太陽光や風力の発電量は天候で大きく変動します。その変動を蓄電池で吸収し、電力系統への負荷を減らす取り組みを後押しするのが「再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業」です。太陽光そのものではなく、既存の再エネ発電設備に蓄電池を「併設」する投資が対象という点が、これまで紹介してきた太陽光発電導入支援事業とは違います。
この記事で扱う令和5年度補正予算の第二次公募(単年度事業)は、2024年7月26日で受付を終了しています。 FIP制度(発電した電気を市場価格に一定のプレミアムを上乗せして売れる制度)の認定を受けていることが前提の、やや専門性の高い制度です。
再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業(R5補正・第二次・単年度)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人) |
| 制度名 | 令和5年度補正予算 再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業(第二次公募(単年度事業)) |
| 対象業種 | 業種不問(FIP認定を受けた発電事業者) |
| 利用目的 | 再生可能エネルギー電源への蓄電池の併設 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | FIP認定設備を管理・運営し、国内で事業活動を営む法人であること |
| 補助上限額 | 1事業あたりの申請額上限は設けず、予算の範囲内で採択(単価上限規定あり、予算総額は約79億6,250万円) |
| 補助率 | 4分の1以内(新規技術開発蓄電システム等・出力1,000kW以上の場合は3分の1以内) |
| 申請受付 | 2024年6月25日~7月26日(終了) |
| 公式サイト | jGrants「令和5年度補正予算 再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業(第二次公募(単年度事業))」 |

FIP認定が前提という制約
この制度で見落とされやすいのが、申請者は「FIP認定を受けて、対象設備を管理・運営し、補助対象設備を所有し、補助対象事業を行う者」に限られる点です。 FIT(固定価格買取制度)のまま売電している発電事業者は、そのままではこの制度を使えません。FIP制度への移行手続きが前提になるため、検討の初期段階で自社の売電契約がFIT・FIPどちらかを確認しておく必要があります。
補助率が上がる2つの条件
基本の補助率は4分の1以内ですが、次のいずれかに該当すると3分の1以内に引き上げられます。
- 新規技術開発蓄電システムを使用する場合
- 電動車の駆動用に使われていた蓄電池を二次利用する場合
- 電力系統側への定格出力が1,000kW以上の場合
汎用的な蓄電池を小規模に導入するだけでは基本の補助率にとどまり、技術的な新規性や事業規模の大きさが補助率を左右する構造になっています。
この制度を検討するときの進め方
- 自社の発電設備がFIT・FIPどちらの認定かを確認し、FIPへの移行が必要な場合は移行手続きのスケジュールを把握する
- 蓄電池の出力規模(1,000kW以上かどうか)で補助率が変わるため、設備計画の段階で規模を確定させる
- 系統連系の手続き(電力会社との協議)は時間がかかることが多く、公募のスケジュールと合わせて逆算して動く
よくある質問
FIT認定のままでも申請できますか?
いいえ。この制度はFIP認定を受けた設備が対象です。FIT認定のみの場合は対象外となるため、FIPへの移行を検討する必要があります。
この公募にまだ申請できますか?
いいえ。受付は2024年7月26日で終了しています。同種の制度は継続的に公募されているため、jGrantsで最新情報を確認してください。
小規模な蓄電池でも補助率3分の1になりますか?
出力1,000kW未満の場合、新規技術開発蓄電システムや電動車用蓄電池の二次利用に該当しない限り、補助率は4分の1にとどまります。小規模な導入では基本の補助率が適用される点に注意してください。
