海外への出願は、国内出願と違って翻訳費や現地代理人費用がかさみます。この負担を折半する形で支援するのが、愛媛県の「海外出願支援事業補助金」です。 第1回募集はすでに締め切られており、この記事で扱うのは第2回募集です。
対象になるのは、国内で出願済み(または出願と同時)の特許・実用新案・意匠・商標を、海外でも同内容で出願する費用です。国内出願と無関係に、海外だけで新規に出す出願は対象になりません。まず国内での権利化が前提になっている制度だと理解しておく必要があります。
海外出願支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業者、または中小企業者が3分の2以上を占めるグループ) |
| 制度名 | 令和8年度中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)第2回募集 |
| 対象業種 | 業種指定なし(愛媛県内に主たる事業所を有する中小企業者) |
| 利用目的 | 海外での特許・実用新案・意匠・商標出願にかかる費用の助成 |
| 対象地域 | 愛媛県内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者の範囲(業種ごとに資本金・従業員数の上限が異なり、どちらか一方を満たせば該当) |
| 補助上限額 | 企業全体で300万円以内(特許150万円、実用新案・意匠・商標60万円、抜け駆け対策商標30万円) |
| 補助率 | 助成対象経費の2分の1以内 |
| 申請受付 | 2026年7月31日〜8月31日17時必着 |
| 公式サイト | えひめ産業振興財団「令和8年度海外出願支援事業補助金について」 |

案件ごとに上限が分かれている理由
企業全体の上限は300万円ですが、特許・実用新案・意匠・商標のそれぞれに個別の上限額が設けられています。特許なら150万円、実用新案・意匠・商標は60万円です。
- 特許出願(1件あたり上限150万円)
- 実用新案・意匠・商標出願(1件あたり上限60万円)
- 抜け駆け対策商標(第三者による先取り出願への対抗)(1件あたり上限30万円)
権利の種類によって海外代理人費用や翻訳分量が変わるため、実費に近い水準で上限を分けている作りだと読み取れます。複数の権利を同時に出願する企業ほど、案件別上限の組み合わせを事前に試算しておくと申請額のズレを防げます。
対象経費は「採択決定後」の分だけ
対象経費になるのは、外国特許庁等への納付出願料、代理人費用、翻訳費です。ただし、採択決定から実績報告書の締切までに発注・契約・支払いが行われた経費に限られます。
採択決定前に代理人へ着手金を払ってしまうと、その分は補助の対象から外れます。海外出願は準備に時間がかかるため、代理人との契約タイミングを補助金のスケジュールに合わせて調整することが欠かせません。
第2回募集という位置づけ
この補助金は年度内に複数回の募集が組まれる制度です。第1回の受付枠で予算の一部が使われたあと、残りの予算枠で第2回が実施されています。第2回で不採択、または予算が尽きた場合、年度内に次の募集が組まれるかは公式ページで都度確認するしかありません。 海外出願の予定がある事業者は、早い回での申請ほど予算の余裕がある可能性が高いといえます。
よくある質問
国内出願をしていない発明でも申請できますか?
対象になりにくいです。この補助金は国内出願と同内容の海外出願を助成する制度のため、国内出願を伴わない場合は対象外になる可能性があります。詳しくはえひめ産業振興財団へご確認ください。
複数の国に同時出願する場合、上限額はどうなりますか?
公式ページには国ごとの上限の記載はなく、権利種別ごとの上限(特許150万円等)と企業全体の上限300万円の範囲内で申請します。
個人事業主でも申請できますか?
中小企業者であれば対象になります。中小企業基本法上の中小企業者の範囲に該当するかは、資本金・従業員数のいずれかで判定されます。
