四国中央市の中小企業向け補助金は、担当の窓口(紙国再興課)が共通なのにメニューが11本あります。自社が使えるのはどれか。先に決めたいのは着手と支払いの順番です。労働環境改善と販路開拓は市への事前確認の前に動いた分が対象外になり、BCPやホームページ開設は交付決定日より前の支出が外れます。知的財産権取得とインターンシップは逆で、先に費用を払い終えてから申請します。
メニューによって「先に動いていい時期」が違うので、申し込む前に自社が使いたいメニューの順番を確かめてください。
四国中央市中小企業者応援補助金の要点まとめ
正式名:四国中央市中小企業者応援補助金(創業及び事業承継事業費補助金ほか)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(3メニューは製造業限定、創業は一部業種が対象外)
- 利用目的
- 創業・事業承継、設備改修、販路開拓、知的財産、人材確保、研究開発など
- 対象地域
- 愛媛県四国中央市
- 従業員数
- 中小企業基本法の範囲内(業種ごとに上限あり)
いくら
- 補助上限額
- 最大100万円(労働環境改善。メニューごとに2万〜100万円)
- 補助率
- メニューごとに異なる(1/10〜10/10。インターンは日額)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月31日(3事業は1月29日まで)
- 事業の完了
- メニューごとに異なる(期限は2027年3月12日か31日が多い)
うちの会社は対象になる?
11メニューに共通する入口の条件は次のとおりです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 本店が市外にある
- ✕ 市への相談前に発注・着工した
- ✕ 市税などの滞納がある
中小企業の範囲は中小企業基本法で決まっています。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。製造業・建設業・運輸業その他は資本金3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。
条件がさらに絞られるメニューは7つあります。労働環境改善は常用雇用者1人以上と市のSDGs推進パートナー登録が要ります。省エネ診断も同じ登録が要り、製造業に限ります。紙マテリアルイノベーション推進は製造業、紙マテリアル研究調査はパルプ・紙・紙加工品製造業が対象です。販路開拓とホームページ開設は、紙の総合マッチングサイト「四国は紙國」への登録(新規登録も可)が要り、ホームページ開設はまだ自社サイトを持っていない事業者に限ります。創業及び事業承継は、事前協議の時点でまだ創業も承継もしていない人だけが使えます。農林漁業、金融・保険業、病院・診療所などの業種と、フランチャイズ契約に基づく創業は対象外です。
いくらもらえる?メニュー別の上限と計算例
| メニュー | 補助率 | 上限 | 使える事業者 |
|---|---|---|---|
| 創業及び事業承継 | 1/2 | 50万円 | 創業前・承継前の市内事業者 |
| 労働環境改善 | 1/10 | 100万円 | 経費100万円以上の改修をする |
| 販路開拓支援 | 1/2 | 50万円 | 愛媛県外の展示会に出展する |
| 知的財産権取得 | 1/2 | 20万円 | 特許・実用新案・意匠・商標を出願する |
| ホームページ開設 | 1/2 | 20万円 | 「四国は紙國」に登録するサイトを作る |
| 人材確保支援 | 1/2 | 30万円 | 市内勤務の正社員を求人する |
| BCP策定等 | 1/2 | 10万円 | BCPを策定・改定する |
| インターンシップ | 学生1名1日8,000円 | 10万円 | 市内の事業所で学生を2日以上受け入れる |
| 省エネ診断 | 10/10以内 | 2万円・4万円 | 製造業でSDGs推進パートナー |
| 紙マテリアルイノベーション推進 | 2/3以内 | 100万円 | 製造業で研究機関と連携する |
| 紙マテリアル研究調査 | 10/10以内 | 10万円 | パルプ・紙・紙加工品製造業 |
省エネ診断の上限は、IT診断が4万円、ウォークスルー診断と省エネ最適化診断が2万円です。
- 労働環境改善で休憩室とトイレを300万円かけて改修する:300万円 × 1/10 = 30万円
- 労働環境改善で上限に届く例:1,000万円 × 1/10 = 100万円
- 展示会の小間料・運送・交通費が合計60万円:60万円 × 1/2 = 30万円
- 展示会の経費が合計120万円:120万円 × 1/2 = 60万円 → 上限の50万円
- 弁理士への委託料と出願料・登録料が合計30万円:30万円 × 1/2 = 15万円
- インターン生3名を5日ずつ受け入れる:3名 × 5日 × 8,000円 = 12万円 → 上限の10万円
- インターン生1名を2日受け入れる:1名 × 2日 × 8,000円 = 1万6,000円
労働環境改善は、対象経費の合計が100万円に届かないと申請できません。補助率が1/10と低いので、まとまった改修を計画している事業者向けです。
何に使える?
メニューを問わず対象外になるのは次のものです。
- 消費税及び地方消費税
- 補助対象者と同じ代表者の別法人への発注
- 従業員個人への発注
- 国や県などから同じ経費で受ける補助金の額
メニューごとに、とくに外れやすい経費があります。
- 労働環境改善:既設エアコンの買い替え、中古品の購入、リース
- 創業及び事業承継:ローンで払う経費、敷金・礼金、3親等以内の親族が所有する物件の家賃
- 販路開拓:物産展など販売を伴う催事、愛媛県内の展示会、ほかの事業者との共同出展
- ホームページ開設:通信費などのランニングコスト、パソコンやカメラの購入
- 紙マテリアル研究調査:入会費、懇親会費、娯楽性の高い体験会、定期的に参加している催し
- インターンシップ:オンライン形式、採用選考と直接関係する実習、雇用関係のある学生
対象になる経費はメニューごとに次のとおりです。
- 創業及び事業承継:官公庁への申請書類の作成費、事業所の家賃(事業開始月を含む連続2か月分まで)、不動産購入費、改装費・機械装置の設置費、機械器具費、広報宣伝費
- 労働環境改善:従業員専用のトイレ・洗面所・更衣室・シャワー室・休憩所などの整備と、従業員向けエアコンの新規購入・設置
- 販路開拓:小間料、ブースの設営と装飾、運送料、交通費と宿泊費(それぞれ最大2名分)
- 知的財産権取得:出願料、審査請求料、登録料、外国出願の手数料と翻訳料、弁理士・弁護士への委託料
- ホームページ開設:作成の委託料、サーバー・ドメインの費用、作成用ソフトの購入費
- 人材確保支援:就職情報サイトへの求人掲載料、合同企業説明会の出展費
- BCP策定等:講師謝金、研修費、委託料、会場使用料
- 紙マテリアルイノベーション推進:研究機関(愛媛大学の紙産業イノベーションセンターか、愛媛県の紙産業技術センター)との共同研究・委託、原材料の購入、機械装置の購入または借用
- 紙マテリアル研究調査:紙マテリアルに関するセミナー・研修会・体験会などの参加費
申請の流れ
メニューによって、お金を使ってよい時期が3つに分かれます。
創業及び事業承継・労働環境改善・販路開拓
- 事前協議または事前確認届出を出す(事業者→紙国再興課。着手の前に)
- 事業を実施する(事業者。労働環境改善と販路開拓は、協議した日以降に着工・出展申込みをした分が対象)
- 交付申請を出す(事業者→市。労働環境改善と販路開拓は事業完了後30日以内か2027年3月31日の早い日まで)
- 交付決定通知を受け取る(市→事業者。郵送)
- 請求書を出す(事業者→市。様式第4号。約2〜3週間後に振り込まれる)
創業及び事業承継は、事業に着手した日から創業日の前日までにかかった経費が対象です。着手した日は創業日の180日前以降で、支払いは創業日から90日以内に終えます。補助を受けた翌年から3年間は、毎年5月に事業の実施状況を報告します。
BCP・ホームページ開設・人材確保・省エネ診断・紙マテリアル2事業
- 交付申請を出す(事業者→紙国再興課。BCP・ホームページ・人材確保は2026年4月1日から、省エネ診断と紙マテリアル2事業は5月11日から。紙マテリアル2事業と省エネ診断は先に事前相談)
- 交付決定通知を受け取る(市→事業者)
- 事業を実施する(事業者。交付決定より前の支出は対象外)
- 実績報告を出す(事業者→市。事業完了後30日以内。BCP・ホームページ・人材確保は2027年3月31日、ほかは3月12日までの早い日)
- 請求書を出して振り込みを待つ(事業者→市。確定通知のあと)
知的財産権取得・インターンシップ
- 費用を払い終える/受け入れを終える(事業者。知的財産権は出願から取得までの経費、インターンは学生の受け入れ)
- 支給・交付の申請を出す(事業者→紙国再興課。知的財産権は出願日の翌日から2年以内)
- 決定通知を受け取り、請求する(市→事業者→市。約2〜3週間後に振り込まれる)
必要な書類
準備できた 0 / 9
納税証明書は1通300円で、法人の従業員が窓口に行くときは、法人印か代表者印を持参しない限り委任状が要ります。履歴事項全部証明書は法人だけで、個人事業主は住民票(またはマイナンバーカード表面の写し)と確定申告書の写しを出します。特定創業支援等事業の証明書は創業のメニューだけで、創業計画書を作って支援機関の確認を受けたあとに市が発行します。必要な書類はメニューごとに少しずつ違うので、各ページの提出書類の一覧で確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 順番を取り違えた:労働環境改善と販路開拓は、市への事前確認より前に着工・申込みをした分が対象外です。BCP・ホームページ開設・人材確保は、交付決定日より前の支出が外れます。
- 予算がなくなった:申請額が予算額に達した時点で受付が締め切られます。受付期間の終わりより前に閉まることがあります。
- 同じ代表者の別法人や従業員に発注した:補助対象者と同じ代表者の別法人、従業員個人への発注は、対象になりません。
- 回数の上限を超えた:多くのメニューは1年度に1事業者1回です。紙マテリアル2事業は合計3年間まで、労働環境改善は交付を受けた年度の終了後1年間は申請できません。
- 条件の登録が済んでいない:労働環境改善と省エネ診断は、申請日までにSDGs推進パートナーへ登録している必要があります。
よく誤解されるポイント
11メニューは別々の制度なので、1回の申請でまとめて使うことはできません。メニューごとに事前協議や交付申請を出し、経費も区分して管理します。
創業及び事業承継は、創業してから知っても間に合いません。事前協議の時点で創業も承継も済ませていないことが条件で、事前協議は創業日までに行います。
労働環境改善は、エアコンだけ入れ替えても使えません。既設のエアコンの買い替えは対象外で、トイレや休憩室などの整備・改修を含めて、対象経費の合計が100万円以上になる計画が前提です。
知的財産権取得とインターンシップは、ほかのメニューと逆です。ほかは申請してから事業を始めるのに対し、この2つは費用を払い終えたあとの申請になります。
一覧にある「企業立地基盤整備事業」は、この記事の11メニューに入っていません。市のページは令和7年度分で、提出期限は令和8年2月27日と書かれています。
個別のメニューを詳しく見たい場合は、次の記事を読んでください。
よくある質問
11メニューをまとめて申請できますか?
まとめて申請することはできません。メニューごとに別々の申請が必要です。多くのメニューには「1年度につき1事業者1回」の定めがありますが、別のメニューであれば併せて使えます。経費は区分して管理し、同じ経費を2つのメニューに載せないようにします。窓口はどのメニューも市役所の紙国再興課(0896-28-6186)です。
個人事業主も使えますか?
使えます。ただし市内に住所があり、市内で事業を営んでいることが条件です。法人は市内に本店があることが条件になります。個人事業主が出す書類は、住民票(またはマイナンバーカード表面の写し)と、税務署に出した直近の確定申告書の写しです。創業及び事業承継では、個人事業の開業・廃業等届出書の写しも出します。ほかのメニューは各ページの書類一覧で確かめてください。
製造業でないと使えないメニューはどれですか?
省エネ診断と紙マテリアルイノベーション推進は、主たる業種が日本標準産業分類の大分類Eの製造業に当たる事業者が対象です。紙マテリアル研究調査は、中分類14のパルプ・紙・紙加工品製造業に限られます。そのほかのメニューは業種の指定がありません。自社の業種がどちらに当たるかは、市のページに載る日本標準産業分類の表で確かめられます。
創業してから創業及び事業承継のメニューを知りました。使えますか?
使えません。対象は、事前協議の時点で創業も事業承継も行っていない人です。事前協議は創業日までに済ませる必要があり、創業日を過ぎてしまうと出せません。創業するなら、創業計画を作って支援機関の確認を受け、市から特定創業支援等事業の証明書を出してもらうところから始めます。早めに紙国再興課へ相談してください。
労働環境改善で、エアコンの買い替えだけでも申請できますか?
できません。既設エアコンの買い替えは対象外で、新たに購入・設置する場合に限られます。しかも対象経費の合計が100万円以上の事業が条件です。従業員専用のトイレや更衣室、休憩所の整備と合わせて、100万円以上になる計画かを見積書で確かめてから事前確認届出を出します。補助率は1/10です。
SDGs推進パートナーの登録はどこでしますか?
労働環境改善と省エネ診断は、四国中央市SDGs推進パートナー(パートナー、ゴールドパートナー、ファイナンシャルパートナー)に登録されていることが条件です。登録の担当は経営企画部の経営戦略課(0896-28-6005)で、申請する前に済ませておきます。労働環境改善では登録通知書の写しも提出書類に入っています。登録の手続きは市のSDGsのページで案内されています。
支払いが済んだ経費は対象になりますか?
メニューで答えが逆になります。労働環境改善、販路開拓、BCP、ホームページ開設、人材確保、省エネ診断、紙マテリアル2事業は、申請(または事前協議)の時点で支払いが済んでいる経費が対象外です。知的財産権取得は、申請時に費用の支払いが完了していることが条件です。インターンシップは、受け入れたあとの支給申請になります。
展示会は愛媛県内でも対象ですか?
販路開拓支援の対象は、日本国内で開かれ、かつ愛媛県外で開かれる展示会です。県内の展示会は対象外になります。物産展のように販売を伴うものや、自社が主催・共催するものも外れます。ほかの事業者と共同で出展する場合も対象になりません。出展の申込みは市との事前協議のあとに行い、1年度に出られるのは1展示会までです。
インターンシップ奨励金はいくらもらえますか?
受け入れた学生1名につき1日8,000円で、1事業者の上限は10万円です。学生1名につき2日以上の実施が条件で、オンライン形式は対象外です。たとえば3名を5日ずつ受け入れると12万円になりますが、上限の10万円までです。対象の学生は、大学生・大学院生・短大生・高専生・専門学校生です。2026年4月1日以降に始めたものが対象です。
受付はいつまでですか?予算がなくなったらどうなりますか?
BCPや創業及び事業承継などの多くは2026年4月1日から2027年3月31日まで、省エネ診断と紙マテリアル2事業は2026年5月11日から2027年1月29日までです。ただし申請額が予算額に達すると、期限より前でも受付が終わります。予算の残りは公式ページに書かれていないため、早めに紙国再興課へ問い合わせてください。
「企業立地基盤整備事業」は使えますか?
この記事の11メニューには入っていません。市のページは令和7年度分で、実績報告の提出期限は事業完了後30日以内または令和8年2月27日の早い日とされています。補助率は2分の1以内です。新しい年度の募集があるかは、ページに書かれていないため、紙国再興課(0896-28-6186)に確かめるのが確実です。
問い合わせ先はどこですか?
四国中央市役所 産業創生部 紙国再興課(電話 0896-28-6186)です。窓口は市役所の三島宮川4丁目6番55号にあります。メニューが合うかどうかの事前相談も、ここが窓口です。SDGs推進パートナーの登録だけは経営企画部の経営戦略課(0896-28-6005)が担当です。申請書類は郵送か窓口に持参します。
