に当たりません。
- 国の補助を受けていない:車両は、国の補助を受けていることが申請の条件です。受けていなければ申請できません。
- 太陽光のない事業所へ車を移した:太陽光ありの補助率で受けた車両は、太陽光のない事業所に使用の本拠を移すと、交付決定の取消しと返還の対象になることがあります。
- 変更を県に申し出ずに進めた:事業内容や事業費が変わりそうなときに独自に判断すると、変更部分が対象外になり、交付決定全体が取り消されることもあります。
- 実績報告の期限に遅れた:最終期限は2027年3月5日の必着です。発注の遅れや業務の多忙は、延長の理由になりません。
- 予算がなくなった:受付期間内でも、予算を超える申請があれば受付が終わります。
併用と次年度
国の補助は前提ですが、千葉県の同種の補助金とは重複して受けられません。ほかの補助金との併用に制限はありませんが、相手の補助金側に制限があるかもしれないため、申請先に確認します。国と県の補助額の合計が補助対象経費を超えない額が、上限になります。
次年度については、県のQ&Aでは、来年度の実施は未定とされています。
よくある質問
自社の荷物を運ぶトラックは対象になりますか?
対象になりません。自社の荷物を自社の車で運ぶ自家用トラック(白ナンバー)は対象外です。対象になるのは、貨物自動車運送事業の許可や届出をした事業者の車両です。緑ナンバーの一般貨物、黒ナンバーの軽貨物、第二種貨物利用運送の事業者などが入ります。事業の区分は申請前に確認します。
国の補助を受けていなくても県の補助は申請できますか?
車両はできません。県の補助額は国の補助金に1/2か1/4をかけて決まる仕組みで、国から交付決定通知か交付予定枠内定通知を受けていることが申請の条件です。その通知の写しを県への申請に添付します。設備の申請に、国の補助の通知は求められていません。
1事業者2,000万円には何が含まれますか?
車両と設備を合わせた、この補助金の交付額の合計です。申請を何回かに分けても、令和8年度の合計で2,000万円を超えて受けられません。1事業者は1つの法人か1人の個人事業主を指し、導入する事業所が別でも同じ法人なら合算されます。リース会社は、貸与先ごとに2,000万円が上限です。
太陽光発電があると何が変わりますか?
車両の補助率が国の補助額の1/4から1/2になり、充電設備は1/6から1/3、上限は1台75万円から150万円に上がります。蓄電池の導入にも太陽光の併設が条件です。車両を導入する事業所に定置型の太陽光があり、事業所の電気系統か充電設備に接続されている必要があり、ポータブルのパネルや故障中のものは認められません。
太陽光発電設備がまだ無い場合はどうなりますか?
事業完了までに設置できれば、太陽光ありの扱いを受けられます。事業完了とは、県に実績報告書を出す時期です。申請の時点で設置が確実か確認されるため、工事契約書や発注書の写しを出します。納期の遅れなどで間に合わない場合は、県に申し出て承認を受ける道もあります。
車両はいつまでに買えばいいですか?
初度登録日が2026年4月1日から2027年2月26日の車が対象です。この期間に購入して登録した車なら、すでに購入していても対象になります。申請は購入手続きの完了後で、受付は2027年3月5日までです。登録、引渡し、代金の支払い(または残額の支払いが担保された契約)がそろったあとに出します。
充電設備の工事費は補助されますか?
工事費は補助されません。対象になるのは、充電設備、水素供給設備、蓄電池、ソーラーカーポートの機器の購入費です。ソーラーカーポートの機器にはパネル、パワーコンディショナー、カーポート部材が入り、運搬費、組立費、基礎工事費は入りません。見積書は機器代と工事費を分けて取ります。
リース会社を通した導入でも使えますか?
使えます。その場合は、車両の所有者であるリース会社が申請者になり、補助金もリース会社に支払われます。貸与先の使用者が対象事業者であることと、リース料金に補助金相当額の値下がりを反映させることが条件です。転リース(また貸し)は対象になりません。リース契約には、貸与先の書類も追加で必要です。
設備と車両を両方申請できますか?
できます。車両と設備の両方の補助を受けることも、既に次世代自動車を導入している事業者が設備だけを導入・更新することも対象です。ただし申請の時期と様式が違うため、それぞれ申請します。同種の車や設備を同時期に複数導入するなら、まとめて申請できます。2,000万円の上限は合算されます。
問い合わせ先はどこですか?
千葉県環境生活部温暖化対策推進課のエコオフィス・次世代自動車推進班です。電話は043-223-4563で、申請書類は同課に電子申請、メール、郵送で出します。お問い合わせの前に、県が公式ページに載せているQ&Aを確認します。申請書類は返却されないため、提出前に抜けがないか確かめます。
申請の受付が終わるのはいつですか?
車両は2027年3月5日、設備は2026年12月24日までです。ただし予算がなくなり次第、期間内でも終わります。予算の上限に達しそうなときは、県の公式ページなどで知らされる、と県のQ&Aにあります。設備は交付決定を待つ期間があるため、締切の直前よりも早めに出したほうが工事の日程が組みやすくなります。
書類の不備があるとどうなりますか?
書類の不足や未記入があると、受付期間内に送っても受け付けられない場合があります。県から修正や追加書類を依頼されることがあり、連絡は原則メールです。連絡先欄には必ず届くメールアドレスを書きます。対応が遅れると、申請を受け付けられないことがあります。
