「蓄電池関連の補助金」と聞くと、蓄電池そのものの導入費用を補助する制度を想像する方が多いのではないでしょうか。この補助金はそれとは違います。蓄電池の"導入"ではなく、蓄電池のリユース・リサイクルや、製品情報を追跡する仕組み(電池パスポート)の実証事業を対象とする制度です。
令和8年度「蓄電池等の製品の持続可能性向上に向けた基盤整備・実証事業」の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(日本法人の民間会社。共同体・任意団体も含む。地方公共団体は主申請者になれない) |
| 制度名 | 令和8年度「蓄電池等の製品の持続可能性向上に向けた基盤整備・実証事業」 |
| 対象業種 | 製造業を中心に幅広い業種(蓄電池のリユース・リサイクル、データ連携に関わる事業者) |
| 利用目的 | 蓄電池のリユース・リサイクル体制構築、電池パスポート(データ連携)の実証 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | データ連携事業は1件あたり5.0億円、ビジネス実証事業は1件あたり1.0億円(事業全体の予算額は7.2億円。1者あたりの上限は上記のとおり公募要領に明記) |
| 補助率 | データ連携・ビジネス実証(ア)は最大3分の1、ビジネス実証(イ)は最大2分の1 |
| 申請受付 | 2026年8月7日〜9月4日15時(jGrants必着) |
| 公式サイト | 一般社団法人日本カーボンニュートラル推進協議会(テイタンソ)「蓄電池等の製品の持続可能性向上に向けた基盤整備・実証事業」 |

なぜ「持続可能性向上」が今、求められているのか
背景にあるのは、欧州を中心とした環境規制の強化です。欧州電池規則をはじめとする海外の規制では、蓄電池のカーボンフットプリント(製造から廃棄までのCO2排出量)の開示や、リサイクル材の使用比率、人権・環境デューディリジェンスの実施が求められるようになってきています。この補助金は、そうした国際規制に日本の蓄電池産業が対応できるよう、リユース・リサイクル体制やデータ連携の仕組みを実証段階で整備することを支援するものです。
対象になる/ならないの線引き
対象になる
- 日本法人の民間会社(単独、または複数事業者によるコンソーシアム・任意団体を含む)
- 蓄電池の製造事業者、またはリユース・リサイクル関連事業者と連携できる事業者
- データ連携(電池パスポート)の基盤整備に取り組む事業者
- リユース・リサイクルのビジネスモデル実証に取り組む事業者
対象にならない
- 地方公共団体(この事業では主申請者になれません。国庫事業として国が直接民間を支援する枠組みです)
- 蓄電池の製造・リユース・リサイクルと関係のない一般的な設備投資
- 実証を伴わない、単なる設備更新
予算総額と1者あたり上限は別の数字
DBに登録されている補助上限額の数字(7.2億円)は、この事業全体の予算総額であり、1者が受け取れる上限額ではありません。 実施団体(一般社団法人日本カーボンニュートラル推進協議会)の公式ページで確認したところ、1者あたりの上限は次のように区分されています。
| 事業区分 | 補助率 | 1事業あたりの上限額 |
|---|---|---|
| ①データ連携 | 最大3分の1 | 5.0億円 |
| ②ビジネス実証(ア) | 最大3分の1 | 1.0億円 |
| ②ビジネス実証(イ) | 最大2分の1 | 1.0億円 |
予算総額の数字だけを見て「7.2億円もらえる」と誤解しないよう注意してください。
締切は9月4日15時、jGrants必着
申請受付は2026年8月7日から9月4日15時までと、比較的短い期間に設定されています。電子申請システム「jGrants」による提出が必須で、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。 GビズIDの取得には2〜3週間かかることがあるため、締切間際に着手すると間に合わない可能性があります。
よくある質問
蓄電池そのものを導入する費用は補助されますか?
されません。この補助金は蓄電池のリユース・リサイクル体制の構築や、データ連携(電池パスポート)の実証事業を対象としています。蓄電池の導入費用を補助する制度は別に探す必要があります。
地方公共団体は申請できますか?
主申請者にはなれません。ただし民間事業者が組むコンソーシアムに、地方公共団体が連携先として関わることは制度上排除されていない可能性があるため、詳細は実施団体に確認してください。
GビズIDが無い場合はどうすればいいですか?
jGrantsでの申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。取得には2〜3週間かかるため、応募を検討している場合は早めに手続きを始めることをおすすめします。
