なぜ四国中央市は、中小企業支援を1本の補助金にまとめず、11種類に分けているのでしょうか。答えは、創業と労働環境改善と紙業界の研究支援では、対象経費も審査の考え方もまったく別物だからです。

「日本一の紙のまちの中小企業を応援します」と題した四国中央市の支援制度は、創業・事業承継・労働環境改善・知的財産・販路開拓など11メニューで構成されています。中心的な創業及び事業承継事業費補助金は、補助率1/2・上限50万円です。

11のメニューの全体像

申請期間は大きく2つのグループに分かれます。

申請期間メニュー
令和8年4月1日〜令和9年3月31日事業継続計画(BCP)策定等事業、創業及び事業承継事業、労働環境改善事業、知的財産権取得事業、販路開拓支援事業、マッチングサイト登録ホームページ開設事業、人材確保支援事業、インターンシップ事業
令和8年5月11日〜令和9年1月29日省エネルギー診断事業、紙マテリアルイノベーション推進事業、紙マテリアル研究調査支援事業
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なぜ2つのグループに分かれているのか。 前者は年度当初から通年で使える基礎的な支援、後者は診断・研究調査という性質上、準備に時間がかかる分、開始が5月にずれていると考えられます。

創業・事業承継事業費補助金の中身

このガイドが接続する創業・立地系の中心メニューが、創業及び事業承継事業費補助金です。

  • 対象者:事前協議の時点で創業または事業承継を行っていない、市内に住所・本店を置く中小企業者(個人事業主含む)
  • 補助率:対象経費の1/2
  • 補助上限額50万円
  • 対象経費:事業拠点の家賃(2か月分まで)、設備費、広報宣伝費、官公庁への申請書類作成費用
  • 除外経費:汎用性が高く使用目的が特定できない経費、消費税

事業着手から180日以内に創業・承継を行い、90日以内に支払いを完了する必要がある点が、この補助金の最大の関所です。創業の場合は、市発行の「特定創業支援事業に係る証明書」の取得が必須条件になっています。

労働環境改善事業費補助金:上限100万円だが最低投資も100万円

福利厚生施設の整備に使える補助金です。

  • 対象者:常用雇用者1人以上、SDGs推進パートナーに登録済みの中小企業者
  • 補助率:対象経費の1/10
  • 補助上限額:100万円
  • 対象経費:トイレ・洗面所・更衣室・シャワー室・休憩所の整備・改修、労働環境改善目的のエアコン購入

補助率1/10という数字だけを見ると小さく感じますが、対象経費の合計が100万円に届かないと、1円も補助されません。まとまった規模の改修を計画してから申請するのが前提の設計です。

紙のまちならではの支援:紙マテリアル研究調査事業費補助金

四国中央市らしさが最も出ているのが、このメニューです。

  • 対象者:主業種がパルプ・紙・紙加工品製造業の中小企業者。同一補助金を3回以上受けていないこと
  • 補助率:10分の10以内
  • 補助上限額:10万円
  • 対象経費:国内で実施される紙マテリアル関連のセミナー・体験会・研修会・学会等への参加費のみ

なぜ補助率が10割なのか。 対象が「参加費のみ」という小さな経費区分に絞られているため、事業者の自己負担をゼロに近づけても、市の財政負担が限定的に収まる設計だと考えられます。ただし入会費・懇親会費・展示出展費・消費税は対象外です。交付決定通知を受けてからセミナーに申し込む必要がある点も、他の設備投資系補助金と同じ「順番」のルールです。

申請の流れで共通しているポイント

11メニューに共通する手続き上の注意点は、次の2つです。

  1. 予算に達した時点で受付終了になります。 締切日が来る前に、期間内でも早期に締め切られる運用があります
  2. 創業・事業承継、労働環境改善など複数のメニューにまたがる投資は、経費を区分して申請する必要がある

問い合わせ先は、創業・事業承継・労働環境改善は四国中央市産業創生部紙国再興課、紙マテリアル関連も同課(0896-28-6186)が窓口です。

なぜ、この補助金は「創業してから」ではなく「特定創業支援事業の証明書を先に取ってから」という順番を求めるのか。実は、この考え方は全国の自治体の創業補助金にほぼ共通しています。証明書取得のタイミングをどう組み込むかは、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、自治体の創業・立地系補助金に共通するつまずきどころとあわせて紹介しています。

この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
申請者事業者(法人・個人事業主)
制度名四国中央市中小企業者応援補助金(創業及び事業承継事業費補助金ほか11メニュー)
対象業種業種指定なし(紙マテリアル研究調査事業のみパルプ・紙・紙加工品製造業限定)
利用目的創業・事業承継、労働環境改善、知的財産取得、販路開拓、研究調査など
対象地域愛媛県四国中央市
従業員数メニューにより異なる(創業・事業承継は中小企業者、労働環境改善は常用雇用者1人以上)
補助上限額メニューにより異なる(創業・事業承継50万円、労働環境改善100万円、紙マテリアル研究調査10万円 等)
補助率メニューにより異なる(創業・事業承継1/2、労働環境改善1/10、紙マテリアル研究調査10/10)
申請受付令和8年4月1日〜令和9年3月31日(一部メニューは令和8年5月11日〜令和9年1月29日)
公式サイトhttps://www.city.shikokuchuo.ehime.jp/site/cyushokigyoshien/48699.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

創業・事業承継以外にも、四国中央市で使える補助金・助成金が他にないか気になる方は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。

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11メニューのどれが自社に当てはまるか、複数メニューを併用できるかなど、実務の判断に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。

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よくある質問

創業前でも申請できますか?

条件付きで可能です。申請には市発行の「特定創業支援事業に係る証明書」の取得が必須で、創業のタイミングは事業着手から180日以内という制約があります。証明書取得を先に済ませておく必要があります。

紙関連以外の業種でも紙マテリアル研究調査事業費補助金は使えますか?

使えません。主業種がパルプ・紙・紙加工品製造業であることが要件です。それ以外の業種は、創業・事業承継や販路開拓など他のメニューを検討してください。

労働環境改善事業費補助金は、少額の改修でも申請できますか?

できません。対象経費の合計が100万円以上という最低投資ラインがあります。トイレや休憩室の小規模な改修だけでは要件に届かない可能性があります。


免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず四国中央市の公式ページおよび最新の募集要項で内容をご確認ください。

出典: