新しい紙素材の試作に取りかかろうとして、研究機関との契約書案まで届いた。ここで署名を急ぐと、その費用は補助の対象から外れます。研究機関との契約は、市の交付決定の通知を受けたあとに結ぶのが条件だからです。
四国中央市に本店がある製造業の中小企業が、研究機関と組んで紙マテリアル(紙・パルプ素材や、その製造技術をもとにした新素材)を開発するときに、費用の3分の2を市が補助します。上限は100万円です。自社だけで進める開発は対象になりません。
紙マテリアルイノベーション推進事業費補助金の要点まとめ
正式名:紙マテリアルイノベーション推進事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 製造業(日本標準産業分類の大分類E)
- 利用目的
- 紙マテリアルの新製品・新技術の研究開発
- 対象地域
- 愛媛県四国中央市
- 従業員数
- 製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下
いくら
- 補助上限額
- 100万円
- 補助率
- 対象経費の3分の2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月11日〜2027年1月29日(予算に達し次第終了)
- 事業の完了
- 実績報告の期限は2027年3月12日まで
まず確かめたいこと:自社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
どれも1つ欠けると申請できません。補足は次のとおりです。
- 本店は、商業登記に載っている本店のことです。個人事業主は、市内に住所があり市内で営む場合が対象です。本店が市外にあり、支店や工場だけが市内にある場合は、要領の文言では対象外に読めます。扱いは窓口で確かめてください。
- 資本金と従業員数は、どちらか一方を満たせば足ります。
- 製造業かどうかは、日本標準産業分類(総務省の業種分類)の大分類E「製造業」に当たるかで決まります。市の案内ページに中分類のPDFがあります。
- 暴力団員等、またはこれらと密接な関係がある場合も対象外です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 研究機関と連携しない自社単独の開発
- ✕ この補助金を3回以上受けている
- ✕ 製造業以外が主たる業種
連携先は2か所に決まっています。愛媛大学の紙産業イノベーションセンターと、愛媛県産業技術研究所の紙産業技術センターです。
いくら戻ってくる?
対象経費の3分の2が補助され、上限は100万円です。1,000円未満の端数は切り捨てになります。
- 研究機関への委託費と原材料費で90万円:90万円 × 2/3 = 60万円
- 試験用の機械装置と原材料費で120万円:120万円 × 2/3 = 80万円
- 共同研究費と機械装置で200万円:200万円 × 2/3 = 133万3千円 → 上限の100万円
上限の100万円に届くのは、対象経費が150万円以上のときです。150万円を超えた分は、補助が増えず自己負担になります。
なお、国や市以外の自治体、公益団体などから同じ種類の補助金を受ける場合は、その額を対象経費から引きます。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税と地方消費税
- 交付申請の時点で、すでに支払いが済んでいる費用
- 契約期間が複数年にわたる委託などの費用(まるごと対象外)
- 補助事業の年度の外で発生した費用
対象になるもの
- 研究機関への委託費、研究機関との共同研究費
- 原材料・副資材の購入費(消耗品費に限る)
- 機械装置・工具・器具の購入費や借用費
- 研究機関の技術指導者を受け入れる謝礼(研究機関への謝礼に限る)
注意が要る点が2つあります。委託の契約期間は、補助事業の年度に収まるよう設定します。また買った機械装置を一定期間内に手放す場合は、あらかじめ市長の承認が要り、補助金の返還を求められることがあります。
グループ会社から原材料を買うときは、そのグループ会社を含めて3者以上の見積もりが求められます。
申請の流れ
- 市に事前相談する(事業者→紙国再興課。事業が補助金の内容に合うかを確かめる)
- 研究機関に事前相談する(事業者→連携先の研究機関。事業計画書にコメントをもらう)
- 交付申請を出す(事業者→紙国再興課の窓口。2027年1月29日まで)
- 交付決定の通知を待つ(市→事業者。通知前に研究機関と契約しない)
- 研究機関と契約して開発を進める(事業者)
- 実績報告を出す(事業者→市。完了後30日以内か2027年3月12日のいずれか早い日まで)
- 補助金を請求する(事業者→市。交付指令書が届いてから)
請求のあと、およそ2〜3週間で指定口座に振り込まれます。申請書類は原則として窓口に持参します。事前の確認が終わっている場合に限り、郵送もできます。
年度をまたいだ実績報告はできません。研究機関との契約には時間がかかると市も案内しているので、事前相談は早めに動くのが現実的です。
必要な書類
準備できた 0 / 12
事業計画書には、連携する研究機関のコメントが要ります。完納証明書は1通300円です。
個人事業主は、住民票の代わりにマイナンバーカード表面の写しでも出せます。確定申告書は、交付要領では第一表に加えて青色申告決算書か収支内訳書の写しですが、案内ページとチェックリストでは第一表・第二表の写しです。チェックリストには、研究機関との契約書の写し(契約が伴う場合のみ)の欄もあります。契約は交付決定のあとに結ぶ決まりなので、申請の時点で何を出すかは窓口で確かめてください。
誓約書には、交付を受けたあとも市内で事業を続ける意思があること、虚偽が分かったときは補助金の返還と加算金の支払いに応じ、事業者名の公表に同意することが書かれています。市の案内ページと交付要領では書類の挙げ方が少し違うので、出す前に窓口で最新の一覧を確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 契約を先に結んだ:研究機関との契約は交付決定の通知のあとです。先に結んだ分は対象になりません。
- 契約期間が複数年にわたる:委託などの契約が年度をまたぐと、その契約の費用はすべて対象外になります。
- 申請の時点で支払い済み:交付申請の時点で支払いが終わっている費用は対象外です。
- 予算に達した:申請額が予算額に達すると、2027年1月29日の前でも受付が終わります。
- 支払いの証拠がない:補助事業に使った費用だと証拠書類で特定できない場合や、期間内に支払いが終わっていない場合は対象外です。クレジットカード払いは、期間内に口座から引き落とされた確認が要ります。
- 事業の内容が変わったのに届けていない:変更したまま放置すると、実績報告を受け付けてもらえません。
回数と併用
1事業者が申請できるのは、年度内に1回です。この補助金を受けられるのは合計3年までで、3回受けた事業者は以後申請できません。
併用については、同じ経費に国や他の自治体の補助金を使う場合、その額を対象経費から引くことになっています。ほかの補助金と組み合わせたいときは、申請前に紙国再興課へ相談してください。
よくある質問
自社だけで研究開発する場合は対象になりますか?
対象になりません。愛媛大学の紙産業イノベーションセンターか、愛媛県産業技術研究所の紙産業技術センターと連携することが条件です。申請では、事業計画書に連携先からのコメントをもらう必要があります。連携先が決まっていない段階でも、まず市の紙国再興課に事前相談し、そのあとで研究機関と協議する順番になります。
研究機関との契約を先に結んでしまった場合は?
その契約にかかる費用は、補助の対象になりません。研究機関との契約は、市の交付決定通知を受け取ったあとに結ぶ決まりです。市は、契約の締結に一定の期間がかかることも案内しています。契約書の案を詰める作業は先に進めても、署名と契約日を交付決定の後にずらす段取りを、研究機関と相談しておくと安心です。
どこの会社でも申請できますか?
市内に本店がある製造業の中小企業に限ります。製造業の中小企業は、資本金3億円以下か従業員300人以下のどちらか一方を満たせば足ります。個人事業主は、市内に住所があり、市内で事業を営んでいる場合が対象です。市税の滞納がないことも条件になります。支店だけが市内にある会社は、窓口に確認してください。
原材料費だけでも補助されますか?
原材料・副資材の購入費は対象経費に入りますが、補助事業そのものが研究機関と連携していることが前提です。対象になるのは消耗品費にあたるものに限られます。グループ会社から買う場合は、そのグループ会社を含めて3者以上の見積もりが求められます。購入する品目が対象かどうかは、見積書を用意する前に窓口で確かめると安心です。
機械装置を買うことはできますか?
機械装置・工具・器具の購入費や借用費は対象経費です。ただし、買った装置を一定期間内に処分したいときは、あらかじめ市長の承認を受ける必要があります。承認の際に、補助金の全部か一部の返還を求められることもあります。処分する可能性がある場合は、購入する前に紙国再興課へ相談してください。
補助金はいつ入金されますか?
実績報告のあと、市が内容を確認して補助額を確定し、交付指令書で通知します。その書類が届いてから請求書を出すと、およそ2〜3週間後に指定の口座へ振り込まれます。つまり、開発にかかる費用はいったん自社で支払うことになります。資金繰りの計画は、入金が事業の完了よりあとになる前提で立ててください。
実績報告はいつまでに出せばいいですか?
事業が完了してから30日以内か、2027年3月12日のいずれか早い日までです。年度をまたいでの実績報告はできません。提出するのは、実績報告書、事業実績調書、収支決算書、請求書・領収書の写し、開発の過程や成果品がわかる写真、契約書の写し(契約を伴うものに限る)などです。事業実績調書にも、連携する研究機関のコメントが要ります。
何年続けて使えますか?
申請できるのは1事業者につき年度内に1回で、合計3年までです。この補助金を3回受けた事業者は、以後の対象になりません。同じテーマの研究を毎年続けるのか、1年ごとに区切るのかは、3回の枠を何に使うかの判断になります。続けて申請したい場合は、事前相談の段階で窓口に計画を伝えておくと整理しやすくなります。
申請の窓口と提出方法は?
窓口は四国中央市の産業創生部 紙国再興課(本庁舎3階12番窓口)です。電話は0896-28-6186です。申請書類は原則として窓口に持参します。事前の確認が終わっている場合に限り、郵送もできます。申請書と請求書への押印は省略できますが、消せるボールペンや修正液は使えません。
事業の内容が変わったときはどうしますか?
交付決定のあとで、事業の内容や金額が変わるときは、速やかに変更交付申請書、変更後の収支予算書、変更後の事業計画書を出します。事業をやめるときは、中止(廃止)の承認申請書が要ります。申請した内容と違う状態のままだと、実績報告を受け付けてもらえません。変わりそうだと気づいた時点で、窓口に連絡してください。
補助金を受けたあと、市に紹介されることはありますか?
研究・開発の取り組みが、市の広報などの媒体で紹介されることがあります。市が依頼する形で、申請の条件には含まれていません。紹介の可否や範囲が気になるときは、申請の前に窓口で確かめておくと安心です。研究内容の公開に抵抗があるときは、事前相談の際に伝えてください。
国や県の補助金と一緒に使えますか?
同じ経費に、国や四国中央市以外の自治体、公益団体などの補助金を受ける場合は、その全額を対象経費から引きます。同じ費用を二重に補助してもらうことはできません。別の経費に別の補助金を使えるかどうかは、公式ページに書かれていないため、申請の前に紙国再興課へ確かめてください。
